英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

藤井-豊島戦を観て、感じたこと その4

2021-10-29 20:48:56 | 将棋
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その1」
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その2」
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その3」
の続き

 今記事で取り上げるのは、王位戦第4局。
 実は、前記事の叡王戦第4局(豊島叡王の快勝)の三日前に指されている。前記事は豊島竜王の勝局を取り上げたかったので、時系列的に逆順になってしまいました。ご容赦ください。

 実は、本記事で2局ほど、両者の対局を(もう少し簡単に)取り上げ、できれば表題の“豊島将棋に関する仮説”について考察しようと思っていましたが、この一局の終盤、疑問が浮上してしまい、筆が止まってしまいました。
 文末に、その疑問点について触れますので、どなたか、疑問を解消してくださるようご教授願います。


王位戦 第4局
 本局を迎えた時点で、対戦成績は豊島8勝、藤井5勝。

 本局は角交換後、後手の藤井王位が角を打ち先手の豊島竜王の動きを牽制したが、後手の角を巡る攻防になった。

 第1図の銀取りに角を打ったところ。盤上の角と持駒の角は、一般的には持駒の角の方が価値が高いと言われている。隙を見せると馬を作られたり両取りを掛けられるので、角を持たれていると制約が多い。ただし、盤上の角が抜群の働きをすることもある。
 その有利さを手放して角を打つからには、豊島竜王には何らかの成算があるはず。実際、この銀取りへの後手の対応が難しいのではないかと言われており、豊島竜王の成算というよりは、藤井王位の成算が注目されていた。
 ▲5六角への藤井王位の対策は△3六歩だった。対して▲2八飛と引いて、△3五銀▲3六歩△4六銀▲2四歩△同歩▲同飛△2二歩▲4四飛と指すのも有力だったが、豊島竜王は▲3六飛。△3五銀で飛車が御用になってしまうが、これには▲4五歩のカウンターがあり大丈夫。実戦は▲3六飛に△3三歩。1歩を捨てて、銀取りを受けるだけの歩を3三に打つのでは、後手がやり損ったのではないかと思われるが、先手の飛角が窮屈で、釣り合いが取れているのだろう。


 第2図以降~第3図~第4図と、複雑で微妙な差し手争い(「指す」の誤字ではなく、相撲用語)みたいな小競り合いが続く。

 第4図はお互いの角が向かい合う局面が発生した瞬間。かなり珍しい図なので図面を起こしたが、この1手後の△5四銀打(第5図)の局面が、本局の分岐点となった。(記事を書くにあたって、この事に気づき、《なんだ、2手連続で局面図アップかと少し後悔)
【補足】44手目~47手目の局面でも、角が向かい合っていました。


 図で、豊島竜王は▲4八飛と飛車を回ったが、局後の感想では
代えて☗6五歩が有力だった。以下☖同桂☗同桂☖同銀☗4四歩☖同歩☗7五桂が進行の一例。
「これは攻めが切れない気が」(藤井)
「☗6五歩と突いたほうがよかったですか。手厚いところを攻めますけど、☗7五桂のキズがあるから成立するのか」(豊島)
と、棋譜中継の解説で記されている。

 また、▲6五歩の前に▲4四歩と突いてくのも有力だったようだ。
 ただし、これは検討陣目線の手で、当事者にとっては、△5四銀打(第5図)と打たれ6五の地点は後手の厚みを感じて、浮かびにくいと言う。

 実戦は▲4八飛以下、△7五歩▲同歩△9五歩▲同歩△6五歩▲同歩と3連続突き捨てを入れ△4五桂!
 桂捨ての強手。実際には「▲桂 対 △歩」交換か、「▲桂銀 対 △角歩」(ほぼ2枚替え)で、いずれにしても、後手の駒損。豊島竜王の飛車回りは後手玉のコビンを狙った手だが、4五の補強の意味もあったはず。
 当然の▲4五同角に△6六歩の叩き!

 ▲6六同金は△5七角成があるので▲6八金と引くが、急所に楔が入った。
 以下、△4五銀▲同飛に△5六歩(第7図)。

 この歩も3五の角と連動して厳しい。
 ▲5六同歩は△6八角成▲同金△6七角▲7八銀△5六角成で先手が悪そう。
 一見、▲5五飛の王手で5六の歩を抜けそうだが、△5四飛とぶつけられ手がある。
 そこで、▲7四桂と金取りに打って飛車の横利きを遮って△5四飛を消して▲5五飛の実現を狙ったが、当然、金取りを放置して△5七歩成(第8図)。

 図より▲5七同金に△7四銀と後手玉の危険度を下げられるのは悔しいが、▲6二桂成△同玉としてしまうと▲5五飛が王手にならないので仕方なしか。
 そこで、△7四銀に▲3五飛△同歩と切ってから▲7四歩と銀を取る。
 ちなみに、「△7四銀に▲7四同歩は、以下△5七角成▲5五飛△4一玉▲5七飛に△6七金で後手よし」とのこと。

 ▲7四歩に△5九飛(王手金取り)▲7九銀に△7四飛と手を戻す(第9図)。

 第9図は、金取りが残っており(場合によっては△2九飛成と桂を取る)、6六歩の拠点もあり、先手陣の7六の桂頭のキズもある。対して、後手陣は敵影すらない。
 豊島竜王は▲7五歩△8四飛▲6六金と飛車を追いながら拠点の歩を除去したが△5四桂(第10図)が急所に食い込む桂打ちで、以下は端を絡めるなど着実に先手玉を寄せた。



 さて、冒頭に述べた疑問点がこの第9図の局面です。
 ここで豊島竜王は▲7五歩△8四飛▲6六金と進めたが、

 第9図で▲6八銀打(変化図1)と固められた局面がよく分かりません。

 普通は△2九飛成と桂を取る手だが、▲6四歩(変化図2)と伸ばされてみると、後手の玉と飛車と龍の位置が悪く、指し手が難しい。

 △6四飛と歩を払う手には▲7四歩が悩ましい。
 ▲6四歩(変化図2)に手筋の△5六歩も浮かぶが、そこで▲6六金と歩を払う手がじっと後手の飛車にプレッシャーを掛けている。先手はやや戦力不足だが、何しろ9筋以外は固い。先手の飛車を攻めれば、両取りの角打ちの筋が生じたり、飛車を攻めるうちに玉にも迫ることができたりと、相当難しい形勢になっているように思える。第6図から第9図まで後手の思い通りに指したように思われるのに、不思議だ。
 特に2九の龍の位置は▲1八角がクリーンヒットになってしまうおそれがあるので、変化図1では△2九飛成ではなく、他の位置に飛車を成った方がいいのかもしれない。



 第9図の形勢判断や最善手など、ご教授くださると有難いです。

「その5」に続く
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相棒 season20 第3話「復活~最終決戦」

2021-10-28 17:56:00 | ドラマ・映画
season19 第1話「プレゼンス」 (前篇)
season19 第2話「プレゼンス」 (後篇)
season19 第19話「暗殺者への招待」
season19 第20話「暗殺者への招待~宣戦布告」
season20 第1話「復活~口封じの死」
season20 第2話「復活~死者の反撃」の続編……

 う~ん、『土曜ワイド』とか『警視庁・捜査一課長』として観るのなら、「面白かった」と言えるかもしれない。本田博太郎も出演していたし。(元官房長官・朱雀武比古役で出演していたが、『捜査一課長』の笹川刑事部長にしか見えなかった)
 「7話も費やして(しかも、ほとんどが拡大枠)、これかよ!」というのが率直な感想。
 面白かったのは、バーチャルでのフェイク画像での青木の”右京なりすまし”と、(途中からは右京が演じているのだろうと予想できたが)右京が加西を演じて真相を暴露したシーン。それと、屋敷の見取り図が二次元コードになっていて、加西の切り札音声の保管場所を示していたことぐらい。
 ただし、加西が切り札とした盗聴に関する音声データだが、切り札となり得るかは疑問。
 バーチャル世界でのなりすましや、冠城逮捕の重要証拠になった鍵窃盗のフェイク動画(青木には見破られなかった)の技術から考えると、「でっち上げ音声だ」ととぼけることが可能ではないだろうか?「栗橋内閣情報官が勝手に忖度して殺人事件を起こした(殺人教唆)」と言い逃れるくらいだし。


前回、整理した謎についての検証(正直、検証するのもバカバカしいが…)
➀甲斐峯秋云々と言うより、社美彌子が内閣調査室室長に抜擢という大きな動き
 甲斐については、今回はほとんど動きなし。社美彌子が内閣調査室室長に抜擢されたことに、驚愕しただけ。
 で、その美彌子であるが、官房長官・鶴田翁助(相島一之)に特命係の動きをリークしていて、その見返りとしての論功行賞らしい。まあ、特命係にも協力しており、うまく立ち回っていた。どちらに転んでもいいというスタンスだが、官房長官を利用して室長になり、特命係に頑張ってもらって、官房長官が失脚してくれればそれで良し。官房長官が失脚してもいいように、国家公安委員長・鑓鞍兵衛(江本明)という保険を掛けておいた。

②中郷都々子弁護士殺害と怪しい笑みの女殺し屋にまつわる疑問
・《津々子の部屋が施錠されてなかった》《冷房が掛けたままだった(死亡時刻をごまかす為なら、タイマーで切っておかないとダメ)》
 →実は生きていた柾庸子が、都々子の遺体の状態を保つために、室温を下げ、早く発見されるよう、ドアの施錠を解いたという、都々子への思いやりの行動だった
・加西殺しと中郷殺しとの関連を示すものを所持していたのはプロとしては変
 →津々子を殺した栗橋内閣情報官への柾庸子の復讐だった。殺し屋のこれまでの犯行をほのめかせ、栗橋と殺し屋との関係を示唆した。
 スタンガンで電気ショックを受けた殺し屋だが、それでも反撃。そこで、格闘の末、絞殺されてしまう?……スタンガンを受けたのは殺し屋としては迂闊。格闘に持ち込んだのに、やられてしまうとは!

③鷲見三乘(味方良介)について
・前話で鶴田が警視庁から身元を引き受けていたが、今回は鷲見の就職先を手配していた。しかし、結局、そこまでする理由はよくわからなかった。(私が見落としただけ?)

④栗橋内閣情報官
・黙秘を続けていたが、鶴田が失脚したので、黙秘する意味はなくなったと思うが、どうなったのだろうか?
 もしかすると、今回は台詞なし?

⑤特命係と捜一トリオによる事件の疑問点の整理・検証
・自殺の救命ぐらいで、かなりの医療設備や技術がある拘置所の病院から移送するのはおかしい(前話での疑問点)
・伯父が案内された時は既にかなりの時間が経過しており、病院らしき施設の霊安室に安置されていたのはおかしい(前話での疑問点)
    ↓
カプセルを飲んで仮死状態になり、拘置所から表向きはER(病院)に移送。
拘置所にそっくりの部屋で自殺遺体の偽装。さらに、病院の霊安室ぽい所で遺体として伯父と対面
用意された戸籍謄本とパスポートで別人として再出発

 殺人教唆の罪を一人で被り、その見返りとして、別人として再出発……上手くいったとしても、割に合わないよね!
 エリート人生を捨て、その上、身内とも決別して、過ごさなくてはいけない。加西殺害がバレたのが自分の失策だと判断したのかもしれないが、割に合わない。
 それにしても、自殺と見せかけた細工は大掛かりだった。病院や拘置所のセット、柾庸子の移送の人員、検証写真など使って自殺の検死資料の作成……そこまでしなければならないのなら、柾庸子自身も思ったように、騙して病死に見せかけた方が簡単。実際には、かなりの人員が関わっており、秘密が漏れそう。
 柾庸子も津々子を殺害された復讐をするのなら、彼女に危害が及ばないような動きをしそうなものだが……「自分は生きているから、これ以上真相を暴こうとするな」とかいう意思を伝えるとか。
 それと、前話で右京が遺体写真を凝視していたが、何について引っ掛かりを感じたのか語られることもなかった。
 特命係は、パリにいる柾庸子をどうやって探し出したのだろうか?



【その他の疑問】
①右京たちはどうやって加西の切り札の官房長官との会話の音声データを見つけ出したのだろうか?
 多くの情報は柾庸子から得たとは思うが、あまりにも詳細に知っていた。
②バーチャル世界を抹消されて慌てていたが。青木君、加西の切り札の音声データはまず、バックアップを取らないと
③最初のバーチャルの加西の館での探索で、いきなり、真っ暗になってゲームオーバー?になってしまったが、どういうトラップだったのだろうか?
 このトラップに引っかかったのは、バーチャル世界では他人に成りすますことができるというフラグと言うか、前振りのようなものだろうが……。で、ゲームオーバーになってもすぐ再トライしないのは、不自然。
④追い詰められた官房長官が、官房機密費が補充されるのを見ていた。この時、何を思ったのだろうか?
 《金を持ち逃げするのでは?》と視聴者に思わせるためのシーン?
 しかし、彼にとっては、金よりも権力で、その権力を失ってしまっては、金は何の意味も持たないのだろう。
⑤加西の館での柾庸子は本人だったが、美彌子が演じていた方が面白かったのに。(冠城でも可)



【ストーリー】番組サイトより
特命係が再び仮想現実の世界へ!
権力者がひた隠す不都合な真実とは!?


 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、青木(浅利陽介)をともなって、加西周明(石丸幹二)が生前、準備していた仮想現実の世界に足を踏み入れる。そこに、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の“弱点”が隠されていると踏んだ右京たちは、加西のアバターに案内されるまま歩を進めるが…。
 いっぽう、元内閣情報官の栗橋(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の一件をめぐって捜査一課から厳しい追及を受けていたが、関与が疑われる鶴田をかばってか、完全黙秘を貫いていた。
 同じ頃、警視庁では、異例の事態が起きていた。広報課長を務める美彌子(仲間由紀恵)に辞令が下り、思わぬポストに異動することになったのだ。背後には鶴田の手引きや美彌子の思惑があるとみられるが、真相は不明。
 そんな中、鶴田は加西が握っていたと思われる、自身の“弱点”を潰しに掛かるが…!?

加西がVRの世界に遺した“切り札”の正体は!?
いっぽう、警視庁内では権力をめぐる不穏な動きが…
カオスと化した事態の中、特命係が驚がくの真相に迫る!


ゲスト:相島一之 遠山景織子 石丸幹二

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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先日、「嘘つきが多いような気がする」と書いたが……

2021-10-26 16:43:58 | 時事
 10月19日に「嘘つきが多いような気がする」という記事を書いた。
回答のパーセントに、適当に実際に行くかどうかの確率を掛けて、投票率の期待値を考えてみた。
 その結果は78.7%。ほぼ同様な回答割合だった前回の衆議院選挙の実際の投票率は56%だったので、「嘘つきが多いような気がする」と述べた。(詳しくは、上記の記事「嘘つきが多いような気がする」

 で、その1週間後の世論調査。
10月22日(金)〜24日(日)のNHKの世論調査で、
衆議院選挙に行くか?の問いに
「必ず行く」……………………52%
「行くつもりでいる」…………24%
「行くかどうかわからない」…8%
「行かない」……………………5%
「期日前投票をした」…………9%
無回答…………………………2%

という回答だった。


 「必ず行く」「行くつもりでいる」が前回に比べて少し減っているが、これは「期日前投票した」に移行していると考えられる。(前回は、56%(必ず行く)+29%(行くつもり)=86%、今回は52%+24%+9%(期日前)=86%)

 なので、今回取り上げて、ことさら書くこともないように思えたが、
ふと、ある要素を全く考えてなかったことに気がついた

 それは……
「調査の対象となったのは、5525人で、57.1%にあたる3157人から回答を得た」という点。
 つまり、前回は回答した人についてのみの類推であった

 調査の回答しなかった(設問に対する「無回答」ではない)理由としては、「答えるのが面倒」「忙しかった」「自分の考えを明らかにするのは嫌」などが考えられるが、「政治に関心がない」という理由も多いのではないだろうか。
 どんどん想像の割合が高くなっていくが、調査に無回答の人のうち4割が「答えるのが面倒」、3割が「政治に関心がない」と仮定。これらの人は選挙に行かない率が高そうだ。
 そこで、《「答えるのが面倒」な人の6割が選挙に行かない》、《「政治に関心がない」人はすべて選挙にはいかない》と《残りの無回答者の4割が選挙に行かない》と仮定。

 そこで、調査に回答しなかった人のうち、40%×60%+30%×100%+30%×40%=24%+30%+12%=66%が選挙に行かないと見積もられる(もっと多いかも)。
 なので、調査に回答しなかった人のうち選挙に行く人は、100%-66%=34%

 前回に算出した投票率78.7%は、回答した人のみについての数値なので、今回の回答率が約57%なので、全体の78.7%×57%=44.9%。
 さらに、無回答者(アンケート対象者の43%)のうち選挙に行く人は34%×43%=14.6%

 よって、投票率は44.9%+14.6%=59.5%。

 …………う~ん、嘘つきは少ないのかもしれない
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藤井-豊島戦を観て、感じたこと その3

2021-10-23 16:35:32 | 将棋
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その1」
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その2」
の続き

 王位戦第2局(藤井王位の逆転勝ち)以後、王位戦第2局、叡王戦第1局も藤井王位・棋聖が競り勝った。豊島竜王・叡王が有望な局面もあったが、中盤(終盤の入り口)以降は徐々に優勢を拡大していった。大雑把に見ると藤井二冠の快勝と言える。このまま、藤井二冠が圧倒するのか、豊島竜王(叡王)が踏みとどまるのか?……状況

叡王戦 第2局
 本局を迎えた時点で、対戦成績は豊島7勝、藤井4勝。

 後手の藤井二冠が飛車を4筋に転回したのに対し、豊島叡王が好所の角打ちで対抗。形勢は拮抗。第1図では先手の左銀が押し込まれ壁銀になっており、図の△5五銀左も迫力十分で大丈夫かと思ったが、以下▲5五同銀△同銀▲4七歩と収まってみると、後手も5三の薄みが気になる。居玉に4二飛の接近形だ。
 ところが、金で馬を押し返そうとした手に対し(第2図)、▲6五馬と馬角交換を甘受した手が良くなかったようで、形勢は藤井二冠に傾いた。豊島叡王はその後の5三に狙いをつける▲2六角に期待したのかもしれないが、第3図の△2七金で取られる(角金交換)ことになってしまった。


 その後、苦しい形勢が続いたが、第4図の▲5四銀が渾身の勝負手。

 「ちょっとダメかなと思ったんですけど、ほかにやりようがない」と豊島叡王の局後の言葉だったが、その数手後、藤井二冠が△8八と▲5五飛と銀を取り合ったのが急ぎ過ぎ、さらに、第5図の△6九銀も追い過ぎで、形勢が接近した。勝負手が奏功した。

 とは言え、まだ藤井二冠が若干リードを保ち、最終盤に。

 第6図、5五で龍飛の交換が行われ、手番は藤井二冠。
 ここで金を取った△7八とが当然に見えて、疑問手。金ではなく桂を取るべきだった(らしい)。
 本譜の△7八とも△8九とも、以下▲4三歩△同金▲2二飛(第7図)と進むが、▲2二飛が後手玉への詰めろになっていない(と言う)。

【以下、中継棋譜解説より引用】
藤井が「これが詰めろじゃないってことですか」と目を丸くしながら☖2六桂と打つ。以下☗2七玉☖3八桂成のときに☗3二銀から危ないが、☖5二玉☗4三銀成☖6一玉☗5二成銀☖7二玉で上に抜けている。【引用終】

(第7図は実戦の局面だが、上記の藤井君の“これ”の局面は《△7八とに替えて△8九と》、《持駒が金→桂》)

 実戦は7図以下、△3二角▲5二銀△3一玉▲3二飛成△同玉▲4一角△4二玉▲4三銀不成△同玉▲4四歩△4二玉▲5二金△3一玉▲4三歩成で後手玉は受けなしとなった。
 評価値は「先手勝勢」……「勝ち」と断言できるほどの数値を示しており、先手玉には詰みはない。
 と言っても、それはAIが言っているだけ。

………これ、評価値表示がなかったら、一体どれだけの人間が「後手勝勢」と判断できるのだろうか?
………評価値表示がなかったら、多くの観戦者は、ハラハラドキドキして観ていたのではないだろうか?


 実際、▲4三歩成以下、△1六飛▲2八玉△2六飛打▲2七歩△3七銀(第8図)と迫られ、相当危険な匂いが……以下、図面のみ(手順省略)。



 豊島叡王の勝負手が奏功し、何とか踏みとどまった。


叡王戦 第4局
 上記の叡王戦第2局以降は、藤井二冠が叡王戦第3局、王位戦第4局と連勝。
 本局を迎えた時点で、対戦成績は豊島8勝、藤井6勝。


 図は後手の藤井二冠が△9三桂と端に桂馬を跳ねた局面。
 最近では珍しくなくなった端桂だが、本局に関しては良くなかったようだ。(△3五歩と指すべきだったらしい)
 △9三桂に対し、豊島叡王は▲8六歩と桂跳ねを拒否。ならばと、藤井二冠は△8五歩と歩を合わせる。
 ここで、▲7九金が用意周到の手。

 △9三桂は▲8五歩△同桂▲8六飛と進んだ時に△7七桂成と大捌きをするのが狙いで、部分的手筋と言って良い。△7七桂成には、▲8四飛と飛車を抜かれる手があるが、△7八成桂で2枚替えとなり、後手が良い。▲7九金はこの変化の時、金を取られなくしている。
 豊島叡王はこの▲7九金に3分しか消費していない。この手を含めて、通計21分なので、研究範囲なのだろう。まさに、用意周到の一着だ。

 この手に対し、藤井二冠は24分考えて△8六歩。そして、▲8五歩(第13図)に

△4四飛と辛抱。以下▲8六飛に△7一金と更なる辛抱。▲8二角を防いだ手だが、辛い手だ。
 以下は豊島叡王の完勝となった。

 印象に残ったのは、第14図の▲8八角

 直前の△7六桂(6八の金取りと▲8八龍の飛車取りを防いでいる)に対し、その桂の利きに角を打ったのだ。
 通常は5五や7七から飛車取りに角を打つところだろう。何もわざわざ桂の利きに打たなくてもと思うのだが、△7九飛成と切られた時に▲同玉で下段に落とされる形を嫌ったという。
 藤井二冠も角を取らず△6八桂成と銀を取る。角を取ると▲8八同龍で後手の飛車が助からない(後手玉は飛車には弱い)。
 △6八桂成に▲同玉で、結局、後手の飛車は△7九飛成と切ることとなり、先手は▲7九同角で下段玉を避けて飛車を手にすることができた。

 王位戦(豊島の1勝3敗)、叡王戦(2勝2敗)と番勝負の流れは藤井二冠にあるが、この完勝は大きいかもしれないと思ったが……

「その4」に続く
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相棒 season20 第2話「復活~死者の反撃」 (拡大スペシャル)

2021-10-21 17:06:10 | ドラマ・映画
season19 第1話「プレゼンス」 (前篇)
season19 第2話「プレゼンス」 (後篇)
season19 第19話「暗殺者への招待」
season19 第20話「暗殺者への招待~宣戦布告」
season20 第1話「復活~口封じの死」
の続編……
…………………まだ続くのか

 今話の半ばまでは面白かった。

【第1話終了時点での疑問】
1.柾庸子の死の真相
2.加西が預けた鍵は、何の鍵?何が保管されている?
3.怪しすぎる笑みを浮かべる女の正体
4.ああいう寝床が流行り?



【それらの謎について判明したこと】
1.柾庸子の死の真相
柾庸子の伯父に聴取
・法務省職員らしき30代男性・佐野に案内された
・遺体は病院の霊安所のようなところに安置されていた

2.加西が預けた鍵
・鑑識に保管されていた本物の鍵をダミーの鍵とすり替えて「悪の手に落ちる前に救い出した」(右京の弁)
・青木が、何の鍵か突き止めていた(実は、右京たちから依頼される前に特定していた)……加西周明(石丸幹二)が初期のころから所有していた物件
・その廃屋を探索し、サーバーらしきものがある部屋を発見
・さらに、右京たちの様子を窺っていた男を確保
  冠城の取り調べ?で、栗橋内閣情報官(陰山泰)とつながりがあることが判明、さらに、柾庸子の伯父が会った佐野であることも確認

3.怪しすぎる笑みを浮かべる女の正体
・中郷弁護士の遺体からテトロドトキシンが検出され、他殺の線が濃くなった(その犯人か?)
・遺体で発見される。所持していたスマホに栗橋内閣情報官との通話記録あり。
・遺体を確認した右京は、女の顔を見て、中郷と密会していた時に自分たちを見張っていた女だと確信
・女の所持品の献立計画の手帳とキーホルダーなしの鍵を確認⇒手帳から加西の殺害犯、中郷弁護士の部屋の合鍵と推測され、殺害犯と考えられた

【新たに発生した事実や疑問】
➀甲斐峯秋バッシング記事など甲斐潰しの動き
・現在の甲斐が、そこまで疎まれる存在なのだろうか?
・社美彌子(仲間由紀恵)が甲斐を守ろうと動いたが、そこまでする恩義があるのだろうか?
・怒り心頭の甲斐の様子が面白かった

②中郷都々子弁護士殺害と怪しい笑みの女殺し屋にまつわる疑問
・《津々子の部屋が施錠されてなかった》《冷房が掛けたままだった(死亡時刻をごまかす為なら、タイマーで切っておかないとダメ)》など他殺を疑わせる痕跡を残すのはおかしい
・加西殺しと中郷殺しとの関連を示すものを所持していたのはプロとしては変
  →右京は「その所持品こそ、津々子の部屋を強烈に冷やした謎のヒントになった」と語る

③鷲見三乘(味方良介)について
・柾庸子の遺体の安置所に案内した男の正体(柾庸子の病院への移送の承諾?担当検察官から得たのも彼)
・栗橋内閣情報官から柾庸子殺害の命を受けていた
・特命係の動きをマークしていたが、捕まり、身柄を拘束される
・官房長官・鶴田翁助(相島一之)にとって、鷲見は甲斐の更迭に匹敵する存在らしい

④栗橋内閣情報官の処遇
・怪しい笑みの殺し屋のスマホの通話履歴から、取り調べを受ける
・官房長官から「家族を手厚く世話をする」と保証(脅迫)され、殺人教唆を認め、職を懲戒免職される
・鷲見に殺害命令などいろいろ指示をして動かしていた

⑤特命係と捜一トリオによる事件の疑問点の整理・検証
・自殺の救命ぐらいで、かなりの医療設備や技術がある拘置所の病院から移送するのはおかしい
・伯父が案内された時は既にかなりの時間が経過しており、病院らしき施設の霊安室に安置されていたのはおかしい

青木(浅利陽介)の段取りで、
バーチャル空間の『加西周明の館』へ、いざ、突入!

 …………………………「来週へ続く」というキートン山田氏のナレーションが聴こえてきそうだ


右京の「その所持品こそ、津々子の部屋を強烈に冷やした謎のヒントになった」という言葉
 そもそも“怪笑み殺し屋”はなぜ殺されたのか?
 他殺を匂わせる津々子の部屋、殺しの関連物の殺し屋の所持品、栗橋内閣情報官との通話記録が残ったスマホ……栗橋内閣情報官を逮捕させるためとしか思えないのだが……官房長官にとって邪魔な存在となってしまったのか?

 あの筋トレ不気味女は、ニコニコ料理人殺し屋だったのね。
 なるほど、だから、不自然なまでに笑って、筋トレで肉体改造をアピールしていたのか。


《その他、感想など徒然と……》
 長いよなあ……だらだらと
 上記⑤の疑問点の整理・検証なんて不要だし、その他も、勿体ぶった展開が多い
 捜一トリオなどほぼ通行人と同じ。参事官との掛け合いの捜査方針相談コントぐらいしか存在価値を示せなかった。
 大河内監察官(神保悟志 )もこの所、ほぼ通行人。
 バーチャルゲームを表現するための行進や独特のカメラワークは好きになれないなあ。
 あれ、行動を共にしている3人が別方向に動いたら、どうなるのだろうか?と、余計な心配

 ドラマとしては都々子の無念さを慮ったところは良かったが、前シリーズで加西があっけなく殺害されてしまい、加西を糾弾できないのが残念。

第1話「復活~口封じの死」

【ストーリー】番組サイトより
罪に陥れられた亘が免職の窮地に!
ITの申し子が遺した危険な罠とは!?


 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が、自室で死んでいる中郷都々子(織田梨沙)を発見した。一見、自殺に見えるが、玄関は施錠されておらず、部屋が冷房で極端に冷やされているという、不可解な点もあった。それでも捜査一課は、都々子の死を、自殺として処理。
 納得いかない右京と亘は、捜査を続行しようとするが、亘が罪をなすりつけられた“鍵泥棒”の一件が尾を引く。形式上、特命係を統括している峯秋(石坂浩二)が、マスコミに糺弾されるなど、外部から圧力が掛かったのだ。背後には、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の暗躍があると思われるが、尻尾を掴むことはできない。そればかりか、これまでの経緯から、亘が免職の危機にさらされる。
 しかし、ひるまない右京は、加西周明(石丸幹二)が遺した“鍵”に鶴田の弱点が隠されていて、それこそが一連の出来事の真相解明の足掛かりになると推理。右京と亘は、青木(浅利陽介)をともない、鍵が示す“ある場所”を訪れるが…!?

時の官房長官の周囲で相次ぐ不審な死…
真相解明の鍵は加西が仕掛けた巧妙な罠!?
権力の巨大な壁が特命係に立ちふさがる!


ゲスト:相島一之 織田梨沙 石丸幹二

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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藤井-豊島戦を観て、感じたこと その2

2021-10-20 12:28:43 | 将棋
「藤井-豊島戦を観て、感じたこと その1」の続き
 今回は、“豊島-藤井、19番勝負”を振り返ってみたい(おそらく、1回では終了しないと思います)

王位戦 第1局

 互いに飛車で歩をかすめ取ったり、端歩を取り込んだりと、細かい折衝が続いたが、第1図では後手の豊島竜王がリードを奪っていたようだ。
 その後も、的確な指し手を続け、豊島竜王の完勝となった。

王位戦 第2局
 第2局も、一度交換した歩を△7五歩と打つなど、虚々実々の難解な将棋となった。

 △5四角と次に△7六歩の取り込みを狙った手に対し、▲6五歩と突きだしたのが第3図。△同角と取らせれば△7六歩に▲6六銀と角取りの先手でかわせる。(おそらく、この局面は先手の豊島竜王が有利)
 第4図は△5五銀右と角取りと出た手に▲2八角と引いたところ。ここで引くのなら、初めから2八から角を打てばいいのにと思うが、▲4六角と打った時は▲2四歩△同歩▲2四角の狙いもあった(この時はまだ3三に桂を跳ねていない)。とにかく、複雑、難解。
 角を引かされることになったが、次に▲5六歩がある。なので、藤井王位も行くしかない。4図以下△7六歩▲6六銀(▲7六銀もある)△8六歩と攻め込む。豊島竜王も▲8六同歩と応じず、▲5五銀と踏み込む。以下△8七歩成▲5四銀(第5図)△7八と、と猛烈な斬り合いとなった。


 第5図以下、△7八と▲同玉△8八金▲6八玉△8七飛成▲3四歩△5四歩▲3三歩成△同銀(第6図)。
 △8八金~△8七飛成と重い飛車の成り込みをしたかと思えば、自陣に手を戻したりと、藤井王位の玄妙な指し手。

 ……そして、ここで豊島竜王の▲5九玉が疑問手でて、形勢は互角に。この▲5九玉は早逃げの手筋で、それを視野に入れて進めてきたと思われるが、この場合は最善ではなかったようだ。
 この▲5九玉では、豊島竜王は▲7五角を読んでいたが、勝ちが見えなかったようだ。中継でも詳細な変化が記されていたが、難解(後手が勝ちになる変化も)。また、▲4五桂も検討されていたが、先手の勝ち方が分からなかったらしい。
 局後の検討では、「第6図での最善手は☗9一角成で、それなら後手のほうも意外に適当な順が難しかったようだ」と記されている。

 第6図以下▲5九玉△9九金▲4五桂△8九龍(第7図)。

 ここで豊島竜王は▲6九銀。この手が良くなく、怖いが▲4八玉とかわすのが最善だったようだ。
 合駒に銀を使ったため、後手玉を寄せ切るのに、戦力が足りなくなってしまったという。本譜の順でも寄せ切れそうに思われるが、若干足りなかったようだ。
 藤井王位は自玉の危険度を十分読み切り、きっちり勝ち切った(こう書くと簡単そうだが、至難の業である)

 この一局まで豊島竜王の7勝1敗だったが、風向きが変わった

「その3」へ続く
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嘘つきが多いような気がする……「必ず選挙に行く」と答える人

2021-10-19 16:50:52 | 時事
10月15日(金)〜17日(日)のNHKの世論調査で、
衆議院選挙に行くか?の問いに
「必ず行く」……………………56%
「行くつもりでいる」…………29%
「行くかどうかわからない」…8%
「行かない」……………………5%
無回答…………………………2%

という回答だった。

 順当に考えると、「必ず」行くのだから、この56%の人たちはすべて行くので56%、「行くつもり」と答えた人は7割の人が行くと仮定すると29×0.7=20.3%、「行くかどうかわからない」を30%が行くと仮定すると8×0.3=2.4%となり、投票率は78.7%となる。本当だろうか?……嘘つきがかなりいるように思えるのだが

 ちなみに、前回の衆議院選挙でこの時期(公示日直前)の調査では、「必ず行く」と答えた人は今回と同じ56%で、実際の投票率は53.68%とのこと。

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衆議院解散 前倒し投開票で選挙管理委員会は大変

2021-10-15 11:46:47 | 時事
解散に伴う総選挙は、19日公示・31日投開票となった。
就任から解散までと、解散から総選挙の投開票までの、いずれの期間も戦後最短となった理由としては、就任直後の勢いのあるうちに選挙で戦うのが得策などという、岸田総理の判断があったと見られている。


「分配と成長の好循環」「新しい資本主義」「岸田文雄の特技は、人の話をしっかり聞くこと」「車座で対話する」など期待が持てそうな語句が聞こえてくるが、《選挙を有利に運ぶ》という思惑で、投票日を1週間早めた
おかげで、各地の選挙管理委員会は、投票会場の確保や候補者ポスター掲示板の設置など準備に大わらわ。

現場のことを考えない人物なのだろうか?
予算審議などをしないですぐ解散。人の話を聞く(対話する)というのも怪しい。総理の言う“人”というのは安倍氏や麻生氏を指しているのだろうか?
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相棒 season20 第1話「復活~口封じの死」 (初回拡大スペシャル)

2021-10-14 18:04:29 | ドラマ・映画
season19 第1話「プレゼンス」 (前篇)
season19 第2話「プレゼンス」 (後篇)
season19 第19話「暗殺者への招待」
season19 第20話「暗殺者への招待~宣戦布告」の続編……
………続編ということは、脚本は、ああ‥あの人か……


輿水氏は『相棒』の屋台骨を支えてきた脚本家であるが……
 展開がスロー。スローになる要因の一つは、ウイットに富んだ会話。これは輿水氏ならではの味で楽しめるのだが、その分、展開がスローになる。
 転回がスローなので、枠が長いわりには内容がスカスカ。会話で尺を稼いでいるという意地悪な見方をしてしまう。
 あと、ここ数年は推理やトリックなどが、ほとんどないような気がする(真相の解明のみ)


今回感じた印象――反則に近い強引な手法
青木のハッキング……今回に限らず、便利過ぎ

隠しカメラ……元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)が弁護士事務所の所長室から加西(石丸幹二)が所長に預けた鍵を窃盗したシーンを捉える。内閣情報調査室が設置した隠しカメラで、これで簡単に犯人が判明してしまう。……と言うか、加西に関係しており、窃盗が可能な人物を考えれば、すぐ犯人の見当がつきそう。無能な所長だ。

ディープフェイク……冠城を窃盗犯にでっち上げる。警視庁の化学分析官をも欺けるのなら、もう“何でもあり”になってしまう

冠城の拘留・不起訴(釈放)……取り調べの際、右京の意図を汲んだ冠城が黙秘、さらに、自供したのはいいとして、捜一トリオは冠城を睨むだけ。せめて、アリバイの検証(当日の冠城の行動を追う)ぐらいしてほしい
  ……逮捕を逆用して拘置所への潜入捜査はいいとしても、かなり行き当たりばったり。官房長官の鶴田(相島一之)が手を回して不起訴なったが、危険な綱渡り捜査だ
  ……官房長官が手を回して不起訴にした理由がよく分からなかった(だれか、教えてください)→冠城に拘置所での柾庸子(遠山景織子)の死について、いろいろ調べられることを避けたかった
 冠城はなかなかの相棒ぶりだった

後編に続く謎――
1.柾庸子の死の真相
中郷都々子の主張
・殺しの実行犯も捕まっていないのに、殺人の教唆(指示)を認める人間ではない
・男のために罪をかぶって自殺する女ではない
・庇って自殺するほど、官房長官とはウエットな関係ではない
柾柾の遺体の画像
 画像を見た右京は疑問を感じたようで、鑑識に依頼して取り寄せてもらい、画像を確認していた
柾庸子は病院に移送されていた(病院はバタバタしていた)(冠城の潜入捜査による情報)
 発見時には手遅れ(移送しても無駄)状態だったという報告書とは合致しない
 もしかしたら一命をとりとめ、生きている可能性もある。冠城と同様、仮病だったなんてことも

2.加西が預けた鍵は、何の鍵?何が保管されている?
 私には推測不能。そもそも、前シリーズで鍵の存在は明示されていたのか?(私の記憶が曖昧)

3.怪しすぎる笑みを浮かべる女の正体
 内閣調査室・室長が依頼した殺し屋で、中郷都々子を殺害した(柾庸子も殺害?)と考えるのが順当だが、あまりにも怪しすぎるので、フェイクの可能性もあり

4.ああいう寝床が流行り?
 出雲麗音(篠原ゆき子)と中郷都々子の寝床が同じような感じだったが……


【ストーリー】番組サイトより
過去に特命係が追い詰めた“権力者”が出所
背景には罪を逃れ続ける現官房長官の暗躍が!?


 半年前の春。官房長官の鶴田翁助(相島一之)は、加西周明(石丸幹二)暗殺事件を主導しながら、愛人である柾庸子(遠山景織子)の“自白”によって罪を逃れた。
 そんな中、鶴田が師と仰ぐ元官房長官の朱雀武比古(本田博太郎)が、3年前に仮出所していたことを知った特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、裏に鶴田の思惑があったのではと探りを入れる。すると、拘置所に収容されている庸子の接見が突然、禁止となった。不審に思った右京と亘が事態を探りはじめた直後、鶴田が突如、“こてまり”に姿を現し、驚愕の事実を告げる。なんと、庸子が拘置所内で自殺したという。
 冷徹で残忍な鶴田による“口封じ”を疑った特命係は、庸子の死の真相を突き止めるべく捜査を開始。同じく彼女の死に疑問を感じた元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)も独自に動きはじめるが、やがて事件には想像以上に複雑な思惑と陰謀が絡み合っていることが発覚。そして、ついには、亘が逮捕される事態に――!

不審な死を遂げた庸子の自殺の真相とは!?
加西暗殺の“仕掛け人”たちの思惑が交錯
国家権力の闇が再びうごめき始める!


ゲスト:相島一之 遠山景織子 織田梨沙 本田博太郎 石丸幹二 ほか

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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パフォーマンスのつぶやき……桜田義孝元五輪・パラ担当大臣

2021-10-14 16:20:22 | 時事
 小泉進次郎氏肝いり「有料レジ袋」廃止か 桜田義孝議員が新環境相に相談(Yahoo!ニュース)
 元東京五輪・パラリンピック担当相の桜田義孝衆院議員が、10月5日にツイッターを更新。レジ袋有料化について新環境相に相談したと明かしている。

 確かに、レジ袋有料化によるマイナス面はある。
・家計への負担
・今までレジ袋をゴミ箱用袋として使っていて、そのためにレジ袋を購入するのは抵抗がある
・何度も使用するエコバックに、食料品を入れるのは不衛生
・万引きが増えた
(他にもいろいろあると思います)

 その他にも、レジ袋の有料化の政策自体に問題を感じる
・レジ袋は海洋を汚染しているプラスチックゴミのほんの一部
 ①実際は、ドアマットから生じる微小なプラスチック、稲作で肥料に使用されている球状のプラスチックがかなりの割合を占めている
 ②レジ袋(ストローなスプーン)だけ規制・制限を設けても意味がない
 ③そもそも、ゴミを登記する者を取り締まるべき
・レジ袋有料化はパフォーマンスの意味もある(大臣個人だけでなく、日本の世界へのアピール)

 当ブログでも、有料化政策における問題点を書いている。(「レジ袋有料化の問題点」

 で、上記の問題点は現在も感じているのだが、さらに、呆れた行為がなされている。
 それが、冒頭の記事。


 世間の声を拾い上げて、政策に反映するのは政治家の責務であるので当然の行為なのだが、それをツイッターで告知するのは、自己宣伝のパフォーマンスとしか思えない。
 「レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」とわざわざ告知なくてもいいだろう。

 私の業界は、レジ袋有料化でレジ袋の売上は激減した。
 小売店などのお得意様への有料化の説明や、有料義務を免除される(←自然に優しいという理由)バイオマス製レジ袋への切り替えなど、余計な労力や在庫を強いられた(しかも、売り上げ減少)
 で、ようやく騒動が落ち着いたと思ったら、元大臣のつぶやきのせいで、レジ袋の無料化要望が増大。
 
 そもそも有料化の時に、もっと吟味して実施してほしかったし、施策も業界丸投げであった。
 今回の桜田元大臣も票稼ぎで、再び、騒動が起きるのは勘弁していただきたい。
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