英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015 フジサンケイレディスクラシック その1

2015-04-30 23:46:08 | スポーツ
ドラマよりもドラマチックだった。

【第2ラウンド終了時点の上位成績】
1 一ノ瀬 優希 -7 -5 70 67 137
2 金 ナリ -5 -6 73 66 139
3T 藤田 光里 -4 -3 71 69 140
3T 金井 智子 -4 -3 71 69 140
3T 原 江里菜 -4 -1 69 71 140
3T 表 純子 -4 -1 69 71 140
3T 松森 彩夏 -4 +1 67 73 140
8 三塚 優子 -3 -1 70 71 141
9T イ ボミ -2 -4 74 68 142
9T 李 知姫 -2 -2 72 70 142
9T 金田 久美子 -2 -2 72 70 142
9T 山本 薫里 -2 -1 71 71 142
9T テレサ・ルー -2 -1 71 71 142
9T 姜 秀衍 -2 -1 71 71 142
9T 渡邉 彩香 -2 0 70 72 142

 最終日は、成田美寿々のチップインイーグルで幕が開けた。
 成田は+1の33位スタートだが、このロケットスタートで、アウトは1イーグル、3バーディ、ノーボギーの5アンダー、“逆転の成田”のフレーズが浮かんだ。同じ33位から猛追したのが西山ゆかり。2番3番で連続バーディ、5番でチップインイーグルで上位に割り込む。7番のボギーで一息つき、アウトは3アンダー。10番、11番の連続バーディで4アンダーに伸ばした時点では3位タイに浮上した。この後は1バーディ、1ボギーで回り、この日67、通算4アンダーの12位タイに食い込んだ。

 成田らより上位の2アンダー・9位タイグループは、出場した試合で3連続2位の位イ ボミ、今年勝利を上げているテレサ・ルー、李 知姫、渡邉彩香とタレント豊富だ。
 この中で姜 秀衍(カンスーヨン)が1番から3連続バーディ、5番、9番ホールでもバーディを奪う。ほとんどのホールでバーディチャンスという絶好調ぶり。アウトは成田と同じ5アンダー(通算7アンダー)。成田より3打良いスタートなので、ぐんぐん順位を上げていき、一ノ瀬に肉薄した。
 李 知姫も5番ホールまでに3バーディを奪う快調、テレサ・ルーも5番までで2バーディとまずまずのスタート。
 スコアを伸ばすプレーヤーが多い中、イ ボミは4番までパープレーと焦りを感じる展開。しかし、5番6番と連続バーディを奪い、追撃を始めた。
 そんな中、渡邉彩香は2番ホールのアドレス中にボールが動くというアクシデント。これが響き、このホールトリプルボギー。中盤、3バーディを奪ったが、この日は75の3オーバー、通算1オーバーの31位タイに沈んだ。
 金田久美子も2番ホールのダブルボギーで波に乗れず、この日は2バーディ2ボギー1ダブルボギーの74。通算イーブンパーの26位タイに終わった。(金田の第2ラウンドは凄まじかった。7バーディ5ボギーの70)

 3アンダー、8位スタートは飛ばし屋・三塚優子。飛ばし屋といえば、渡邉や森田らも頭に浮かぶが、パワーはやはりこの人だろう(弾道的には渡邉が魅力的)。森田と言えば、成田と同じ1オーバースタートで、2番4番でバーディを奪い、6番もチャンスだったが、1m弱のバーディパットを外し、意気消沈。この日2アンダー、通算1アンダーの21位タイに終わった。
 1番ホールのファーストショットは、中継された中では、三塚が一番飛ばしたのではないだろうか?あのボイコット騒ぎで不振が続いたが、最近になりようやく復調してきた。この日は3番5番でバーディと優勝争いに絡んできた。
 3位タイ・4アンダースタートの松森彩夏は私は未知だった。木戸愛を一回り小さくしたようなスレンダーな体型。この選手も飛距離は出るが、三塚の直後だったので力が入ったのだろう。引っ掛けてしまい、ボギースタート(同組のもう一人はイ ボミ)。

 最後から2番目の組は、4アンダースタート・3位タイの表純子、原江里菜、金井智子。金井智子も私にとっては未知、昨年は予選落ちが多かったが、後半は予選通過が増えてきた。それでも、ほとんどが50位台。今年も7試合中予選通過は2度のみ。顔は女優の「あめくみちこ」さんに似ているかな。
 この日は71の1アンダー、通算5アンダーの7位タイ。これまでの実績からすると、大健闘と言える。残念ながら、1番ホール以外はテレビに映らなかった。
 表さんは黙々とプレーする印象があり、安定感がある。インは海沿いのコースで、午後からは風が強まるらしいので、表さん向きの展開になるかもしれない(表プロだけ敬称をつけるのは、付けないと分かりにくい文章になるためです)。2番ホールではボギーで我慢のプレーが続いたが、5番でバーディを取り返す。
 原はこのフジサンケイレディスクラッシックで予選通過の連続記録を55に伸ばした。しかし、「2度目の優勝はまだか」と言われ続けて7年経過しており、当然その言葉に応えるのが先決の目標である。
 3位につけ、≪今日こそは≫と力が入ったのか、第2打を砲台グリーンの崖の一部になっているバンカーに打ち込み、ボギースタート。

 最終組は、7アンダー、単独トーナメントリーダーの一ノ瀬優希、2位・5アンダーの金ナリ、3位タイ・4アンダーの藤田光里。
 藤田は細身ながら、ドライバーの飛距離はなかなかのモノ。三塚に迫る地点まで飛んだ(このホールはパー)。金ナリは左に曲げてバンカーに。第2打は出すだけで、第3打も寄らず、ボギー。
 一ノ瀬はフェアウエーをキープ、第2打はあまり寄らなかったが、ロングパットを沈めバーディ。絶好のスタートを切った。金がボギーだったので、差が一気に2打開いて、2位とは4打差となった。

【最終組が2番H終了時点のリーディングボード】
1位 一ノ瀬優希 -8  2H  -1
2位 姜 秀衍  -5  4H  -4
3位 西山ゆかり -4  12H  -5
   成田美寿々 -4  9H  -5
   李 知姫  -4  3H  -2
   三塚優子  -4  3H  -1
   藤田光里  -4  2H   0
   金 ナリ  -4  2H  +1
9位 大山志保  -3  7H  -3
   笠りつ子  -3  5H  -2
   テレサ・ルー   -3  4H  -1
   松森彩夏  -3  3H  +1
   金井智子  -3  2H  +1
   原江里菜  -3  2H  +1
     :
     :       (右端の数字は最終日、ここまでのスコア)


 2位グループの中からスコアを伸ばしたのは松森。4番、5番、6番ホールをバーディ、イーグル、バーディとスパーク!1番のボギーを吹き飛ばし、姜秀衍を抜いて7アンダーの単独2位に躍進(姜もこの後7アンダーに伸ばす)。
 藤田も4番、5番、7番でバーディを取り、7アンダーに伸ばし、2位タイに浮上。
 一ノ瀬も6番でバーディを取り、9アンダーまでスコアを伸ばしていた。
 2位タイの姜秀衍は10番でも1m弱に寄せ、バーディチャンス。ところがこれを外し、リズムが乱れ、次の11番(パー3)では、風に煽られバンカーに入れ、これを一度で出せず、リカバリーショットも3オンしたものの、8mのボギーパット。これをよく沈めたが、その後は振るわず、インは38、結局、最終ラウンドは3アンダーにとどまり、通算5アンダーの7位タイに終わった。

【11時55分現在でのリーディングボード】
1位 一ノ瀬優希 -9  7H  -2
2位 松森彩夏  -7  9H  -3
   藤田光里  -7  7H  -3
4位 姜 秀衍  -6  11H  -4
5位 西山ゆかり -5  17H  -6
   成田美寿々 -5  14H  -6
   イ ボミ  -5  9H  -3
   三塚優子  -5  9H  -2
   原江里菜  -5  7H  -1
10位 大山志保  -4  12H  -4
     :
     :       (右端の数字は最終日、ここまでのスコア)

 12時で、一旦、フジテレビと高知さんさんテレビ以外は中継が終了。
 風が出てきて、インは海沿いのコースなので、まだまだ、波乱がありそうである。
【続く】
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将棋雑感 ~名人戦などの棋戦情報と竜王戦の定員などシステムの疑問~

2015-04-29 21:20:47 | 将棋
名人戦(第72期名人 羽生善治)
 第1局は羽生名人の快勝、第2局は行方八段の会心譜で一勝一敗。
 第2局であるが、指し手がどこかチグハグで最後は大差で敗れるという、ここ数年見られるようになった負けパターン。
 昨年の王位戦辺りから、この負け方が増えているような気がする。
 3月は棋王戦第3局の敗局のみ、4月は名人戦の他は竜王戦1組準決勝の三浦戦の勝利で2勝1敗。新年度2連勝で「今年度は全勝だ」などと大風呂敷を広げようと思ったら、早くも1敗。急に心配になってきた。


棋聖戦(第85期棋聖 羽生善治)
 準決勝、佐藤天八段×村山七段、佐藤康九段×豊島七段戦が行われ、挑戦者決定戦は佐藤天八段×豊島七段となった。
 長らく、挑戦者決定戦は羽生世代同士か、羽生世代VS渡辺棋王or若手棋士という顔合わせだったが、久々に若手同士の決定戦となった。
 決勝トーナメント16名の顔ぶれは、トーナメント表の左から、
村山七段(前年度挑決進出)×阿久津八段、郷田王将×木村八段、渡辺棋王×佐藤天八段、行方八段×菅井六段(前年度ベスト4)、
稲葉七段(前年度ベスト4)×宮本四段、松尾七段×佐藤康九段、竹内四段×豊島七段、三浦八段×森内九段(前年度挑戦者)。
 四段の2名を除くと、現A級6名を含む、そうそうたるメンバーだ。
 ベスト4にA級は佐藤康九段のみ。糸谷竜王誕生と言い、時代が動き始めたのかもしれない。
 佐藤天八段は渡辺棋王、菅井六段、村山七段を降して、また、豊島七段は竹内四段、三浦九段、佐藤康九段を下しての挑戦者決定戦への進出。決定戦は明日(30日)に行われる。

王座戦(第62期王座 羽生善治)
 こちらは1回戦の渡辺棋王×永瀬六段(渡辺勝ち)、稲葉七段×中村太六段(稲葉勝ち)が行われたのみ。
 決勝トーナメントの顔ぶれは、
丸山九段(前年度挑決進出)×屋敷九段、佐藤天八段×阿久津八段、渡辺棋王×永瀬六段、稲葉七段×中村太六段(前年度ベスト4)、
深浦九段(前年度ベスト4)×久保九段、佐藤紳六段×佐藤康九段、山崎八段×森内九段、三浦九段×豊島七段(前年度挑戦者)。
 こちらもA級7名を含む豪華メンバー。
 棋聖戦、王座戦の両方進出している棋士は、渡辺棋王、佐藤康九段、森内九段、佐藤天八段、阿久津八段、豊島七段、稲葉七段。両棋戦とも進出していないA級棋士は広瀬八段のみ。
 左の山は渡辺棋王、佐藤天八段が有力。右の山は、まったく見当がつかない。山崎八段の活躍を期待したい。
 佐藤天八段×豊島七段の顔合わせとなる可能性もある。


竜王戦(第27期竜王 糸谷哲郎)
 本戦トーナメント進出を決めた棋士も出てきた。
1組
 ランキング戦は、羽生名人と阿久津八段が決勝に進出し、2位以上が確定し、本戦トーナメント出場が決まっている。阿久津八段は、上述の棋聖戦、王座戦での本戦トーナメントに続き、ここでも活躍。
 3位決定戦は三浦九段×豊島七段、4位決定戦は佐藤康×橋本八段、5位決定戦の準決勝は藤井九段×丸山九段、久保九段×佐藤天八段。降級は郷田王将、森内九段、行方八段、谷川九段、山崎八段。現2組の渡辺棋王が2組に残留していたら、非常に豪華メンバーになっていた。
2組
 渡辺棋王が木村八段を破りランキング戦の決勝進出を決めると同時に、本戦進出、1組への昇級を決めた。
 もう一つの準決勝は高橋九段×稲葉七段。広瀬八段は、2回戦(準々決勝)で高橋九段に敗れている。
3組
 準決勝で高崎六段を破った及川六段が2組へ昇級を決め、本戦出場まであと1勝とした。もう一つの準決勝は真田七段×佐藤紳六段。
4組
 準決勝は田村七段×永瀬六段、中田宏八段×村山七段の組み合わせ。
5組
 準決勝で中村亮五段を破った斉藤六段が本戦進出を決めている。もう一つの準決勝は西川五段×八代四段。
6組
 準決勝は佐藤慎五段×増田四段、千田五段×島本五段の組み合わせ。

 昨期、3組在籍の糸谷七段が竜王位を獲得したため、今期は1組が1名の定員オーバー、昇級予定の糸谷七段(新竜王)が欠けた2組が1名の定員割れ。
 その影響で、佐藤天八段×豊島七段戦は、他より山が一つ低く、残留するのも二勝が必要となる不運。
 また、2組の渡辺棋王は1回戦不戦勝となっている。
 前年度の影響で、今期に不合理が生じるのはおかしい。糸谷新竜王誕生の時点で、残留決定戦で勝利を上げ、降級を免れた4人で残留決定戦を行うべきであろう。
 ただ、この手法も、新竜王が下位の組だと、その中間の組すべてで残留決定戦を行わねばならない欠点がある。



王位戦(第55期王位 羽生善治)
紅組
 他棋戦で不甲斐ない広瀬八段がここでは3連勝だったが、4回戦で阿部光五段に敗れ、混戦模様に。
 広瀬八段…3勝1敗、佐々木勇五段…2勝1敗、木村八段(前年挑戦者)…2勝2敗、田村七段…2勝2敗、山崎八段…1勝2敗、阿部光五段…1勝3敗。
 4名が3勝2敗で並ぶ可能性もあり、通常のリーグ戦であれば、阿部光五段以外の5棋士にプレーオフ進出の目があるのだが、この王位戦では
「3勝2敗で並んだ場合、該当する直接対決の成績>前期成績(前期リーグ勝星>前期予選勝星)で優勝者・残留者を決める。それでも差のつかなかった場合には決定戦を行う」
 という規定があり、最終戦の結果次第で、紅組優勝者が決まる。(決定戦なしの自動決定の公算が大きい)

白組
 佐藤康九段が3連勝でトップ。
 佐藤康九段…3勝0敗、千田五段(前年挑決進出)…2勝1敗、菅井六段…2勝1敗、横山六段…2勝2敗、松尾七段…1勝2敗、伊奈六段…0勝4敗。
 佐藤康九段が有利だが、驚いたことに、伊那六段を除く5名が3勝2敗で並ぶ可能性もある。


2014年度女流成績勝率部門の規定に関する疑問
 『週刊将棋・4月22日号』で全棋士成績がまとめられていた。
 その中で、女流の勝率部門で、矢内女流五段が.696で1位だった。7割近い勝率は立派な数字だが、少し意外だった。もっと勝ってる棋士がいるのではないだろうか?
 そう思って、注視すると、甲斐女流二冠…14勝5敗.737、上田女流三段…15勝4敗.789が、対局数19で既定の20局に届かず、対象外となっていた。
 この他、休場していた里見女流名人の9勝4敗は別にして、香川女流王将19局(10勝9敗)、中井女流六段18局(11勝7敗)、山田女流四段16局(9勝7敗)、本田女流三段17局(10勝7敗)と、実力者や活躍者が規定対局数に届かないのは、規定対局数を見直したほうが良いのではないだろうか?
 いや、それより、対局数を減らそうとする(減らした)連盟の方針に問題があるのではないだろうか?


女流王位戦・紅白リーグのシステムの問題点
 今年度より、第26期より紅白リーグの順位を撤廃し、同星の棋士が複数出た場合は直接対決の結果(それでも並んだ場合は前期成績)を優先することになった。
 公平なシステムとも思えるが、これにより、1敗すると挑戦権獲得が厳しくなるシステムとなった。
 現在、里美女流名人が挑戦権を獲得し、甲斐女流王位に挑戦しているが、そのリーグ戦3回戦終了時点で、里美女流名人は2勝1敗で、3勝0敗の本田女流三段を星1つの差で追っていた。
 しかし、里美女流名人の1敗は対本田女流戦の1敗(休場期間の不戦勝)で、この規定によると、本田女流三段は残り1勝1敗で4勝1敗となり、里美女流名人が残り2戦を勝って4勝1敗で星の上で並んでも、直接対局優先により本田女流三段が上位となる。実質、「星1つ半」の差があり、里美女流名人が白組優勝するには、本田女流三段の連敗が最低条件であった。
 カギを握っていたのは中倉宏女流二段。4回戦では里美女流名人に敗れ、5回戦では本田女流三段を破るという結果。里美女流名人からお中元が届くような活躍?だった。
 せっかくのリーグ戦なのだから、1敗すると可能性が低くなるシステムに変更するのは如何なものだろうか?そこまでして、女流棋士の対局数を減らしたいのだろうか?
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花水木(4月25日撮影)

2015-04-28 16:34:25 | 歳時

 土曜日(25日)に撮りました。
 現在もかなり咲いていますが、葉の緑が目立つようになってきました。
 3日ほど前が一番きれいに見えていたように思います。撮りそこなったから、そう感じるだけかもしれません。
 忙しかったこともありますが、街路樹は通行量が多いので、恥ずかしくて躊躇してしまいました。

花水木
 北米原産で、乾燥に強く、テキサスやメキシコにも生息し、寒さにも耐性があってカナダにも分布しているそうです。
 綺麗な白やピンクの部分は、実は花弁ではなく総包です。中央に小さくつぶつぶの塊に見えるのが花です。
 詳しくは、過去記事を。
昨年5月(4月25日撮影)
2009年5月(撮影日不明)


 一番低い枝でも結構高いので、花のアップの写真は難しいです。手を伸ばして、見当で撮りました。



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チューリップがいっぱい。パンジー、ビオラ、水仙も(4月22日、23日撮影)

2015-04-26 23:07:33 | 歳時

 チューリップ好きの母が、毎年、≪これでもか!≫というくらいプランタを並べます。




 このブログでも、何回かご紹介していますが、チューリップも今年は開花が早い気がします。
「アヤメとチューリップ」(2014年5月撮影)
「遅れすぎてしまった風景 その1」(2012年5月撮影)
「小さな花と小さなチューリップフェア」(2010年5月撮影)

 チューリップというと、湯呑み(グラス)のような花の形が思い浮かびますが、いろいろな種類があるようです。八重咲きのタイプは、以前は≪これがチューリップ?≫と言いたくなりましたが、最近では私の脳にしっかり刻まれています。それに、八重咲きのタイプも葉は同じで、≪チューリップだよ≫とアピールしているようです。



 これらの写真は4月22日に撮ったものです。この日は晴れてはいましたが、やや風が強くて、やや茎が傾いていました(風で一時的に押されるのではなく、癖がついたように固定されます。でも、一晩明けると、元に戻っています)。
 空き地側に傾いていたので、少し撮りにくかったです。それに、やや薄雲が掛かっていて、日差しが若干弱かったのも不満でした。



 翌日は、もっと天気がよくて、風も穏やかでした。なので、再チャレンジ。





 一般タイプ(一重咲き)は、撮る角度が難しいです。真横からだと開いてる中の部分が写らないし、真上からだと変です。


 どれも素敵ですが、私のお気に入りは、これ。

 最盛期を過ぎているのが、少し残念です。


 チューリップの他にも、いろいろ咲いています。


 ラッパ水仙、ビオラ、パンジーと、当ブログでも常連です。(ラッパ水仙は新人かもしれません。水仙は登場していますが)

 最後は、

 烏野豌豆(カラスノエンドウ)です。
 実は、昨年5月に登場しています。
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上広瀬の桜 2015

2015-04-25 17:32:09 | 歳時

 4月15日の記事、「ご近所の枝垂桜(4月11日、12日撮影)」で「今年の桜紀行もこれで終わりです」と述べましたが、昨年も登場した「上広瀬の桜」の付近を、4月18日に通りかかると、咲いていました。
 「今年(2015年)の桜」の記事の中で、2014年の桜にリンクを張ってありますが、昨年は天気の良い日が続き、見頃の期間が長く、至る所で桜を楽しめました。この上広瀬の桜も、やや遅めでしたが、他の桜と足並みをそろえて咲いていたように記憶しています。
 枝垂桜はソメイヨシノより開花時期は遅めとは言え、今年はここだけ“のんびり”していたようです(昨年、ご紹介した南越前町や白山地区の方が若干、気温が低くて開花も遅いのですが、今年は市内とほぼ同時期に散っていました)。



 付近を流れる吉野瀬川の桜と雷神社(いかずちじんじゃ)です(昨年も登場しました)。



 神聖な雰囲気で、侵してはいけないような気がして、遠巻きに写しました。


 ここの桜は八重桜です。一般に八重桜も開花が遅いのですが、こちらはかなり散っていました。昨年と比べると、枝垂桜ののんびりさが分かります。



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電王戦……スポーツマンシップ、棋士のプライド……ルール内であれば“正々堂々”と言えるのか? 【5】

2015-04-22 12:33:14 | 将棋
「Ⅰ.“ルール内”ということ」
「Ⅱ.反則周辺のテクニック」
「Ⅲ.将棋における反則や番外戦術など」
「Ⅳ.阿久津八段の戦術の是非」
の続きです。

 スポーツなど勝負を伴う競技は「勝つことがすべてである」とよく言われている。
 ほとんどの競技において、優勝するのが第一義で、優勝と準優勝では雲泥の差で「優勝しなければ1回戦負けと同じだ」という心境の選手も多いだろう。プロであれば、評価(報酬・収入)も大きく違ってくる。将棋界でも名人位につくか挑戦者で留まるかは非常に大きな違いがある。歴代名人として名を連ねるし、「元名人(名人経験者)」という棋歴もつく。「名人挑戦の実績あり」と紹介されても(実際には凄いことだが)、「名人位には就いていない」という裏表の表現になってしまう。
 もちろん、準優勝や3位も評価を得られる(特に五輪のメダル)が、相当な勝利の積み重ねが必要である。このことも「勝つことがすべて」という命題を定理に近づけている。

 しかし、本当に「勝つことがすべて」なのだろうか?
 まず、「競技を楽しむためにプレイをしていて、ゲームの充実感を味わうことができれば、勝利にはこだわらない」という思想。本来のスポーツやゲームの精神と言えるかもしれないが、今一つ、説得力に欠ける。やはり、負けるより勝ったほうが嬉しいはずだから。

 そこで、少しアプローチを変えてみる。
 命題の真偽を検証する方法の一つに、「反例を挙げる」という方法がある。で、反例を挙げる有効な手段に「“極端”な例を考える」がある。
 今回の場合、「勝つことがすべてである」なので、「勝つために手段を択ばない」を徹底的に実践するとどうなるか?

 相撲は「張り手」が横行する。
 野球は「敬遠」「隠し球」「カット打法(ファールで粘る)」「野村監督張りのつぶやき戦術」「じらし作戦」などが増える
 サッカーでは「マリーシア(時間稼ぎなど)」が増える。
 その他、バスケットボールで言う「ファウル」が増え、「審判を欺くテクニック」に磨きがかかり、怪我も多くなるであろう。
 つまり、せこくてダーティーな色合いが濃くなってしまう。(←極端な「勝つことがすべて」を実践した場合です)

 将棋の場合も、盤外戦術が横行し、長時間対局の疲労を軽減するため離席が増え、慣れない和服やネクタイは疲れるとラフな服装になり、コンピュータソフトに教えてもらった手が増える………殺伐とした将棋界になってしまう。

 となると、その競技を観るのも、プレイするのも、面白くなくなり、衰退していく………

 「面白いこと」が重要なのではないだろうか?
 今回の阿久津×AWAKE戦は面白かったのだろうか?

 私は生で観ていないので推測になってしまうが、居飛車党の阿久津八段が飛車を振り、▲2八銀とやや不自然な銀上がりをした時点で、『△2八角打たせ戦法』を狙っているのではないかと囁かれ始めたのではないだろうか。そして、阿久津八段が▲2七銀と上がり、いよいよ誘いの隙を見せた時点で、「AWAKEが△2八角を打つか」っが大注目となり、一旦△5三銀と回避したものの、更に待つ▲9六歩に△2八角と打ち込んだ辺りでは、非常な盛り上がりを見せたのではないだろうか?
 そういった意味では「面白い」と言える。
 また、『勇躍△2八角と打ち込んで、▲1六香とかわされて、角が助からない運命にあることを悟った主人公が青ざめる』といった将棋漫画の1シーンを思わせるような“劇的”な局面とも言える。
 しかし、これらは「見世物としての面白さ」であって、「将棋の面白さ」ではない。

 もちろん、阿久津八段も「面白さ」を求めてこの戦法を採ったのではない。勝利を重視し将棋の正真な面白さを捨てて、一番勝つ確率の高い戦法を選択したのである。
 若干、横道に逸れるが、『2八角打たせ戦法』が阿久津八段が編み出した戦法なら、評価も面白さも違ったものになる。「その4」で、△2八角と打ってくることに気づいた経緯が不確定のような記述をしたが、阿久津八段が「コンピュータに△2八角と打たせる筋は有名であり、それを試したら△2八角と打ったきた」と説明していたらしい。
 これが、貸与されたAWAKEを研究し尽くして発見し、その局面に誘導する戦法を確立したのなら、その努力に感心し感動もしたであろう。
 ソフトの弱点を突く手法を採るならば、『△2八角打たせ戦法』とは違う戦法を披露してほしかった。

 これが可能かどうかについては、次の記事を根拠に挙げる。
 『将棋ワンストップ・ニュース』将棋電王戦FINAL、ハメ手を使用すればプロ棋士側が全勝した可能性の記事で、 指導棋士の田中誠氏「実際の所、三桁以上の、対プログラム必勝局面は存在しています。(誘導出来るかは別ですが)」と、また、やねうらお氏「“プロ棋士レベルの棋力が私にあれば今回の条件なら5つのソフトに100%勝てます!”と私が記者会見で言っても、現時点では誰も信じない……」というツイートを紹介している。
 この記事では、「プロが本気でハメ手を狙い勝ちにこだわれば、今回の電王戦FINALはプロ側が全勝していた可能性があるということになります」と言及している
 これらの言を100%信じるのは危険だとは思うが、弱点を突くならば、未知の戦法を披露するのがプロのプライドだろう。


 で、上記の記事には続きがあって、「なぜプロ側はこれまで負け続けてきたのかという疑問があります。これは私の推測でしかありませんが、やはりプロ側にハメ手を使うことへの葛藤があったのだと思います」の述べている。

 田中誠指導棋士
「さて、更に何故プロが勝ちに拘るのかと言う事ですが、これは、簡単です、“負けた事によって否定された棋士”が居たからです」
「“自分はプロ棋士を否定していない”そう言う方々も居るでしょうが、負けたプロ棋士の存在を否定する方々が居るのは事実です」
「改めて、明言しますが、プロ棋士は戦って勝つ事が仕事です、
 負ければお金も、職も、人生も全てを失う、壮絶な職業です」

と力説している。(この方の、句点にすべきところを、読点を打っているのが、気になってしょうがない)

 これについては、「負けたプロ棋士の存在を否定する方々が居るのは事実です」ということが真実でも(私もその考えに近い)、100%の人から否定されたわけではない。
 さらに「プロ棋士は戦って勝つ事が仕事です。負ければお金も、職も、人生も全てを失う、壮絶な職業です」という言葉には、「将棋界(順位戦)の歪み その9(終) 「昨年度までの5年間の勝率と総括」の記事を反論として挙げておきたい。
 2009年度~2013年度の5年間の成績が4割未満の棋士が40名、3割未満に絞っても20名存在するという事実。この記事では述べていないが、通算勝率が4割前後の棋士でも、何十年も棋士として在籍していられるという事実。………凄い「壮絶な職業」です。


 また、横道に逸れてしまった。


 今回、阿久津八段の手法を「相手の弱点を突くのは当然で正当な手法」という支持と「プログラムの穴をついてまで勝ちにこだわるのはプロのプライドがない」と批判に割れた。おそらく、批判した人は、プロ(競技)にロマンを求めている人(“ロマン派”)なのだろう。
 今回、棋士が勝ち越したことで、「まだまだコンピュータソフトには弱点がある。手法はどうであれ、人間が勝てた」という評価がされた。『ニコニコ生放送』というコンテンツで、非常に盛り上がり、新たなファンも獲得できた。
 しかし、ここ数年の電王戦で、ロマン派の人は、真っ向勝負(ソフト貸与なし、マシンスペック無制限)で敗れ、条件を緩めてもらって(ソフト貸与、スペックを統一)敗れ、「正攻法では勝つのが難しい」という参加棋士のコメントを聞き、大将戦でソフトの穴を突く戦法を採択したこと………これらで毎回、がっかり感を味わされてきた。
 確かに、新たなファンの獲得は大切である。しかし、長年、将棋を愛してきたコアなファンは傷つき消耗してきている。(電王戦だけではなく、「名人戦騒動」「女流棋士独立問題」などで)
 今回の件にしたって、「阿久津八段の手法は正当な手段」と認められても、棋士や将棋にロマンを感じなかったであろう。

 阿久津八段の選択は、非常に残念だった。


【補足ではなく蛇足】
 野月七段の観戦記
「阿久津は△2八角戦法を最終手段として視野にいれつつも、相掛かりや角換わりの戦型で練習を重ねていく。しかし勝率は上がらず、コンピューターの強さを実感させられる事が多かったと言う」
という記述があるが、どのくらいの勝率だったのだろうか?阿久津八段の対羽生戦の対戦成績は1勝13敗、勝率.071。阿久津八段に「羽生名人とAWAKE、どっちが強い?」と訊きたくなった。
 昨年の大将の屋敷九段の対羽生戦の成績は2勝21敗、勝率.087。一昨年の大将の三浦九段の直近の対戦成績は2勝24敗、勝率.077。
 ちなみに、三浦九段、阿久津八段はA級陥落、屋敷九段も昨年の春、陥落している(1年でA級復帰)。電王戦で消耗してしまったのかもしれないが……

 今回、○○手先までしか局面が見えないソフトの視界限界距離や「枝切り」手法によるバグなど、ソフトの未熟さも露見した。それらを考えると、本当に棋士は正攻法でソフトに勝てないのだろうか?
【終】
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電王戦……スポーツマンシップ、棋士のプライド……ルール内であれば“正々堂々”と言えるのか? 【4】

2015-04-21 11:07:08 | 将棋
「Ⅰ.“ルール内”ということ」
「Ⅱ.反則周辺のテクニック」
「Ⅲ.将棋における反則や番外戦術など」
の続きです。

今回は
阿久津主税八段×AWAKE戦について。

Ⅳ.阿久津八段の戦術の是非
 阿久津八段は将棋ソフトの弱点を突く戦術を用いた。その弱点とは、「コンピュータソフトの読み(局面判定)の射程距離(手数)以上の局面は見えない(読まない)」というもので、自陣に誘いの隙を作り、AWAKEに取られる運命にある角を打たせたのだ。AWAKEには読みの射程距離外で角が取られてしまうことが読めなかったのである。
 しかし、「こういう勝ち方はフェアではないのではないか」という非難が上がった。もちろん、ソフト貸出し等の運営の不備であって、阿久津八段は勝つ可能性の高い最善の手段を尽くしただけという意見も多い。
 そこで、今回は阿久津八段の採った戦術について考えてみたい。

1.阿久津八段の用いた戦術の正当性
 昨年より、「対戦棋士にソフトが貸与され、ソフト開発者は手直しができない」ようになっている。
 このルールの意味することについては、第1局のAperyの平岡拓也が次のように述べて、反対の意を示している。
「勝負を、興行上五分五分に近づけるためのルールだと思った。公平じゃない。片方は練習できて、片方は穴があっても防げない。どうみてもおかしい。それが、FINALのFINALで一番最悪な形で出た。これ以上、勝負として成り立たないのであれば電王戦を続ける必要はない。これ以上のコンピュータの制限は難しい。クラスタ化も制限されてるし」
 私はこの主張を支持したい。
 主催者のドワンゴの川上会長はこのルールの意図として
「人間とコンピュータの公平なルールは存在しない。
 人間のプロ棋士は面白い将棋を指すことが命題。持ち時間があるのも、人間がミスをして、長引かせずに、面白くなるためのルール。コンピュータはそんなこと考えない。
 興行として(実力が拮抗するように)貸し出し有りにしたわけではない。
 異種格闘技戦なので、人間とコンピュータが戦うのがおかしい。フェアな戦いというのは元々存在しない、比べるのがおかしい。そのことをはっきりさせたい。
 人間と同じルールでやるというのは見せかけのフェアです。
 計算速度がコンピュータの方が早いわけですし、記憶容量も、コンピュータはすべての過去の棋譜を記憶できる。そもそも公平なルールになっていない」

と説明しているが、都合の良い理屈にしか思えない。
 ≪計算速度がコンピュータの方が早いわけですし、記憶容量も、コンピュータはすべての過去の棋譜を記憶できる≫と、コンピュータの強みを強調し、≪公平なルールになっていない≫と主張しているが、そのコンピュータの巨大で高速なデータ処理に、棋士(人間)の思考の柔軟さや経験や大局観などで対抗するのがこの電王戦の見所のはず。“人間とコンピュータの異能力の戦い”なのである。ニコニコ生放送でも、PVで対決ムードを散々煽っている。
 なのに、“異能力の戦い”を“公平なルール”と言葉をすり替え、≪人間とコンピュータが戦うのがおかしい≫と自らの企画を否定している。論理の破綻も甚だしい。


 それに、コンピュータソフトを開発するのはプログラマー(人間)である。“人間と人間の戦い”でもある。
 平岡氏の≪片方は練習できて(ソフトの穴を見つけることができ)、片方は穴があっても防げない。どうみてもおかしい≫は、至極当然な主張である。
 もちろん、この条件を違うように捉えるプログラマーもいる(どちらかというと、貸出容認派が多い)。
「棋士に研究されることでプログラムの欠点が明らかになり、それを糧にさらに開発すればよい」西海枝昌彦氏(Selene)
「プログラムの穴を見つけられないよう工夫すればよい(指し手のランダム性を高めるなど)」やねうらお氏(やねうら王)
「ponanza強いんで、なんでも大丈夫です」山本一成氏(ponanza)
「棋力向上に役立てられるなら貸し出しはあってもいい」巨瀬亮一氏(AWAKE)

 まあ、「ソフト貸与」、「プログラム修正なし」の是非はともかく、その規定は、棋士がプログラムの弱点を見つけ、それを突く」戦術を採ることが可能で、有効で、容認されているということ。この危惧は、昨年から指摘されてきた。(やねうら氏の言うような)穴を突かれないよう指し手を絞らせない工夫をしたいが、昨年はその工夫をする時間がなかった(「電王トーナメントを勝ち抜いたソフト」が棋士と戦うという考えで、大きな改変をさせない為)。
 今回の「電王トーナメント」と「ソフト貸与」までの期間がどれだけあったかは、私は知らないが(すみません)、もし、改良する時間がないのなら、電王トーナメント参加の時点で、指し手のランダム性を高めなければならない。しかし、詳しくは分からないが、指し手のランダム性を高めることは、棋力の低下に繋がると考えられる。“痛し痒し”の状況だ。


 棋士の立場から言えば、ソフトの貸与はありがたい。ソフトの棋風や癖を知らずに対局するのと、無情報で対局するのとでは、相対的な強さが違ってくる。プログラムの穴を突くのはともかく、相手を知り、得意形を避け、苦手な戦型に持ち込む。相手の指し手を予想して、対策を練るという、対人間の戦い方を使えるからである。

 プログラムの穴が見つかり、それを修正した結果、ソフトの強さやクセが別物となってしまうのは、棋士の研究が無になってしまうので、修正を認めるのも問題がある。なので、≪電王トーナメント終了後、充分な改良期間を認めるべき≫というのが、私の昨年来の考えである。

 電王戦のシステムはプログラマーにとって気の毒だが、阿久津八段の戦略はそれに沿ったもので、正当なものである。責めるなら、システムの不備を放置した主催者側であろう。


2.阿久津八段の事情(事実は大きい)
 この第5局の結果を、私はNHKの午後のニュースで知った。地上波かBSかは失念したが、BSだとすると午後○時50分からの10分間のニュースの中で、速報的なものだった。7時のニュースでも、社会性の高い出来事の扱いだった。
 映像の有り無しの差はあったが、両方とも手数と対局時間と阿久津八段の勝利、団体戦で棋士が勝ち越したという事実飲みを伝え、プログラムの弱点を突いた阿久津八段の手法には触れなかった。
 ちなみに、各報道の第一報の「見出し」を調べてみると
「電王戦:棋士側が初勝ち越し…3勝2敗」(毎日新聞)
「将棋電王戦、ソフト側が突然投了 棋士側、初の団体勝利」(朝日新聞デジタル)
「電王戦、棋士側の3勝2敗…初の勝ち越しで面目」(読売オンライン)
「将棋ソフトにプロが初の勝ち越し 阿久津八段が面目保つ」(産経ニュース)
「将棋電王戦、プロが初の団体勝利 最終局制して3勝2敗」(中日新聞・CHUNICHI Web)
「谷川会長「ほっとしている」 電王戦、棋士初の勝ち越し ソフトの弱点突く」(日本経済新聞)
「将棋・電王戦、プロ棋士が初の勝ち越し」(スポニチ)
「プロ棋士が電王戦初の勝ち越し!わずか21手で将棋ソフト破る」(サンスポCOM)
「【電王戦】阿久津八段がソフト撃破!3勝2敗で初の勝ち越し」(スポーツ報知)
「将棋電王戦 将棋ソフトにプロが初の勝ち越し 阿久津八段が面目保つ」(YAHOO!ニュース)

 という具合で、「棋士がソフトに勝ち越した」という印象を強く受ける。サンスポの「わずか21手で将棋ソフト破る」は、本来はプログラムの穴を突いた事情によるものだが、内容を知らない世間の人は、≪29手(短時間で)コンピュータを破った≫と思うのではないだろうか。
 そんなわけで、やはり「“勝った”という事実は、非常に大きい」と実感した。

 阿久津八段も、勝負に生きる棋士。結果の重大さは身に染みて感じているはず。しかも、過去2回の団体戦では、棋士は惨敗している。2勝2敗で迎えた最終局は、とてつもなく大きい勝負となった。
 棋士のプライドと、勝負の重大性の板挟み。阿久津八段の葛藤は並大抵のものではなかっただろう。


3.阿久津八段の研究・対策
 今回、話を複雑にしたのは、2015年2月28日の「AWAKEに勝ったら100万円」という企画で、山口直哉氏(NEC将棋部)がAWAKEに△2八角を打たせて、勝利した出来事
 巨瀬氏は、これを見てから対局前までに「△2八角を打たされる形になったら投了する」ことを決めていたそうだ。自分のプログラムの弱点が明らかになり、それを修正することは叶わない。巨瀬氏としては、「アマチュアの指した手をプロは指さない」という棋士のプライドを信じるか、△2八角を誘導された時、AWAKEが△2八角と指さないことを願うしかなかった。
 その辛い思いが、21手での投了と「すでにアマチュアの方が指されていた形なので、ちょっとプロとしてはやりづらいんじゃないかと思っていました」(アマチュアが指した手をプロが指したのは残念だ)という言葉に現れた。
 この辺りの状況については『日本の科学と技術』「将棋電王戦FINAL第5局 阿久津主税八段 対 AWAKE は、わずか21手、たったの50分間であっけなく幕切れ」が詳しいです。

 ただ、これは巨瀬氏に誤解があった。確かに、阿久津八段が採った戦法も山口氏とほぼ同じものだが、この筋に気がついたのは、ソフトの貸与を受けた12月12日の3、4日後だったらしい(山口氏の対局の2か月半前)
 阿久津八段の事前研究・対策については、『電王戦FINAL第5局 観戦記 野月浩貴七段』が詳しい。
 この観戦記の中で野月七段は
「阿久津は得意戦法である相掛かりや角換わりをメインに対戦を重ねていったが、同時にコンピューターの弱点と言われる形も試していった。貸し出しから3、4日目くらいに、本局でも登場した△2八角と打つことに気づいたという。
 この△2八角戦法は「将棋ウォーズ」というスマートフォンをメインとした対戦型アプリで搭載されているPоnanza対策として、ユーザー達が編み出したコンピューターの弱点を突いた対策の1つだ」

と言及している。
 これは私の推測だが、『△2八角打たせ戦法』は「打倒ponanza」用戦法で有力とされていた手法。なので、「阿久津八段が、『△2八角打たせ戦法』を知っていて、AWAKEに対して試してみた可能性もある。(「知っていて、試してみたら、△2八角と打ってきた」という旨のコメントをしたらしい)
 だとしたら、阿久津八段は山口氏の手法を真似たのではないが、アマチュアの手法を手掛かりにAWAKEの弱点に気がついたということになり、≪アマチュアが指した手をプロが指したのは残念≫という主張は、あながち的外れとは言えなくなる。
 ただ、阿久津八段も最初から『△2八角打たせ戦法』に狙いを絞ったわけではなく、相掛かりや角換わりの戦型を試したらしい。しかし、勝率が高くならず、「結局、本局の2週間前、稲葉陽七段が函館・五稜郭で敗れて対戦成績が2勝1敗となった時に△2八角戦法を採用することを正式に決めたという」だそうだ。

 この戦法に絞ったと言え、思い通りに局面を誘導できるとは限らないそうだ。初っ端から相振り飛車になる確率が20~25%あり、居飛車党の阿久津八段にとってはリスクのある選択でる。その他、「AWAKEが居飛車穴熊志向でないと△2八角を打つ確率が非常に低い」「△5四歩を突かないと△5四角と打ってしまうことが多い」「▲7七銀と上がると△2八角を打たない率が上がる」など△2八角を打つ展開にならない場合の対策も練ったとのこと。
 『△2八角打たせ戦法』の理想形が実現する可能性はかなり低かったとのことだが、これが実現してしまったのは、勝負の神様の悪戯だったのかもしれない。巨瀬氏にとっては“不運”、阿久津八段にとっては幸運か不運かは微妙なところ。
 確かに思惑通り局面が進んだことは幸運と言えるが、作戦が成功したことで“棋士のプライド”を問われることになった意味では不運だったと言える。さらに突き詰めて、AWAKEが△2八角と打たず作戦が不発になり、その場合の対策も実らず敗れてしまった場合のバッシングを考えると、幸運だったのかもしれない。


 ともかく、阿久津八段の戦術は正当であり、採用するに至った状況も心情も理解でき、その結果、勝利したという事実の大きさも認める。
 しかし、支持はしない。

【続く】
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花水木、開花 【歳時メモ】

2015-04-21 10:10:40 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 3、4日前から近辺のハナミズキが一斉に咲き始めました。
 例年は4月末からゴールデンウイークにかけて咲いていると記憶しているのですが、ここ3年ほどは早いです。
 例年……参照1参照2参照3参照4
 最近……昨年(写真)昨年(歳時メモ)一昨年(歳時メモ)
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天使と悪魔 -未解決事件匿名交渉課- 第1話、第2話

2015-04-19 23:07:41 | ドラマ・映画
「未解決事件の捜査」→過去の捜査が杜撰過ぎ→モヤモヤ感
「司法取引」→悪事を見逃す+捜査の手抜き→モヤモヤ感


 どうやら、毎回このモヤモヤ感を味わうことになるらしい。
 それでも、キャラクターに魅力があれば見続けるのだが、


「天使と悪魔」――主役二人のキャラクター像でドラマのタイトルにもなっている
番組サイトでは
蒔田ヒカリ(剛力彩芽)……人を疑うことができない“天使のような警察官”
茶島龍之介(渡部篤郎)……誰も信じない“悪魔のような天才弁護士”
と描写されている

 まあ、ドラマではありきたりなキャラ
 渡部さんは、最近、“頭は切れるがすかした奴”という役どころが多い。これは、彼の芸風によるものなのか、そういう役が“うってつけ”ということで起用されるのか。それはともかく、“悪魔”というほど非道でもない。
 剛力さん演じるヒカリにしても、“お人よし”だが“天使”というほどでもない。
 看板倒れで、特に魅力を感じないふたり


 事件は、第1話では捻りがあったが、第2話は平凡。
 捻りが見られたとはいえ、それは、初動捜査が杜撰な為。

 おそらく、次回の視聴が最後になりそう。(レビューもしない予定)

  
【ストーリー】番組サイトより
『第1話』
 人を疑うことができず、警視庁捜査一課で成果を上げられずにいた蒔田ヒカリ(剛力彩芽)が、「未解決事件資料室」へ異動となって1年――。彼女の前に、謎の男が現れた! 男の正体は天才弁護士・茶島龍之介(渡部篤郎)。茶島は嘱託として雇われ、「未解決事件資料室」に配属されたと告げる。しかも、同部署は「未解決事件匿名交渉課」として、未解決事件の再調査も担当することになったというではないか! 突然の出来事に唖然とするヒカリ…。だが、そんな彼女を、茶島はお構いなしに事件の再調査へと引っ張り出す。
 再調査の対象は、1年前にキャバクラ嬢・野沢なつみ(杉本有美)が刺殺された事件。被害者と不倫関係にあり、容疑者として浮上した政治アナリスト・吉川毅(飯田基祐)が失踪してしまったため、未解決のままになっている事件だ。ヒカリと茶島はさっそく吉川の自宅を訪れ、妻・美加子(高岡早紀)から改めて話を聞くことに。美加子の辛い胸の内を思いやり、同情するヒカリ。一方、茶島は美加子の言動から、そこに“重大な嘘”があることを確信し…!?

『第2話』
 「警視庁未解決事件匿名交渉課」所属の警察官・蒔田ヒカリ(剛力彩芽)と弁護士・茶島龍之介(渡部篤郎)は、3年前に起きた未解決事件を再調査することに。「大葉総合病院」の入院患者・堺洋二(春海四方)が腫瘍摘出手術を終えた日の夜、何者かによって病室で刺殺された事件だ。第一発見者である看護師・小久保郁子(高橋かおり)と入院患者・三井正志(田口主将)が院内で目撃したという、犯人らしき女性も結局は被害者とまったく接点がなく、本件は迷宮入りしてしまっていた…。

 ヒカリと茶島は、事件直前に堺の手術を担当した外科医・大葉貴也(浅利陽介)や、郁子ら関係者から話を聞くため「大葉総合病院」へ。すると、三井は当時、犯人らしき人物を実際に見たわけではなく、ただ郁子から聞いただけだったことが判明。しかも、肝心の郁子は1年前に病院を辞めており、現在は行方不明だというではないか! 郁子の行方を必死に捜すヒカリ。一方、茶島は郁子の目撃証言内容、さらには堺の殺され方そのものに疑念を抱き…!?

 やがて、茶島は極秘裏に“二重の司法取引”を駆使。ヒカリをぼう然とさせる事件の真相にたどり着く――。

脚本:高橋悠也
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電王戦……スポーツマンシップ、棋士のプライド……ルール内であれば“正々堂々”と言えるのか? 【3】

2015-04-18 23:40:03 | 将棋
「Ⅰ.“ルール内”ということ」
「Ⅱ.反則周辺のテクニック」の続きです。

 「その1」で、ルール内で勝利を優先させる事例を挙げ、考察した。「その2」では、ルール外(反則)の周辺について考察した。
 将棋については、「その1」では糸谷竜王の離席を例に挙げて考えているが、反則や不正行為やマナー違反(盤外戦術)については触れていない。そこで、今回はそれがテーマです。

Ⅲ.将棋における反則など
(「その1」「その2」の流れから言うと、まず「ルール内」(マナー・盤外戦術)から言及すべきですが、もともと「その1」の動機が大きく、実際にいろいろなケースが考えられるので、後回しにします)
①反則…………
 「その2」で“バイオレーション”と“ファウル”に区別したが、将棋は長時間、近距離で相対するにも拘らず、接触することはないので、肉体的ダメージを与えるような“ファウル”は存在しない。
 拡大解釈すれば、「煙草を吸わない相手に煙草の煙を吹き付ける」だが、これは、マナーの範疇に入るし、将棋に限ったマナーではない。
 “バイオレーション”に当たる反則は「二歩」「打ち歩詰め」「王手放置」「駒の移動間違い(行き場のない駒を打つことも含む)」「二手差し」「連続王手の千日手」が挙げられ、公式戦では負けとなる。
 将棋の指し手以外には、「時間切れ」「待った」があり、これも負けとなる。
 反則の判定はかなり明確なので問題が起きることは稀である。ただ、最後に挙げた「待った」は、“着手”は駒から手が離れた瞬間に“完了”と見なされるので、「離れた」「離れない」で揉めることがある。
 いくら優勢でも、反則を犯したら負けになるので、子どもの大会を手伝っている時は、≪反則しないか≫いつもドキドキである。


②不正行為…………
 不正行為で考えられるのは、電子機器や棋書を使用してのカンニング行為である。
 以前は、棋書や実戦譜を用いたカンニング、あるいは、外部と連絡したり、他の棋士と相談するぐらいだったが(これでも重大な不正行為)、最近はPCやモバイル機器の発達により、より容易に強力な助力を得ることが可能となっている。
 この辺りの事情を、「『週刊将棋』 驚きの記事」で述べているが、この記事を書いたのが2009年。既に、丸5年経っているが、現在、電子機器の持ち込みの規制はされていない。
 現状では、相当徹底した規制をしないと、防止は難しい。なので、規制するよりは、棋士のプライドを信用し無規制にして、気持ちよく対局をするというのもありかもしれないが、完全防止は不可能でも、規制を設けて、カンニング行為を犯すハードルを高くすること、また、それによって、カンニング行為がいけない事を再認識することが肝要なのではないだろうか。


③マナー・盤外戦術…………
離席問題
 これについては「その1」で触れたので、ここでは言及しないつもりだった。
 しかし、岡本哲さんから
【大山15世名人の晩年に、森鶏二九段や田中寅彦八段が大山15世名人は相手を催眠術にかける、と警戒して一手さすごとに外にでていたことがあります。威圧感がある場合に離席するのは戦術としてむしろ当然とおもっています。いい棋譜をつくろうとしている行動ですし。気合い負けをみずからみとめるようですが、そんな行動もとれないようでは、それだと年長者有利になりがちミスだらけの棋譜になることでしょう。参考 河口俊彦「大山康晴の晩節」】
 というコメントをいただきました。
 これに対し、
「一理ある考え方ですが、相手の威圧感に抗することができず、手が乱れるようなら、棋士はやめた方が良いです。
 棋士は、盤面で価値を発揮しますが、盤に向かって勝負するのが棋士で、それができないのなら棋士ではありません。
 アマチュアなら盤に向かうのはマナーですが、プロ棋士は仕事(命)だと考えます。
 糸谷竜王も(体重などで)長時間正座するのがマイナスになるのなら、節制するなど努力すべきです。最高位につく者の使命です」

 と答えました。
 「その1」で離席問題について言及しましたが、何かモヤモヤしたモノが残りました。でも、このコメントをいただいたおかげで、考えがまとまりました。興奮して語調が強くなってしまいました。岡本さん、了承を得ずに引用したことと合わせて、お許しください。

口三味線
 プロ棋士でこれを盤外戦術で使う人は、いないと思うが、アマチュアではけっこういるかもしれない。言い切れないのは、私が長らく大会に参加していないからであるが、私が大会に出没していた時には存在した。
 「あっ、しまった」とつぶやくが本心ではなく、誘いの隙や、惑わせて時間を使わせる為の罠だった。その他としては、口三味線で思考を誘導したり、やたら話しかけて、思考を妨げるなど。
 縁台将棋で「それは桑名の(喰わない)焼き蛤」「だんだん良くなる法華の太鼓」などの囃子言葉?は嫌いじゃないが。

駒台から駒が落ちている
 「こんなところに駒が落ちていた」と言って駒台にその駒を置き、その数手後に急所に打つ。
 “持駒は駒台にきちんと置く”のがルールだが、落ちてしまうということは責めることはできない……

切れ負け将棋における時間攻め
 敗色濃厚だが相手の残り時間が1分弱。有りとあらゆる王手を掛け続け時間を消費させ、「時間切れ負け」に持ち込む。
 思い出すのは、相手玉が2手スキで風前の灯、相手の攻めは薄い状態。私が振り飛車で美濃囲いだが、相手の歩が端に垂れている嫌味がある。ここで相手が△1七歩成と成捨て、私が小考し▲同玉(▲同桂もあった)。すると、相手は△1六歩。▲2八玉に△1七歩成……。この成捨てを3回繰り返し、私の時間切れを狙った。
 この相手が小学6年生だった。駒もきちんと並べず乱雑。親や指導者の顔を見たくなった。

挑発・威嚇
 名人戦は棋士が特別な思いを持って戦うので、意図的、あるいは、無意識に盤外戦が生じる。長時間、至近距離で向き合うというのも一因。
・ゴミハエ問答(木村名人VS升田挑戦者)
升田「名人など所詮はゴミのようなもの」
木村「名人がゴミなら、じゃあ君は一体なんだ?」
升田「ゴミにたかるハエだな」

・「暗くしなさんな」(大山王将VS山田道美)
 名人戦ではなく王将戦が舞台だが、「打倒大山」を掲げ闘志むき出しの山田挑戦者が3勝1敗と大山王将を追い詰めた第4局の終盤、読みに没頭するあまり、前傾姿勢で盤に覆いかぶさった挑戦者に対し、大山王将が「暗くしなさんな!」と一喝。
 のめり込み過ぎて我を忘れていた対局姿を恥じたのか、以降、挑戦者の手が伸びず、敗局。結局、3勝4敗で敗退。

・場や対局相手を支配(大山名人)
 タイトル戦前夜、麻雀に興じるなど場を支配した。第1日目を切りのいいところで対局を切り上げ夕食(麻雀)を始め、対局相手も自分のペースに引き込んだこともあった(切り上げた分の時間は折半して消費時間とした)。
 また、普段から「○○▲段の将棋は大したことない」などサラッと述べて、劣等感を植えつけたと言われている。
 食事もかなりの分量を平らげるところを見せつけ、≪自分には余裕があるぞ≫と思わせたとも言われている。

・剃髪の挑戦者(中原名人VS森挑戦者)
 「中原名人は強くない」と言い切り、第1局開始直前に剃髪で現れた。この剃髪に動揺した中原名人はこの将棋を落としたが、立ち直り4勝2敗で防衛している。
 「森さんの剃髪は不気味だった」と語ったという記憶があるが、『将棋の館-盤上のドラマ-/盤上シアター81』の「剃髪の挑戦者-中原VS森」によると、≪森挑戦者のパフォーマンスによって神聖な名人戦の舞台を汚された≫と中原名人は不愉快に感じていたとのこと。

・「扇子の音が」(森内名人VS郷田挑戦者)
 郷田九段が鳴らす扇子の音が気になり、「自分の手番の時は控えてほしい」と申し入れ、郷田挑戦者も受け入れたが、≪耳障りになるほどの音ではない≫と思い直し、立会人を交えて協議し、「森内名人の手番の時は、扇子を鳴らすのは控える」で決着した(二日目、郷田の手には扇子がなかった)。
 
その他
・タイトル戦以外では、暖房や冷房の強さで、互いの主張が対立することがよくあるらしい
・加藤一二三九段が対局相手の後ろから盤面を覗き込むのは有名
・田中寅彦八段は、谷川名人を「あの程度で名人」と評し、皆の顰蹙(ひんしゅく)を買った


④助言(アマチュアの大会)………… 
 プロでは考えられないが、乱雑な会場のアマチュア大会では事故(助言)が起こる。
・感想戦をしていると勘違いして、口を挟んでしまう。
・ポカや反則に観戦者が先に気づき、「あっ」と声を上げてしまう。

 こういった助言は、対局者が関与しない事項だけに、運営側も対処が難しい。
 ただ、反則に関しては、第三者が指摘しても良いらしい(将棋連盟サイト)。
 しかし、この規定は定着しておらず、騒動になるケースも多いようだ。
【続く】
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