英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第21話「仏の眼差し」

2022-05-30 00:17:43 | ドラマ・映画
「幸せそうだ」「いい嫁をもらった」……
         思い切り、死亡フラグがぁぁ……

 鶴丸が中瀬の岩?に取り残されるとか八重の流される様とか、かなり不自然だった
 それにしても、義村(山本耕史)、小便、長すぎ! しかも、八重の異変に気付かず……


こういう権力者が一番始末が悪い……
(義経の件で表情が曇る義時に)
頼朝「悔やむな」
義時「申し訳ありません」
頼朝「己のしたことが、正しかったのか、そうでなかったのか……自分で決めてどうする?…決めるのは天だ」
義時「罰が当たるのを、待てと?」
頼朝「天が与えた罰なら、儂は甘んじて受ける。それまでは、突き進むのみ」

 悟ったようなことを言っていたが……「天罰は甘んじて受ける」(不平は言わない)などと、潔さをアピールしていたが…
………結局、野望を成し遂げるため、天罰が下るまでは、人を不幸にしても突き進むのみ。
 人の為にどうか?世の中の為にどうか?正しいことなのか?……そんなことは一切考えない

―――――どこかの国のP氏みたいだ
 
「おんたらくそわか」……
父親の非道さを目の当たりにしてしまったせいか……歪んでしまった大姫(自称“葵”)
 今風に言えば“不思議ちゃん”だが、父が後の征夷大将軍なので、その歪みが与える影響力が心配。
 歪みが単純に方向違いの“呪い(まじない)好き”なのか、悪意を伴った呪い(のろい)なのか…今のところ不明……

 

新キャラが続々と…
・義時の異母妹やら、その婿とか……
・知らぬ間に、畠山重忠 (中川大志)も婿入りして、北条一族に入っているし……
八田知家(市原隼人)……態度の大きい道路工事人かと思ったら、「北関東を納める御家人」とのこと(登場人物紹介より)
 義村と言い、知家と言い、託児所に預けるように簡単に子どもを押し付けるし……
運慶(相島一之)……『相棒』の内閣官房長官・鶴田翁助役にはかなり違和感を感じたが、今回は良かった。
 ネタバレしてつまらないのでネットで調べないが、今後、義時と関わっていきそうな雰囲気だった
そして、何と言っても
願成就院の住職・緒方賢一……《阿笠博士だぁ!》と喜んだ?視聴者も多かったのではないだろうか


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」


【ストーリー】番組サイトより
 源義経(菅田将暉)を失った奥州に攻め込み、藤原泰衡(山本浩司)を討ち取る源頼朝(大泉洋)。義時(小栗旬)・畠山重忠(中川大志)らが在りし日の義経をしのぶ中、頼朝は毅然きぜんと上洛に向けて動き出す。
 一方、京の後白河法皇(西田敏行)は丹後局(鈴木京香)と今後の動静を憂慮し、きたるべき日に備えていた。そんな中、鎌倉では八重(新垣結衣)が子どもたちの世話に奔走。八重の明るい表情に、政子(小池栄子)も目を細めるが……

脚本:三谷幸喜
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鎌倉殿の13人 第20話「帰ってきた義経」

2022-05-24 17:11:12 | ドラマ・映画
今回、この記事を書くにあたって、番組のホームページを閲覧(これまでも閲覧していたが、ここ2,3回はさぼっていた)して、気がついたことを少々。
 番組サイトには各話のあらすじのページに「略年譜」という項がある。第20話のあらすじの解説(略年譜)では第19話「果たせぬ凱旋」から第20話「帰ってきた義経」までの主な出来事が綴られている。
 その中で、《10月、源義経が堀川で頼朝の刺客に襲われる》とある……えっ?あれは義経の妻・里の仕業ではなかったのか??

★義経襲撃の真相
 義経を襲撃した土佐坊昌俊についてのWikipediaの記事では「頼朝は京にいる義経を誅するべく御家人達を召集したが、名乗り出る者がいなかった。その折、昌俊が進んで引き受けて頼朝を喜ばせた」とある。Wikipediaを鵜呑みにしてはいけないので、他の記事を探すと…『歴史めぐり源頼朝』~土佐坊昌俊の義経襲撃~という記事がヒット。ここでも「頼朝が昌俊を刺客として差し向けた」とある。

 まあ、ドラマなので、多少の脚色はありなのだろう。ただし、この襲撃事件は頼朝と義経の確執の真相を左右する大きな事件なので、脚本の三谷氏が敢えて通説を曲げたのは、氏の意思を強く感じた。
 義経は、襲撃が静御前を憎く思った妻・里の仕業であることを聞き、激情に駆られて里を殺めた。
 この激情であるが……
①襲撃が兄の意思でないと知っていたのなら、挙兵をしなかったのに!という口惜しさ(里への怒り)
②行家の讒言を鵜呑みにし、兄・頼朝を信じなかったことや、真相を見抜けなかった自分の愚かさに対する後悔
③静御前を亡き者にしようとした里への怒り
④里に凶行へ至らしめた、自分の愚かさへの悔い
……などなど、いろいろ考えられ、それらの感情が一気に湧き上がったと考えられる。

 三谷氏が敢えて、義経襲撃を里の仕業としたのは、《義経が頼朝に討たれたのは、兄弟が心から憎しみ合って、あるいは、頼朝が一方的に義経の戦の才を恐れたからではなく。悲運な行き違いから悲劇が起こってしまった》としたかったのかもしれない。



★義経が平泉に戻った真意
 前話の義時の忠告「奥州の藤原秀衡のもとに行けば、戦の種になる(だから行くな)」を聞かなかったわけだが、他に頼るものがいなかったからなのか、秀衡の力を借りて、頼朝を討とうとしたのかは、私にはわからなかった。
 元百姓の善児によると、「義経は百姓の手をしていた」と言う(元百姓の暗殺者って…)。これが、頼朝の目を欺くための偽装生活なのか、野望や恨みなどを捨てていたのかは、微妙。
 「頼朝が平泉を攻めるなら、本気で叩く(攻めてこなければ戦わない)」(←意訳)という言葉は偽りはないように感じた。
 義時の計略(頼朝の意思)……《頼朝の命によって静御前の赤子を殺害したことを知らせ、義経の怒りを煽った》《泰衝、国衝を仲たがいするよう仕向けた》《義経を討つよう泰衡に強いた》……を義経は悟った。
 しかし、本気で抵抗しようとはしなかった。おそらく、義経襲撃(堀川夜討)の真相を聞き、鎌倉と戦う意志がなくなったのだろう。
 ただし、真相を知ったのが土壇場だった。平泉での義経討伐の計略を悟った時点では、義経はどのような意思をもっていたのだろうか?…



★サブタイトルの意味
今話の終盤、首となって戻ってきた義経と対峙し、兄としての言葉を掛ける頼朝……悲しい。
サブタイトル「帰ってきた義経」の意味が、このシーンだった……不覚にも、このシーンを見るまで気づかなかった。

 

第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」

【ストーリー】番組サイトより
京を離れ、奥州へ逃れた源義経(菅田将暉)。しかし、温かく迎え入れてくれた奥州の覇者・藤原秀衡(田中泯)が程なく死去。これを知った義時(小栗旬)は、状況を探るため平泉行きを志願するが、義経の才を恐れる源頼朝(大泉洋)は、藤原国衡(平山祐介)・泰衡(山本浩司)兄弟の仲の悪さにつけ込み義経を討つように冷たく命じる。八重(新垣結衣)に見送られ、平泉へと発たつ義時。一方、捕らわれた静御前(石橋静河)は鎌倉で……

脚本:三谷幸喜
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鎌倉殿の13人 第19話「果たせぬ凱旋」

2022-05-17 17:55:40 | ドラマ・映画
★義経と頼朝の仲たがい(行き違い)を修復しようとする言葉や策―――
①義経のことを相談する頼朝に対して、八重の言葉
「子どもたちからも、よく同じような悩みを打ち明けられる……“仲直りしたいけど、できない”。どうすればよいか“と
 でも、子どもたちは最後は仲直りする。相手を信じる気持ちが勝るから。それが出来ぬのなら、子どもたちの方が利口である」


②義経を“伊予の守”に推挙(大江広元の案)
 受領(その国の筆頭国司のようなもの)になれば、在京義務のある検非違使の任を返上しなければならない(兼任できない)ので、鎌倉に帰ることができる
 しかし、法皇は「義経の功績に報いるには、検非違使と受領のどちらかでは足りない。両方とも贈らなければならない」と詭弁でごまかした
 
③父・義朝を弔う法要を理由に、義経を鎌倉に呼ぶ(阿野全成の案)
 法皇は義経の願いを聞き入れる振りを見せるが、心臓発作を起こした猿芝居で、義経を京に留めた


★「私の何がいけなかったのか?」義経―――「人を信じ過ぎた」(義時の言)
関わった周囲の人物の利己主義に振り回されてしまった
利己主義者その1――後白河法皇(&丹後局)
――勢力を持ちつつある人物に対しては対抗勢力を作り、小競り合いさせることで勢力を削ぐのが常套手段。頼朝と義経が協力するなど以ての外と、あれやこれやと理由をつけて義経を手放さなかった

利己主義者その2――源行家
――根拠のない憶測を語り、義経が頼朝を討つよう誘導

 憶測と言うより、嘘に近い。義経が天下を取ればわが身がそのおこぼれに預かれると考え、義経に頼朝を討たせようとあれこれ嘘を言う
 挙兵した義経の下に兵が集まらないことがわかると、「だから挙兵を止めたのに」と180度の掌返しする呆れた男。
 木曽義仲は嫡男・善高ではなく、行家を人質に出せばよかったのにと思った視聴者が大勢いたはずだ。
 長澤まさみに「彼を味方につけた者は必ず負けるという死神のような男」とナレーションされ、気が晴れた視聴者が多かったはずだ。


☆行家語録
「これ以上頼朝の好きにさせてはならぬ。義仲も果たせなかったが、お主ならできる。鎌倉に攻め入って頼朝の首を取れ。
 頼朝は必ず攻めてくるあれは我らを身内とは思ってはおらぬ」
「鎌倉に入れば、その日のうちに捉えられ、首を刎ねられてしまうぞ。頼朝の邪魔になる奴はどうなった?木曽義仲・善高、甲斐武田の息子の末路を思い出せ。
 己の身を守るためには、一族とて容赦しない」(←正確な言い回しではありません)

利己主義者その3――義経の妻・里
――土佐坊昌俊(元・奈良興福寺の僧)の襲撃を手引き

 里は、静御前を亡き者にしようとして画策したが、行家が鎌倉(頼朝)が送ってきた刺客と断定し、義経挙兵のきっかけとなった

利己主義者その4――静御前
――義経をたぶらかし、義経の妻・里の血迷った行動(土佐坊昌俊を手引きし襲撃)を誘発

 義朝供養に祀られる髑髏が胡散臭いと指摘(あながち外れてはいない)し、義経の迷いをもたらす

★義経迷走の理由の考察―――
①法皇の策略(義経と頼朝を協力させない)を見抜けなかった
 最高権力者に気に入られていると錯覚し、法皇に嫌われたくなかった。法皇の我儘・計略(検非違使任命、兼任可、仮病)も自分が好かれている故と思い込みたかった
②冷静に的確に判断する参謀がいなかった
 傍に、義時や安達盛長や三浦義村や大江広元などがいなかったのが義経の不運
 兄を信じ切れなかったというのも要因だが、《頼朝と法皇のどちらを信じるべきか》《頼朝と法皇のどちらを選択した方が、得策か》など、指し示す者がいれば……

★義経と北条親子との別離のシーン―――
 義経は頼朝討伐の宣旨をもらい挙兵したが、兵が集まらず(無茶な戦いをする義経の下では戦いたくない)、断念、失踪していた。
 頼朝との仲の修復を願って北条親子の下に現れたが、法皇から“義経追討”の宣旨が出ていると知らされ、絶望。
 奥州に帰るという義経に対し、「奥州に戻れば戦の火種となる」と制止。
義経「戦のない世で、私のようなものがどうやって生きればよいのか…」
義時「あれだけ平家を振り回したのです。あれだけの知恵があれば、どこでも生きていけます」
時政「九郎殿は《経験もないのに自信がなかったら、何も出来ぬ》とおっしゃった。
   では、自信をつけるには何が良いか?……経験でござる
   まだまだ、これからじゃっ」


 義時は《義経の知恵は戦以外でも生かすことができる》、時政はかつての義経の言葉を引用し《経験(努力)を積めば、自信になる(結実する)》と励ました。
 北条親子のもとを去る義経の背中に、二人の心が届いたのだろうか?
 結局、義経は奥州に帰るのだが、北条親子の思いは届いたと思いたい



今話はもちろん、頼朝・義経の決別が主題だが、“頼朝討伐”の宣旨の件を脅しのネタにして、義経追討の名目を利用して、西国の実質的支配権を法皇に約束させた。
時政がまた何かやらかすのかと思ったが、なかなかの交渉手腕であった。


 
☆今週の笑い 
①期待の薄い阿野全成
「兄弟のこと(いざこざ)は兄弟に任せるのが一番じゃねえのかなあ…」
この言葉に、阿野全成がズイと歩み寄ろうとするが
「蒲殿はいつ戻ってこられるんだ?」の言葉に
《そっちか…》と踵を返す

「この人、頼りになることだってあります」と実衣が言ったが……あまりの言われよう

②ココリコ田中(九条兼実)
 法皇の前例のない矛盾した命や、掌返しの命に、疑念の思いを滲ませて、復唱する……
 2度聞き直し、同じ命を3度も言わせる様は、コントそのもの


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」

【ストーリー】番組サイトより
鎌倉入りを許されず京で悲嘆にくれる義経(菅田将暉)。義時(小栗旬)は大江広元(栗原英雄)に知恵を借り、源頼朝(大泉洋)と義経との関係修復を模索するが、後白河法皇(西田敏行)はそれを許さない。愚痴をもらす頼朝に対し苦言を呈す八重(新垣結衣)。この状況を政子(小池栄子)が憂う中、京では義経をめぐって里(三浦透子)と静(石橋静河)が対立。さらに源行家(杉本哲太)が義経に近づいて頼朝への疑心をあおり……

脚本:三谷幸喜
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鎌倉殿の13人 第18話「壇ノ浦で舞った男」

2022-05-10 17:21:53 | ドラマ・映画
梶原景時(中村獅童)の選択
・“戦の天才”義経を冷静に客観的に評価
 さらに、「義経を戦場に出すな」という頼朝の命に抗して、一芝居を打って、義経参戦の流れを作った
  …しかし、その一方で……
・戦における義経の功績を報告しつつ、その戦いぶりを《勝利の為なら手段を択ばず、人の情けを蔑ろにする》糾弾する
 その後も、《法皇は義経を大事にしている》《「次の源氏の棟梁は義経である」という評判》などを強調し、頼朝が義経を排除するよう巧みに誘導した

景時の真意(思慮)は……
 頼朝も義経も“神に選ばれている”と感じている。
 そして、両者とも自分の思う道を進むには、手段を択ばない
………今回の義経は、荒天の中、船で四国に渡る強行をした(船乗りの功が大きい)。そして、壇ノ浦では敵軍とは言え、漕ぎ手を矢で射抜いた。

 そんな両者が並び立つとは思えない!

 景時は頼朝を選んだ。平家を滅ぼした今、義経自身が言うように「私はいくさ場でしか役に立たん」戦の将・義経に附くより、政治家・頼朝に附くのは、現実主義の景時には当然の選択だった。
 もちろん、景時はその心を語らないので、真意をつかみ難い。本当は《勝つためなら何をしても良い》と周囲を振り回し、また、これまでの常識を無視し、情けを蔑ろにする義経が嫌いだった。あるいは、怖かった……その感情を優先させたのかもしれない。
 ただ、思うに……頼朝が絶体絶命の窮地に陥った時、雷鳴などによって救われた際、この時、景時は《頼朝は神に選ばれている》と感じ、頼朝を見逃した。この時に、景時の腹は決まっていた。
 今回の選択、《平家を滅ぼすのに義経を利用し、平家が滅亡したら用済みと義経を排除する》と初めから決めていたのかもしれない。


 さらに深読みすると…頼朝が天下を取るためではなく、《どの選択をしたら、自分に都合がよいか》……景時は現実主義者であり、超自己主義者なのかも……


今回のテーマの一つとして《兄弟の情》
 頼朝は義経排除に動いたが、政子の前では、平家滅亡の宿願を果たしたことで涙を流し、義経を褒めたたえた。
 戦では非情な義経も、宗盛に親子の対面をさせるという温情を見せる。
 ………三谷氏は登場人物の多面性を描く。ただし、後白河法皇(西田敏行)と丹後局(鈴木京香)は一貫して、利己主義で我儘。法皇や貴族は、生まれながらに身分や権力を保持しているので、始末が悪い。

 神に選ばれた兄弟が、《猜疑心が強い頼朝》《天才過ぎた義経》《景時の讒言》《法皇の我儘》などが重なり、図らずも決別することになってしまった。

 さて、兄弟仲のねじれの一端は、義経が検非違使の任を授かったこと。
 検非違使の人の話が出た時、たぶん、中原親能(川島潤哉)だったと思うが、「頼朝より、義経の任官の願い状(←呼称は適当)が出されていません」と進言したが、「それは、褒美が欲しくて戦をしていると思われたくなかったから私(義経)が辞退したのです」と述べた。つまり、頼朝は義経が朝廷の役職(位)について権力を持つのは避けたかったのだろう。頼朝の意向に反して、検非違使の任を受けてしまった義経…良いのか?と思ったが、それに対する頼朝や鎌倉方の直後の反応はなかったが、今話で義経のネックとなってしまった。(ネックを日本語では隘路(読み:あいろ、意味:支障など)というらしいが、初めて知った)
 あと、手紙の代筆はダメだよね。


【その他の感想】
・八重の捨て身の顔墨も、大姫の心は開けず…無念
・安徳天皇や平家の女人は海に身を投げたのに、その場にいた宗盛は生き残ったのか
・“いい人その2”(“その1”は土肥実平(阿南健治)、“その3”は畠山重忠(中川大志))の源範頼は、義村など板東武者から“クソ真面目なカバ殿”と揶揄されるが、まじめに必死に神器を探していた。
・地元民と義経たちの芋煮会。「いきなり海に言ったよね」とか「富士山にも登ったよな」とか合宿のノリ。
 
 


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」

【ストーリー】番組サイトより
苛烈さを増す源平合戦。必死の抵抗をみせる平宗盛(小泉孝太郎)率いる平家軍に対し、源頼朝(大泉洋)は義経(菅田将暉)に四国、範頼(迫田孝也)に九州を攻めさせ、逃げ道をふさぎにかかる。しかし、範頼軍は周防で足止めをくらい、義時(小栗旬)・三浦義村(山本耕史)らが状況の打開に奔走。一方の義経軍も、後白河法皇(西田敏行)の命により摂津から動けずにいた。そんな中、梶原景時(中村獅童)の献策を一蹴した義経が……

脚本:三谷幸喜
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女流棋士考 その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」

2022-05-04 17:57:09 | 将棋
その1「女流棋士独断ランキング」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その6「女流棋士の濫造?② 女流棋士の降級点の検証(勝率、勝数)」
その7「女流棋士の濫造?③ 女流棋士の降級点の検証…年度終了時の勝率(勝数)」

また、間が空いてしまったので、論旨を挙げておこう
①女流棋士が増えたが、プロと呼ぶには抵抗のある棋力の女流棋士が増えているような気がする。女流棋士誕生のハードルは妥当か?(その5
 この件については、②を検証した後、「最近の新女流棋士の成績の検証」の項を設ける予定
②女流棋士の濫造気味なので、連盟は歯止めをかけるため降級点制度を設けたが、それが妥当か?(その6その7
 取りあえず、当面、この点について掘り下げるつもり(できれば本記事で終わらせたい)


降級点制度の基本となるのが
「降級点の人数は、基準人数36名のときに降級点の人数を1名とし、その後は、基準人数が5名増えるごとに、降級点の人数が1名ずつ増えます」
 そもそも「基準人数36名」て何?
 大相撲の例を挙げると、大相撲では「十両以上を関取と呼び、そのうち十両よりも上の全ての番付が幕内となる」(“十両より上”というのが大事。つまり、十両力士は関取ではあるが幕内力士ではない)
 そして、幕内力士には定員があり、現在の定員は42人であるらしい。
 しかし、女流棋士の場合は“基準人数”で定員ではないようだ。女流棋士は当面は増え続けると予測して、それに対応するための算出システムの為に設けられた基準なのであろう。
 では、「36人」という人数はどういう根拠(基準)で決めたのだろうか?
 女子ゴルフの場合、プロテストがあり上位20位タイが合格(他にLPGAツアー大会優勝者)と決まっているが、降級点(引退勧告)はない。各大会(下部ツアーも)に賞金があり、それで予選通過しないと無報酬。引退も自己判断。
 女流棋士の場合、大会自体に賞金もあるが、対局料(負けても受け取れる)もあり、連盟がある程度生活を保障している。なので、連盟の棋戦収入やその他収入(イベント収入、グッズ販売、解説料など)から、養える女流棋士の人数が設定でき、その人数に収まるように人数を調整すべきである。
 だが、36人が連盟が考える適正な組織人数とは思えない。もしかすると、棋戦契約料や棋譜掲載料(女流棋士の対局はどれだけ掲載されるのだろうか?)などの収入と対局料や対局室や記録係の支出を純粋に考えると36人が適正なのかもしれない。ただ、女流棋士はファン獲得力が大きいので、増やしたいのかもしれない。
 そこで、現状から女流棋士を増やしたいか、減らしたいかを考えて、降級点制度を設定したのかもしれない。
 「1年間で誕生する女流棋士(ここ数年の人数の平均)」ー「年齢や体調、個人的理由(転職など)」(これをA人とする)を算出し、女流棋士を増やしたいなら「降級点による引退数」<A人、現状維持なら「降級点による引退数」=A人、減らしたいなら「降級点による引退数」>A人とすればよい。
 現状は降級点3で引退なので「降級点該当人数」=「降級点による引退数」とはならないが、何年か経てば「降級点2」の女流棋士が溜まって来るので、誤差は小さくなるだろう。


★現状の成績の視点から降級点制度の妥当性
 実際の降級点がどの女流棋士についたのか不明なので論じにくいが、勝率0.333以下で降級点が付かない女流棋士が7名いると考えられる。
 0.333以下という勝率は3局対局すると2敗以上するということ……これで良いのか?
 と思う反面、勝率0.300というのは「10局対局して3勝もする」とも考えられる。
 勝率だけを見ると、「微妙かな」と思うが……


実は、単なる勝率だけではない問題点が内包されている。
問題なのは、対局相手のレベルだ。

 棋力の高くない女流棋士は早い段階から登場する(早い段階というのは、1次予選とか予備予選)。となると、自分と同等かその周辺の強くない棋士と当たる可能性が高い。もちろん、清麗戦や倉敷藤花戦のように全棋士総トーナメントの場合は、いきなりトップ棋士とぶつかってしまうことはあるが。
 例えば、勝率0.333(7勝14敗)の竹部女流四段の場合、レーティングが1500点未満の相手が全21局中13局で6勝7敗。それ以外(レーティング1500点以上)の相手には8局で1勝7敗である(唯一の1勝も長期休場で棋力を落としている矢内女流五段)【参考:『棋士別成績一覧』サイト竹部女流四段2021年度成績
 本当なら他の女流棋士も検証すべきだが、「棋力の高くない女流棋士は早い段階(低い段階)から登場するので、それほど強くない女流棋士との対局が多い」という論理は妥当だと思う。
 妥当だとすると、棋力の高くない女流棋士でも、現棋力を維持してその棋力を発揮すれば、降級点を免れるだけの成績は上げられるということになる。

もう一つ考えなければならない事象がある。それは……
新女流棋士の濫造?
 新女流棋士のレベルについて検証する前に、降級点制度のもう一つの要素、「基準人数が5名増えるごとに、降級点の人数が1名ずつ増える」ことについて考えてみる。(こういうシステムなら「基準人数」ではなく「対象人数」とすべきだろう)
 これって、単純化すると「5人の内、最下位にならなければよい」ということ。つまり、他の4人と対局(4局)で1勝すれば、普通は最下位にはならない(この際、同率云々の理屈は省きます)。1勝3敗の勝率0.250で良いことになる。
 私としては、勝率3割をボーダーラインにしたいところだ。しかし、そうすると、「10人増えて降級点が3人増える」という処置になるが、10人増えないと降級点該当者は増えないことになる(9人までは、この降級点対象者増加システムが発動しない)。そこで、折衷案として「4人増えるごとに、降級点該当者は1人増える」を進言したい。(もちろん、進言する権威は私にはありません)
【以下、続く】
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「final phase」(『とある科学の超電磁砲T』)と「dawn of infinity」(『魔法使い黎明期』)は似ている?

2022-05-02 20:47:23 | アニメ
「final phase」(『とある科学の超電磁砲T』のオープニングテーマ)
「dawn of infinity」(『魔法使い黎明期』のオープニングテーマ) 

共にfripSideの楽曲なので似ているのは当然だが、部分的なメロディや全体の曲調が似ている。
片方を聴いているともう片方のメロディが重なって浮かんでくる。

同様な感触をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

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鎌倉殿の13人 第17話「助命と宿命」

2022-05-02 16:42:42 | ドラマ・映画
この男(藤内)って……誰?
 番組サイトの人物紹介によると
藤内光澄……武功を立て、名を上げようと息巻く伊豆の武士
 今話の末路ありきの記述である(笑)
 (演じたのは長尾卓磨さん。人相は全然違うが、再登場した工藤祐経(坪倉由幸)と今話の中で混同し、混乱してしまった)

この藤内光澄今話のメインの“木曽義高抹殺”に大きく関わった人物。(源頼朝の御家人・堀親家の郎党)

《木曽義高抹殺》についてウィキペディア(Wikipedia)の記載
 元暦元年(1184年)この年の1月に攻め滅ぼした源義仲の子で、頼朝の長女大姫の許嫁として鎌倉にいた源義高が父の仇と遺恨を抱くことを懸念した頼朝は、義高を誅殺することを考えた。
 その計画が大姫の知るところとなると、4月21日未明に大姫は義高を密かに逃亡させたため、夜になって事が露見すると頼朝は堀親家らに命じて義高を追討させた。この追討使に加わっていた光澄は義高を捕捉して入間河原で義高を殺し、26日に鎌倉に帰ってこの事を復命した。
 しかし内密にされたこの件はやがて大姫に伝わり、以後は病床に伏すほどに衰弱してしまった。その様子を見た大姫の母政子は、たとえ主命といえども事前に大姫に相談するなどの便宜を図らずに義高を殺した光澄を憎み、頼朝を押し切る形で6月27日に光澄は獄門にかけられた。

 出典:早川純三郎編 『吾妻鏡〈吉川本〉』1巻

 通説とは若干違うが、許容範囲内だろう。
 異なるのは、藤内の処分の経緯。吾妻鏡では大姫の心情を慮った政子が、頼朝を押し切って処刑したが、今話では「許さぬ」という御台所としての政子の言葉を重視して処刑に至った(義時の言)として、今後の政子や義時の人生訓の転換を描いている。
 ただ、ドラマで頼朝が政子らに宛てた約束書きを握り潰す怒りを表しており、政子、大姫の気持ちを慮っての指令だったようにも感じた。


 藤内にしてみれば、指令を全うし喜び勇んで報告に来ただけなのに、「どうして?」と言うのも当然で、気の毒な末路だった。手柄を誇り過ぎであり、しかも、タイミングが悪すぎた。
 実際は、大姫の義高への思慕など藤内は知らなかったのではないだろうか。

藤内殺害の表向き(書面上)の理由は、何だったのだろう?
 頼朝から義時への指令書、「一日の内に藤内を抹殺せよ」の旨が書いてあったと思うが、表向きの理由は何だったのだろうか。
 指令を受けた義時は、経緯を知っているのでその理由に疑問を持たなかったとは思うが、名分がなければ、手を下せないのではないだろうか?


それにしても、大姫の命を懸けた願うシーンには心を打たれた。流石の頼朝も聞き入れるしかなかった。(政子に、約束上に期日を書き込むよう念を押されるのは笑った)
 そもそも、《父・義朝を殺害された恨みが消えることはなかった》ので《義高もそうに違いない》と決めつけていたが、こういう考え方を持つ権力者はロクなことをしない。(某国のP氏然り)
 まあ、頼朝の考えは、半分当たっていた…(義仲の遺言を知り、義高は心を改めた)

★義高助命の動き
・善高を脱出させようと苦心する義時、政子、実衣、阿野全成、義高の従者・海野
・安達盛長は義時たちの動きを察知し、見て見ぬふりをする協力(偽の報告)
・義村は脱出した義高をかくまう
・善高追討の命を受けた畠山、和田はわざと見当違いの信濃方面を捜索

……しかし、義時を信じなかった義高が、義村のところを抜け出し信濃方面に逃走し、討たれる……
 頼朝が「宿命か」と呟く。まさに、運命だったように感じさせた今回のエピソード。
(全然違うが、過去にタイムスリップして悲劇を回避しようとするも、結局回避できなかったというストーリーだった)

ついでに武田信義を抑え込む
 幽閉されていた義高に会い、結託して頼朝を倒そうと持ち掛ける甲斐・武田親子だったが、それを利用されて、謀反の罪で信義の嫡男・一条忠頼を成敗。
 信義は今後、頼朝には歯向かわないという誓書を書く
★義時と信義の会話
「頼朝殿に弓曳くつもりなど、微塵もなかった」(これは嘘八百)
「謀反のつもりはなかったことを、鎌倉殿にはお伝えします」
「謀反とは何かあ!謀反とは家人が主人に対して行うこと。
 儂は頼朝を一度も主人と思ったことはないわあっ!」
信義の怒りの叫びは、せめてもの抵抗であったが、義時もわざと“謀反”という言葉を用いたのだろう。



再登場の工藤祐経(坪倉由幸)
 “義高の間抜けな見張り番”として利用される為に登場。
 それでも、一条忠頼と藤内光澄の場に居合わせ、「鎌倉は変わってしまった」と言って去っていくという結構おいしい役。
 せっかく登場したが、場の空気を読めなかったせいで、「どうして?」と言って絶命した藤内光澄より遥かに優遇?された
 両名殺害の場に祐経が居たのは不可解。脚本の都合だろう。


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」

【ストーリー】番組サイトより
源義経(菅田将暉)の軍略がさえわたり連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曽義仲(青木崇高)の討伐により鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を危険視する源頼朝(大泉洋)は、戦勝報告のため範頼(迫田孝也)とともに鎌倉へ戻っていた義時(小栗旬)に義高の処断を命令。大姫(落井実結子)を思う政子(小池栄子)は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重(新垣結衣)ら家族を思い……

脚本:三谷幸喜
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