英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

マスク不着用で反則負け ~2022年度 A級順位戦 永瀬王座ー佐藤天九段~

2022-10-29 15:16:28 | 将棋
昨日(10月28日)のA級順位戦・永瀬王座ー佐藤天九段において、マスク不着用で佐藤天九段が反則負けとなった。
詳細は、以下の引用で(長い引用ですが、詳細が書かれていた方が良いと思いました)

《YAHOO ニュース 「佐藤天彦九段、マスク不着用で反則負け 将棋名人戦・A級順位戦」 より引用 青字部分》
 東京・千駄ケ谷の将棋会館で28日に指された第81期名人戦A級順位戦で、佐藤天彦九段(34)が一定時間マスクを付けずに対局し、反則負けになった。マスクの着用違反で棋士が反則負けになるのは初めて。

【マスク着用について書かれている「臨時対局規定」を見る】

 新型コロナウイルス対策として日本将棋連盟が2022年1月に制定した「臨時対局規定」では、健康上やむを得ない場合以外、「対局中は、一時的な場合を除き、マスクを着用しなければならない」とし、違反した場合は立会人の判定により反則負けとすると定めている。

 対局は午前10時に開始。終盤を迎えた午後11時ごろ、佐藤九段は112手目を指した後にマスクを片耳に掛けて考え始め、マスクを外して対局を続けた。30分ほどたったところで、対局相手の永瀬拓矢王座(30)が「反則負けではないか」と指摘。会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け、佐藤康光会長らと協議した結果、反則負けが決まった。

 鈴木常務理事から反則負けを告げられた佐藤九段は「以前は、マスク着用の注意を受けていたケースもあった。今回は注意も受けていない」と反論したが、判定は覆らなかった。規定には判定に不服の場合は「1週間以内に、常務会に提訴することができる」とあり、佐藤九段は提訴することも検討する意思を示した。【丸山進】


 私も、昨夜「名人戦棋譜速報」で観戦していたが、反則負けの裁定が下された局面まで観ていた。
 ただし、指された直後まで。その局面では、まだ決着が付くのは先になりそうだったので、床に就いた。
 今朝、結果を見て、驚いた次第だ。

 YouTubeチャンネル「囲碁将棋TV -朝日新聞社-」にて、18時30分から動画配信されていたが、それは観ていなかった。
 今朝の時点で、その動画を観ることができたので、永瀬王座のマスク不着用の問題指摘前後の様子を観ると、113手目を永瀬王座が考慮中、動画配信開始後4時間19分39秒に、盤面を凝視して考慮していた佐藤九段(当然、相手の手番の時も考える)が、右手で右耳にかけてあったマスク紐を外し、左耳だけ紐が掛かってマスクが垂れ下がった状態になった。(夕食休憩後の対局再開が午後6時40分なので、午後11時直前の出来事と推定)
 動作のはずみで外れたのではなく、意図的に紐を外したという動作だった。ただし、考慮に熱中するあまり、マスクによる息苦しさが考慮の妨げになって、半無意識で外したように思える。
 しかし、マスク片耳状態でブランブラン垂れ下がっている状態が、考慮の邪魔と感じたのか、その約2分後、左手でマスクを外し脇に置いてしまった。(午後11時2分ごろ)

 その状態(マスクを外した状態)で、指し続けられた……

マスク片耳状態からの経過は…
 午後11時00分ごろ佐藤九段のマスクが片耳状態
 午後11時02分ごろ佐藤九段、マスクを外す

 午後11時09分ごろ、114手目を佐藤九段が着手(残り10分、永瀬王座は残り56分)
 午後11時12分過ぎ、115手目を考慮中の永瀬王座が退席
 午後11時14分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時17分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時20分過ぎ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時24分ごろ、永瀬王座が退席
 午後11時25分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時31分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時33分過ぎ、永瀬王座が対局室に戻ってくる

 午後11時36分ごろ、永瀬王座が退席
 午後11時40分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時45分ごろ、永瀬王座が115手目を着手(残り20分)
 午後11時48分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時50分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時52分ごろ、佐藤九段が116手目を着手(残り04分)
 15秒後に     永瀬王座が117手目を着手(残り20分)
 午後11時54分ごろ、佐藤九段が118手目を着手(残り03分)
 午後11時59分ごろ、永瀬王座が119手目を着手(残り16分)
 午前00時00分直前、佐藤九段が120手目を着手(残り03分)
 40秒後に     永瀬王座が121手目を着手(残り16分)
 午前00時01分ごろ、佐藤九段が122手目を着手(残り03分)
 ほぼノータイムで、永瀬王座が123手目を着手(残り16分)
 午前00時03分ごろ、佐藤九段が124手目を着手(残り03分)
 その10秒後、理事の常務理事の鈴木九段が入室、対局を中断し、両棋士と別室へ


 午前00時12分ごろ、佐藤九段が入室、着座。しばらく、盤面を凝視。
 その後、私物を鞄にしまいながらも、時々手を止め、うつむき気味で盤面を凝視。顔がやや紅潮しているように見えた。
 およそ3分後の00時15分ごろ、退室。
 佐藤退室後の約2分後の00時17分過ぎ、永瀬が入室。手早く帰り支度を整えて、退室(00時18分過ぎ)

 
11時12分過ぎの退席時は、エネルギードリンク?を飲みながら盤面を凝視して読みに没頭しており、そこから、フイっと立ち上がり退席していた。この時は読みに集中しているように感じる。
11時24分ごろの退席は、何か不自然さを感じる。
11時40分ごろの入室、着座はやや足早だった(残り時間が切迫していたことも関係?)



 永瀬王座の退席(退室)が多いのは、スポーツドリンクをよく飲むせいかもしれないが、引用記事によると、「会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け」とあるので、立会人を探していたのかもしれない。(引用記事によると、マスクを外してから約30分後に永瀬王座の申し立てがあったという。時刻は午後11時30分過ぎ。時系列では青色部分が該当か)

 それはともかく、マスクを外したまま中断までおよそ1時間、マスクを外して対局していた佐藤天九段も問題ありだが、注意・警告なしにいきなり反則負けにするのも、おかしい。大問題だ。
 あと、これは対局規定云々ではなく、社会人・一般人として、対局相手が「マスクしてよね」と言えばいいだろう。それで、マスクをしてくれない時、理事や事務局に訴えればいい。


 それと、記事によると、「会館内に立会人がいなかったため」とあるが、これはどういうことなのか?
①依頼されていた“対局立会人”が、病気や所用で来られなかった
②一時は「対局立会人制度」が行われていたが、現在は停止していた

①の場合は、代理を立てないとダメだし、②の場合も問題だ。

さて、「対局立会人」とは?(タイトル戦で、開始宣言や対局一般の裁定を取り仕切る棋士とは別に、通常、会館で行われる対局で生じる問題などの処理を行う役)
【詳しくは、田丸九段の『と金横歩き』に記されていたので、引用】
・対局開始時刻に対局者が揃っていることをまず確認。対局者が遅刻した場合、その棋士から後で理由を聞き、将棋連盟に提出する報告書に記載します。
・対局中の仕事の内容は、たまに対局室に入って様子を見る、対局の「モバイル中継」を行っている会館の別室に顔を出してコメントを述べる、などです。それ以外は主に4階の対局者控室で待機しています。原則として昼食をとるほかは外出できません。
・対局立合人の最も大事な役目は、対局中に何か問題やトラブルが生じたら、臨機応変に適切に対処することです。とくに夜間は会館に理事や職員がいないので、立合人の判断と措置が重要になってきます。
・主に40代以上の現役棋士と引退棋士が依頼されます。「ひふみん」こと加藤一二三九段が務めたこともあります。報酬は対局の持ち時間によって違います。5時間以上(竜王戦、順位戦など)だと、4時間未満(王位戦、王将戦など)より増額されます。最終対局の終了時刻が午後11時を過ぎた場合、1万円の「深夜手当」が加算されます。なお、持ち時間が短くて対局が早く終わったり、局数が少ない日は、対局立合人は付きません。
・対局立合人は、すべての対局が終わるのを見届けるまで帰れません。持ち時間・6時間の順位戦の対局日や千日手・持将棋が生じると、帰宅は真夜中になります。
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見かけだけの経済対策

2022-10-28 11:18:19 | 時事
電気代やガス代の負担軽減策などを盛り込んだ政府の総合経済対策について、補正予算案の規模を一般会計の総額で29兆1000億円程度とする方針(財政投融資を含めると総額39兆円)らしい

経済対策は4本の柱として
▼物価高騰・賃上げへの取り組みに12.2兆円程度
▼円安をいかした地域の「稼ぐ力」の回復・強化に4.8兆円程度
▼新しい資本主義の加速に6.7兆円程度
▼防災・減災や外交・安全保障環境の変化への対応などに10.6兆円
   この他、今後の備えとして4.7兆円程度

もう少し具体的には……
・電気料金の負担緩和策は来年1月から家庭負担を約2割軽減
・ガソリン価格を抑える補助金を来年まで継続し、標準的な世帯の光熱費・ガソリン代負担を来年1~9月ごろまでの総額で4万5千円程度軽減する見込み
・子育て世帯を対象に、育児用品の購入負担軽減で計10万円相当を支給する

 一見、かなりの支援のように感じる。実際、電気代が安くなるのは助かる。
 しかし、エネルギーとか子育て世代対象など部分的支援では、見栄え(聞こえ)が良いだけで“焼け石に水”である。
 そもそも、29兆円の支援と言っても、税金である(その税金は国民から徴収される)。その税金での支援が、ムラがあるのは不公平。

 それなら、公平に税金を減らしてほしい。一番いいのは消費税の減税。これなら、万人公平である(まあ、裕福でたくさん買い物する家庭の方が得なような気もするが)

 因みに、日本の2020年度の消費税は20兆9714億円。
 今の10%を5%に下げれば、ほぼ半分(軽減税率があるのできっちり半分とはならない)の10.5兆円。
 つまり、10兆円の税金で済むのである。


 それと、これまで何度も述べているが、円安を何とかしてほしい。このままだと、多くの中小、零細企業、個人事業が倒れる。
 物価対策なら、円安是正が一番の効果。

“ばらまき”はやめていただきたい。
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2022世界バレー ……やはりTBSは………

2022-10-28 09:43:35 | スポーツ
(相当、時間が経過してしまいましたが……)

日本は大健闘だった。
でも、トス回しは多彩で速いものの、トス自体はかなり不正確だった。良く勝ちあがっていったものだ。ちょっと不思議。
他のチームが仕上がっていなかったのかもしれない。

それと気になったのは、《大会の勝ち上がりシステムがおかしい》こと。

1次ラウンドは各グループ6か国の4グループでリーグ戦。
上位4か国が2次リーグに進出。6チーム中4チームが通過するのは、一見、甘いように感じるが、1次リーグの勝敗を持ち越すので、1次リーグで2敗以上すると、2次リーグを通過するのはかなり厳しい。

2次ラウンドは、プールAとプールDが合流しプールE、プールBとプールCが合流しプールFとしてリーグ戦を行う。この時、1次ラウンドでの対戦成績を持ち越す。日本の場合、1次リーグの●中国、○ブラジル、○アルゼンチンの勝敗を持ち越す。この2ラウンドも各組8チーム中上位4チームが準々決勝に進出する。

ここまでは良い。しかし、この準々決勝の組み合わせがおかしい
準々決勝は2次ラウンドの「プールE対プールF」の対戦となるべき、もっと言うなら、プールE1位vsプールF4位、プールE2位vsプールF3位、プールE3位vsプールF2位、プールE4位vsプールF1位となるべきであろう。
ところが、準々決勝、準決勝の組み合わせは、片方の山をプールE、もう一方をプールFだけという構成
これだと、2次ラウンドの所属チーム同士で再び決勝進出チームを争うことになる。非常に偏ったシステムである。

さて、本題のTBSへの不満
長丁場の大会を中継してくれるのは、非常に有り難いのだが、日本が敗れた瞬間、大会が終了したかのように、中継も終了してしまったのだ。

Paraviでの中継はあったようだが、「世界バレー」と銘打って中継するなら、準決勝、決勝はTBSで中継しないとダメだろう。
「世界バレー、日本頑張れ、応援中継」とでも銘打つべきだ。


一応、TBSに「決勝戦の中継はないのですか?」というメールを送ったのだが、“なしのつぶて”だった
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相棒 season21 第3話「逃亡者 亀山薫」

2022-10-27 22:08:19 | ドラマ・映画
今回の脚本……いろいろ“いちゃもん”を付けたいことがあったなあ
《殺人の現場で凶器を手にしているところを目撃されて逃亡し、真犯人を捕まえる》という何度も観たような筋書きだった
 「逃亡者 亀山薫」がテーマではなく、亀山の恩人・塩見の死から始まった今回の事件で、亀山や羽柴(波岡一喜)の葛藤が主眼であるが(←これについては後述)、この葛藤もどこかで何回か見たようなものだった

・凶器のナイフを亀山が簡単に握るのは有り得ないと思ったが、フライトジャケットのポケットに入れておいたのは巧妙。しかし、塩見の妻が衝動的に刺した被害者を指した後、とっさに亀山を気絶させ、凶器をポケットに入れるのは出木過ぎ
・米沢さんがいたら、「気になる点と言えば、ポケットの内部に血液が多く付着していたことですなあ」とか言っていそう。
・亀山は、かなり思い切り後頭部を殴打されていた。これが、脇役だったら死亡していたぐらい殴られ方だった(死亡していたら、亀山に罪を着せられない)
・《罪を着せられる者が凶器を手にしている時、第三者がその瞬間を目撃する》というのはお約束だが、あまりにもジャストタイミングだったので、その目撃者が実は犯人……と深読みしてしまった
・亀山は単独で解決しようと思わず、右京に相談すればよかったのに。なぜ、相談しなかったのだろう
・逃亡後も、詳しい事情を右京に話さないのも不自然。「一を聞いて、十を知る人(右京)ですから」というのは、キャラに頼り過ぎだろう
・『こてまり』に美和子が入ってきた時、全く普通に応対していた小出茉梨、先週は大丈夫だったのだろうか?(“美和子スペシャル”を喰らったはず)

葛藤 ~残酷な真実~
①4年前の塩見の転落死は、病気の息子の手術費用は、押収物の覚せい剤を横流ししたモノだった
②今回の殺人事件は、その時の売人がそれをネタに塩見の妻を恐喝したことによるモノだった

 《息子を救うために犯罪に手を染めること》(塩見)
 《その事実を、塩見の息子に知られない為、塩見の自殺を事故だと証言》(羽柴…塩見に覚せい剤の売人の紹介もしていた)
 《塩見の息子に“父親は自分の命を救うために犯罪を犯した。さらに、そのために自殺した”、“母親はそのことがもとで、殺人を犯した”という事実を伝える》(亀山)


あまりにも重たい選択・葛藤であった……櫻井武晴氏の脚本家と思った(それにしては……)


第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」

【ストーリー】(番組サイトより)
薫が殺人事件の容疑者として逃亡!
恩人の事故死との意外な接点とは!?


 池袋で輸入雑貨店の店長が殺害され、犯人が逃亡する事件が発生。現場近くで発見された血ぬれのフライトジャケットや目撃者の証言などから、薫(寺脇康文)が容疑者として浮上する。
 その後、被害者は覚醒剤の売人だったことが判明。さらに、薫は角田(山西惇)に事件絡みの前科者のリストアップを頼んでいて、その中に今回の被害者がいたことも分かる。美和子(鈴木砂羽)によると、薫は最近、運転免許試験場に異動させられていた当時に世話になった塩見(長谷川公彦)という人物について調べていたという。ただ、塩見は池袋中央署で会計課長の職にあった4年前、事故死していた。
 薫が逃亡を続ける中、右京(水谷豊)は独自の捜査を開始。いっぽう、池袋中央署の羽柴(波岡一喜)という刑事が、伊丹(川原和久)が薫の逃亡を助けているのではないかと上層部に進言し、伊丹は捜査から外されてしまう。そんな中、右京は塩見が死亡した当時、押収物が、署内から消える事件があったという情報をつかむ。

殺人容疑が掛かった薫はなぜ逃げているのか?
無実を信じて右京と伊丹が即席タッグ!?
事件解明の先に待つ残酷な真実とは…


ゲスト:波岡一喜 長谷川公彦

脚本:川﨑龍太
監督:橋本一
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政府や政治家の常套句

2022-10-27 17:53:46 | 時事
丁寧に説明する
 野党や世論(国民)から批判を受けた時に、よく使われる。
 《丁寧に説明する》=同じ文言(内容)だけを何度も繰り返すこと
 他の事(都合の悪いこと)は語らない
 

注視する
 新型コロナウイルス感染拡大傾向がある時によく使われた。
 感染が収拾困難になるまでは、じっと見ているだけで、感染拡大を防止する施策は採らない
 裏の意味としては、「自民党や政府にとって、悪い状況になるか、ならないかを注意ぶかく観察して、悪い状況に陥る分岐点や限界点を見極める」こと
 
任命責任を重く受け止める
 受け止めるだけで、特に何もしない
 この言葉に続いて、「政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで職責を果たしてまいります」という総理として当然のことを言って、お茶を濁すことが多い。

説明責任を果たす
 大臣を辞職してお終いとなることがほとんど
 野党からの追及もなくなる。大臣を辞めても、説明すべき事柄は消えないのに…
 大臣を辞めても、国会議員は辞めないので、国会の場には居るはずなのに。
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王将戦リーグの展望 羽生-渡辺戦の結果 2022年10月27日記

2022-10-27 14:28:05 | 将棋
王将戦挑戦者決定リーグも、中盤に差し掛かっている。
昨日(10月27日)の羽生ー渡辺戦は、千日手指し直し局を、羽生九段が勝って4連勝、渡辺名人は1勝3敗となり、挑戦権の目は、ほぼなくなった(全員が3勝3敗となれば、シード1位の渡辺名人はプレーオフ進出となるが)。
王将戦リーグシード順に
1渡辺名人 1勝3敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬 ●羽生
2永瀬王座 2勝1敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島
3羽生九段 4勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤 ○渡辺
4近藤七段 1勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生 
5豊島九段 1勝1敗  ○近藤 ●永瀬
5糸谷八段 0勝2敗  ●永瀬 ●羽生
5服部五段 1勝1敗  ●羽生 ○渡辺

(5位の3名は予選勝ち上がりで同順位)

 4連勝の羽生九段は、次の対永瀬戦に勝てば挑戦権獲得がほぼ決定するという状況。
 挑戦者の最有力候補であるのは間違いないが、残る2局が、対永瀬王座、対豊島戦。昨日も書いたが、この両者に勝つビジョンが見えない。
 永瀬王座には通算4勝12敗、直近8局では1勝7敗(5連敗中)。豊島九段には通算19勝26敗、直近10局では1勝9敗となっている。直近の勝率は対永瀬王座戦は.125、対豊島戦は.100。負ける確率で言うと、87.5%と90%。なので、連敗する確率は、0.875×0.9=0.7875で78.75%……。もちろん、棋戦の持ち時間や、相性(不思議と相性が生じるケースが多い)にもよるし、4連勝している勢いもあるので、もう少し連敗の可能性は低いかもしれない。

 で、仮に、仮にです! 連敗した場合、どうなるのか?
1渡辺名人 1勝3敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬 ●羽生 豊島 糸谷
2永瀬王座 2勝1敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島 羽生 近藤 服部
3羽生九段 4勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤 ○渡辺 永瀬 豊島
4近藤七段 1勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生 服部 永瀬 糸谷
5豊島九段 1勝1敗  ○近藤 ●永瀬 糸谷 渡辺 服部 羽生
5糸谷八段 0勝2敗  ●永瀬 ●羽生 豊島 服部 渡辺 近藤
5服部五段 1勝1敗  ●羽生 ○渡辺 近藤 糸谷 豊島 永瀬
 現在、1敗は永瀬王座、豊島九段、服部五段の3棋士。永瀬-服部、豊島-服部戦が残っているので、3棋士が1敗で終了することはないが、1者、あるいは2者が5勝1敗で終了する可能性はある。
 もう少し詳しく見ると、永瀬王座の(羽生九段を除く)対戦相手は近藤七段、服部五段。豊島九段の(羽生九段を除く)対戦相手は糸谷八段、渡辺名人、服部五段。服部五段の対戦相手は近藤七段、糸谷八段、豊島九段、永瀬王座。……永瀬王座が次の羽生戦に勝った場合は、5勝1敗で終える可能性は低くはない。やはり、次の羽生-永瀬戦は大一番である(羽生九段が勝てば、もっとも、挑戦権獲得の障害となる永瀬王座は2敗となる)。
 もし、永瀬戦を落としても、最終局の豊島戦に勝てば、少なくともプレーオフにはなる。できれば、近藤七段か服部五段に頑張ってもらって、単独一位になると嬉しい。もちろん、永瀬王座、豊島九段を連破して、全勝でリーグ優勝だと言うことはない。
 そう、羽生ファンとしては、羽生九段がかつての強さを取り戻して、連勝することを願ってこの記事を終えればいいのだが、ここで、私は図々しい検証をしてみる。

《羽生九段が連敗しても、単独一位になる可能性はあるのか?》
 その為には、現在、成績不振者に頑張ってもらう必要がある。
 1勝3敗の渡辺名人には連勝していただいて、豊島九段の1敗の目を潰し、糸谷八段を3敗目を与える。
 1勝2敗の近藤七段には現在1敗の服部五段、永瀬王座の黒星を増やしていただく。最終局で糸谷八段に星を落としていただけば、近藤七段も3敗となる。

 ここまでの仮定を、リーグ表に反映させると(灰色の部分)
1渡辺名人 1勝3敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬 ●羽生 ○豊島 ○糸谷→3勝3敗
2永瀬王座 2勝1敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島 ○羽生 ●近藤 服部→3勝2敗
3羽生九段 4勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤 ○渡辺 ●永瀬 ●豊島→4勝2敗
4近藤七段 1勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生 ○服部 ○永瀬 ●糸谷→3勝3敗
5豊島九段 1勝1敗  ○近藤 ●永瀬 糸谷 ●渡辺 服部 ○羽生→2勝2敗
5糸谷八段 0勝2敗  ●永瀬 ●羽生 豊島 服部 ●渡辺 ○近藤→1勝3敗
5服部五段 1勝1敗  ●羽生 ○渡辺 ●近藤 糸谷 豊島 永瀬 →1勝2敗
となる。
 3敗が必須条件なので、永瀬王座にはもう1敗していただく必要があり、服部五段に頑張って勝っていただく。
 上記の段階で、糸谷八段も3敗になっているので、後は存分に暴れてもらい、豊島九段、服部五段に勝利して欲しい。
これらをリーグ表に反映。(灰色の部分)
1渡辺名人 1勝3敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬 ●羽生 ○豊島 ○糸谷→3勝3敗
2永瀬王座 2勝1敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島 ○羽生 ●近藤 ●服部→3勝3敗
3羽生九段 4勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤 ○渡辺 ●永瀬 ●豊島→4勝2敗
4近藤七段 1勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生 ○服部 ○永瀬 ●糸谷→3勝3敗
5豊島九段 1勝1敗  ○近藤 ●永瀬 ●糸谷 ●渡辺 服部 ○羽生→2勝3敗
5糸谷八段 0勝2敗  ●永瀬 ●羽生 ○豊島 ○服部 ●渡辺 ○近藤→3勝3敗
5服部五段 1勝1敗  ●羽生 ○渡辺 ●近藤 ●糸谷 豊島 ○永瀬→2勝3敗

 豊島-服部戦が残っているが、この段階で2敗以内は羽生九段だけとなっており、豊島-服部戦の結果にかかわらず、羽生九段が挑戦権を得ることとなる。(あくまでも、灰色の部分は私の願望!なので、お間違えなく)
 めでたし、めでたし……
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王将戦リーグの展望 2022年10月26日

2022-10-26 17:30:28 | 将棋
王将戦挑戦者決定リーグも、中盤に差し掛かっている。
本日、羽生ー渡辺戦が行われているので、慌てて書いています。
千日手になって、指し直し局が指されている模様。
王将戦リーグシード順に
1渡辺名人 1勝2敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬
2永瀬王座 2勝1敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島
3羽生九段 3勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤
4近藤七段 1勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生
5豊島九段 1勝1敗  ○近藤 ●永瀬
5糸谷八段 0勝2敗  ●永瀬 ●羽生
5服部五段 1勝1敗  ●羽生 ○渡辺

(5位の3名は予選勝ち上がりで同順位)

 私は羽生ファンなので、当然、羽生九段中心の記事になります。ご容赦を。
 羽生九段は、服部五段、糸谷八段、近藤七段相手に3連勝と快調。一昔前なら、挑戦権に大きく近づいたという感触。しかし……
 ………残る相手は、渡辺名人、永瀬王座、豊島九段。
 残念だが、勝つビジョンを想像するのが難しいという今日この頃……ただし、対渡辺名人は勝つ可能性がありそう。
 良くて1勝2敗。3連勝の可能性も小さくない……“羽生ファン”と公言できない、弱気。
 で、考えてしまうのは、《3連敗した場合、リーグ残留できるか?》
 ざっと考えてみたが、《まだ残留は確定していないが、ほぼ大丈夫》と考えてよいだろう。

 本日の渡辺名人に勝利すれば、王将戦挑戦も現実味が出てくる。是非、勝ってほしい。
 服部五段は低段位だが、相当強く、少なくともB級1組クラスの棋力だ。渡部九段を破ったのは、番狂わせでは全くない。
 王将リーグは、毎年、実力者が揃うので、始まる前は、挑戦者は勿論、陥落者も全く分からない。
 毎年、この人が陥落するの?と思ってしまうのだが、全員、強者なので、強者が陥落するのは当たり前。

 でも、不思議と、星が偏るので、各棋士3~4局消化すると、挑戦権争いと陥落候補とに色分けされてくる。
 現在、消化が2~3局なので、全員に挑戦も陥落も可能性がある。2敗者も。まだ挑戦の可能性もありそう。ただし、「同率の場合は、シード上位2名のプレーオフ」なので、現在、下位の2敗者は挑戦は難しいかもしれない。
 いずれにしても、強者ぞろいなので、まだまだ、先が見えない状況。
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鎌倉殿の13人 第40話「罠と罠」

2022-10-25 17:53:18 | ドラマ・映画
「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」
……今話で義時が和田を滅ぼす意を示した時に語った言葉だ
そして、このセリフは…………
第15話で、上総介広常に謀反の罪を着せ、討ち取ろうとするのを、義時が必死に止めるよう懇願した時に、頼朝が言ったセリフと同じ。

15話の記事の時、このセリフを取り上げなかったのは、残念……(言い訳:論理的には正しいが、出した結論の「消す」に共感できなかったため)
 義時は頼朝の考え方や施策を踏襲してきているが、今回のセリフ(考え)は、如実にそれを表すエピソードだ。

【このセリフ周辺(和田合戦・和田義盛の乱に至るまで)の概要】
閑院内裏の修復を後鳥羽上皇から依頼されたが、重い負担に御家人たちが反発。和田義盛が旗頭となり、八田知家(市原隼人)らが集う状況となっていた
②信濃で“泉親衡の乱”が起こる……“泉親衡の乱”=《鎌倉幕府御家人で信濃源氏の泉親衡が源頼家の遺児千寿丸を鎌倉殿に擁立し執権北条義時を打倒しようとした陰謀とそれに続いた合戦》(ウィキペディアより)
 ………事を起こす前に発覚したが、企てに加わった者の中に、和田義盛の息子の義直・義重と、甥の胤長がいたことが判明。和田義盛の縁者とは言え、免罪することはできない。
③義盛は赦免を請うが、義時は義盛の息子の義直・義重は許すも、甥の胤長については、積極的に企てに加担したとして、流刑とした。

 ……で、冒頭のセリフに繋がる。
義時は、単に泉親衡の乱について胤長を処したのではなく、胤長の処罰を利用して、最も頼りになり、最も恐ろしい和田一族を滅ぼそうと考えたのだ。

 「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」という論理は間違ってはいない。しかし、「頼りになるが(敵になると)恐ろしい者」を重用するか、排除するかで、その是非(結果)は大きく違ってしまう。
 有能な者やライバルを排除することは当人の地位を安泰にするのには有効な手段ではあるが(どこぞの国の党のように)、その組織の総力は衰退していく。
 もちろん、有能な者が反旗を翻して内紛が起これば、組織は大ダメージを受けてしまうが、その有能者と良好な関係を築いて活用するのが組織トップの腕の見せ所だ。

 今回の騒動、義盛が頭を下げているので、それに応えてやれば、鎌倉も北条も安泰なはず。義盛の性格を考えると、恩義を感じてより働いてくれるはず。
 義時は、孫子(まごこ)の世代のことを考えて、危険因子は排除しようと考えた。だが、(もう少し後の時代だが)戦国時代に下剋上の風潮がまん延してしまったように、悪い風潮は繰り返される。
 もちろん、義時もそのことを考え独裁・傲慢と言われないように、相手から謀反を起こされるように仕向けている。赦免を願い出た約100人の和田義盛(ふうの男)たちに説明する際、わざわざ、縛りあげられた胤長を皆に見せて、怒りを煽った。
 さらに、善村に義盛に協力するふりをさせ、謀反の企てをチラつかせる
 そのうえ、義時の仕業ではないが、胤長の娘が病死するという悲運

 個人的には…とにかく、そんな先の憂いを考えず(原発問題や資源や環境問題は大切で別次元の問題)、ヤン・ウェンリーも「私の希望は、たかだかこの先何十年かの平和なんだ」と言っているように(“何十年”と言っているが、そんなに長期間ではないというニュアンス)、自分が生きているうちだけのことを考えた方がよい。畠山重忠や義盛を討つという罪を犯さずに済めば、もっともっと心の平安を得られただろうに…
 なので、義時が手本としている頼朝の最期が、割と平安な死だったのが私は非常に不満である。

【悲劇を避けるための動き】
泰時
「私は誰とも敵を作らず、皆で安寧の世を築いて見せます。父上は間違っているっ!」と諫言するも、謹慎を言い渡される。
政子に「このままいけば、和田殿は挙兵する。そして、父(義時)は和田を滅ぼすつもり……諫められるのは尼御台(政子)だけ」と訴える

政子――姉弟の攻防――
「和田は野心がない」(政子)
「(和田を)周りが担ぎ上げる。姉上は関わらないでいただきたい」(義時)
「ひとりで勝手なことをしないっ!」(政子)
「姉上に叱られたのはいつ以来でしょう……承知いたしました。
 和田殿をこれ以上けしかけることは致しません
」(義時、承服して去る…)

……舌の根も乾かないうちに
「和田を焚き付ける良い手を思いついた」(義時)

姉は弟が承服していないことはお見通しで義村に北条か三浦のどちらに付くかを尋ねる
「小四郎とは固いきずなで結ばれている」(義村)
政子は《義村は損得勘定で動く》こともお見通しで、更に、言う。
《三浦がこちら(北条)に付けば、和田は孤立する(挙兵を諦める》と、三浦が和田が挙兵するかどうかの分かれ目であると強調。見返りに宿老の座を約束し、三浦を説得する

実朝
――歩き巫女の見立て、占い――
・夫婦の交わりを見透かし、「幸せ三、寂しさ七……だが、寂しさ十よりはマシ」と
・「肘があごに付くかね?」 試みようとする千世に「やらなくていいから」と実朝
・「この鎌倉が火の海になる。たくさんの血が流れる。
  死ぬ……みんな死ぬ。由比ガ浜に髭面の首が並ぶ」


この予言に、顔色を変える実朝のもとに、緊急の知らせ……
《和田胤長の屋敷が没収》……同族の者が受け継ぐのが常だったが

実朝、政子に相談。政子は《三浦が北条に付くことを約束したので、和田が単独で立つことはない》という予見を語るが
「あの者(義盛)は、追い詰められれば(意を決すれば)、ひとりになっても戦う。そういう男です」と断言。
《義盛と話して、戦を止めたい》と訴える。

政子は北条家に伝わる秘策(女装)を用いて、義盛と対面することに成功
(“1勝1敗”…1/2……“北条家に伝わる秘策”というほどの成功率でも伝統でもない)

「ここまでコケにされては武士の名折れ。もう後へは引けない」(義盛)
実朝、義盛の手を握り、
「いつまでもそばにいてくれ」
「義時には二度と行き過ぎた真似をしないよう、私が目を光らせる」(←多分、無理)
「また旨い獅子汁を食べさせてくれ」
「義盛は鎌倉一の忠臣だ。それは私が一番分かっている」

……義盛、じ~ん。(私もこんなこと、言われたいなあ)

大団円か?
義盛が折れ、実朝、政子を前にしては、流石の義時も
「和田殿は歴戦の強者(つわもの)。戦わずに済めば、これ以上のことはございません」
と言わざるを得ない。ただし、不承不承の様子。

実朝と義盛は、これで落着したと、久しぶりに双六に興じようと場を去る。
しかし、政子は安心せず、義時に
「あなたは、まだ、あきらめていない。和田を滅ぼしてしまいたい(と思っている)」
「“鎌倉の為”ですべてが通るとなぜ思う。
 戦をせずに、鎌倉を栄えさせてみよ!」
「あなたならこんなやり方でなくても、皆をまとめていけるはず」

と、《念押し》《正道を示し》《才覚を信じて、励ます》で、畳みかける。
 ようやく姉から解放された義時だったが、義盛が待ち受けていて
「みんな死んじまったなあ。昔からいるのは、俺と平六くらいだ」
「今の鎌倉殿は、賢いし度胸もあるし、何より、ここ(心)が温かい。
 ようやく俺たちは、望みの鎌倉殿を手に入れたのかもしれないぞ」
「政はお前に任せる。力が必要な時は、俺に言え。鎌倉の敵は俺が討ち取るぞ。
 これからも支え合っていこうぜ」


 この時の頼時の様子は、透かした感じ
「透かした」という表現は、「気どる。すます。かっこつけてる」という態度を表しているが、この時の義時は……
自分の心の内を知られるのが嫌と言うか、恥ずかしいというか……う~ん、義盛に心を見透かされるのを避けていることもあるが、素直に心の内をさらけ出すのが恥ずかしい……照れていると感じた。
気持ちをストレートに示し、行動する(態度に表す)義盛がうらやましかったのかもしれない。


そんな気持ちを、時房には見透かされてしまった。
「戦にならずによかったです」(時房)
「和田を滅ぼすには、良い口実だったが…」(義時)
「またまたぁ、思ってもないことを」(時房)
「そんなことはない」(義時)
「和田殿を好きなくせに」(時房)
「おいっ!」(義時)
「あのお方を嫌いな人なんて、いませんよ。
 ……御所の守りを解くように言ってきます」


怒涛の連続攻撃に、ついに、トウを呼びつけ
「和田の館にいる平六(義村)に引き上げるよう伝えよ」と、終了宣言。


透かした態度は変わらないが、どこか、ほっとしていて、嬉しそう。

ところが……平六(義村)たちは、それどころではなかった。
寝返るつもりだったが、巴御前に起請文を書かされ、その起請文を焼き、その灰を神前に供えた水(神水、神酒)に入れて飲む羽目になってしまった。
次週の悲劇(和田合戦)が決定的となってしまった瞬間だが、義村の本当に困った顔は、面白かった。


【個人的な独り言】(独り言は、たいてい個人的なものだが)
 御家人の不満を大きくさせた閑院内裏の修復、和田合戦の要因となった泉親衡の乱は、後鳥羽上皇らの策略。
 特に、泉親衡なる人物を不審に思い、京の仕業ではないかと推測していた。
 それにも拘らず、それを利用して和田一族を排除する思惑があったとはいえ、戦を起こすこと前提に動き、結果的にも鎌倉で大戦が起こってしまったのは、後鳥羽上皇を喜ばすことになる。
 鎌倉の為ではなく、北条の為という思考に囚われた、義時の失態だった。



第1話「大いなる小競り合い」  第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」     第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」      第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」    第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」       第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」     第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」     第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」     第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」      第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」     第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」      第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」      第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」     第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」    第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」     第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」     第32話「災いの種」
第33話「修善寺」        第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」        第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」  第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」     第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」      第44話「審判の日」


【ストーリー】番組サイトより
 閑院内裏の修復を計画する後鳥羽上皇(尾上松也)は、鎌倉に引き受けさせるという藤原兼子(シルビア・グラブ)の進言に心を躍らせ、慈円(山寺宏一)と共に笑みを浮かべる。
 一方、京から知らせが届いた鎌倉では、重い負担に御家人たちが反発。源実朝(柿澤勇人)からも慕われる和田義盛(横田栄司)が旗頭となり、八田知家(市原隼人)らが集う状況を、義時(小栗旬)が苦々しく思っていた。
 そんな中、信濃で一つの事件が起こり……

脚本:三谷幸喜
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相棒 season21 第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」【追記あり】

2022-10-21 17:23:33 | ドラマ・映画
大規模テロと思われたが、実は、個人の保身や私怨や私欲だったということはよくあり、特に、文句をいう事ではない。
しかし、後編はスカスカで残念な出来だった……

犯行の手口は、巧妙だった(この点は評価する)
「アイシャを殺害しろ。さもなくば、愛する者が載った旅客機を爆破するぞ」と6人を脅迫し、《自分が生きていると、乗客乗務員250人が命を失う》という事実を突きつけ、自殺に追い込んだ。
仮に、アイシャが自ら命を絶たなくとも、亀山のように《250人の命には代えられない》とアイシャ殺害を実行する者が出てくる可能性は大きい。
もし、アイシャが自殺せず、殺害を実行する者が現れない場合でも、被脅迫者でもある犯人が殺害を実行すれば、目的は達せられる。


 疑問に思ったのは、早い段階で厩谷 (勝村政信)が殺害を実行しかけたこと
 これは、《他の被脅迫者が殺害を実行に移す呼び水となる》さらにアイシャに《自分が生きていると、誰かが殺人者になってしまう》という圧力を掛ける為と考えられる。この時は、厩谷が本気で殺害する気はなかったのだろう。(右京が言及)
 しかし、《厩谷には自分を殺害する動機がある》という考えに革命のリーダーとなるほどの才覚があるアイシャが到達する可能性も大。墓穴を掘ることになったのではないだろうか?
 それに、上述したように、最終手段で自身が殺害を実行する場合、2度も殺害行為を行うというのは、印象が悪くなりそう。


 まあ、それはともかく、右京にして、前話の段階では全く真相が掴めず、爆破がブラフであるという推論に到達しただけで、確証はなく、アイシャが自ら命を絶つことになってしまった。……巧妙な犯行だった。
とは言え、アイシャの自殺や被脅迫者が殺害を実行する危険性を右京たちが全く考えなかったのは、迂闊としか思えない。この点に関しては、犯行が巧妙だったのではなく、右京たちが迂闊だったのが要因。
 「なぜ報告しなかったのか?アイシャが命を落としたのは右京の責任だ」という声に、「やむを得ない状況だった」と甲斐峯秋は右京を庇って弁明していた。確かに、報告云々はそうかもしれないが、アイシャ周辺を放置した点については、くどいようだが迂闊、失態と言える。ただし、私はこの迂闊さは、脚本の迂闊さだと考えている。今回の迂闊さは、本来の右京なら有り得ない迂闊さだからだ。


 さて、解決編(今回)だが………非常に残念な出来だった。
 まず、右京が考える(捜査する)点は、《脅迫の目的(動機)》である。革命グループに対する嫌がらせとも考えられるが、しつようにアイシャを死に至らしめるよう誘導する手口を考えると、目的はアイシャの命であると考えられる
 となると、アイシャの存在を快く思わない者の犯行となる。まず考えられるのは、他革命によって倒された旧政府関係者。そして、革命組織の反アイシャ派。反アイシャ派ではないが、ナンバー2のミウ・ガルシア(宮澤エマ)やその弟のクリス・ガルシア(トラウデン都仁)も、アイシャの立場を狙うという動機はある。
 しかし、今回の右京はそういう考察はしなかった。前話は社美彌子(仲間由紀恵)やサイバーセキュリティ対策本部の土師太などに調査を依頼するなど忙しかったので仕方がなかったが、(非常に不本意ではあるが)アイシャ死亡で緊急事態は一段落したので、それらを捜査する余裕はあったはず。
 なのに、右京たちの行動は、何かシャキンとしない。←あまり、きちんとした日本語でない為、「(`・ω・´)都市内」と変換されてしまった。
・特命係室で峰秋の小言を受ける
・禁則処分を受ける
・亀山の暴走?を止めるため外務省の厩谷に会いに行く(厩谷が犯人なので、無駄なシーンではなかったが)
・クリスと連絡が取れないというミウの相談を受ける
・亀山と同様に脅迫を受けていたNGOの幹部スタッフ・尾栗江威子(菊池麻衣子)とパーティの招待客の一人の里村壱太郎(浜田学)から、アイシャをクリスが殺害しようとしていたと知らされる
ぐらいか。
 特命係以外では、その他、副総監と参事官とのやりとりなど、“キャラ見せ”の意義はあるが、事件の核心とは関係のないシーンが多くなり、いつもの“輿水ペース”に。亀山の国賓特権云々の会話や、口を挟んでしまう右京が謝るシーンもじれったさを感じてしまう。
 結局、クリスが遺体で発見され、それについて捜査を始めることとなった……

――追記――
アイシャから送られてきたメールの内容で、厩谷に半強制的にサルウィンへの支援を得たかに見えたクリスだが、厩谷にスマホを川に投げ落とされ、それを川辺から取ろうとする。
サスペンスにはお約束の《脅迫者が背中を見せる》シーンだったが、まさに、《殴打してください》《突き落としてください》と言わんばかりの隙だらけのクリスだった。




 真相はアイシャの父親は厩谷で、しかも、凌辱によって。《母の墓前で謝ってほしい》というだけのアイシャを厩谷が保身の為に殺害したというもの。
 過去の行為、さらに、今回の手口、殺害の動機、“極悪非道”という言葉では足りない厩谷の鬼畜ぶりであった。
 しかし、そのことに対して、右京は“ぷるぷる”(激高)することもなく、サルウィンを立ち去ってしまった。あの時点では証拠も持っておらず、外国なので逮捕もできないだろうが、普段は犯行動機や状況のいかんを問わず、犯罪を立証する右京らしくない。厩谷の哀れな最期を予見していたが…
 弟の復讐で厩谷を不慮の事故として始末した(実際は銃殺)。ただし、盛大な追悼式典というのは、どうなのだろう?


 先にも述べたが、右京はモタモタしていた。クリス殺害によって犯人が厩谷に絞られたが、本来の右京なら、推理によって容疑者を絞り込んでいた。
 脅迫の手口を考えると、親善パーティ関係者である亀山ら6人に脅迫メールを送れる人物は限られて、事件関係者の中では、厩谷が最も犯人である可能性が高いと推理できたはず。
 サルウィンでに行かなければ分からない事実(アイシャの母と父の事など)もあったが、登場人物の間をあちこち移動しただけで、内容はスカスカだった。

《今回の主な捜査》
・厩谷とクリスの密会で祝杯を挙げていた様子(土師と亀山の手柄)
・厩谷の毛髪のDNA鑑定からアイシャとの親子関係の立証(捜一トリオの手柄)
・厩谷の娘だけ、他の者に比べて搭乗手続きが遅かったことを突き止める
・厩谷とアイシャの母とのニアミスの記録。アイシャの母への凌辱の清算を政府高官に任せていたことの確認



サルウィンでの亀山の14年間は何だったのか……
 「開花したのは一輪だけ。それももう散った…
  何のために俺たち……
  やってきたこと…無駄だったのか…」

アイシャが書いてくれた亀山の肖像画を見ながら、亀山が発する
 「無駄だったなどと思ってはいけません!
  思った瞬間、すべてが無意味になってしまいますから」
と右京が励ます。

 とは言え、やはりサルウィンでの14年間は何だったのかと思ってしまう。
 いや、亀山が無駄だったと思う思わないは関係なく、亀山の残したモノ(精神を含めて)残るはず。
 でも、ドラマの中では、亀山が華々しく現地映像に映ったり、“国賓”として帰国したりはしたものの、教え子は3人しか登場しなかった。
 しかも、開花したのはアイシャだけ……
 《何だったのか》と思ってしまう。

 
ペルソナ・ノン・グラータ
………好ましからざる人物として国外退去処分

 右京は「ふたりに対する精一杯の敬意」と解釈したが、亀山夫妻は《拒否された》としか思えないであろう……

今回の残念さの救い?は伊丹の土下座
 挑発に対して、亀山が土下座や股の下くぐりをしようとするのを、慌てて止めた伊丹だが、亀山の警視庁復帰の為に土下座一択!  峯明に土下座。
 綺麗な土下座だった。


【その他の感想】
・アイシャは《自分の出生の件や厩谷に母の墓前で謝らせてほしい》というメールをクリスに送ったが、なぜ、親友のミウ・ガルシアに送らなかったのか?もしかしたら、信用していなかった?
・脅迫を受けたNGOの幹部・尾栗とパーティの招待客の里村は、今回一度登場しただけで、フェードアウト(笑)
・尾栗が亀山の前で貧血で倒れたのは、もしかしたら、亀山に近づく為かと思ったが、深い意味はなかった。よくあることと言っていたが、けっこう危険な倒れ方だった。
・番組サイトの人物相関図に土師君がないのは可哀そう。もう登場しない可能性の高い人は載っているのに…



第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)

【ストーリー】(番組サイトより)
謹慎をくらった右京と暴走する薫
かみ合わない2人に新たな事件が!


 テロ予告のあった旅客機は無事だったものの、サルウィン反政府運動のリーダー的存在だったアイシャ (サヘル・ローズ)が命を落とし、責任を問われた右京(水谷豊)は、謹慎を申し渡される。
 いっぽう、捜査一課では、脅迫されていた人間は、薫(寺脇康文)のほか、アイシャの親友ミウ (宮澤エマ)とその弟、外務省幹部の厩谷 (勝村政信)、サルウィンで人道支援を行っているNGOの幹部・尾栗江威子(菊池麻衣子)ら計6人いたという情報を把握。しかし、脅迫犯に関しては目星さえつけられていなかった。
 そんな中、アイシャの死に責任を感じていた薫は、“親善使節団のメンバー”という立場を利用して厩谷のもとに押し掛け、右京の捜査復帰を官邸に働き掛けてほしいと直談判する。ところが、そこに当の右京が現れ、「くだらないまねは慎んでください」と薫を一喝。2人は再会も束の間、早くもぶつかり合う。そして、また一人、新たな犠牲者が―――

姿なき脅迫者と第二の殺人…!?
腐敗から国を救った英雄の死との関連は?
右京と薫が、衝突しながら国家の闇に迫る!


ゲスト:勝村政信 宮澤エマ サヘル・ローズ 菊池麻衣子 木村佳乃 柄本明

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一


・第一話のゲストには菊池麻衣子さんは載っていなかった。浜田学さんは2話とも載っていなかった
・「脅迫されていた人間は、薫(寺脇康文)のほか、アイシャの親友ミウ (宮澤エマ)とその弟、外務省幹部の厩谷 (勝村政信)、サルウィンで人道支援を行っているNGOの幹部・尾栗江威子(菊池麻衣子)ら計6人」とあるが、“その弟”という表現は悲しい。さらに、「~ら計6人」て、あと一人の里村も書いてあげろよ
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鎌倉殿の13人 第39話「穏やかな一日」

2022-10-19 00:07:01 | ドラマ・映画
「春霞 たつたの山の 桜花 おぼつかなきを 知る人のなさ」源実朝
春霞 たつたの山の 桜花 おぼつかなきを 知る人のなさ


春の霞のせいで、はっきりと姿を見せない桜のように、
病でやつれた己を見られたくはない
されど 恋しいあなたに会いたい 切なきは…恋心
 
(訳:源仲章)



 今話だけでなく、これまでも幾つかの伏線はあった。

 泰時の不在をさみし気に受け入れていた…
 歩き巫女から諭され、安心したような顔をしていた…
 千世を避けているような…

 そして、今話で、弓の腕比べ会で、勝利を決定づけた鶴丸=平盛綱と泰時が抱き合って喜ぶのを見て、実朝は機嫌を損ねていた……
(以前から気づいていた視聴者もいたとは思うが、ここで、ピンと来た人も多かったはず)

 鎌倉殿という重荷を背負わされた実朝。
 その苦しみを和らげようと、泰時に悩みや迷いを打ち明けたかったのかと思っていたが、そうか、恋心だったのか……

 
「どうして私からお逃げになるのですか?
 私の何が気に入らないのですか?」
……必死で心をぶつける千世に
「私は世継ぎを作ることはできないのだ。 あなたのせいではない……
 私は……どうしても そういう気持ちになれない」

「ずっと、お一人で悩んでいらっしゃったのですね
 話して下さり、嬉しゅうございました」

……実朝が自分の気持ちに応えてくれることはないと知りつつ、それでも、実朝の心に寄り添おうと、自らの身を実朝に添える知世
「私は……応えてやることはできない」
「それでも、構いませぬ」
……知世の思いに応えることはできないが、それでも、知世の優しさに応えようと、恐る恐る?知世の背に手を添える実朝……

 実朝も千世も優しく清い人なので、悲運としか思えない。


サブタイトルは「穏やかな一日」だったが、心情は大波の回であった……
泰時の権力欲による傲慢ぶりに、鎌倉の御家人の間には不満のエネルギーが水面下(地下)に溜まり、大激震が起こりそうだし…
さらに、実朝の心も、改めて泰時に渡した和歌のごとく、大波で砕け散ったし…



(上記のどちらを先に書こうかと迷ったが、時系列順の方が書き易いので……)
義時の傲慢さに感じる不安や不満を抑えて、時政の命を奪わなかったことに礼を言う政子に対し
「むしろ、(父・時政を)殺していれば、御家人たちは怖れ慄きひれ伏した」
 「二度と北条に歯向かうものを出さぬため」と決意を口に出した後なので、100%本心ではないだろうが、どす黒い…どす黒い言葉だ

義時 傲慢劇場 シーンその1――三浦義村
「鎌倉を変えるぞ!」(鎌倉を自分の都合のいいように変えるぞ!)と話を切り出し、
「守護は2年ごとに改める」と制度改革案を打ち出す。
しかし、守護である義村にとってはとんでもない話だ。やんわりと否定の意見を述べるが、
「真っ先に賛成してほしい。(義村が賛同すれば)他の御家人も何も言えない」
こう言われてしまっては、義村も異を唱えにくく、表向きは了解の意を示したが、義時が去った後は、扇子を叩きつけた

義時 傲慢劇場 シーンその2――和田義盛
 「上総介」(上総国の国司)に就く要望を“にべなく”退ける
 義盛は実朝に気に入られており、「上総介」を実朝に願った。実朝は政子に頼んだが、政子は公私混同してはいけないと諭した。(とは言え、実朝の願いを聞き入れ、政子が泰時に頼んだのか、それとも、和田が隠さず願いを吹聴するので、泰時の耳に入ったのかは不明)
 願いを却下する理由を説明するわけでもなく、説得するわけでもなく、にべなく義盛を退ける義時の態度に「変わっちまったようなあ、鎌倉も、北条も」と義盛

義時 傲慢劇場 シーンその3――源実朝
 和田の願いが聞き入れなかったのに、北条の郎党の盛綱=鶴丸を御家人にする(準ずる)ように動いたことに、「世の中の断りを乱す」と拒否したが、
「あんたも偉くなったよな。もう私は要らないみたいだから、伊豆へ帰るよ」(←意訳)と脅す(実際はもう少し穏やかな言い回しだが、慇懃無礼に凄みを加えた脅し)
そして、実朝が反対を取り下げた後
「鎌倉殿が一致度口に出したことを翻しては、政の大元が揺るぎます。
 ……私のやることに口を挟まぬよう鎌倉殿は見守ってくれればいいのです
と恫喝


 今話、さらに義時のどす黒さが増した。前話までで闇に落ちてしまった感があるが、今話では、真っ逆さまに落ちて…堕ちてしまった。
 でも、そのきっかけや、その心情描写がなかったように思えた。
 個人的には、かなり不満。



……と傲慢さを爆発連発させていた義時であるが、本来なら、それに異を唱えるべき泰時が……
実朝の和歌(恋文)の返歌(返事)に頭を悩ませていた……

 しかも、和歌に秘められた恋心に気づかない(そりゃ、和歌の本意に気づけないのでは、返歌もできないよなあ)
 源仲章に恋の歌と教えられて、ようやく、実朝の気持ちに気づく泰時であった……

 でも、以前の泰時なら、「鎌倉殿ったら、そそっかしいなあ。渡す歌を間違えるんだもの」とにっこり笑って指摘したのだろうけれど、妻の初に鍛えられている成果が出たのだろう。
 きのこを贈れば女性は喜ぶと思い込んでいる義時だったら、どうだっただろうか?

 実朝の気持ちに気づかぬふりをして歌(文)を返したが、泰時も心が痛い。改めて渡された和歌を見て実時の心を慮り、酒を煽っていた。

 実朝が、改めて渡した歌が、悲しい。
「大海の 磯もとどろに寄する浪 われて砕けて裂けて散るかも」

(これ、返歌、できないよね)

【その他の感想】
・「鶴丸の御家人問題」「弓合戦出の抱擁、実朝の恋心と嫉妬心からの反抗」「義時の傲慢さ」をうまく絡めていた
・実朝の世話役女性。和田好みの「声が大きい女性」の要望に実衣がしっかり応じていたのが笑えた
・実朝は、当然、世話役女性を断ったが、その女性の面子を考えて、世間話(悩み相談)をして時を過ごす…優しいなあ
 しかも、その時の苦情の“ひどい男”が、実は、泰時の異母弟の北条朝時(母は比奈)だった。(しっかり、義時の耳に入って、叱られた)
 朝時…頼朝と義時を合わせた名前だが、名前負けというか、“バカ息子”。今後、トラブルメーカーになるのだろうか?
・“裏表女”・のえ…意外に正直で「私なんか、欲が着物を着て歩いているようなものだけど」という自己評価を初に漏らす
 義時を見送った後、抱いていた我が子を「はい」と荷物を渡すように従者に渡す様も面白かった

・八田は相変わらずの便利屋ぶり。
・善哉……いきなり育つ→公暁


第1話「大いなる小競り合い」  第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」     第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」      第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」    第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」       第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」     第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」     第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」     第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」      第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」     第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」      第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」      第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」     第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」    第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」     第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」     第32話「災いの種」
第33話「修善寺」        第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」        第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」  第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」     第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」      第44話「審判の日」


【ストーリー】番組サイトより
 いまだ源実朝(柿澤勇人)と千世(加藤小夏)との間に世継ぎの誕生がなく、気にかける政子(小池栄子)と実衣(宮澤エマ)。
 義時(小栗旬)は、御家人たちが謀反を起こさぬように政(まつりごと)の仕組みを改める。しかし、傲慢なやり方に三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)らが不満を募らせていた。
 一方、泰時(坂口健太郎)は慣れない和歌に悪戦苦闘し、源仲章(生田斗真)に相談を持ち掛ける。そんな中、成長した公暁(寛一郎)が……

(これまで、ほとんどコピーペーストするだけで、読んでいなかった“あらすじ”……
    ……読んでみると、あまり上手じゃない気がする……
 「そんな中、成長した公暁(寛一郎)が……」って、今話の最後のシーンで、今回とは、ほとんど関係ない)


脚本:三谷幸喜
コメント (2)
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