(「だったら、観るな」と御叱りを受けそうな記事になりそうです)
《冠城が特命と別離するシナリオ》として
………
法務省法務事務次官・日下部(榎木孝明)配下の公安調査庁へ異動を前提の筋立て
公安調査庁に意味を持たせるため
・王隠堂家の仇討計画を公調が察知
・冠城の“パパ活”関連について、公調が雑誌記者を動かし、その動きで美彌子を牽制
……
冠城が公調へ異動する動機となった(らしい)
冠城のパパ活情報を青木(浅利陽介)がリークした件について
・日頃から約束事を冠城に反故にされ続けているぞんざいな扱いに対する腹いせ
・心の底では冠城を友達と思っているようだ←しかし、
友達と思っているのなら、今回のリークは浅はか過ぎる行為(リークしておきながら、「友だちだよな」と呟くのはおかしい)
・結局、リークがバレ、(副総監に対しては強気の態度だったが)警視庁に居づらくなったのか、内閣情報調査室への異動(冠城の配慮)を受け入れた
・
今回の脚本(冠城退場への道筋)に利用された感が強い。冠城退場のついでのサプライズとして青木も退場となった。
………冠城退場のケースとして意外性を持たせるため、公安調査庁への異動だが、あまりにも唐突。
唐突にしたのも、意外性を持たせる手段であろうが、冠城の迷いとか決断を感じられるシーンがなかったのはどうなのか?
上述したが、移動の一番の動機は、美彌子母娘を日下部&公安調査庁から守るためと推測できるが、相棒である右京がそれを察知したと思われるカットがなかったように思う(もちろん右京のことなので、そういった冠城の心内は看破しているとは思うが)
冠城が美彌子の娘・マリア(土方エミリ)とデートしていたのは、彼女からアプローチされて相談などを受けていたということだが、リークされた画像について、右京にもう少し説明をしても良かったのでは?(途中で着信があり、話が逸れた)
冠城の退場がメインなので仕方がないが、鑓鞍(柄本明)襲撃については、単純な作りだった。
特命係や捜一トリオと王隠堂家との意味のないやり取りに終始し、内容は濃くなかった。(睡眠薬入り差し入れを食べ、右京らが熟睡したが、それほど重要な要素ではなかった)
敢えて、ポイントを上げるとしたら
《襲撃の首謀者は美馬(酒井美紀)で、告発動画も美馬の部屋で撮影されたもの》……美馬が計画・段取りし、その痕跡を隠すため、部屋の家具などを移動、そして絨毯について云々……
《ボディチェックをすり抜けて凶器(拳銃)を持ち込むのに、8年前の京(本宮泰風)の襲撃で重傷を負った津崎真茅(野波麻帆)の遺恨を利用し取引した》 ぐらいか……
――心情を語らず、屈折した感情・行動――
(まあ、キャラがぺらぺらと本心を語ったり、感情のままストレートに行動したらドラマにはなりませんね)
冠城亘(反町隆史)
・公安調査庁に異動したのは、美彌子を守るため?(素直に内閣調査室に行けばいいのにね。辞令が出るかは別として)
青木年男(浅利陽介)
・今回のリークは友だち・冠城への幼稚な嫌がらせ
・以前も(
season16 第20話・最終回SP「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」)で風間楓子(芦名星)をエスカレーターから突き落としていた。警察官としてはもちろん、社会人として、人間として失格であろう
片山雛子(木村佳乃)
・何のために出家したのだろう?(過去の『相棒』を観れば分かるのかな?
・なぜ、政界復帰を決意したのか?(……何かを悟ったとか?贖罪したと判断したからなのか?やりたいことができて、政界に復帰した?)
王隠堂鷹春(勝野洋)
・息子が自殺だったのを知っていた(だから、主体的に復讐を果たそうとはしなかった)
・息子の死の主因の鑓鞍を恨んでいたが、娘が復讐を果たすことの是非は悩まなかったのか?
鑓鞍兵衛(柄本明)
・雛子への刺客候補として立ったが、雛子に票が集まるようにした援護射撃(雛子圧勝の選挙戦だったが、告発動画の作用が大きかったのでは?)
・勝野博の息子の公認を外したのは、党の長老からの要請で、彼を守りつつお灸を据えるという親心だった
津崎真茅(野波麻帆)
・8年前の襲撃事件で、子どもの産めない身体となってしまい、その復讐を果たそうとした。
・彼女曰く、「(刺されたことへの)復讐ではなく、私のお腹からから生れてくるはずの子どもたちの仇だ」と言うが、そこまで“仇”という言葉を強調させなくても良いのでは?
女性にとって子供が産めない体になってしまったことは大問題ではあるが、あの時点でお腹に子どもを宿していたことに比べると、動機が弱いと思う。ドラマとしては、お腹の子が亡くなってしまったとしたいところだが、そうすると、妊娠中なのに護衛任務なのか?ということになってしまう。
・仇を討とうとした際、ドス(短刀)使用というのも迫力があるが、何か違和感。しかも、かなり離れたところから、ドスを抜いて構えて、「京(かなどめ)!」と叫んで、構えながら突進!
これでは、阻止してくれと言っているようなものだ
・そもそも、美馬と取引しなくても、京を殺害することは可能なはず。《捕まりたくなかった》というのならともかく、あの犯行時の様子では、京殺殺害することのみが目的だったようだ。真茅にとって取引するメリットは、ほとんどない
美馬(酒井美紀)
・今回の仇討の首謀者
・敵を討つためSP女との取引で京を差し出すとは……
京匡平(本宮泰風)
・前話では目立ったが、今回はほぼ見せ場なし
・真茅に「子どもたちの仇だ」と言われて、自分が犯した罪に懺悔の表情を見せたぐらいか
・8年前に自分が刺した相手を気遣わない時点で、ダメ。服役中も復讐の念だけに囚われていたのだろうか?
杉下右京(水谷豊)
・今回、一番素直に気持ちを表現した人
「僕はねえ、冠城くん。
これまで《去る者は追わず、来る者は拒まず》でやってきましたが、今回、それを破ろうと思います。
もう少し、一緒にやりませんか?
きみが特命係を去ること…できれば、拒みたい」
と、本当に名残惜しそうに願う右京
その願いを冠城に断られ、寂しそうに頷き、去っていく……
誰もいない特命係の部屋、冠城の名札がない……
『こでまり』で一人さみしく飲む右京の背中が寂しそう……
このラストシーンで、このエピソードの不満や疑問が吹き飛んでしまいそうだ…
……でも、上述したように、不満や疑問はいっぱい。
しかも、それでは飽き足らず、疑問点を述べる私……
【その他の疑問】
・美馬の銃弾一発の意味?……冠城は「(真茅の)警察官としてのせめてもの良心か」と言うが、もし複数の銃弾があったら、冠城は自殺を阻止できなかったことになる。
視聴者としては、美馬が自殺した?とドキリとするが、2発目を撃たせてしまったのは冠城のミスで、脚本としてはどうなのか?
・睡眠薬入りの差し入れを食べて寝入ってしまったのは、右京らしくない大失態
・顔認証システムは科捜研ではないので仕方がないとしても、顔写真などでチェックはしなかったのか
・かなりの大差で敗れてしまった鑓鞍の比例復活は無理かも
・密かに急遽家具を動かすのはかなり難しい
第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
第14話「ディアボロス」
第15話「食わせもの」
第16話「ある晴れた日の殺人」
第17話「米沢守再びの事件」
第18話「詩集を売る女」
第19話「冠城亘最後の事件―仇敵」(最終回スペシャル前篇)
【ストーリー】番組サイトより
告発動画で事態はますますカオスに
暗殺計画の裏に隠された真実とは!?
京匡平(本宮泰風)が投稿した、虚実を混ぜ込んだ告発動画によって、王隠堂家を監視していた伊丹(川原和久)たち捜査一課の行動が問題に。さらに、片山雛子(木村佳乃)と議席争っている鑓鞍兵衛(柄本明)も打撃必至の状況となる。
いっぽう、怪文書により“パパ活”の疑惑を掛けられた亘(反町隆史)は、何か事情があると踏んだ右京(水谷豊)の追及で観念し、騒動の収拾に動き出す。そんな中、京と王隠堂鷹春(勝野洋)が鑓鞍の襲撃を目論んでいる件について、一計を案じた右京は、捜査一課を巻き込み、意外な方法で美馬 (酒井美紀)たちが暮らす王隠堂家に接近する。
ところが、その矢先、右京が危機的状況に見舞われ、事態はますます混沌。警視庁警備部の津崎真茅 (野波麻帆)は、鑓鞍の警護を厳重にせざるをえなくなる。同じ頃、一連の騒動の火の粉は、青木(浅利陽介)や美彌子(仲間由紀恵)にも降りかかっていた。
複雑に絡み合う関係者たちの思い
そして、試される相棒としての絆…
冠城亘最後の事件が、予想外の結末を迎える!
ゲスト:酒井美紀 柄本明 木村佳乃 野波麻帆 本宮泰風 勝野洋
脚本:輿水泰弘
監督:橋本一