英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season18 2週連続スペシャル 第14話「善悪の彼岸~ピエタ」

2020-01-31 22:42:07 | ドラマ・映画
前後編ものなので、現段階で評価するのは早計かもしれないが……
(そもそも、サブタイトルの“2週連続スペシャル”は何がスペシャルなのだろう?)


 
 season16 第7話「倫敦からの客人」season17 第17話「倫敦からの刺客」に続いて、3度目の登場の南井(伊武雅刀)だが、個人的にはあまり好きではない。
 過去の2話についてもレビューしておきながら、南井のキャラを掴めていない。「倫敦からの客人」では《法で裁くのには限界がある》と考え、自ら手を下す、所謂“行き過ぎた正義”の執行者と思われたが、「倫敦からの刺客」では殺人者(殺し屋)を陰で操るシャーロックホームズの宿敵・モリアーティーのような存在になっていた。

====以下は前回レビュー「ロンドンからの刺客」からの引用====
 「倫敦からの客人」で 右京は南井(伊武雅刀)の信条を………
「影…犯罪者の中には贖罪の心を持つことができない者がいる。そんな犯罪者は自らの死でその罪を贖わせることが相応しい」
と言及している。番組サイトのストーリー欄にも「右京は、南井が歪んだ正義感から、更正不能と見なした犯罪者を死に追いやっているとの疑いを持つ」と記されている。南井本人が述べたことではないが、右京の推察なので間違いではないはずだ。
 しかし、今回は立入に殺人を依頼しているおり、前回とは南井のキャラ設定が変わってしまっている。
=================================


 番組サイトの第14話のストーリー(あらすじ)の項では、南井に《犯罪者に私刑を下している疑惑》、《この2年、南井が連続殺人や犯人の自殺に関与している疑惑》があると記されている。
 もっともこれは、放映前のモノであるので、実は南井の行動にはもっと深い意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。
 不安定な南井のキャラ設定と過去の事件のすっきりしない終結でモヤモヤ感が残った。

 そんなわけで、南井の心情や心理を理解しがたい状態となっているのだが、そのことを考慮しても、今回のストーリーには不合理と思われることが散見された。
1.連続殺人事件の被害者の選定
 売春まがいの行為又は窃盗まがいの行為をした女子高生、ネタ元を吐いたので執行猶予が付いた薬(ヤク)の売人、殺害されるほどの犯罪者なのだろうか?
2.逆五芒星をなぞった連続殺人と言うが…
 ロンドンの事件現場をなぞった五芒星はかなり歪(いびつ)だった。しかも、逆五芒星というより順五芒星のような気がする。そもそも、5地点がほぼ円周上にありさえすれば、逆五芒星に準(なぞら)えることが出来る。(事件発生の順番に準えて、逆五芒星になるのなら納得できるが)
3.性急過ぎた今回の冠城
 「首を絞めた凶器が布状のネクタイやスカーフ」「事件現場の原宿や日暮里に行った可能性が高い」という状況証拠だけで、短絡的にマリア(石田ニコル)が実行犯と決めつけ、結果的に不幸な結果に。
 いつもの冠城なら、《殺人に何か関係している》ぐらいに留めるはず。
 「南井にとって、あなたはたくさん代わりがいるひとりに過ぎないんです。あなたは利用されているんです」という言葉も酷い。さらに「これまで南井が使ってきた実行犯の中で、一番未熟」という言葉も酷い。
4.マリアの服毒
 冠城と同様、マリアも性急だった。
 少し前から南井に疑念を持っていたとはいえ、会ったばかりの冠城の言葉により、疑念を深め、毒を盛った。「なぜ、殺人を行うのか?」という問い詰めもなし。
 恩や父親に似た愛情を感じていた南井が連続殺人を犯していたと知り、彼の犯行を止めるため毒を盛るというのは過激。
 ずっと辛くて悲しい人生を送ってきたのならともかく、父親が負傷し自殺するまでは普通の人生だったと思われ、南井を殺害する代償として、自らも服毒するというのも理解しがたい。
5.親切過ぎる足跡
 ひとつだけくっきりとした足跡が残り、ご丁寧に御用ツツジの葉まで添えてあるとは!
6.原宿の事件の検死
 遺体に絞殺痕と吉川線(抵抗した痕)があるのに、事故死として処理


第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話(元日SP)第12話第13話


【ストーリー】番組サイトより
因縁深い“右京の元相棒”が再び東京に!!
時を同じくして発生した2件の変死事件との関係は…!?


 原宿で身元不明の変死体が見つかり、伊丹(川原和久)たちが捜査に乗り出すが、その後、事故と断定される。
 そんな中、スコットランドヤード時代の右京(水谷豊)の相棒で、犯罪者に私刑を下している疑惑がある南井(伊武雅刀)が、特命係に現れる。この2年、南井が連続殺人や犯人の自殺に関与していることを疑いながら、証拠をつかめずにいた右京は、今度こそ逮捕しようと周辺を調べ始める。
 すると南井は、自身のルーツともいうべき場所をめぐっていることが分かるが、目的は見当がつかない。いっぽう亘(反町隆史)は、南井と共に来日したと思われるマリア(石田ニコル)という女性と接触。今回は、彼女が南井に操られて罪を犯すのではないかと危機感を募らせる。
 そんな矢先、都内の下町で、女性の絞殺死体が発見される。右京は、原宿の変死体とその絞殺死体には、ある共通点が存在することに気づくが…!?

右京の元相棒は、裁きの賢者か悪辣な殺人者か…
都内で次々に発生する事件には驚きの共通点が!?
右京が最強の宿敵との“最終決戦”に臨む!


ゲスト:伊武雅刀 石田ニコル

脚本:徳永富彦
監督:内片輝
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不合理なプラごみ問題 その1

2020-01-29 14:01:35 | 時事
7月からレジ袋の有料化される
 消費者に身近なレジ袋を有料化し、プラスチックごみの削減に向けた意識改革を促す。植物由来で環境負荷の小さいレジ袋などは有料化の対象から外す。
 年内に容器包装リサイクル法の省令を改正し、全ての小売店でプラスチック製の買い物袋の有料化を義務化する。レジ袋を含む容器包装を一定量以上使う事業者には取り組みを国に定期報告させ、必要に応じて勧告や命令を出す。命令違反には罰則も適用される。
 価格は各事業者が自由に設定できる。指針では1枚あたり2~5円程度の先行事例を紹介し、1円未満は「有料化にあたらない」とした。レジ袋を有料化した分の売り上げの使い道は「事業者自ら判断する」とした。
 レジ袋の有料化は、地球規模の課題である海洋プラスチックごみ(廃プラ)対策の一環だ。国内のレジ袋の使用は年間20万トン程度で、1年間に出る廃プラの2%程度を占めるとされる。国連環境計画(UNEP)によると、レジ袋をめぐる法規制実施国は127カ国にのぼる。
 現在、レジ袋の有料化は小売り各社の自主判断だ。環境省によると、有料化に取り組んだ場合に消費者がレジ袋の使用を辞退する割合は平均8割近くにのぼり、値引きやポイント還元で不使用を促すより効果が高いという。日本では富山県が08年に都道府県で初めて有料化し、これまでレジ袋15億枚超を削減した。
 一方、環境負荷が少ないレジ袋は有料化の対象から除外する。例えば植物由来の原料を配合したバイオマスプラスチックの配合率が25%以上だったり、微生物などの働きで分解される海洋生分解性プラスチックを使用していたりする場合は対象外とした。厚さ0.05ミリ以上で繰り返し使える袋も対象から外れた。
 バイオマスプラスチックを使ったレジ袋は一部の大手企業が導入済みだが、石油由来プラスチックに比べ製造コストが高く、原料の確保なども課題だ。海洋生分解性プラスチックは開発段階でまだ実用化されていない。
(←最近、四国のメーカーが開発したというニュースを耳にした)
………【『日本経済新聞』 「レジ袋有料化、20年7月から 全小売り店に義務付け 「植物由来」は除外」より引用】


 レジ袋の有料化に対しては特に反対ではなく、有料化することで《レジ袋の削減》や《ごみ問題に対する意識を高める》などの効果も見込まれ、賛同すべきことなのだろう。(販売する立場からすると、マイナスだが環境を考慮するとやむを得ない)
 しかし、おざなりの対策では、文句も言いたくなってしまう

1.レジ袋だけで良いのか?
 “レジ袋だけ”と記述したが、それに先駆けてストローも槍玉に挙げられていて、ストローについては「その2」で述べたい。
 確かに、ウミガメなどの胃の中から、ギュウギュウに詰まっているレジ袋を見ると、《何とかしなくてはいけない》と強く思った。
 しかし、レジ袋だけ廃棄されるわけではなく、パンやお菓子の袋も一緒に捨てられることが多い。と言うより、レジ袋だけ捨てるということは、まずないだろう。
 なので、レジ袋だけでなく、一般的なプラスチックごみについても規制しないとプラごみ問題は解決しない。もちろん、プラごみだけでなく、可燃ごみなども規制しないといけない。(まあ、うちらの業界は、規制されると困るが)

2.植物由来のレジ袋、水に溶けるレジ袋だったら、良いのか?(その他、繰り返し使用できる非常に分厚いレジ袋も規制の対象外)
 《なぜ、“不法投棄”を前提にした方策を採るのか?》……捨てられたときに、「環境への害が少ないからOKという理屈」は次善の策というか、妥協の策で、植物由来のレジ袋でも廃棄してはいけないことは幼稚園児でも分かっている常識だ。もしかしたら、そんな常識を政治家の先生やお役人様は理解してはいないのだろうか?

3.事業者に“丸投げ”の制度?
 冒頭で引用したように、《価格は各事業者が自由に設定できる。指針では1枚あたり2~5円程度の先行事例を紹介し、1円未満は「有料化にあたらない」とした。レジ袋を有料化した分の売り上げの使い道は「事業者自ら判断する」とした》というのは、あまりに“丸投げ”のように思われる。
 しかし、小売店(事業者)はレジ袋をメーカーや卸売店から購入しているので、もともとレジ袋代をお客に請求してもよく、その料金も事業者が設定するのは妥当だ(大きさや厚み、印刷によって原価は様々)。レジ袋代を国が徴収して環境保護費に充てるという施策も考えられるが、その書類などの手続きや徴収などが面倒そうなので、正直に言うと、丸投げ(事業者お任せ)の方が実用的だ。

4.廃棄者を取り締まるべき
 そもそも、ごみを捨てるモノがいるから海洋(自然)が汚染されるわけで、そいつら(乱暴な呼称だが、それで十分)を取り締まるのが、何よりも肝心である。
 何事でもそうだが、一部の不届き者がいるせいで、世間一般の人々が制約を受けるのは不合理だ。(個人情報保護法、セキュリティソフトの必要などなど)
 

 レジ袋の有料化は、《環境問題に取り組んでいますよ》というアピールが目的の政策であろう。
 しかし、それに踊らされる現場、特にレジ袋メーカは大変で、売り上げ減少を強いられるか、水溶性の新素材を開発を迫られる(価格は7倍~10倍)。もし、新素材のレジ袋が流通するとなると、卸業者も従来製品と新素材製品の両方を用意しなくてはならず、負担になりそう。
 とは言え、環境保護には避けて通れない課題である。素人考えだが、プラごみは火力発電所で燃やせないのだろうか?ダイオキシンや温室効果ガスの発生、燃えカスの問題など考えられるので、単純にはいかないだろうが……
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相棒 season18 第13話「神の声」

2020-01-24 17:30:33 | ドラマ・映画
無理のある事件の作り(殺害方法や偽装工作)だった
1.ドローンの飛行ルートを設定・予約
 “ある程度の知識と機材があれば可能”とのこと。確かに、琴江(松居直美)はドローン操作の資格を持っている乙羽(川添野愛)と親しかった(実は親子)ので、もしかしたら操縦などを教わっていたのかもしれない……
 ちなみにタイトルの「神の声」は殺害の工作に使用されたドローンのモーター音だった。
2.殺害方法はウォーターボーディング
 ウォーターボーディングとは、顔面に濡れた布を置き、その上から水を掛けて窒息させる方法。
 まあ、一般の人は知らない方法だと思われるが、親しくしていたサバイバルに詳しい皆川(比佐仁)から教わったか、皆川の家にあった書物から知識を得たのだろう……
3.男性を組み伏せる体力
 最初の2件は、後ろから殴打するなどして気を失わせたのかもしれないが、美濃部林業社長・美濃部 (小宮健五)の時は組み伏せ溺死させようとしていた。
 琴江、強過ぎ……

殺害動機も弱い
 美濃部たちは《村を守るため》に、木工職人・橋沼(庄大地)を殺害したが、橋沼は連続殺人事件の容疑を掛けられただけで、無実で冤罪の被害者だった。当然、村民には何の害を為していない。
 なのに、村民からは迫害され続け、ついには殺されてしまった。
 さらに、それを目撃した乙羽をも殺害……非道すぎる。
 
【その他の些細な疑問】
 皆川はプレッパーズ(世界滅亡に備える人々)だった。地下にシェルターを作り(どうやって?)、サバイバル訓練に励む毎日。
 その資金や生活費はどうしたのか?

今シリーズ、第4話、第5話、第6話、第10話が不出来に感じたが(個人的感触)、今話はそれらのトップを争う出来だったと思うが、巷では高評価も多かったようだ。

第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話(元日SP)第12話


【ストーリー】番組サイトより
山岳信仰が残る村で奇怪な事件が発生!
山中で磔にされた遺体…死因は溺死!?


 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、遺留品の返却で奥多摩の山村を訪れる。そこで出会った駐在の草野(粕谷吉洋)や移動スーパーを営む琴江(松居直美)によると、村にはいまだ山岳信仰が残っていて、その日も山は禁足地になっているらしい。ところが、誰も立ち入っていないはずの山中で、変死体が発見される。被害者は以前、役場に勤めていた初老の男性で、山中の地面に磔にされていた。
 伊丹(川原和久)たちが捜査に乗り出す中、右京と亘は気になる噂を耳にする。3年前、若い女性を狙った連続殺人事件の容疑者として世間の耳目を集めた“橋沼”という男が、村に戻ってきたのではないかというのだ。草野によると、3年前の事件の真犯人は逮捕され、橋沼の無実は確定しているのだが、半年ほど前、村の若い女性が行方不明になった直後、橋沼も姿を消すという出来事があったという。今回の被害者は、厄介者の橋沼を村から追い出そうとしていた一派の中心人物だったため、橋沼が復讐に戻ったのではないかと村民たちが恐れているらしい。
 そんな中、山中で磔にされていた男性の死因が“溺死”であることが判明して…!?

被害者はなぜ水場のない山奥で溺死していたのか?
犯人は村に恨みを持つ者? それとも怒れる山の神!?
特命係が山村で起きたミステリアスな事件に挑む!


ゲスト:松居直美 小宮健五 粕谷吉洋

脚本:山崎太基
監督:杉山泰一
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NHK福井の週間天気予報【補足あり】

2020-01-16 23:31:40 | 気象
週間予報は難しいのか、予報が変更されることが多い。
できれば、正確であってほしいし、予報がくるくる変わるのはやめてほしいのだが、ある程度の誤差は仕方がないと思っている。
しかし、それより問題なのが、気象予報士の予報への矜持。

NHK福井の気象予報士の昨日の言葉。
「今日の予報では昨日まで表示されていた土曜日の雨マークが取れました」
それが今日の予報では
「昨日、土曜日の雨マークが取れたと言いましたが、また雨マークが付きました」
と悪びれず解説。しかも
「まだ、この予報は変わる可能性があって、明日(金曜日)にならないと断定的なことは言えません」

気象予報士の矜持が感じられない…………


【補足】
結局、今日(金曜日)時点での土曜日の予報は晴れマークが付きました。「曇りで昼前までは時々晴れ、夜は所々でにわか雨かにわか雪があるかもしれません」 という言い回しの予報でした。
土曜日の天気の予報の変遷は「曇り時々雨」➡「曇り」➡「曇り時々雨」➡「曇り時々晴れ」。
予報の根拠の説明はありましたが、新たな予報の変更についての言及はありませんでした。
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相棒 season18 第12話「青木年男の受難」

2020-01-16 18:05:05 | ドラマ・映画
1.もう少し、青木が「ひいひい」言うシーンが欲しかったなあ
 サブタイトルが「青木年男の受難」なので、もう少し青木がひどい目にあって「ひいひい」いうシーンが観たかった。
 でも、出勤途中に襲われ拉致され、命を脅かされてハッキングを強いらる。もっと早く救出されるべきところを、《真相を知りたい》という欲求を右京が優先させたため、救出を後回しされたのだから、十分ひどい目にあったと言えるかも。
 面白かったのは、サイバーセキュリティ対策本部の土師太(松嶋亮太)を介して右京たちに緊急事態を伝える青木の苦心ぶりを、右京が推測して刑事部長や参事官に語ったシーン……青木の身を案じたり、青木の苦心を感心したりはせず、青木の捻くれた屁理屈の展開ぶりを、皆が納得してしまう(笑)

2.若手刑事・木村(中村優一)の過ち
 志はよかったが、手段を間違えてしまった。右京が糾弾したように、石井琢也(広田亮平)を犯罪者にしてしまったことは許されない過ち
 琢也を巻き込まなくとも、青木を拉致してハッキングさせようという発想がアウト!もっといい手段があったはず……係長・後藤(津村知与支)を説得するとか、特命係に相談するとか。
 志が良かっただけに、残念。
 
3.無難に事を収めすぎた係長・後藤(津村知与支)
 この人が部下(木村刑事)の気持ちを汲んで真実(琢也の父は冤罪ではなかった)を教えてやれば、今回のような残念な事態にはならなかった(一番罪が重いのは“成果主義”の署長)。
 起訴が済んだ後も、独自で捜査し、あのタクシーのドライブレコーダーの画像まで辿り着いたのだから、なかなかの手腕。(金狼会と銀龍会の刺傷事件はきちんと捜査しないと駄目だけど)

4.ドライブレコーダーの映像の出どころが分かりにくかった
 「(琢也の父の事件現場を通りかかった)タクシーのドライブレコーダーの映像があればいいのだが」という言葉を受けて、「何とかなるかも」と飛び出していった木村刑事のこの後の行動が不明(説明不足)。
 おそらく、《係長の後藤がこの映像を入手し、隠ぺいした》と推測し、琢也に「この映像を探せ」と指示を出したと考えられる。
 ドラマでは説明なしでこの映像を見ている右京たちのシーンになったので、青木がハッキングしているデータを土師が転送した映像ということが分かりにくかった。(私だけ?)

………もう少し面白く出来た気がする
 
第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話(元日SP)


【ストーリー】番組サイトより
青木が何者かに拉致された!?
警察情報をめぐり特命係と犯人の頭脳戦が始まる!


 サイバーセキュリティ対策本部の土師太(松嶋亮太)が、青木(浅利陽介)に頼まれたと言って、右京(水谷豊)に本を返しに来た。貸した覚えのない右京は事情を探ると、青木が無断欠勤している上、外部から警視庁のデータベースにアクセスしていることが判明。昨年、神田北署の管轄で起きた事件を調べていることが分かる。
 不穏な空気を感じ取った右京と亘(反町隆史)は、刑事部長の内村(片桐竜次)に青木が拉致された可能性を報告。捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)も加わり、内密な青木の捜索が開始される。捜していることが犯人に漏れないようにしつつ、まずは犯人の目的を知るべく神田北署を訪れる右京と亘。目的を告げずに昨年の「なにか」の資料を探す特命係を不審に思った刑事課の係長・後藤(津村知与支)は、赴任したばかりの若手刑事・木村(中村優一)に、右京たちを見張るよう指示を出す。
 そんな中、青木がアクセスを試みているのが、暴力団幹部が刺傷を負った事件だと判明し…。

警察情報を引き出そうとする犯人の目的は?
凶悪な相手に捕らわれた青木に命の危機が迫る!
右京と亘は正体不明の犯人を突き止められるのか!?


ゲスト:中村優一 津村知与支

脚本:児玉頼子
監督:杉山泰一
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相棒 season18 元日スペシャル 第11話「ブラックアウト」 【補足あり】

2020-01-05 20:47:53 | ドラマ・映画
二転三転するストーリーで面白かったと言えなくはない……(どっちなんだ?)
 ……暴力団の構成員・溝口(蛍雪次朗)、真鍋克彦(川口力哉)らトンネル崩落事故の被害者たち、入江良文(河合我聞)そして、雨宮紗耶香(瀧本美織)……それぞれの目的(計画)が絡み合っていた…

 ただし、その複雑な事件の展開を成り立たせる為に、入江にいろいろ行動させたが、不可解なモノになってしまった

事件の構造の整理
1.暴力団の構成員・溝口(蛍雪次朗)
 暴対法で暴力団の構成員たち(溝口は“家族”と考えていた)がバラバラになってしまった。その暴対法の法制化を進めた蓮見恭一郎(長谷川初範)に恨みをいだいており、その復讐を兼ねて恭一郎を監禁し、組長の釈放を要求した。

2.真鍋克彦(川口力哉)らトンネル崩落事故の被害者たち
 トンネル崩落事故の時、恭一郎が詐病で自分の救出を優先させたため、身内が命を落としてしまった(レスキュー隊員だった真鍋は、恭一郎を優先させたことを激しく後悔)。
 今回、崩落事故を再現し、恭一郎の本性を暴こうとした(その映像をネットに暴露)

3.入江良文(河合我聞)
 崩落事故の被害者・奥村を装い、真鍋らを扇動。一方で、溝口をけし掛け、監禁事件を実行させた。
 蓮見誠司(浅香航大)が過去に誤射して、一般市民を射殺したことの隠蔽を脅迫、10億円を振り込ませることに成功。
 溝口を引き込んだのは、溝口の組長釈放要求目的の監禁騒動で、トンネル崩落の時の恭一郎の詐病と本性を暴くという目的をカモフラージュするため。
 暴力団員の弁護も引き受ける人権派の弁護士の下で働いており、崩落事故の被害者や溝口の情報を知り得ていた。“金の為に動く男”というその弁護士の入江評。

[溝口が入江を撃ったふりをした理由]
 監禁した者に対する脅しと死亡したと見せかけることで、動きがフリーになり、蓮見の会社を脅迫(交渉相手は恭一郎の会社の常務の佐分利)。
 溝口の犯行声明を出したのも入江だろう。

4.雨宮紗耶香(瀧本美織)
 恋人を蓮見誠司に射殺された。その真相をはっきりさせるために、入江に依頼し今回の事件を仕組んだ。
 入江の脅迫で蓮見親子に揺さぶりをかけ、盗聴で尻尾を掴み、誠司を入江の隠れ場所に誘導し、誠司が入江を射殺するかどうか、見極めようとし、そして糾弾。
 
 
 
【不可解すぎる入江の行動】
細かく事件を追うと、実は入江は実は“いい人”だったような気がして仕方がない
①取引が完了したのは、明石が本性を現した直後。「塩素ガスを発生させるぞ」「防毒マスクは要らないか?」など恭一郎の本性を暴こうと脅かしたのはサービス?(逃亡後のメリーゴーランドのシーンにつき合ったのもサービス?)
②入江は本気で有毒ガスを発生させるつもりだったのだろうか?殺人罪を上乗せするのはリスクが大きい。現場の状況がネットに流されていたのは承知されていたはず
③監禁事件の黒幕的存在であることを明かすのも損
④クライマックス(メリーゴーランドのシーン)で誠司を撃つ必要もない

 事件を複雑にするには、入江のような脚本家にとって便利なキャラが必要だったのだろうが、先にも書いたように、“実はいい人”に思えてしまう。


紗耶香の行動も少し不可解
 最後に、入江の銃口から誠司を庇った紗耶香……
 「紗耶香が不可解」というより、「女心が不可解」と言った方が良いかもしれない。

【右京&冠城語録?】
ラストで、紗耶香と真鍋ら崩落事故の被災者たちがすれ違い、頭を下げる紗耶香に対し、目線を合わせて僅かに頷く彼ら……
「復讐に苦しんだ人にしか分からない気持ちってのが、きっとあるんでしょうね」
「我々は常に事件を追いかけていますが、そこで明らかになることなど、ほんの氷山の一角。
 人の心というのは、もっと深くて複雑なものです」
「俺が思うに、お互いが生き直すことを誓ったんじゃないですか」
「前向きですね。きみのそういうところ、嫌いじゃありませんよ」


細かい推理は見事
・《腕時計をした手でナイフを握っていた》《被害者の特定》《状況を分析し、犯人の意図を推察》など細かい推理は見事だった
・多少、こじつけ気味に感じたが

その他いろいろ
・“上級国民と暴力団構成員の対比”が裏テーマかも
・警官が若い男を撃った冒頭のシーンで、今回の犯人の真の狙いが推測できてしまうが、これを見せないと“後出しジャンケン”になってしまうので、難しいところだ。
・刑事部長の無事を確認した参事官の嬉しそうな顔
・右京は勿論、冠城も頭が切れすぎていた
・右京の被弾の仕方は“かすり傷”にしか見えなかった(至近距離の真横から左腕を直撃というのに)
・右京は床に放置された拳銃を放置し過ぎ
・関係ないのに地下駐車場を爆破されたゴルフ場のクラブハウスは気の毒だ
・蛍雪次朗さんはゲストではないのか?

【補足】marumoriさんからご指摘があり、尤もだと思ったので、ご紹介します。
①入江は催涙スプレーをどこに隠し持っていたのか?右京さんが地下駐車場で入江を確保し身体検査をした時には持っていなかったと言っていましたよね?
②恭一郎の暴言を隠し撮りし動画にアップした真鍋。でも、この時は入江によって妨害電波が発信されていたはず。一時的に妨害電波を止めたのでしょうか?
③誠司が紗耶香のメールで呼び出されて捜査本部を抜け出したときはまだ真昼間だったのに、遊園地についたときは真っ暗。そんなに時間がかかったのでしょうか?
④そもそも紗耶香は自分の恋人を撃った警察官が誠司だということをどうやって知ったのでしょうか?警察内部の人しか知りえない情報のはずでは?
⑤紗耶香と入江がどういう経緯で繋がったのか,
⑥なぜ社長室に盗聴器が仕掛けられていることが分かったか、紗耶香が黒幕だということにどいやってたどり着いたのか


これらに対する私の見解
①……まだ、仲間(黒幕)がいることをほのめかした言葉ですが、駐車場にいた者がスプレーを手渡すのは難しそう。なので、警察内部に協力者がいるのかと思ったら、そうではなかった。
②……妨害電波は奥村(偽者)が裏切り者(暗躍者)であることの“前振り”だと思いますが、要らない設定だと思う
③……確かに。まあ、(ドラマでは)よくある事である。
④……事件現場の付近の交番勤務の警官というのは分かっていたと思うので、そこから辿るのは可能かも
⑤……これは完全に省略されていた。尺の関係かもしれないが、今回の脚本の出来だと、失念していたのでは?と疑いたくなる。
⑥……右京は①のスプレーを渡した人物を推理した。協力者を地下駐車場内にいた人物と限定し、消去法で残ったのが紗耶香だった。紗耶香だとすると、盗聴器を仕掛けた可能性が高い。黒幕(協力者)の推理は、《射殺された男が路上画家でガーベラを描いていた》、《紗耶香はガーベラが好き》ということで繋がった。



……複雑にしようとして、あちこちで破綻してしまった脚本だった。

第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話


【ストーリー】番組サイトより
警視庁震撼の監禁籠城事件が発生!!
人質となった右京は無事脱出できるのか!?


 年の瀬。右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、山奥のゴルフコースで開かれる警視庁主催の親睦ゴルフコンペに、“準備係”として駆り出される。コンペには、副総監の衣笠(杉本哲太)をはじめとする警視庁上層部のほか、警察庁OBの蓮見恭一郎(長谷川初範)や、その息子で組織犯罪対策3課の係長・蓮見誠司(浅香航大)らが参加していた。
 コンペ終了後、参加者たちがそれぞれ帰路につこうとした矢先、ゴルフ場の地下駐車場で大爆発が発生! 出入り口が完全に塞がり、居合わせた人間が、地下空間に閉じ込められてしまう。
 さらに、爆発に巻き込まれたと思われた“被害者”の一人が突如、持っていた拳銃を発砲!! 男は、暴力団の構成員で、その場にいた人々を人質に、「収監されている会長と7人の組員を釈放しろ!」という要求を突きつけてくる。

 人質になったのは、右京と恭一郎のほか、恭一郎の秘書を務める雨宮紗耶香(瀧本美織)ら計8人。男は、この時点ですでに、指示に従わなかった人質の一人を射殺しており、状況は切迫していた。いっぽう、地上では、亘をはじめ警視庁の面々が、人質救出に向けて動き始めていた。
 そんな中、地下に閉じ込められている人数と人質の人数が合わないという、不可解な状況が判明。人質の中に犯人の仲間がいるのではないかという疑惑が浮上してくる。そうこうするうち、右京は今回の一件と、5年前に起きたある事故の符合に気づき…!?

5年前の事故と現在の爆破事件に奇妙な符合が!?
殺人も辞さない凶悪犯に監禁された右京たちの運命は?
警察OBを巻き込んだ想定外の人質籠城事件は、やがて思いも寄らない驚がくの事実へと繋がっていく!!


ゲスト:瀧本美織 浅香航大 長谷川初範

脚本:神森万里江
監督:橋本一
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gooブログのスマホ表示の時の行間の広さ

2020-01-04 22:17:41 | その他
 新年になって気がついたのですが、gooブログをスマホで見ると(PC版に切り替えない)、行間が広く間延びして、読みにくいのですが、読みにくいと感じるのは、私だけでしょうか?
 以前もこういうことがあったような気がするのですが、いつの間にか、以前の行間に戻っていたような気がします。

 他のブログサービス(Ameba、ライブドア、FC2など)はどうなのか知りませんが、管理者のブログ(リニューアルの告知や、不具合や修正の報告・連絡など)に要望や不具合を書き込んでも、(私の書き込みだけでなく)その返答は全くありません。(読んでいるとは思います)
 なので、今回は記事に取り上げることにしました。不満を吐き出す目的もありますが、スマホでgooブログをご覧になる際、行間の広さに違和感を感じることがないか、お聞きしたいのです。
 
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2020箱根駅伝 復路と全体の感想

2020-01-03 20:39:19 | スポーツ
往路感想で疲れたので、復路は簡単感想です。
やっぱり青山学院は強かった………これだけでいいような気がするが…
 復路は6区3位、7区4位、8区2位、9区1位、10区5位とすべての区間で好走し(往路も1区より7位、5位、4位、1位、2位)、東海大に追撃を許さなかった。
 東海も不出来と言える区間はなかった。1区より4位、7位、6位、2位、7位、1位、3位、1位、8位、3位で、青学と各区間で単純に勝ち負けを付けると、5勝5敗と互角。ただ、30秒以上差がついた区間は青学4勝、東海2勝。また、単純に各区間の順位の総計は、青学34、東海42となり、やや青学が上回っていた。
 しかし、レース全体から受けた印象は、上記のような「青学やや優位」ではなく、「青学の完勝」である。
 やはり、「往路でついた3分22秒の差が大きく、復路でも青学が付け入る隙を与えなかった」という先述した感想に行き着いてしまう。
 その3分22秒の差は、3区(49秒)4区(1分7秒)、5区(1分24秒)によるモノ。3区鈴木の果敢さと終盤の根性、4区吉田祐の4年間の思いの爆発、5区飯田の冷静な走りが光った。
 さらに言うと、4区の吉田の激走が一番の勝因であろう。しかし、忘れてはいけないのが、2区の1年生岸本の快走。エース区間で各校のエースと渡り合い、最後にスパートして差し勝ってしまった。これには、残りの区間の先輩たちも燃えない訳にはいかない

 東海大は、6区の館澤の激走がこれ(青学の岸本や吉田)に当たるが、精神的には3分24秒差のプレッシャーが大きかった(館澤が2分21秒差にしたが)。


 今大会、区間新や好タイムが続出した。
 気象条件(気温や風)が良く、学生長距離界全体の実力アップがその要因かと思ったが、どうやらそれだけではないらしい。今大会、8割の選手が“厚底シューズ”を使用したとのこと。
 この厚底シューズは反発力があり、スピードに繋がるらしい。疲れにくく、理想のフォームを実現しやすくなるらしい(参考記事『箱根駅伝を席巻「進化した厚底シューズ」の衝撃』…東洋経済オンライン)

 過去の大記録が、厚底シューズを履くことによって塗り替えられる……ちょっと複雑な気持ちになった。
 もちろん、履いただけで速く走れるわけでなく、使いこなすには熟練する必要があるかもしれない。(東経オンラインの記事によると、早くからこのシューズを採りいれていた東洋大学を推していたが……)

往路の感想はこちら

 
復路成績
1東海大学     05:23:47大会新 11中央学院大学   05:31:53
2青山学院大学   05:24:07    12中央大学     05:31:59
3帝京大学     05:27:08    13神奈川大学    05:33:15
4明治大学     05:27:35    14法政大学     05:34:23
5早稲田大学    05:28:55    15順天堂大学    05:34:53
6東京国際大学   05:29:54    16国士舘大学    05:34:56
7東洋大学     05:29:56    17拓殖大学     05:35:20
8駒沢大学     05:30:03    18日本体育大学   05:35:57
9創価大学     05:30:43    19日本大学     05:37:44
10國學院大學    05:31:31    20筑波大学     05:38:20
                  ※関東学生連合    05:37:40

総合成績
1青山学院大学   10:45:23大会新 11中央学院大学   11:01:10
2東海大学     10:48:25大会新 12中央大学     11:03:39
3國學院大學    10:54:20    13拓殖大学     11:04:28
4帝京大学     10:54:23    14順天堂大学    11:06:45
5東京国際大学   10:54:27    15法政大学     11:07:23
6明治大学     10:54:46    16神奈川大学    11:07:26
7早稲田大学    10:57:43    17日本体育大学   11:10:32
8駒沢大学     10:57:44    18日本大学     11:10:37
9創価大学     10:58:17    19国士舘大学    11:13:33
10東洋大学     10:59:11    20筑波大学     11:16:13
                  ※関東学生連合    11:12:34

第6区区間記録
1館沢亨次 東海大  00:57:17 区間新
2今西駿介 東洋大  00:57:34 区間新
3谷野航平 青山学院 00:58:18
4宮崎佑喜 日本大  00:58:21
5武川流以名 中央学院00:58:25

第7区区間記録
1阿部弘輝 明治大  01:01:40 区間新
2鈴木創士 早稲田  01:02:56
3松崎咲人 東海大  01:03:03
4中村友哉 青山学院 01:03:23
5小林歩  駒沢大  01:03:27

第8区区間記録
1小松陽平 東海大  01:04:24
2岩見秀哉 青山学院 01:04:25
3鳥飼悠生 帝京大  01:04:50
4太田直希 早稲田  01:05:30
5芳賀宏太郎 東京国際01:05:51

第9区区間記録
1神林勇太 青山学院 01:08:13
2有馬圭哉 中央学院 01:08:56
3相沢悠斗 東京国際 01:09:04
4新迫志希 早稲田  01:09:17
5小森稜太 帝京大  01:09:26

第10区区間記録
1嶋津雄大 創価大  01:08:40 区間新
2吉野貴大 帝京大  01:08:43 区間新
3郡司陽大 東海大  01:09:08
4殿地琢朗 國學院  01:09:19
5湯原慶吾 青山学院 01:09:48
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2020箱根駅伝 往路

2020-01-02 22:31:37 | スポーツ
 昨年優勝、2019全日本大学駅伝を制した東海大(出雲は4位)が本命、それを追う青山学院(昨年2位、出雲5位、全日本2位)、駒澤(昨年4位、出雲2位、全日本3位)、東洋(昨年3位、出雲3位、全日本5位)、國學院(昨年7位、出雲優勝、全日本7位)という勢力図。
 5強に食い込めそうなのは、東京国際大、帝京、早稲田、順天堂辺りか。
 昨年の模様はこちら→2019箱根駅伝 往路2019箱根駅伝 感想(復路&全体)

 東海は昨年優勝メンバーが8人残り、さらに“黄金世代”と呼ばれる4年生のエース級を欠いても全日本を制した層の厚さを誇る。20kmを走り切れるランナーを10人も求められる箱根駅伝では、やはり優勝候補の筆頭である。
 層の厚さでは定評のあった青学は、ここ数年はそれにやや陰りを感じさせるが、エース吉田(圭)を中心とした総合力の高さと調整力、駒澤も総合力に加え、異次元のスーパールーキーの田澤で優勝を狙う。
 東洋は層の薄さが不安だが、学生界の大エース相澤と“1秒を削る走り”で個々の走力を100%以上引き出す走りは侮れない。出雲を制した國學院も箱根を走りきる戦力が整ってきている。



~渡辺康幸語録~
「各大学の力が拮抗してますので、高速レースになることは間違いないんですけど、それでも、本当に強いチームが往路のゴールテープを切るんじゃないかなと思っています
………当たり前のような気がする。


【1区】
 創価大の米満が区間記録に迫る快走で区間賞。國學院の藤木が5秒差の2位。3位は日体大の池田(8秒差)、4位は東海大・鬼塚(10秒差)、5位中央学院・栗原(13秒差)、6位早稲田・中谷(13秒差)、7位青学・吉田(18秒差)、8位帝京・小野寺(19秒差)、9位駒澤・中村大聖(54秒差)、10位明治・小袖(56秒差)。
 東洋・西山(2年連続1区区間賞)は14位(2分2秒差)と大きく遅れた。

 例年より、1区にエースや準エースの起用が多い。特に、青学はエースの吉田圭を起用、勝負を懸けてきた。30秒程度リードしてレースの主導権を奪う狙いだろう。しかし、18秒遅れの7位。かなりの誤算と言える。
 東海はほぼ予定通り、國學院は上出来、駒澤は準エースを起用しての54秒差は誤算、過去2年連続1区1位の東洋・西山は2分遅れ。西山は万全でないという情報もあったが、勝負を懸けた1区西山の起用は裏目に出た。


~瀬古利彦語録~
(11km過ぎで50mほど集団から遅れてきた西山(東洋)を見て)
「ペースが速いと見て、無理しちゃいけないと判断で下がったんだと思います」(瀬古)
「いや、西山なんですが、口が開いてきましたね」(リポーター)
「う~ん、一気に離れましたね。ここは(少し前を走る)神奈川大学につかないといけませんね」
 ひとりが飛び出して、それを様子を見るのなら有り得るが、大人数いる先頭集団から離れていくのは、ランナーの表情は関係なく、ついていくことが出来ないと判断すべき。50m離されているのは、かなりの危険信号だ。


【2区】
 各大のエースが競う“花の2区”。注目ランナーは、学生界の大エースの相澤(東洋・中継時では2分2秒遅れ)、予選会トップの伊藤(東京国際・1分49秒差)、出雲駅伝でアンカーで大捲りで國學院を優勝に導いた土方(5秒差)、1年生ながら青学のエース格の岸本(18秒差)。
 留学生ランナーは、、創価・ムイル(中継時トップ)、日大・ドゥング(15位・2分4秒差)、拓大・レメティキ(17位・2分27秒差)、国士館・ヴィンセント(20位・4分12秒差)

 2区開始後、1区7位の青学・岸本らが追い上げ、7大学が集団を形成(創価、國學院、日体、東海、中央学院、早大、青学)。
 後方では相澤が伊藤に追いつき、ふたりで11位グループを形成。相乗効果が期待される。

 横浜駅前(8.2km地点)のチェックポイントの区間タイムは、
1位R.ヴィンセント(国士館)区間タイム:23:06
2位相澤(東洋)1秒差
3位岸本(青学)11秒差
4位太田(早大)12秒差
4位レメティキ(拓大)12秒差
6位伊藤(東京国際)14秒差

 横浜駅前通過以降、日体大が遅れ始め、権太坂(15.2km)手前で中央学院が遅れ、権太坂付近で創価・ムイルが遅れ始め、トップは4大学に。8位を走っている帝京・星の走りも良さそう。
 長らく続いた4大学(東海、青学、國學院、早大)の並走から抜け出したのは、青学1年生の岸本。そのまま、1位で中継点に到達。1秒差で早大(太田)、2秒差で東海(塩澤)、3秒差で國學院(土方)がなだれ込んだ。
 5位に帝京(星、27秒差)、6位創価(ムイル、37秒差)。そして、なんと!その直後に相澤がに到着(7位、38秒差)。1時間05分57秒の区間記録を達成!大記録だ。
 5強の一角、駒澤は13位の1分50秒差に沈んだ。

2区区間順位
1位 相澤(東洋) 区間タイム:1:05:57(区間新)
2位 伊藤(東京国際) 21秒差
2位 レメティキ(拓大)21秒差
4位 R.ヴィンセント(国士館)49秒差
5位 岸本(青学) 1分6秒差
6位 太田(早大) 1分8秒差
7位 塩澤(東海) 1分16秒差
8位 土方(國學院)1分22秒差
9位 星 (帝京) 1分32秒差
10位 加藤(明大) 1分55秒差

 2区は留学生を含む過去の最速ランナーの顔が浮かぶ。その彼らの記録を上回るという恐るべき記録だ。大記録を達成した相澤はゴール後すぐ、インタビューに普通に応えていた。
 相澤に必死に食らいついた伊藤も昨年の塩澤(順大)の記録を上回る快記録。


2区終了時点順位
1位 青山学院  総合タイム:2:08:34
2位 早稲田   1位との差:00:01
3位 東海大   1位との差:00:02
4位 國學院   1位との差:00:03
5位 帝京大   1位との差:00:27
6位 創価大   1位との差:00:37
7位 東洋大   1位との差:00:38
8位 東京国際  1位との差:00:46
9位 日体大   1位との差:01:12
10位 中央学院  1位との差:01:13

13位 駒澤大   1位との差:01:51

 青学は1区の吉田で30秒の貯金、2区の1年生でエース格の岸本が各大学のエースと互角の走りをして、リードを保つか、あわよくばリードを広げるという目論見があったはず。
 4連覇時代の原采配は、バランスよく戦力を配置して、「1,2区で失敗しても3~4区で挽回」、「往路で失敗しても復路で巻き返す」という意図を感じた。しかし、「今回は序盤でリードを奪い、レースの主導権を握る」という意図を感じた。
 しかし、吉田が今一つで目論見が崩れかけたが(離されながらも18秒差に留めたという評価もできる)、岸本が期待通りに走り、2区を終えて僅差ながらもトップで襷を繋ぐことが出来た(トップで襷を繋ぐことが心理的に大きい)。
 早稲田も、中谷、太田が健闘し1秒差の2位。
 東海はほぼ予定通り。國學院は1区2区を合わせるとほぼ予定通り。
 東洋は相澤が大記録で走ったが、1区西山(1区連続区間賞)の誤算が大きく、2区でかなりのリードどころか38秒遅れの7位は、今後の苦しい展開が予想される。
 駒澤は1区がやや誤算、2区が大誤算で13位の1分51秒差と厳しい状況。3区のスーパールーキーの田澤に期待したい。
 注目は伊藤の頑張りで13位から8位に浮上した東京国際。3区ではY・ヴィンセントの走力が頭一つ以上抜けており、ここで先頭争いに絡んできそうだ。


(例年通り、2区まで書いてくたびれる。以下は少し省略)

【3区】
 トップの鈴木がハイペースで飛ばし、中継直後に僅差で3区に繋いだ3大学の内、東海、國學院を引き離し、4.4km過ぎに早大も置いていく。(早大・井川は無理してついたのが祟り、区間14位、チームも8位に沈んだ)
 しかし、その鈴木にぐんぐん迫ってきたのがY・ヴィンセント(東京国際)。3区中継時に46秒あった差を10.3km地点で追いついた。鈴木もついていこうとしたが、すぐ断念。
 ヴィンセントはこの後も快調なペースを維持し、区間記録を2分1秒も更新する区間記録。“区間記録を2分更新”と言ってもピンとこないが、昨年区間記録を作った森田(青学)を600m以上置いていく無茶苦茶な速さである。
 区間2位の遠藤(帝京)、区間3位の田澤(駒大)も区間新の快走で、帝京は5位から4位に、駒澤は13位から6位に浮上した。
 鈴木は後半疲れて、中継直後に引き離した青木(國學院)に終盤、追いつかれたが、そこから根性を出して、5秒差をつけて2位で襷を繋いだ。
 東海大は順位を一つ下げ5位、東洋は区間13位で7位から10位に後退した。

3区区間順位
1位 Y・ヴィンセント(東京国際) 区間タイム:59:25(区間新)
2位 遠藤(帝京) 1分58秒差(区間新)
2位 田澤(駒大) 2分0秒差(区間新)
4位 鈴木(青学) 2分7秒差
5位 青木(國學院)2分9秒差
6位 西川(東海) 2分56秒差

3区終了時点順位
1位 東京国際  総合タイム:3:08:45
2位 青山学院  1位との差:01:21
3位 國學院   1位との差:01:26
4位 帝京大   1位との差:01:39
5位 東海大   1位との差:02:12
6位 駒澤大   1位との差:03:05
7位 明治大   1位との差:03:38
8位 早稲田   1位との差:03:42
9位 創価大   1位との差:03:42
10位 東洋大   1位との差:04:00

【4区】
 4区の有力ランナーは区間で最も10000mの持ちタイムの良い吉田祐也(青学)、全日本大学駅伝MVPの名取(東海)。
 名取も区間2位と好走したが、吉田はその名取を1分7秒上回る快走で、3区終了時に1分21秒先んじていた東京国際を抜き去り、逆に1分2秒差をつけた。昨年相澤(東洋)の作った区間記録

を更新する快走だった。
 東京国際が2位。3位は中西が区間3位の好走した國學院。東海大(名取)も順位を一つ上げ4位。5位は帝京大(岩佐・区間6位)。駒澤(小島・区間5位)が6位。
 東洋は区間20位のブレーキで、10位から14位に沈んだ。

4区区間順位 
1位 吉田祐(青学) 区間タイム:1:00:30(区間新)
2位 名取(東海) 1分7秒差
2位 中西(國學院)1分23秒差
4位 福田(創価) 1分25秒差
5位 小島(駒大) 1分31秒差

20位 渡邉(東洋) 5分35秒差

4区終了時点
1位 青山学院  総合タイム:4:10:36
2位 東京国際  1位との差:01:02
3位 國學院   1位との差:01:28
4位 東海大   1位との差:01:58
5位 帝京大   1位との差:01:59
6位 駒澤大   1位との差:03:15
7位 創価大   1位との差:03:46
8位 早稲田   1位との差:04:16
9位 明治大   1位との差:04:46
10位 拓殖大   1位との差:05:36

14位 東洋大   1位との差:08:14

【5区】
 昨年区間記録を更新した浦野(國學院)、昨年区間2位の西田(東海)、一昨年区間賞、昨年区間3位の青木(法政)と“山登り”のスペシャリストが揃う。
 解説の瀬古氏は区間記録保持者の浦野を買っていて、容易に逆転しそうな口調だった。確かに区間記録保持者で、10,000mの持ちタイムも28分25秒と、この区間のランナーでは最速(ハーフマラソン62分02秒)。
 しかし、青学の飯田も昨年8区2位、持ちタイムも28分49秒、ハーフマラソン63分10秒となかなかの走力。原監督も「山登りの目途は突いた」と漏らしていたらしい。
 飯田は軽い走りでバネを感じさせ、2位に上がった浦野に差を縮めさせない。
 飯田は小涌園前(11.7km)では、19秒縮められたが、最後まで軽い走りを持続させ、区間2位(区間新)で逆に浦野に5秒の差を広げた。青山学院は往路記録を5分も短縮した。
 浦野も区間新、國學院も往路新で2位で往路をフィニッシュ(青学との差は1分33秒)
 東京国際の山瀬は東海に抜かれ4位に落ちたが、最後抜き返し3位フィニッシュ(3分17秒差・往路新)。東海大は3分22秒差(往路新)で4位。
 5位は全然目立たなかった明治大。4区の9位からスッと5位に浮上した感じ。
 駒澤は6分25秒差の8位。
 東洋大は宮下が意地を見せ、区間賞(区間新)の走りを見せ順位を3つ上げ11位。
 
5区区間順位  
1位 宮下(東洋) 区間タイム:1:10:25(区間新)
2位 飯田(青学)   15秒差(区間新)
2位 浦野(國學院)  20秒差(区間新)
4位 青木(法政)   41秒差
5位 鈴木(明治) 1分24秒差
6位 井出(神奈川)1分36秒差
7位 西田(東海) 1分39秒差
8位 畝 歩夢(中央学院)2分21秒差
9位 畝 拓夢(中大)  2分24秒差
10位 山瀬(東京国際)2分30秒差

往路成績
1位 青山学院  総合タイム:5:21:16
2位 國學院   1位との差:01:33
3位 東京国際  1位との差:03:17
4位 東海大   1位との差:03:22
5位 明治大   1位との差:05:55
6位 帝京大   1位との差:05:59
7位 創価大   1位との差:06:18
8位 駒澤大   1位との差:06:25
9位 早稲田   1位との差:07:32
10位 拓殖大   1位との差:07:52
11位 東洋大   1位との差:07:59
12位 中央学院大 1位との差:08:01
13位 中央大   1位との差:10:24
14位 順天堂   1位との差:10:36
15位 日本大   1位との差:11:37
16位 法政大   1位との差:11:44
17位 神奈川大  1位との差:12:55
18位 日体大   1位との差:13:19
OP 関東学生連合1位との差:13:38
19位 筑波大   1位との差:16:37
20位 国士舘   1位との差:17:21

 青山学院はエースの吉田圭を1区に起用しながら7位の誤算。しかし、その暗雲を払拭したのが2区の1年生岸本の快走。これが非常に大きかった。

 駅伝は前半で遅れると、その順位に引きずられた走りに陥ってしまうことが多いので、前半(往路)重視のメンバー構成になることが多い。
 層が厚い大学は復路にも戦力を残すことが可能で、前評判では層の厚いのは東海、青学、駒澤、帝京。ただし、帝京、駒澤は青学に約6分の大差をつけられており、逆転は難しい。
 逆転の可能性があるのは東海大のみ。しかし、前年覇者、全日本大学駅伝を制した東海大とは言え、3分22秒の差は小さくない。青学の優位は大きい。しかし、駅伝は何が起こるのか分からないので、予断は許されない。
 ちなみに、往路2位の國學院は往路優勝を狙った布陣と考えられ、逆転優勝の可能性は低そうだ。明治は大エースの阿部が控えに回っているが、調子が悪いのか、戦況を見て投入する区間を決めたかったのか、どちらなのか。もし、後者なら明治は面白い存在だ。
 
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あけましておめでとうございます

2020-01-01 22:06:04 | 日記
あけましておめでとうございます。

 年末は非常に忙しかったです。まあ、忙しいのは例年のことですし、皆さんも忙しいと思うので、わざわざ記事にすることではないのですが、備忘録として記すことをお許しください。愚痴としては、忙しさは昨年と同程度だったのに、売り上げが微減したこと。
 この冬は暖冬で、初雪はまだ(地方気象台では数日前、初雪を観測したようですが、それでも、かなり遅い初雪だそうです)。昨年も暖冬でしたが、大晦日になっても初雪がまだというのは、記憶にないです(忘れているだけかも)。
 雪が降らないのは、個人的に非常にありがたいのですが、スキー場やウインタースポーツ関連の方々は頭の痛い事でしょう。理想は山間部だけ降雪(積雪)がある事でしょうか。
 そんな転校でしたが、昨日(大晦日)から寒気が南下して、例年並みの寒さになりました。初雪も昨夜にありました。

(ここからは、文体を常体に変更。ドラマやスポーツの感想は敬体だと今一つ締まらないので)
 今日(元日)は、「ニューイヤー駅伝」、「芸能人格付けチェック」を視聴。
 「ニューイヤー駅伝」は全区間安定した走りを見せた旭化成が優勝、4連覇を果たした。旭化成の小野選手の軸のぶれない綺麗な走りが見事だった。まだまだ伸びそうな未来を感じさせる走りだった。
 「格付けチェック」は、とにかく、鬼龍院翔が面白すぎ。

 例年はこの後、「相棒 元日SP」を視聴するのだが、今年は録画したままだった「密着!箱根駅伝 春夏秋冬」(前編、後編)をこれから視聴。「相棒 元日SP」も魅力的だが、明日からの箱根駅伝に備えることにした。少しいつもと違うパターンとなったが、箱根駅伝の予習の視聴なので、一層、テレビ視聴に縛られてしまった感がある。明日、明後日は当然、箱根駅伝だし……

 まあ、平和にテレビ視聴三昧を味わえるということは、非常に幸せなことだと感謝すべきなのだろう。

 年々、ブログを書くのが、時間的に体力的に気力的に厳しくなりつつありますが、日常もブログもそれなりに頑張りたいと思っています。
 今年もよろしくお願いします。
 
 
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