英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

証人喚問……無駄、それどころか害

2018-03-30 17:51:59 | 時事
「刑事訴追される恐れがある」と証言拒否を連発(NHKによると46回)

(後にこの記事を見る時のための状況説明、『毎日新聞』サイトより引用)
「答弁を差し控えたい」。学校法人「森友学園」(大阪市)との国有地取引を巡る決裁文書の改ざん問題で、27日午前に参院予算委員会で行われた佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官に対する証人喚問。改ざん当時の財務省理財局長は、大阪地検による捜査を理由に詳しい証言を拒み続けたものの、安倍晋三首相周辺の関与についてはきっぱりと否定した。



 予想通り、“刑事訴追”を盾に、証言拒否。
 野党は“証人喚問だ!”「と息巻いていたが、このような展開は、過去に何度も見た記憶がある。この“証言拒否権”の制限を厳しくしないと、今後も同じような茶番が繰り返されるし、『“刑事訴追”を盾に、逃げ切れる』という定跡が確立されると、政治腐敗がますます進みそうだ。これなら、証人喚問などしない方がましである。


証言拒絶権(証言拒否権)……証人が一定の場合に証言を拒絶できる権利
 民事訴訟(民事訴訟法)、刑事訴訟(刑事訴訟法)、証人喚問(議院証言法)では、親族の範囲など微妙に異なるが、大筋は同じで、証人喚問に於ける説明文(ウィキペディア)を引用すると

議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(議院証言法)では、証人喚問において、以下の場合に証言を拒むことができると規定されている。
・自己や自己の一定範囲の親族等(配偶者・3親等内の血族・2親等内の姻族(これらの関係にあった者)、後見人・後見監督人・保佐人、被後見人・被保佐人)が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれがあるとき(議院証言法4条1項)
・医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者又はこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するもの(議院証言法4条2項)


 この証言拒絶権に似ているものに、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」という“自己負罪拒否特権”というものがあるらしいが、私にはその違いは良く分からない。とにかく、“被告や証人の人権を守る”という精神が根本にあるらしい(過去の糾問主義の失敗を繰り返さないという反省から、裁判所が真実解明の責任を放し、弁護側、検察に事実を論争させ、裁判所が判断を下す形態となったことが大きく関与したらしい)
 それはともかく、個人の人権が尊重されるのは大切なことだが、証人喚問においては少し扱いを変えてもいいのではないだろうか?
 裁判の場合は、被告が不利になる証言を拒んでも、検察が示した証拠を裁判官が判断して判決を下すのだが、証人喚問の場合は、議員が承認に質問するだけなので、証言を拒否されたところで行き止まりになってしまう。他の証拠や証言を基に、裁定するものがいないので、証言しないことのリスクがないのである。
 これが証人喚問を基に、国会が結論を出すというシステムであれば話が違ってくる。例えば、今回の佐川氏の場合であるが、もし氏がA議員から「安価で土地売却しろ」という要請を受けていたとして、証言拒否を繰り返すことで真実が明らかにならず、国会が「要請をしたのはB議員である」という結論を出すという可能性がある。証言拒否の重みが違ってくるのである。
 それに、佐川氏やその他の官僚、議員は公務員である。政治や行政機関の信頼が損なわれる事態なのに、“個人の人権”が優先されるというのはおかしいのではないだろうか?



 そもそも、“国権の最高機関”の国会が、こんなに無力であっていいのだろうか?
 国会の証人喚問に於いては、“公共の福祉”を重視して、証言拒絶権を制限するよう法改正をすべきである。




【追記】やはり丸川珠代議員は権力者の犬だった(犬に失礼かも?)
「理財局に対して、安倍総理からの指示はありませんでしたね?」
「安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね?」

「総理夫人、官邸の関与はなかったという証言が得られました。ありがとうございました」
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17-18 Wリーグ プレーオフ・ファイナル  JX‐ENEOS vs デンソー

2018-03-28 16:45:07 | スポーツ
圧倒的な強さのJX‐ENEOS(以下、“JX”と表記)
 レギュラーシーズン32勝1敗、勝率9割7分!……圧倒的な強さだ。
 昨シーズンに比べると、木林稚栄(ちえ)、小山真実、川上麻莉亜が引退や移籍で抜け、新加入は林咲希(精華女高→白鴎大)、梅沢カディシャ樹奈(桜花学園)。新加入のふたりの実力は未知数なので良く分からないが、メンバー的には戦力の変化はあまりないようだ。(1月の全日本記事、参照
 しかし、藤岡麻菜美と西山詩乃が故障欠場中というのがマイナス材料。特に藤岡は昨シーズン、ポイントガード吉田のバックアップで大きく寄与しており、彼女の欠場は戦力ダウンと言ってよい。ただ、スピードと運動量のある宮崎がそれをカバーしている。何より、超強力なスターターが健在なので、少しのマイナス材料は響かない。レギュラーシーズン、全日本選手権(準決勝決勝)の勝ちっぷりが、それを物語っている。このプレーオフでも、準々決勝(対日立ハイテク)、準決勝(対シャンソン)と全く危なげなかった。
 対戦チームは常に100%、時にはそれ以上でプレーしなければ、JXに抗することはできない。それによって、リードする時間帯はあっても、そのプレーレベルを維持するのは難しい。JXは巡航運転でプレーし、勝負どころで吉田のキラーパス、渡嘉敷の剛柔織り交ぜた“1on1”、大崎のオフェンスリバウンド、宮澤、岡本の3ポイントorドライブインを繰り出せばよいのである。


決勝の相手はデンソー
 準決勝のもう一山は、デンソー対トヨタ自動車。(以後、“トヨタ”と表記)
 レギュラーシーズンで唯一、JXに土をつけたのがトヨタ。トヨタは選手層の厚さを活かし、メンバーチェンジを多用し、豊富な運動量と多彩なパターンでゲームを制圧する。JXを破る可能性が一番あるのはトヨタと考えていた。
 準決勝は波のあるゲーム展開だったが、第3Q中盤、トヨタ57-45デンソーとリードを広げた辺りでは、このままトヨタが押し切りそうな気配だった。しかし、その後、デンソーが盛り返し5点差で第3Qを終了。
 第4Q、デンソーが追いついたあとは、しばらく、一進一退の白熱した戦いが続いたが、上げ潮ムードと気迫の上回ったデンソーが、終盤、トヨタを突き放し、79-69で勝利した。
 トヨタはペースを握ったが、メンバーチェンジ多用の弊害≪ゲームの流れの寸断≫が災いし、良いゲーム展開で押し続けることができなかった。勝負どころでは、核となるプレーヤーやオフェンスが確定していない弱点が出て、競り負けた。

 デンソーは、エース高田と赤穂姉妹のペイントエリア陣が強力で、うまく機能すればJXに抗することも可能。ポイントガードの稲井も成長著しく、ゲームの流れを変えることのできる伊集もいる。
 しかし、JXを上回る要素に乏しく、ゲームの主導権を握るのが難しそうだ。1月の全日本では、第2Q途中までは、デンソーペースで進んだが、JXがオフェンスパターンを変えてゲームの主導権を奪うと、一気に逆転、結局、84-62でJXが勝利、5連覇を果たしている。


ファイナルのゲーム展開
 ロースコアの展開。
 これは、「両チームの厳しいディフェンスがオフェンスを防いでいる」と考える。それから、「激しいディフェンスを行う影響で消耗し、100%のオフェンスを行使できない」という理由もあるのではないだろうか?
 しかし、JXの場合は、100%のオフェンスでなくても、巡航運転でOKなのである。その差が出て、第1Qは、13-5とJXのリード。

 第2Qに入っても、その流れは変わらず、このままJXが順当に勝つという結末が見え始めたが、第2Q3分に、ターン・ドライブしようとしたデンソー・オコエの側頭部がディフェンスした大崎の顔面に直撃、負傷。鼻から血が流れ、頭部へのショックもあり、その後は欠場。代わって、大沼がコートに入り、4番ポジションは宮澤がスライド。(不慮の事故だが、オコエのプレーは不慮過ぎるように思った)
 大崎を欠くのは、痛手だが、JXは揺るがなかった。前半をJX31-14で終えると、第3Qも53-33、第4Qは差を詰められたが、71-59で10連覇を成し遂げた。


やはり疑問を感じる佐藤HCの采配
・宮崎のプレー時間が増えたのは良い材料だが、岡本と交代で、吉田のプレー時間は39分。「吉田・宮崎」のガードコンビの場合、宮崎がポイントガードを務めるので、吉田の負担は減るのは事実だが、吉田をベンチに下げしっかり休ませた方が効率が良い。「岡本・宮崎」コンビでも充分オフェンスは機能できるし、将来を考えると、このコンビの成熟は必要である。
・後半、JXのオフェンスがやや停滞した時、「時間を使ってもいいから」という指示。
 選手たちを落ち着かせるためとも考えられるが、「点を取り合うペースを下げれば逃げ切る公算が大きくなる」という消極的ゲームプランのように思われる。真意は不明だが、この言葉によって、オフェンスが消極的になり、デンソーがゲームを支配するようになった。
・コートに立ったのは、スターティングメンバー以外は、宮崎と大沼のみ。ゲームの流れを手放す危険は伴うが、もう少し他のメンバーを起用するべきだ。


プレーオフは準々決勝からのトーナメント(一発勝負に)
 レギュラーシーズンは、12チーム総当たり(3回戦制)で計33試合。
 レギュラーシーズンの成績を基に、トーナメントの組み合わせが決まるという意義は小さくないが、3分の2の8チームがプレーオフ進出するという緩い。
 その上、今年度は一発勝負のトーナメント。長丁場のレギュラーシーズンに比べて、準々決勝からたったの3試合で終了するのは、バランスが悪すぎる。あっけなさ過ぎ。
 それに、前試合のゲーム内容を顧みて、ゲームプランを立て直すのがバスケットボールの醍醐味で、それがなくなってしまったのは残念だ(昨シーズンは準々決勝、準決勝は3回戦制、ファイナルは5回戦制だった)
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ピョンチャン五輪雑感 その7「バレリーナと女優」

2018-03-25 22:38:37 | スポーツ
“天は何故、同時期にこのふたりを地上に出現させたのだろうか?”

スノーボード・ハーフパイプ男子と同様に、
フィギュアスケート・女子シングルも至高の競演 だった。



 ザギトワにもメドベージェワにも金メダルをあげたい……そう思った人は多かったはず。(“ザギトワファン”“メドベージェワファン”を除く)
 で、私はと言うと……ザギトワに勝って欲しかった。しかも、絶対に。

 その理由は、私が彼女のファンということもある………と言うより、それが主たる理由である。
 そう、私は彼女の演技に魅了されている。高難度の演技構成やジャンプ、ステップ、スピンの切れや正確さが素晴らしい。
 ザギトワの演技は、“バレリーナ”と比喩されることが多い。彼女の衣装がバレリーナのチュチュを模しているせいもあるが、指先や姿勢まで細かに気を配り、身のこなしやジャンプのタイミングまで曲調にシンクロさせ、まさに、バレーを見ているようかのような錯覚まで起こさせる。また、運動量も非常に多い。
 これに対し、メドベージェワは、ザギトワとの違い情感的な表現が優れている。と書くと、技術的にはザギトワの方が上回っているように思われるかもしれないが、おそらく、サギトワに優るとは劣らない技術を持っている。
 違いを感じるのは、ザギトワがジャンプに於いて、難易度や加点を目指している。対して、メドベージェワは、表現に重きを置いているという点。
 ややこしいことに、その上積み分が互角。結局、その時の演技の出来によって決着がつくことになる。ところが、両者ともほとんどミスを犯さない。困ったモノである。ピョンチャン五輪では、ミクロの差だった。語弊があるかもしれないが、≪審判の主観の差≫が順位を分けたような気がする。

 とは言え、くどいようだが、ザギトワに勝って欲しかった。その理由は、私が彼女の……7行目に戻る(笑)


 理由は、私の“スポーツ志向”の強さである。
 メドベージェワの演技は素晴らしい。高度なジャンプやステップなどに加えて、悲しみに沈む表情や電話を取る仕草は、ストーリーや情景を浮かび上がらせる。
 しかし、ジェスチャーや表情はスポーツと言うよりは舞台の演技的要素なのでは?スポーツなら、悲しみ・喜びの情感は運動や動作で表現すべきではないだろうか?(あくまで、私の嗜好)
 最近、演技的要素が強くなってきているように感じる。私見だが、演技性を前面に押し出す選手としては、少し前になるが、ロシアのレオノア選手、同じくロシアのリプニツカヤが思い浮かぶ。浅田選手も徐々にその傾向が強くなっていった。宮原選手は指先まで神経を使った細やかな動きで表現するが、表情もかなり作る。
 ピョンチャン五輪でメドベージェワが金メダルを獲ると、その傾向に拍車が掛かりそうと思ったのである。


 ………ともっともらしい理屈を述べたが、“メドベージェワは素晴らしい思っているが、ザギトワの方が好き”という単純な理由のような気がする。



その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
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ピョンチャン五輪雑感 その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」

2018-03-23 15:26:45 | スポーツ
「素直に、本当に今回は…最後、ショーンが滑って、
 まぁほんと…う~ん……ショーン自身も過去一番の滑りだったと思うし、
 (演技を)見てても、“あ、これはやられたなあ”と、そういうふうに素直に思ったんで。
 まぁでも、悔しさは残っているので、それを晴らすために、これからまた、ゼロからやり直していきたい

 次も当然、自分が納得いく、これ以上の結果になるために、
 やり続けられたらいい」


 金メダルを逃した無念、負けた悔しさは、きっとあるはずだが、そういう感情を出さず、淡々とクールに語る平野歩夢。
 “やり切った、出し切った”……そんな気持ちが感じられる表情だった。


………格好良すぎる




 ショーン・ホワイト97.75平野歩夢95.25……私には技術的には良く分からないが、優劣つけがたい演技だったと思う。少なくとも2.5点の差がつくものではなかった。
 この採点の差は、スノーボード・ハーフパイプの採点方式(“方式”と言うより、“点の付け方”と表現した方が正確かも)によるものだと考える。


採点基準(採点要素)――――
――――『演技全体の印象、エアの高さ、難易度、完成度、多様性などの視点から総合的に採点』


 というモノらしい。
 “総合的”とある事から、技の難易度などを基に1回のジャンプごとにきっちり採点はせず、1回の試技全体を総合的に判断するようである。ジャンプの回数もきっちり決められていないのも、やはり“総合的”に採点するからなのであろう。
 砕けた言い方をすると、「神技だ!」「素晴らしい」「上手だ」「残念な出来」などの印象を数値化して得点とするのである(100点満点)
 この場合、各選手の演技を絶対的に評価するのはなかなか難しいので、≪A選手が80点だったら、それより少し良かったB選手の得点は83点にしよう≫というような相対的な評価法を採っているらしい。なので、試技の最初の段階で高い点をつけてしまうと、後の選手の得点が寸詰まりとなる不都合が生じてしまう。
 そういうことを踏まえて、最初の段階の演技はやや低めの点を付ける傾向がある。平野歩夢の2回目の演技は非常に素晴らしいモノだったが、2回目ということで得点を押さえられたのではないだろうか?(しかし、それを考慮しても95.25は低いような気がする)
 もちろん、相対評価の採点であっても、その大会での評価が的確に為されれば、問題はないが、人間がジャッジするので、ブレが生じてしまう。これが体操競技のように、一つ一つの技に評価点が設定されていて、その完成度によって減点するという評価法なら得点のブレは生じにくい(それでも採点に疑問が生じることはある)が、ハーフパイプは試技全体の印象なので、主観の占める割合が非常に高い。
 なので、試合の流れや会場の雰囲気に、審判のイメージが左右されてしまうことはありそうだ。




 今回の五輪の場合、
≪平野の演技は無茶苦茶素晴らしかったぞ!≫
≪2回目の演技は失敗に終わり、ショーン・ホワイトは後がない≫
≪平野を上回るにはパーフェクト以上の演技をしないとダメだぁ≫
 そんな中で、ショーン・ホワイトが滅茶苦茶素晴らしい演技!
≪すげぇ!≫
≪ブラボー!≫
≪これは100点に限りなく近い演技だぁぁぁ≫
会場も大盛り上がり!
    ………97.75!
 「平野の2回目の素晴らしい演技が95.25点だった」という事実は、消し飛んでしまったのだろう。
 もし、平野が3回目にあの演技をしていたら、もっと僅差になったはずだ。

 ショーン・ホワイトのカリスマ性も影響したかもしれない。
 トリノ五輪、バンクーバー五輪と2大会連続の金メダル。
 4年前のソチ五輪でもトップの実力を持ちながら、決勝では不発、失敗に終わり4位に終わっていた。
 なので、≪ショーン・ホワイトにもう一度金メダルを獲って欲しい≫という気持ちを持つ者も多かったはず。

 そんな雰囲気の中で、追い詰められたショーン・ホワイトがあの演技を決めた!




平野歩夢も、“あ、これはやられたなあ”と脱帽したのだ。
ショーン自身も過去一番の滑りを讃えた方が、スッキリするのである。




その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
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『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』 第9話(最終話SP)

2018-03-19 23:28:47 | ドラマ・映画
“ラスボス”、川上裁判長(笑福亭鶴瓶)
 公正な判決をした為、左遷された過去がある。
 その後は、自分の正義より組織を重んじるようになり、“ええ判決(良い判決)”をすることに心がけているらしい。

「司法への信頼が第一」と言い切るが…
 それを大義名分にして、被告や自身の正義から目を背ける深山(松本潤)が批判する裁判官そのものである。
“深山が批判する裁判官とは
≪裁判官は引かれたレールの上で裁判を進めるだけ≫で良いという思想
 ………検察の意図を汲み取り、それに沿った判決を下す
 ………法廷に提出された証拠、証言のみで判断し妥当な判決を下す(この“妥当”は“適当”に意味に近い)
 ………迅速に案件を処理するのを優先


心が揺れる川上
 再審開始をせざるを得ない証拠(真犯人の提示)を深山達から突きつけられる川上。
 さらに、斑目(岸部一徳)、尾崎(木村文乃)、深山(松本潤)、佐田(香川照之)から波状攻撃を受ける。
 再審請求に対する判断を下す直前に、法廷に入り、裁判官席ではなく被告席に独りで立つ川上の姿があった。

この川上の正義を喚起させる深山達の語りかけ・問いかけは、今シリーズのテーマであり、不可欠のように思えるが、川上の人格を考慮すると無かった方が良いような気もする。
 “決定的な証拠、そして、証拠提示に至る深山達の行為と“真実を追求する”信条、警察・検察の杜撰な捜査による冤罪の可能性などを突きつけられ、川上の胸の奥に追いやられていた正義がもたげてきた”と考えたい。
 深山達にダメを押されなくとも、自らの理念に基づき決断を下す川上であって欲しかった。『被告席に一人たたずむ川上のシーン』だけで良かった。



再審決定、そして無罪に
 無罪の判決を出した際、捜査の杜撰さと裁判官の真相を見抜けなかったことを裁判官を代表する形で、被告に謝罪した。
 裁判所が謝罪することになり、目の上のたんこぶである検事総長(榎木孝明)らを糾弾し、追い落とすことができた。
 それが川上の狙いだったと疑念を抱く斑目や尾崎たち……

 再審の決定を下した時は、純粋に裁判官の責務を果たそうとしたと考えたい。
 あの謝罪は狙ったものだろうけれど。



99.9%への心配―――――
 “日本の刑事事件における裁判有罪率99.9%である”という事実は、先にも述べたが、検察が描いたレールに都合のよい証拠だけを提出するなどの検察側の有利さ、更に、検察のシナリオを裁判官が忖度し裁判を誘導、判決を下すという状況に起因しているとドラマでは危惧している。
 しかし、この効率はそれが原因のすべてでないように思われる。
 “勝てない事件(容疑者)は起訴しない”という現状も要因である。事案が多いので立件を絞る必要性もあり、致し方ない面もあるが、立件して敗訴した場合の検察の“面目潰れ”を気にして立件しない場合も多いと聞く。
 ということは、そのメンツを気にして不起訴にして、犯罪者を解き放ってしまう危険性も高いのではないだろうか?



【事件の検証・無罪の立証のポイント】
①被告が購入した灯油の量と時刻

 防犯カメラの映像と灯油の販売データから、検察は被告が購入した灯油の量と時刻を断定したが、防犯カメラの時刻が狂っていた。
 防犯カメラに映っていたテレビ画像から真の時刻を立証したのは面白かった。
②火災現場の写真の検証
 “燃え残ったはっぴ型白衣”(佐田の着眼)と“ボウルに残った黒焦げの物体”(深山の着眼)に疑問をもち、検証。
 佐田の発見は空振りだったが、黒焦げの正体は天かすが自然発火したものと判明。(この事例って最近の夕方の報道番組で取り上げていたなあ)
 被害者(被告の妻)は天かす発火による一酸化中毒により意識が混濁し倒れ、その際、頭を打撲したものと推測。資源回収の雑誌の束だけが火元ではなかった。
 ≪では、既に発火していたのに、雑誌の束に火をつけたのか?≫⇒≪放火犯は都合の悪い何かを燃やして処分したかった≫
③事件当時の証言の検証
 現場の火事を再現し、事件当時の居合わせた者の中に再現実験と矛盾する証言をしていた中学校教師が真犯人と断定。
(≪雑誌の表紙はすぐ燃えてしまうので、週刊バイブスが燃えていたと確認するのは不可能≫、≪“炎は背丈より少し高い程度”という証言だが実際はもっと燃え上がり2階の住人を救出するのは困難)
④犯人が燃やしたかったもの
 赴任していた中学校の女生徒の体操服(盗品)。
 コソ泥にそれをネタに強請られていた。既に死亡していたコソ泥の遺品のガラ系携帯電話に体操服の画像データが残されていた。


 ≪事件の関係者の行動や現場を再現し、詳細に検証する≫
 そのことによってこれまで見えなかった真実(このドラマでは“事実”と表現)が見えてくる。
 少しでも妙と感じたことを掘り下げて考察するのも大切。

例えば……
……≪“15リットル購入した灯油を10リットル使用して5リットル残っていた”というが、きっちり10リットル撒くのは不可能に近い≫
……≪防犯カメラの画像の店員のポーズが奇妙、何故だろう?≫

 このドラマのこういった検証シーンは非常に面白かった


【疑問点や不満点】
・捜査の杜撰さは弁護士が主役なので許容するが、杜撰過ぎると感じたこともしばしばあった
・小ネタの多さも目をを瞑りたいが、プロレスファンには申し訳ないが、プロレスネタはちょっと勘弁して欲しいと思うことが多かった
・わざと会話を寸断するのをギャグとして多用していたが、イライラしてストレスが溜まった
・最終話、佐田の計算高さがスクープされ、依頼人に激怒されたが、依頼人としては、被告の無実を証明するのが第一であり、解任するのは怒り過ぎ。不信感を抱くぐらいが普通であろう。


 ラストの方で、握手を求める尾崎に“ごめんなさい”する深山、小学生のように佐田をからかう深山、Queenの『We will we will rock you 』(ドッドッパ♪)から『ドンパン節』(どんぱんぱん)に変調する小ネタは面白かった。




第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話

【ストーリー】番組サイトより
 深山(松本潤)たちのもとに、死刑囚・久世貴弘(小林隆)の再審請求の依頼がきた。
 依頼人は、久世の息子・亮平(中島裕翔)。久世は8年前に妻を殺害後、放火したとして「建造物放火及び殺人罪」で死刑判決を受けていたが、息子の亮平は「両親は仲が良く、父が母を殺すわけがない」と言い切っていた。深山と舞子(木村文乃)は、自分自身の経験もあり、久世の無実を立証するために調査に乗り出すことに。
 しかし、再審請求は『開かずの扉』と呼ばれるだけあって、一度最高裁で結審した判決を覆すことはほぼ不可能に近く、苦戦を強いられる。その上、再審請求を審理する裁判長に川上(笑福亭鶴瓶)が就任する。久世の無実を立証すべく奮闘する深山たちに辛酸をなめさせられ裁判所内で後がない川上は、建前では公平に審議するためと言いつつ、深山たちに無理難題を押しつけるのだった。
 佐田(香川照之)はマスコミ介し世論にアピールすることで、審議を有利に進めようとするが、反対に都合が悪いことを週刊誌に書かれてしまい、依頼人である亮平たちからの信頼を裏切ってしまう…。

 0.1%の可能性さえも潰されつつある中、深山たちは事実にたどり着き、『開かずの扉』をこじ開けることができるのか!?

脚本:宇田学
演出:木村ひさし
トリック監修:蒔田光治
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今期(2018年1月~3月)で一番面白かったドラマは?

2018-03-17 22:59:10 | ドラマ・映画
“今期(2018年1月~3月)で一番面白かったドラマ”と言っても、全部観られるわけではなく、『私の観た』という注釈が入ります。

今期、視聴したのは
『相棒 season16』『科捜研の女 SEASON 17』『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』『BG ~身辺警護人~』、そしてもう1作品……『アンナチュラル』………これが群を抜いて面白かったです。

 実は、面白そうだと思っていたのですが、主演の石原さとみさんがやや苦手で、迷っている間に第1話を見逃してしまいました。第2話は録ったものの、“毎週録画”に設定したものと思い込んで第4話は録画できず、全話を見たわけではありません。

 このドラマは、設立して2年弱の不自然死究明研究所(英:Unnatural Death Investigation Laboratory)= 通称UDIラボという架空の研究機関(公益財団法人)を舞台に展開する。UDIラボとは、日本における不自然死(アンナチュラル・デス)の8割以上が解剖されないままという先進国の中で最低の水準という解剖率の状態を改善するために設立され、国の認可を受け全国初の死因究明に特化した調査を行い、警察や自治体から依頼された年間約400体の遺体を解剖調査しているという設定である。ここに勤める法医解剖医の三澄ミコトを中心に、ベテラン法医解剖医の中堂系、三澄班臨床検査技師の東海林夕子、三澄班記録員の久部六郎、所長の神倉保夫らが協力し合いつつ、毎回さまざまな「死」を扱いながら、その裏側にある謎や事件を解明していく。【ウィキペディアより引用】

 このドラマは、新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)」で働く人々の人間ドラマを中心に描きながら、毎回さまざまな「死」を扱いながらも、スピード感と爽快感を持って、「死」の裏側にある謎や事件を明るくスリリングに解明していく、一話完結型の法医学ミステリーである。
 全体のテーマは、「死と向き合うことによって、現実の世界を変えていく」。「死因」を見つけることによって、今を生きる人々の命を救ったり、社会制度を変えることで未来の危機を回避し、少しでもより良い世界に変えていけたら…。
【番組サイトの紹介文より引用】


 上記のように“毎回さまざまな「死」を扱いながら、その裏側にある謎や事件を解明していく”のだが、UDIメンバーの過去の心の傷や信条や人生も描いている。私には上手く表現できないので、【番組サイトの紹介文から引用】。
 彼らは一見、特殊な世界に身をおく人々だが、普通の人と変わらない日常を持っている。恋に悩み、家族関係に苦しみ、合コンにも行けば、おいしい食事も食べる。時にケンカをし、友情を育む。感情を抑えて仕事をしようと思いながらも、遺族に共鳴し涙してしまうこともある…。そんな天才でも変人でもない、普通の人々である彼らの姿を丁寧に描いていく。

 でも、私が思うには、“普通の人々”というよりは、“変人”に近いかなという感じだが………

 そして、このドラマの最大のテーマと言えばいいのだろうか……過去のある事件の解明がドラマの収束点になっている。
 この事件は、主人公のひとり(ドラマ的には助演)である解剖医の中堂の人生を揺るがし、どん底に叩き落とした。そこから這い上がり、決着をつけるべく、執念の解剖を行うのだが、真相の究明というような綺麗ごとではなく、どろどろした復讐心から突き動かされているように思われる。
 なので法的に問題がありそうなグレーな行為も厭わないが、解剖医としてのプライドは失ってはいないようだ。(ヒロインの三澄も過去に大きな心の傷を抱えている)

 とにかく一話一話が深く重いが、それだけではなく、未来に向かう人間の強さも感じられた。また、死因や事件の真相解明のミステリーとしても面白かった。


 脚本は野木亜紀子氏
 主な作品は、テレビドラマでは『ラッキーセブン』、『空飛ぶ広報室』、『重版出来!』、『逃げるは恥だが役に立つ』、映画では『図書館戦争』シリーズ、『アイアムアヒーロー』がある。
 『ラッキーセブン』では視聴を脱落したが、『空飛ぶ広報室』は私の好きなドラマの5本の指に入る。『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』も高評価だったようだ。
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『BG ~身辺警護人~』 第9話(最終話)

2018-03-16 22:43:04 | ドラマ・映画
民事党定期大会の会場に強硬入場しようとする島崎(木村拓哉)、立原(石田ゆり子)達、
それを阻止しようとする落合(江口洋介)らSP

落合――――
「事実を公にすれば、政府も影響を受けるでしょう。
 組織や秩序を壊して、死んだ村田課長が生き返りますか?
 ……生き返りません。
 島崎さん、私が間違っていますか?」

島崎――――
「……わかりません。
 何が正しくて、何が間違っているのか、僕には分かりません。
 ただ……守りたいんです。村田課長や立花先生の思いを。
 我々の……守りたい人がいるだけです」


 信条のぶつかり合い……落合の問いかけに、自分の思いをぶつける島崎。
 実は落合も迷っていて、島崎に問い掛け、その答えを聞き、決断。
 真相を暴露。

 落合が暴露したのは、≪内部告発をすることで組織(警察)を守る≫という点では良い落としどころだが、落合に美味しいところを持って行かれた感は強い。まあ、立原がヒーロー(ヒロイン)になるよりは遥かに良い。
 さらに、落合が村田(上川隆也)の教えを守って、音声を録音。決定的な証拠を持って、“幹事長を守る”立場を翻したのは爽快感もあった。
 島崎も自分の信条を貫き、落合を突き動かした台詞は、感動的に思える………?


 ………“感動的に思える”……しかし、本当に感動的で説得力があったのか?
 “守りたい人がいる”……尊い気持ちであるが、私の偏見とは思うが、戦争を始める理屈にも似ている。
 それは言い過ぎだと思うが、島崎の答えには、あまり心が動かなかった。



【島崎の答えを私が勝手に“改ざん”するとしたら】
「……わかりません。
 何が正しくて、何が間違っているのか、僕には分かりません。
 でも、幹事長がクソということだけは分かります。
 事実を公にすることで、政府が影響を受け、組織や秩序を壊れることよりも、
 こんなクソみたいな男が、政治の中枢にいて日本を動かすことの方が、日本にとって良くないことだと思います。 

 ただ……守りたいんです。村田課長や立花先生の…我々ボディガードの誇りを。

 確かに……個人は組織の歯車かもしれません。個人の思いを優先しては、国家や組織は成り立ちません。
 しかし、個人が充足し喜びを感じていないと、組織は良い方向に動かない。
 歯車が錆びついていたら、動かないと思うんです」



 島崎の理論(理屈)は一見、誠実な信条のように思えるが、少し論点がずれているような気もした。
“今回のクライアント(立原)のことを信じられるのか?”の問いに“難しいです。(立原のこれまでの振る舞いを考えると、議員の座まで追われるようなことをあの人がやるかどうか”と答える高梨に対して島崎は
「ボディーガードは信頼されなきゃダメだけど、クライアントを信じることの方がもっと大事でしょう。
 自分のことを信じてくれない人のことを信じることなんてできないからさ」


 “我々がクライアントを信じなければ、クライアントは信頼してくれない”という理屈は分かるが、“クライアント(立原)が自分たち(島崎たち)を信頼すること”と“立原が真相を語る”ことは少し違うと思うのだが……


【その他の疑問点】
・マスコミの包囲網から脱出の陽動作戦、意味はあったのか?
沢口(間宮祥太朗)が村田の息子に扮してマスコミの包囲を強行突破したが、突破できるのなら、息子本人を連れ出した方が良かったのでは?

・殺し屋に意味はあったのか?
島崎を襲うチャンスはいくらでもあったが、村田の家に強行侵入して襲うのはまずいだろう。通りすがりの者の犯行を装えない。結局、誰の差し金だったのだろう?

・やっぱり立原だなあ
情報が洩れるのを恐れたとは言え、ドタキャンの連絡ぐらい入れないと駄目だろう。郵送(宅配)って…
島崎を食事に誘ったが、これもドタキャン。
そもそも、人気回復の為に自作自演の脅迫騒動を起こした人間が総理大臣になってはいけない

・村田の息子は中学生並
すぐ投げやりになるし、腹を立てるし……19歳とは思えない

・無茶な依頼
党大会への強硬侵入って、ボディーガード業務としてはまずくない?
SPや警官に呼び止められた時のごまかし方や追尾妨害は苦しいなあ。高梨のSPを煙に巻く様は面白かったが。



【ストーリー】番組サイトより
 発砲事件に巻き込まれ命を落とした村田(上川隆也)。唯一現場の状況を知ることができるはずだった村田の遺品であるICレコーダーも、警察の手によってデータを消され、いよいよ真相は闇の中に葬られようとしていた。
「民間のボディーガードが無謀な行動をし、銃で撃たれた」と週刊誌などにも下世話に書き立てられ、悔しい思いを抱く章(木村拓哉)ら。しかし決して諦めることなく、村田の汚名をそそごうと誓った矢先、厚生労働大臣の職を辞した愛子(石田ゆり子)が「私が真実を話します」と名乗り出てくる。
 証拠も隠滅された今、残された方法は現場にいた人間が証言をしてくれることだけ――愛子の申し出を受けた章たちは、真相を語ろうとする彼女の警護をすることに…。しかし、そのことによって章たちの身にも危険が迫り…?

 その頃、SPの落合(江口洋介)は上司の氷川(宇梶剛士)に「みずから事件の処理をする」と宣言。驚きの行動に出る!

 高梨(斎藤工)、まゆ(菜々緒)、沢口(間宮祥太朗)、そして章。亡くなった村田と身辺警護課の名誉を懸けた最後の戦いの行方は…!?

特別ゲスト:矢沢永吉

脚本:井上由美子
監督:常廣丈太
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ピョンチャン五輪雑感 その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」

2018-03-16 15:40:06 | スポーツ
文句ばかりの「ピョンチャン五輪雑感」だが、感動しなかったわけではない。
………と言うより、たくさん感動した。しかし、終幕して日も経ち、感動も薄れつつあるので、忘れないうちに書きとめておきたい。

メダル獲れて良かったね ノルディックスキー・ジャンプ女子ノーマルヒル
 ソチ五輪では“金メダル確実”と言われていたが、4位に終わった。自分の思いや周囲の期待を遂げることができず、悲しみに耐える彼女の表情は忘れられない。
 今季は今シーズンはルンビ(ノルウェー)が絶好調、さらに、アルトハウス(ドイツ)も力を伸ばし、1位2位をルンビ、アルトハウスに占められることが多い厳しい状況。
 実力的には3番手なので、順当に行けば銅メダルを獲得できるが、“順当”というのが非常に難しいのが五輪というのは、高梨本人が痛いほど実感している。

 1回目を終え3位。4位とはやや差がある状況だが、失敗ジャンプはもちろん、小ミスも許されない状況。
 高梨の脳裏には、ソチの記憶が蘇ったのではないだろうか?

 ………見事なジャンプ。暫定トップ。メダル確定。
 関係者はもちろん、中継を見ていたすべての人は≪良かった!≫と思ったに違いない。
 ルンビ、アルトハウスが実力を発揮し、銅メダルに終わったが、本当に良かった。



 話は逸れますが、「メダルを獲る」「メダルを取る」……どちらが正しいのでしょう?
 ネットで調べると、質問箱などでは、≪“メダル獲得”というのだから「獲る」が正しい≫と回答される方が多いようです。
 その根拠には異論はないのですが、“メダルを獲る”と言うと、あまりにもガツガツした印象が強いので、抵抗を感じるのです。



その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
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相棒 season16 第20話(最終回SP)「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」

2018-03-15 00:18:48 | ドラマ・映画
つまらなくて、退屈な2時間強………

 風間楓子(芦名星)がエスカレーターの降り口から転落。
 居合わせたのは、峯秋(石坂浩二)と美彌子(仲間由紀恵)、衣笠副総監(杉本哲太)と青木(浅利陽介)、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)の6人。
 楓子は押された感触があり(だから転落した)、「突き落とされた」と主張。
 となると、6人の誰かが犯人ということになる………


 しかし、6人の立ち位置を考えると、6人に気づかれず突き落とすのは不可能に近い。ただ、直前に赤ちゃんが大泣きして、そちらに気を取られた(美彌子、峯秋)という証言もある。とは言え、他の5人全員が気づかないというのは有り得なさそう。それに、遠くにいた2人が傘を使ったとしても、突き落とすのは難しそうだし、気を取られることがあっても、動いた気配ぐらいは察知できるはず。
 となると、楓子の虚言か勘違い。あとは、楓子が6人のうち誰か、あるいは複数~全員、または警察そのものに恨みをいだいていて、傷害事件を装って自ら転落したか……とも考えたが、これまでの楓子のキャラからすると可能性は低い。(でも、ダークナイトの件もあるからなあ)
 やはり一番考えられるのは、つまずいて転落した楓子が、自分の失態を隠す為嘘をついたのか?

 などと考えていたが、6人に聴取するものの捜査はなかなか進展せず、同じような会話ばかりで、退屈な時間が続いた。(6人の応対が、それぞれの個性を反映していた、多少は興味を惹いたが)
 しかも、2時間強のスペシャルの為、余分なシーンが多かった。
 楓子の母・匡子(加賀まりこ)に関するエピソードはカットしても良かった(内村との密会、離婚の用意をした覚悟、特命係とのやり取りなど)。最後の拳の骨折はおもしろかったが。
 捜一コンビが暴力団の若い衆たちを取り調べるシーンも冗長感が強かった(組対5課の三文芝居も面白かったが、カットしても良いシーン)。
 さらに、一課に捜査させる為、また、≪峯秋が真相究明の意思がある≫事を示す為に、国家公安委員の三上冨貴江(とよた真帆)が大河内春樹監察官(神保悟志)に圧力を掛けさせたが、これも不可欠なシーンではない。(加賀まりこのシーンが必要以上に多かったのに対して、とよた真帆は本当に“チョイ役”だった)
 参事官が内村に“犯行シーンを目撃した”と相談するシーンも不必要だったのではなかろうか?

 

 結局……やはり目撃していた者がいた。しかも、ふたりも。
 物理トリックも心理トリックも何もなしで、青木が傘で突いただけ(本人は“呼び止めようとした”と言い張る)。
 犯人は青木。順当過ぎたが、疑問点も多い。


青木の犯行(行為)の動機(理由)は?
・呼び止めた理由は?
・故意に突き落としたのなら、何故?(目撃される可能性が高い場面で、その危険を犯してまで突き落とす理由は?
・青木が副総監のお気に入りだとしても、自分が疑われていたら、さっさと告発しそうに思えるが(参事官も副総監も)、庇うのは不自然だ。
 

面白かったのは
・美彌子と峯秋が潔白であるという論理展開
・参事官の矛盾する行動に関する論理展開
・深夜に特命係のホワイトボードに左手で文句を書く伊丹
・少女時代の拳銃を必死に隠す組員の様子を「“のどかな時代”でした」と懐古する楓子
・場面を凍りつかせた参事官のギャグ

感心したのは
・あれだけ派手に階段落ちしたのに、軽傷で済む風間楓子(芦名星)青木(浅利陽介)中園参事官(小野了)の丈夫さ
・特命係のホワイトボードの字が非常に綺麗だった

それにしても、杉本哲太さんが登場し台詞を言うシーン、どうしても大杉連さんをダブらせて観てしまう……寂しい………

通常枠(1時間)でも余る内容で、つまらなくて退屈な最終回SPだった

【『相棒』における輿水泰弘氏脚本の当ブログの記事】
season16 第14話 300回記念スペシャル・「いわんや悪人をや」 後編
season16 第13話 300回記念スペシャル・「いわんや悪人をや」 前編
season16 第2話(15分拡大SP)「検察捜査~反撃」
season16 第1話(初回拡大スペシャル)「検察捜査」
season15 第18話(最終話)「悪魔の証明」
season15 第1話「守護神」
season14 第20話(最終回)「ラストケース」
season14 第15話「警察嫌い」
season14 第7話「キモノ奇譚」
season14 第1話「フランケンシュタインの告白」
season13 第19話(最終話) 「ダークナイト」
season13 第16話 「鮎川教授最後の授業・解決篇」
season13 第15話 「鮎川教授最後の授業」
season13 第1話「ファントム・アサシン」
season12 第19話(最終話)「プロテクト」
season12 第9話「かもめが死んだ日」
season12 第1話「ビリーバー」
season11 第10話「猛き祈り」
season11 第9話「森の中」
season11 第1話(初回スペシャル)「聖域」
season10 第19話(最終話) 「罪と罰」



【season16 の当ブログの記事】
第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」
第10話 元日SP「サクラ」
第11話「ダメージグッズ」
第12話「暗数」
第13話「いわんや悪人をや」 前編(300回記念スペシャル)
第14話「いわんや悪人をや」 後編(300回記念スペシャル)
第15話「事故物件」 15分拡大スペシャル
第16話「さっちゃん」
第17話「騙し討ち」
第18話「ロスト~真相喪失」
第19話「少年A」


【ストーリー】番組サイトより
事件の容疑者は6人の警察関係者!?
前代未聞の告発を機に復讐の連鎖が始まる!!


 写真誌「週刊フォトス」の記者・風間楓子(芦名星)が、エスカレーターから転落し、額を縫う怪我を負う出来事が発生。現場に居合わせたのは、峯秋(石坂浩二)と美彌子(仲間由紀恵)、衣笠副総監(杉本哲太)と青木(浅利陽介)、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)の6人。
 その出来事について「週刊フォトス」が「警察の報復か?!」と報じたため、ネットに6人の素性がさらされる騒ぎとなり、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は調査に乗り出す。本当に6人の中の誰かが押した故意の事件なのか、勘違いの事故なのか、あるいは楓子の虚言なのか…!? 様々な可能性があり、真相の解明は容易ではない。さらに国家公安委員の三上冨貴江(とよた真帆)の圧力もかかり始め…。
 そんな中、“容疑者”の一人が檜山(遠藤雄弥)という男と衝突し、階段から転落する事故が発生。調べると、檜山は暴力団の構成員で、楓子の両親が組織のトップであることが分かる。どうやら、楓子の母・匡子(加賀まりこ)は、娘が“傷物”にされたことに強い憤りを感じているようで、「犯人を特定して筋を通さなければ、若い衆が何をするか分からない」と脅しめいた言葉を口にする。

極道の娘の転落は、事件か、事故か、虚言か!?
一筋縄ではいかない“6人の容疑者”と対峙する特命係
すべての真相が解き明かされたとき、
誰も予想できない“落とし前”がつけられる!


ゲスト:加賀まりこ 芦名星 遠藤雄弥 とよた真帆

脚本:輿水泰弘
監督:権野元
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ピョンチャン五輪雑感 その4「競技成立への疑問・ショートトラック」

2018-03-13 23:17:57 | スポーツ
この競技に関しては、今回のピョンチャン五輪に限らず、毎回、競技を見る度に“競技として成立するのか”疑問に思っている。

 ①「高速で急なコーナーを回る」、②「単独走やセパレートコースではなく、数人が集団で滑る」という特性があり、①は高い技術が必要、②は他選手との接触が常にある。………つまり転倒が多発する
 もちろん、転倒の危険性が高い競技は他にもある。例えば、スキークロスやスノーボードクロスで、バイクのモトクロスのウインター競技版と考えてよい競技だ。板が交錯したり、身体の接触による転倒シーンがよく見られる(スノーボードの方が、バランスを取りにくいので、転倒が多いような気がする)。他には、ノルディックのマススタート方式のクロスカントリーでも転倒シーンはよくある。
 しかし、ショートトラックの転倒率は、それらの競技より遥かに高い。接触率が高いうえ、スケートはバランスを崩すと立て直しが難しいのが要因である。特に、隣の選手が転倒した場合、それに巻き込まれる率は非常に高い。“不可避”と言って良いくらいだ。
 「運がよくないとメダルは取れない」と言えよう(ショートトラック関係者の皆さん、ごめんなさい)

 しかも、接触プレーや転倒の判定も不可解なことが多い。
【例1】女子リレーの判定
 ただでさえ接触転倒の多い競技だが、これがリレーとなると、非常に多数の選手がコース上で交錯し、その危険度はさらに高くなる。

 接触・転倒はバトンタッチの際に起こった。(バトンタッチと言ってもバトンを渡すのではなく、次走者の身体にタッチすればよい。通常、力学の効率を考え、前走者が次走者の腰の辺りを押す)
 韓国選手がタッチをしようとした際バランスを崩し、転倒しながらタッチ(タッチ後に転倒したのかもしれない)。
 この影響を受けたのがカナダで、韓国選手と接触しバランスを崩したが、何とか転倒を免れた。
 しかし、コース変更を余儀なくされ、次走者へのタッチは出来ず、これが“バトンタッチ不履行”と見なされ、失格となってしまった。

 では韓国チームは妨害行為と見なされないのか?
 審判の説明によると、
「韓国チームの転倒は、次走者を押す際にバランスを崩して転倒したもの。他の選手を妨害するために故意に転倒したのではなく、やむを得ないアクシデントであった」

 
 このバトンタッチのシーンであるが、「韓国チームの選手がアウトに膨らんでしまい、次走者にタッチするため、イン側にコース変更しカナダの選手とと接触、その結果、カナダ選手は韓国選手に押される形となり、次走者にタッチが出来なかった」ように思えた。
 要するに、カナダチームには違反行為はなく、バトンタッチができなかったのは不可抗力だったのである。
 逆に、韓国チームは強引にバトンタッチをした。強引なバトンタッチは故意である。その結果、カナダチームのバトンタッチが出来なかった。故意に妨害しようとしたのではないが、故意の強引なバトンタッチがカナダチームに対する妨害行為になったのである。

 日本スケート連盟ホームページのショートトラックのルールのページには
「レース中の追い越しはいつでもどこでもOKですが、前の選手を押す、あるいは引っ張るなどの妨害行為をすると失格」
 素直に解釈すると、「(故意、偶発に関わらず)妨害に当たる行為を行うと失格」となるが、“妨害”自体に“故意”の意味が含まれているような気がする。実際、アクシデントで転倒し、他の選手を巻き込んだ場合、“失格”にならないケースが多いように思う。
 しかし、今回の韓国チームの場合、走路のミスによる強引なバトンパスであり、アクシデントと呼べるものではない。
 百歩譲って「韓国チームお咎めなし」としても、カナダチームの失格はあり得ない。


 さらに、このレースでは、韓国チームと中国チームのトップ争いが白熱し、接触プレーが生じた。
 結局、「中国チームの失格」という判定が下された。



 この他に気になったルールとして
「スタート直後~コーナーに差し掛かるまでの転倒は、スタートやり直しの救済措置が取られる」

 スタート直後、勝手によろけて転倒。しかも、「藁にもすがる」つもりだったのか、「転倒は隣の選手のせいで、その報復」のつもりだったのか、隣の選手のスケート靴のブレードをつかもうとしていた。あるいは、他の選手も転倒すれば救済措置が取られると思ったのかもしれない。


 毎回、モヤモヤが残る競技だなあ……


その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
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