英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

刑事7人 第4シリーズ  第3話「違法捜査!? 東京タワーと母の涙」

2018-07-29 08:06:56 | ドラマ・映画
“刑事見習い”の野々村拓海(白洲迅)が奮闘する回。
……「刑事になりたい!」という功名心からの単独捜査だったが、被害者の母の気持ちを思いやり、事件の真相解明・解決したいという思いが強くなっていく……

 メンバーに新人がいる場合、こういう“試練・成長の回”が設けられ、『危なっかしい捜査⇒窮地⇒結果オーライの解決≫というパターンが展開される事が多い。(個人的には好きではない)
 今話も典型的なこのパターン。しかも、ご都合主義が強かった。

①野々村を拉致してから始末(殺害)しようとするまで、時間を置き過ぎ
②「勝手に処理しろ」と“尻尾切り”宣言を受けたシーンがあるのに、今回の殺人事件で詐欺グループトップまで逮捕できるとは思えない(天樹を活躍させたかった?)
③殺される寸前だったのに、詐欺グループ逮捕を自慢げに喜ぶ野々村は能天気過ぎ
④第3シリーズであれだけのことをした山下(片岡愛之助)が登場し助力する。その際、天樹に対し「仲間ですから」と。山下の強がりだと思うが、「仲間ですから」は天樹が言う台詞だろう。
④自殺と判断して検死もしなかった捜査、ザル過ぎ!



『music.jpニュース』の“メディアニュース”
東山紀之(天樹悠 役)さんが、
「実は友人たちには『愛之助君(山下)は死んじゃったんだよ〜』と言っていたので、台本を読んだときは『生きてんだ!』とビックリしました(笑)」
とコメント。

 “山下再登場”の可能性を残した第3シリーズのあのシーンだったが、東山さんの率直な感想は笑える。
 今シリーズ、高嶋政宏さんが出てこないのは非常に不自然なのだが、再登場はないのかなあ。


第1話第2話

【ストーリー】番組サイトより
 刑事資料係の天樹悠(東山紀之)がパソコンにデータ入力をしていると、新人の後輩・野々村拓海(白洲迅)がコーヒーを差し入れた。朝から騒々しく「いつか一課の刑事になりたい!」と夢を語る野々村に「向いてないと思うよ」と一言。焦る野々村に「地道に結果を出して行くしかない」と告げる。
 そんな中、森下康子(手塚理美)と名乗る女性が刑事資料係を訪れる。康子の息子・正隆(若林時英)が半年前に川辺で亡くなり自殺と判断されたが、その正隆が亡くなる一週間前に中古マンションの見積もりを出していたことが発覚。家を買おうと思っていた矢先に自殺するとは考えられないと訴える。天樹だったら話を聞いてくれるかもしれないと聞いて資料係に来たと語る康子に、野々村は自分が捜査をすると立候補。それとなく天樹や青山(塚本高史)、環(倉科カナ)に再捜査方法を聞きながら独自に捜査を始める。
 一方、2課の刑事に未決の詐欺事件の資料を集めてくれと頼まれた天樹。『振り込め詐欺』『架空請求詐欺』『融資詐欺』などの未決事案を集約していく中、天樹は『仮想通貨詐欺』のある箇所に引っ掛かり、取調べを見学したいと申し出る。天樹いわく、2課が現在取調べている振り込め詐欺と未決の仮想通貨詐欺事案には裕福な年配者ばかりを狙っているという共通点があり、おそらく一連の詐欺グループを束ねている巨大な組織が存在するはずだという。
 その頃、正隆が何かのトラブルに巻き込まれていたと知った野々村は法医学教授・堂本(北大路欣也)の元へ。そこで正隆の体には過去に虐待をされたような古い傷があると告げられる。いじめの線を考えた野々村は、同級生の浅倉真司(桜田通)らに話を聞きに行くが、その後何者かに襲われ、行方不明になってしまい…?


果たして天樹たちは仲間の危機を救うことができるのか?
さらに事件解決の糸口を求めた天樹が、東京拘置所にいるあの人物の元へ——!

   
脚本:徳永友一
監督:星野和成
コメント (4)
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絶対零度 Season3 〜未然犯罪潜入捜査〜  第3話「昏睡状態の危険人物」

2018-07-26 17:57:24 | ドラマ・映画
 被害者候補………一見好青年だが、女たらしの暴行魔
 犯行危険因子……上記のクズ男の被害に遭い、自殺し昏睡状態に陥っている女性患者に勝手に思いを寄せ、復讐を企てる迷惑な変人


 実際には稀有かもしれないが、ドラマ的にはありがちなパターンだった。

 他の人を巻き込まないなら、上記の変人がクズ男を殺害しても良かったのでは?
 でも、殺人を犯した変人が自己満足してしまうのも面白くない。


 結局、クズ男殺害は防止したが、クズ男の暴行は立件できず、仕置き人が始末することになる。
 悪事を捌けず、公にすることもせず、表向きに“良い人”のまま、死亡してしまうのは、モヤモヤ感が大きい。
 せめて、社会的に葬ることはできないものなのか?



 それにしても「ミハン」システムって、たいそうな触れ込みの割には“役立たず”だなあ(不正確だし)。
 個人的殺人を防ぐのは大事だが、もっと、組織的な犯罪や、甚大な被害が予測される重大事件を、メンバーが能力を最大限に駆使して阻止するのかと期待していたが………
 面倒な技術や細工は万能便利屋の田村薫(平田満)がこなしてしまうし……


第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話最終話



【ストーリー】番組サイトより
 井沢範人(沢村一樹)らは、「ミハン」システムが割り出した新たな危険人物・若槻真帆(柴田杏花)の捜査を始める。
 真帆は、エリート大学として知られる私立栄明大学の学生だったが、1年前、大学近くの雑居ビルから飛び降り自殺を図り、現在も意識不明のまま入院中だった。その間、真帆の通信記録や銀行口座の出入金記録など個人データに動きはなかった。だが、先週になって真帆のスマートフォンから彼女が所属していたテニスサークルのSNSグループに「復讐してやる」というメッセージが送られたという。しかも、同じスマートフォンから大量の医療用ニトログリセリンが購入されていた。
 井沢は、昏睡状態の真帆にはメッセージを送ることもニトロを買うこともできないことから、真犯人は真帆に成りすまして自殺の復讐をしようとしている可能性に言及し、小田切唯(本田翼)と田村薫(平田満)を入院先の病院へ潜入させる。そこで小田切は、真帆の父親で、プラスチック製品専門の町工場を経営する周作(遠山俊也)に接触する。
 一方、山内徹(横山裕)は、大手企業の御曹司で、テニスサークルの代表を務める湯川司(佐野岳)が学生起業したカフェバーを訪れる。その店は、サークルメンバーのたまり場で、自殺未遂騒動の後、周作も訪れていた。
 真帆がなぜ1年前に自殺未遂したのか。そこに今回の危険人物を見つける鍵がある――小田切は過去のトラウマから、この事件にのめりこんで行く。山内やミハンメンバーはそれを心配するのだが……。
  
脚本:小山正太
演出:城宝秀則
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気象予報士の奇妙な論理

2018-07-23 18:42:39 | 気象
 酷暑が続いています。
 豪雨の被災者の方々にとっては更なる苦難となっているだけでなく、熱中症に罹る方も多数、熱中症に至らなくとも、体調維持が難しい状況です。

 そういった状況下で、屁理屈を展開するのはどうかと思ったのですが、予報士の解説において、気になる箇所があり、連日繰り返されモヤモヤが溜まってしまいました。
 その気になる箇所とは……

「今日の予想最高気温は▲▲℃。これは平年と比べて5~7℃高い気温です。ということは暑さに慣れておらず、熱中症になりやすいと言えるので、体調管理には充分気を配ってください」
という旨の解説。特定の予報士ではなく、複数(少なくとも5名)の予報士から耳にしました。


 この論理は基本的には正しい。
 例えば6月や7月初旬に30℃前後の気温になった場合、真夏と違って暑さになれていないので、“猛暑”というほどの暑さでなくても、注意が必要になる。
 しかし、7月中旬に予想最高気温が32℃の場合でも、同様な理屈が展開される。

 確かに数値的には、平年の7月中旬の最高気温はそれほど高くないので、32℃だと平年値に比べて5~7℃高いことになる。しかし、この7月中旬は太陽高度や昼の長さは土用の時期より高くて長い。つまり、猛暑になる要素は(土用の時節より)満たしており、日照さえあれば猛暑になる。
 7月中旬(6月下旬~7月上旬も)の平年値がそれほど高くないのは、梅雨時期で天気が良くないからである。空梅雨や梅雨の中休みの時には、35℃以上の猛暑になることは良くあるが、通常の梅雨状態の時の数値データが反映され平年値が低くなるのである
 そういった状況を考慮せず、「単に平年値と比べて高くて、身体が暑さになれていない」という論理を展開するのはおかしいのである。

 そもそも、同時期の平年値と比較して、身体が慣れていないというのはナンセンスだ。
 長年の季節の移ろいをパターン化して身体にしみこむことはあるかもしれないが、≪1年前の7月中旬が梅雨典型の気圧配置で最高気温が20℃くらいの日が続いていたとしても、その体感経験を身体が覚えていて、暑さになれてなくて体調を崩す≫ほど、人間の身体(体感経験)が精密なのだろうか?

 
 ここ2、3日も、「平年と比べて……」と解説していたが、2週間ほど猛暑が続いており、もう充分に暑さになれているはず。というより、この暑さでかなり消耗している。その消耗に対して注意すべきである。
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刑事7人 第4シリーズ  第2話「7年前から殺害予告!! 3億円事件真犯人の裏の顔…!!」

2018-07-20 22:00:28 | ドラマ・映画
 猫のマスクを被って目立ったうえ、コンビに立て籠もるのなど、不可解な点が多かった7年前の現金輸送車襲撃事件。
 犯行計画より早く非常線が張られてしまったので、警察の気を逸らし、現金を積んだ共犯者の車を逃がすという松原の機転だった。


 と、後編にまで引っ張って(しかも拡大枠)、≪なるほど!≫と思わせようとしたのだが……
 ……やはり、変。
 さっさと、現金輸送車から逃走車に引き継げば、非常線を張られる前に逃亡できたはず。
 それに、松原は輸送車を襲い、共犯者は車で待っているだけ。危険度、労力の率に差があり過ぎ。
 しかも、共犯者を逃がす為、わざと捕まるなんて……

 その上、出所直後、保護司に暴行、重傷を負わせて逃亡って、そんなことしたら、また警察に追われることになってしまう。普通、密かに、共犯者の所に行くでしょう。
 7年前の警察もおかしい。「現金を捨てた」という供述を信じて、3億円もの大金を探さなかったのだろうか?現金が見つからないなら、共犯者の存在を疑い、捜査しなかったのだろうか?

 ≪なぜ、猫のマスクを被ったのか?≫
 ≪怪しい“ジャーナリスト”の影≫
これらを、初めから疑えば、2週間もかからなかったはずだ。



 事件の展開に大きな齟齬が生じていたが、7年前の事件で巻き込まれた被害者の父(田村亮)が、松原に復讐し、取り調べの時に
息子が死んだ(自殺した)のは、あいつのせいだ。
 あいつが息子を殺したんだ。
そんな奴がどうして、たった7年の服役で済むんですかっ?」

これに対して水田環(倉科カナ)が、その言葉を否定する
「刑法上、松原は殺人を犯していません。あなたの論理は、“逆恨み”です」

「おかしいっ!そんなのおかしいだろぉ!」

 確かに、復讐してはいけない。
 しかし、松原を恨むことは、決して、“逆恨み”ではない

 環の言葉は、おかしい!

 強盗の共犯者で今回の殺人の真犯人の自警団の団長・鳥塚(近藤芳正)。
 襲撃事件に巻き込まれ負傷し、選手生命を絶たれて、自殺した若者の父の悲しみを目の当たりにしていたのに、全く罪の意識はなさそう。
 鳥塚を追及する際、自分の推理を披露するのに夢中で、野崎勇一郎(田村亮)の悲しみを全く忘れているのは、どうなのだろうか?


 前回、書き忘れたが、当て馬の被疑者・高野みさき(関めぐみ)の怒鳴り声「ちがうだろぉ!」はあの女性議員を意識してたのかなあ?
 彼女の浮気に怒って、援助打ち切り、これまでの資金も回収って、パトロンもいい年して、ケツの穴が小さいというか……


第1話第2話第3話第4話第5話

【ストーリー】番組サイトより
 7年前、現金輸送車が襲撃され。3億円が強奪される事件が発生。事件は解決されるが消えた3億円の行方は謎のまま。秘密を知る元服役囚・松原祐二(永岡佑)は出所後に突如姿を消すが、なんと何者かに殺害された状態で発見される─!
 更にその後、『松原は 殺人者 殺されて当然』という、差出人不明の怪文書が複数の出版社に送られる。松原は“殺人”を犯してはいないはず…まさか、まだ何か立件されていない別の事件で殺人を犯している可能性があるのでは?片桐(吉田鋼太郎)の宣言によって資料係、兼、12係の刑事としても動くことになった天樹悠(東山紀之)は、野々村拓海(白洲迅)と共に未決の殺人事案を洗い直す作業に没頭する。

 一方、青山新(塚本高史)と水田環(倉科カナ)は、服役中の松原に何度も接見していた高野みさき(関めぐみ)の事情聴取を実施。みさきが運営するアパレル会社が2年前に急成長していることから、松原が7年前に強奪して隠した三億円の場所を聞き出し、それを利用した上で邪魔になった松原を殺したのではないかと考えたのだ。
 そんな彼らの捜査状況を聞いて「じゃ、そっちはよろしく」と返した天樹が向かった先は、野崎勇一郎(田村亮)の家。野崎の息子・真一郎(柿本光太郎)は7年前に松原が撃った流れ弾を受けたことが原因で、五輪を目指していた走り高跳びの選手生命を絶たれていた。天樹を家の中に迎え入れた勇一郎は、息子は海外で選手兼コーチとして頑張っていると報告するのだが…。

 果たして“消えた3億円”の行方は?
 そして、天樹たちが辿り着いた、7年前の事件に隠された“もう1つの真相”とは──?

   
脚本:寺田敏雄
監督:及川拓郎
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絶対零度 Season3 〜未然犯罪潜入捜査〜  第2話「悲しき復讐殺人を阻め」

2018-07-20 17:38:07 | ドラマ・映画
女子高生連続殺人事件の被害者のひとり元宮七海(多田成美)の死の真相の解明
………元最高裁判所長官・小松原(中丸新将)の猟銃誤射による過失致死
   しかも、救護処置を取らず見殺し、権力で隠ぺい工作
犯行危険者の藤井早紀(黒谷友香)への共感・同情
………早紀の周辺を調べるうちに、早紀と七海の関係を知り、彼女の心情を思いやるメンバー
   彼女に犯罪を犯させないことが最善と考え、未然に防ごうとする。
   直前で早紀の犯行を阻止、説得

上記の2点、見ごたえがあり、面白かった。

しかし、
 遺言書の作成、興信所を使い連続殺人者の居所を突き止め、真犯人でないことを確認するなど、用意周到な早紀。
 復讐心は理解できるが、小松原を単に殺害される被害者で終わらせて良いのだろうか?小松原の犯行を証明する方が効果的だ。一応、物証(音声)が残っているんだし…
 その意味で、小松原を転落死しさせ決着したのは、スッキリしない。
(犯人は誰?)


 早紀が毒殺という手段を選んだのは、ミハンシステムに反映させるため?
 凶器(手段)に包丁を選択したなら、ミハンシステムは絶対に反応しないだろう。
 復讐に毒殺というのは、あまり復讐心を満たせない気がする。達成感が少ないし、仇本人が訳も分からないまま死んでも……
 
第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話最終話



【ストーリー】番組サイトより
 ミハンチームの井沢範人(沢村一樹)と山内徹(横山裕)は、失踪していた特殊班捜査員・桜木泉(上戸彩)がベトナムで殺害され、遺体となって発見されたことを知る。ミハン責任者の東堂定春(伊藤淳史)は、元バディの死に山内が受けたであろうショックを憂慮して休暇を取らせようとする。だが山内は、休もうとはしなかった。

 ミハンが割り出した新たな危険人物は、独身で身よりもいない料理人の藤井早紀(黒谷友香)だった。早紀は、有名創作料理店の総料理長であると同時に、13年前から子どもたちに無料で食事を提供するこども食堂の運営にも取り組んでいた。ミハンが早紀を危険人物だと判断したのは、植物から抽出した毒物を海外から仕入れていたからだ。しかも彼女は、すでに遺言状を作成しており、死を覚悟している可能性も考えられた。
 小田切唯(本田翼)は、料理人志望者として早紀に接近。井沢も、早紀が運営するこども食堂のスタッフとして潜入する。ほどなく井沢たちは、早紀が世間を震撼させた少年犯罪――関東女子高生連続殺人事件について調べていたことを知り……。
   
脚本:浜田秀哉
演出:佐藤祐市
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2018棋聖戦第5局 ~豊島八段、初タイトル!~

2018-07-18 00:29:08 | 将棋
【“産経ニュース”より引用】
 羽生善治(はぶ・よしはる)棋聖(47)=竜王=に豊島将之(とよしま・まさゆき)八段(28)が挑戦した産経新聞社主催の将棋のタイトル戦「第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」の第5局が17日午前9時から、東京都千代田区の都市センターホテルで指され、午後6時25分、108手で後手の豊島八段が勝ち、対戦成績3勝2敗で初タイトルの棋聖位を獲得した。持ち時間各4時間で、残りは羽生棋聖23分、豊島八段15分。

 豊島新棋聖は5度目の挑戦で初めてタイトルを獲得。注目の今シリーズは、豊島新棋聖が第3局を終えて2勝1敗に。第4局は惜しくも敗れたが、最終第5局の熱戦を制し念願の初戴冠を成し遂げた。
 羽生前棋聖の11連覇、前人未到のタイトル獲得通算100期はならなかった。羽生前棋聖が竜王のみに後退したことで、将棋界は八大タイトルを8人が分け合う。1人1タイトルずつは31年ぶり。

豊島新棋聖の話
 「終わったばかりで実感はありませんが、タイトルはずっと目標にしていたので良かったです」



 今回の棋聖戦、羽生竜王は≪積極的に指す≫ことを心がけていたようだ。
 しかし、それは、≪どこか急かされて前のめりになっていた≫ように感じた。

 ここ数年、羽生竜王は苦戦を強いられているが、その要因の一つが対局相手の綿密な研究。この綿密な研究は、将棋ソフトの研究への活用に因るところが大きい。将棋ソフトが100%正しいという訳ではなく、棋士の研究もすべて将棋ソフトに頼っているわけではないが、研究手順の検証や新手の発見、局面の形勢の確認に活用されている。
 これによって、研究が効率的に行われ、より詳細に系統立った研究が可能になってきている。これが棋士個人の棋力・実力と言えるかどうか、疑問の余地があるが、こういった研究に因って、羽生竜王が苦戦に陥ってしまうことが多々あるように思われる。

 もちろん、上記は私の想像の域を超えていないが、羽生竜王が、≪まだ駒組み段階≫と考えている局面で仕掛けられ守勢を強いられ、相手に主導権を握られてしまうことが多い気がする。


 例えば、今期王位戦の挑戦者決定リーグの対木村九段戦

 図は羽生竜王が△2三銀と2二の銀を上がり壁銀を解消し銀冠に陣形を整えたところで、意識としては序盤だったと考えられる。
 しかし、ここで木村九段は▲4五桂と跳ね、△4四角▲2二歩△同角▲6五桂(参考図2)

 “いきなり跳び蹴り”のような仕掛けで、少し前なら“無理攻め”ぽいので深く考えないところだが、ソフトによる可否の確認が容易なので、掘り下げて≪充分成立していそう≫という見込みが立っていたのかもしれない。
 以下△4四歩▲5三桂右成△同銀▲同桂成△同玉▲8四歩(参考図3)まで進むと、充分仕掛けが成立、先手が主導権を握っていると言って良いようだ。

 ▲6五桂(参考図2)と歩頭に跳ねた桂を取れないのは悔しいし、そもそも、△2三銀と上がった手が先手の角の利きを1一まで利かせてしまい逆用された感もある。
 その後、局面を複雑にさせた羽生竜王が、一旦、逆転したが、将棋の方向を誤り、再逆転負け。
 このように、先に仕掛けられ守勢を強いられてしまう将棋がよく見られる。
 そういう経験を踏まえたのかどうかは不明だが、最近の羽生将棋は“積極果敢さ”が感じられる。

 しかし、第1局の前のめり過ぎ名人戦第6局の“7四歩取らせ戦法”、名人戦第6局を改良した棋聖戦第4局の“袖飛車戦法”など、積極果敢さがうまくいっているとは思えない

 棋聖戦最終局の本局は角換わり腰掛け銀から▲4七角(第1図)の新手を放った。

 ▲4七角は次に▲7五歩と突き、△6三銀なら▲7四歩△同銀▲4五銀が狙い。
 ▲4七角に対し、豊島八段は△4一飛と引き、▲7五歩△6三金▲7四歩△同金▲4五桂△4四銀(第2図)と迎え撃つ。


 図より羽生竜王は▲2四歩△同歩▲5五銀と過激な順を選ぶ。しかし、本来の羽生将棋は第2図では善悪はともかく、▲4六歩と一旦、溜めを作るのではないだろうか?最近の羽生竜王は余裕がなく、泰然としたところが感じられない。
 実戦の順は▲5五銀に△6五歩▲4四銀△同飛▲4六歩(第3図)と進む。(▲4四銀では▲5四銀の方が良かったらしい)


 期待した4七の角の利きによる桂頭攻めも△6五歩と遮られると効果は薄く、結局▲4六歩と手を戻すこととなってしまった。
 局後の感想戦で羽生棋聖も「(第2図での▲2四歩に)代えて▲4六歩とゆっくりする順もあったか」と述べている。


 手は進み形勢はよく分からないが、後手から有効な手が多そう。先手は▲3五歩~▲3四歩と手掛かりを作ったが、▲6五歩と6筋から動いた方が▲4七角の意図を継承できたように思う。

 ▲3三銀で後手玉に迫っているように見えるが、実はそれほど脅威となっておらず、2一の桂を持駒の銀に昇格させた罪の方が大きい。


 △8八銀(第5図)以降は、難しいところはあったようだが、後手の持ち駒は豊富なので、後手の攻めを振りほどくのは至難の業で、寄せられるまでの手数を稼いで、後手玉に迫るのも難しかったようだ。

 第6図では▲7八金や▲8七金の方が難しかったかもしれないが、やはり、先手を持って勝つ気はしない。
 投了図の3三のと金が悲しい…


 読みの精度や研究云々より、将棋そのものを立て直した方がいいような気がする。将棋の泰然さを取り戻してほしい。
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刑事7人 第4シリーズ  第1話「再集結!! 3億円強奪事件の衝撃真相!! リベンジ開始」

2018-07-15 22:14:52 | ドラマ・映画
 ≪懲りもせずに、またやるのか?≫というドラマであるが、第4シリーズに突入してしまった。(個人的に嫌いではないが、第3シリーズの決着の仕方は不合理な点も多く、酷かった)
 やっぱり無理やり7人………法医学者・堂本(北大路欣也)を入れて『刑事7人』というタイトルは大らかと言うか、苦しいと言うか………
 沙村刑事(髙嶋政宏)がいないのは寂しい。



7年前の「現金輸送車襲撃3億円強奪+コンビニ立て籠もり」事件の地道な再検証は面白かった。
・本当に単独犯なのか
・犯人の周辺の人物の再聴取

 とにかく、不可解な点が多い。猫のマスクをかぶるのも却って不審がられるし、コンビニに立てこもったのも不思議(逃亡が容易でなくなるだけ)、今回も強引に逃亡しなくてもいいと思うが…。
 拳銃の入手ルートなど、当時の捜査が杜撰すぎるし………

 これらの謎が明らかになるのかと思ったら次回に持ち越されてしまった。
 拡大枠だったというのに……
 片桐(吉田鋼太郎)の訳の分からない演説(説得力皆無の精神論と7人の氏名を挙げて“僕たちは仲間だよ”と宣言しただけ)なんて要らないから、さっさと解決してほしかった

 
 

ストーリーはこちら
(番組サイトのあらすじはコピーできませんでした)
   
脚本:寺田敏雄
監督:及川拓郎
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絶対零度 Season3 〜未然犯罪潜入捜査〜  第1話「未来の凶悪犯罪を止めろ」

2018-07-15 21:30:31 | ドラマ・映画
 豪雨災害、W杯サッカー、ウィンブルドンテニス、羽生竜王不振などに気を取られて、ドラマ視聴は後回しになっていました(切り替え時期であったせいもある)。
 『絶対零度』と『刑事7人』は録画して放置、『遺留捜査』に至っては放映されていたことも知りませんでした(今日、『刑事7人』を視聴した際の、ドラマ番戦のCMで気づきました)。
 初回を見逃したので、今季は『遺留捜査』はパスする予定ですが、第1話を見て≪見る価値あり≫とか、≪放電レビューを読みたい≫と思う方は、おっしゃってください。


 『絶対零度』は今回が3シリーズ目。
 第1シリーズ(2010年4月13日 - 6月22日)は面白かったとは思うが、ヒロイン・桜木泉が上戸彩の為、桜木を不自然に活躍させ過ぎて、阻害要因になってしまっていた。また、未解決事件の再検証、再捜査という設定の為、過去の捜査を杜撰なものにせざるを得ないのもマイナス材料だった。
 第2シリーズ(2011年7月12日 - 9月20日)は、巧妙化する特殊犯罪を扱い、秘匿のうちに表面化しない事件を捜査する「特殊犯罪捜査対策室」に舞台を移していて(←ウィキペディア引用)、第1シリーズとはガラリと様相が変わってしまった。私の苦手な潜入捜査者だったので、途中で視聴を離脱している。
 第3シリーズの今期は、日本国民のあらゆる個人情報――通信記録や金融機関の出入金記録、監視カメラの映像といったビッグデータを解析し、過去15年分の犯罪記録と照らし合わせることによって、AIがこれから起こる重大犯罪、主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出す未然犯罪捜査システム、通称『ミハン』システムの実用化プロジェクト(←番組HPより)というものらしい。
 サブタイトルに「潜入捜査」とあるが、潜入が主体ではなく、凶悪犯罪を未然に防ぐというのが目的。
 これまで主演だった桜木(上戸彩)は2シーンにちらりと登場したのみで、「行方不明→遺体で発見」という扱い(遺体をを桜木と誤認している可能性あり)。

 第1シリーズ当初、≪コールドケースのパクリ≫と指摘されていて、タイトルの“絶対零度”も“コールドケース”を意識しているのではと思わせた。第2シリーズは“桜木繋がり”で容認するとして、第3シリーズは顔見せ程度?の上戸彩と、第2シーズン最終話で桜木とバディを組んだらしい山内徹(横山裕)だけでは、『絶対零度』というタイトルでいいのだろうか?と思ってしまう。


感想………
 データを基に犯罪を予測し、未然に防ぐという設定は面白いが、大掛かりな割には、事件そのものも真相もしょぼかった。
 山内が“ミハン”システムに疑問を持つという存在は良いと思う。


第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話最終話



【ストーリー】番組サイトより
 公安外事第二課のエリート刑事だった井沢範人(沢村一樹)は、ある事件がきっかけで総務部資料課分室への異動を命じられる。
 資料課分室のメンバーは、痴漢容疑者への必要以上の暴行で異動させられた小田切唯(本田翼)、入庁以来ずっと資料課にいる人づき合いが苦手な南彦太郎(柄本時生)、さまざまな部署をたらい回しにされてきた田村薫(平田満)という、警察内のトラブルメーカーばかり。だが、実はこの資料課分室には、刑事企画課特別捜査官・東堂定春(伊藤淳史)が中心となって秘密裏に進められてきたある重要プロジェクトが託されていた。それは、日本国民のあらゆる個人情報――通信記録や金融機関の出入金記録、監視カメラの映像といったビッグデータを解析し、過去15年分の犯罪記録と照らし合わせることによって、AIがこれから起こる重大犯罪、主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出す未然犯罪捜査システム、通称『ミハン』システムの実用化プロジェクトだった。

 一方、特殊捜査班のメンバーだった山内徹(横山裕)は、バディを組んでいた桜木泉(上戸彩)の失踪事件がきっかけでチームが解散になった後も独自に彼女の行方を追い続けていた。だが、やがて捜査は行き詰まり、その無力感と警察組織への不信感から上司を殴ってしまい、資料課分室への異動を命じられる。

 ミハンシステムが割り出すのは殺人を犯す危険性のある人物。しかし、いつ、どこで、誰を、なぜ殺すのかはわからない。山内は、冤罪を生み出す可能性もあるミハンシステムに対して疑念を抱いていた。「公にはできない捜査で、あなたたちの身に何かが起きても警察は助けてくれない。切り捨てられて終わりだ」。山内は、そう井沢に告げる。
 そんな中、ミハンシステムがテストケースNo.5の危険人物を割り出し……。 
   
脚本:浜田秀哉
演出:佐藤祐市
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近況報告(ほぼボヤキ)

2018-07-14 16:12:40 | 日記
 更新が滞っていますが、体調を崩しているという訳ではありません。
 原因は色々ありますが……

1.羽生竜王の不振
 やはり、これが一番の要因です。
 もともと負けた方が、悔しくてその腹いせで記事を書くというパターンが多いのですが、今回の名人位挑戦失敗は意気消沈を強いられています。第1局は応援に東京に駆けつけ、その甲斐あって勝利したのですが(自己満足)、その2か月強後、第6局を敗れ、2勝4敗で名人位復位ならず……2か月以上の期間をかけての敗退は、やはりダメージが大きい。
 その上、王位戦挑戦者決定戦で敗北、棋聖戦で苦戦(現在2勝2敗)、王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦敗退と、負けが込んでいる。棋聖位を失冠すると、竜王位の一冠のみとなり、竜王位挑戦者決定トーナメントを勝ち上がってくる挑戦者を退けることができるとは思えない。
 とにかく、棋聖戦最終局(第5局)を制して、無冠の危機を解消してほしい。

 それはともかく、名人戦プレーオフや棋聖戦などを観戦していて、≪佐藤天名人は強いなあ≫とつくづく感じた。豊島八段も稲葉八段も強いが、佐藤名人には一段階上の強さを感じる。


2.その他応援対象者のやや不振
 ウインブルドン、フェデラーが準々決勝で負けてしまった……

 今回のドロー(組み合わせ)は、前回覇者のフェデラー(ランキング2位)が第1シード、ランキング1位のナダルが第2シード。
 フェデラーの山には第3シードのチリッチ(昨年準優勝)がいたが2回戦で敗退しており、準決勝を迎えた時点では、アンダーソン、イスナー、ラオニッチという顔ぶれ。3者ともビッグサーバーなので油断はできないが、ナダルの山に比べれば難易度は低い。
 ナダルは準々決勝はデルポトロ。それに勝つと、準決勝はジョコビッチ(準々決勝で錦織に勝利)が待ち受けている。ナダル、ジョコビッチは言うまでもなく、デルポトロもその二人の匹敵する強者で、フェデラーも何度か痛い目に遭っている。
 この厄介な3者がつぶし合い消耗したあと、決勝でフェデラーが叩くといいう目論見だったが、肝心のフェデラーが準々決勝でアンダーソンに逆転負けを喫してしまった。
 第1、第2セットを連取し、第3セットも優位に進めマッチポイントを握ったというのに決めきれず、第5セットにもつれ込み、11-13で力尽きてしまった。

 フェデラーであるが、昨年は全豪、ウインブルドンで優勝。今年も全豪で優勝!
 …なので、申し分のない成績なのだが、やはりウインブルドンを制してほしかった。
 昨年のツアーファイナルや、今年のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツのハレ)で意外な敗戦を喫するなど、がっかりすることが増えてきた。とは言え、勝った試合を観ると、まだまだ健在なので、今後に期待したい。

 その他、体操の内村も、昨年の世界選手権では負傷棄権、今年の全日本選手権で敗れるなど、残念な結果がちらほら。その後のNHK杯で王者ぶりを発揮したが、種目選手権の鉄棒で落下と、残念な結果が増えてきた。
 内村の場合は、もう十分で、一線を退いても良いんじゃないかな?(体操競技観戦は心臓に悪い)

 女子バスケでは、吉田亜沙美が全日本メンバーから外れてしまったのもテンション落ちの一因。


 王者を応援するのは嬉しいことが多いが、その嬉しさを味わってきたから、負けた時のショックが大きいのである……


3.サッカーワールドカップ
 日本が負けたことは大きなショックではない。
 西日本豪雨もあって、日本が敗退して、テレビからワールドカップの話題が消滅してしまったのは笑える。

 予選リーグのスペイン×ポルトガルの激闘は面白かった。この一戦で消耗したわけではないが、やはり、引き分けで勝ち点1しか得られなかった両チームは予選リーグで全力を尽くさなければならなくなり、決勝トーナメント1回戦で両チームとも敗退。
 注目選手ではロナウドは初戦でスーパーゴールを決めたが、その後は尻すぼみ、イニエスタも同様。メッシは輝けず、ウルグアイコンビはカバーにの負傷欠場でスアレスひとりでは苦しい。

 その中で、フランスのエムバペのスピードとテクニックは楽しい。また、クロアチアのモドリッチの打開力は凄い(アルゼンチン戦のマークをかわしてのシュートも凄かった)。
 クロアチアに関しては、7番、8番、18番の体当たりなどのラフプレーはかなりダーティ。


まとめ
 羽生竜王の苦戦が主因だが、ウィンブルドン、ワールドカップサッカー、気象情報(被災者の方にかける言葉もなかなか見つかりません)にかなりの時間が割かれているという現状です。
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情報についてぼんやりと思ったこと ~テレビとネット~

2018-07-14 15:50:13 | 時事
 ネットの情報網が発達し、情報発信としての新聞やテレビの比重が軽くなってきている。新聞を読まない、テレビを観ないという方も多いのではないだろうか?
 実際、ネットは速報性において大きなアドバンテージがあり、さらに、利用者が主体的に情報を収集できるという利点も大きい。しかし、信憑性に難があり、氾濫する情報を吟味しないと誤った認識をしてしまう。それと、情報に発信者の意図が含まれていることもあり、誘導されてしまう危険もある。

 もちろん、テレビにも発信者の意図が含まれていることもあり、誘導される危険性は否定できない。
 その点も含めて、テレビの短所は受動的で、不必要な情報の視聴も強いられることが多い。家族につき合わされて、ワイドショーやバラエティ番組を視聴すると痛感する。
 しかし、意図しない情報も、情報の偏りを減らすという点では、意外と役立っているような気がする。

 そんなわけで、NHKのニュースは、公共性、公平性(中立性)を保ってほしいと思う。
コメント (2)
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