英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その7

2024-07-17 15:27:49 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」

(第2局が始まってしまいましたが、続きます)


 △4七角に▲2七玉と逃げた為、△3七歩成▲同玉を利かされ、後手の6九の馬の利きが通ったため、この図での後手玉を詰ます難易度が格段と上がっている。
 既に、103手目の▲5二銀から1分将棋になっている渡辺九段に詰み筋が見えているのだろうか?(図は119手目を迎えている)
 48秒残り12秒ぐらいの時、渡辺九段の表情……目が泳いでいる。読み切れていないのは瞭然だ。そして、駒台に手が伸びて……嗚呼、間違えるぅ!
………▲3二銀…………

 感想戦では
「これもう、初手(119手目の王手)間違えると詰まないのか(▲3二銀では▲4一同龍でないと詰まないのか)」(渡辺九段)と。
 おそらく《龍切りでも詰むような気がしたが、▲3二銀△同玉▲3三金の方が確実に詰む》と考えたのだろう。 



【ABEMA中継の再現】
解説:鈴木九段
「ここが勝負所でね。私まぁ詰むんだろうけど割り切れてないんですね。えーっと…左へ持ってくのか?
 ▲同龍、△同玉で▲5二金でばらして…▲6四桂と打って…7七桂活用して左で詰まそうとしてるのか。ずいぶん凝った詰め方しますよね。
 や、これ、2一?できれいに詰むのか
 えー▲2二金△同玉▲3三銀も、怖くないですか、なんか詰まし方…
 あ、寄られて危ない…詰まない…えっ、(加藤結李愛女流二段「これ2五に桂打てないとなかなか詰ましにくい」と)
 いやぁー▲同龍(▲4一同龍)で詰ますんですね。驚きの詰みだな…これは読み切ってますよね。(加藤女流二段「はい」)
(渡辺九段の手が駒台に伸び、銀をつまむ)えっ?え?
(渡辺九段が▲3二銀と指す)
「▲3二銀かぁ?…△同金で▲4一龍……ええぇっ!………▲4一龍△同玉▲5二金(△3一玉)▲4二銀(金?)でどんどん逃げられて危ない(詰まない)ですよね。そんなことあるの?」
ここで、画面表示が△4一同玉…71% △4一同金…1%(後手玉は詰む)と表示される
「△同玉…△同玉かぁ…ええ~これ…えええっ!!
 これは有り得ないよねぇ………
 ええええ~!…1分将棋で時間追われているんですけど、1分ずつ考えられるんで、けっこう読んでるはずなんですけど……
 (評価値を見て)△同金は詰むんだ……ええぇ!こんなのってあるぅ?
(藤井王位、△3二同玉と指す)


 正直、この解説はひど……
 《"評価値99%”という数値を見て▲4一同龍で詰み》と判断して詰みを読み、ある程度読んで《だいたい詰みそう》と思った。その後、▲2二金△同玉▲3三銀の筋の検証をしつつ、中継画面を注視。そして、渡辺九段の手が駒台に向かったのを見て、《詰ましそこなう》と判断し、驚いた。
 渡辺九段が▲3二銀で詰みを逃してしまったことに驚きつつ、△3二同金の後、▲4一龍△同玉▲5二金(△3一玉)▲4二銀(金?)で詰まないと思い、逆転に驚く。
 しかし、実際は△3二同金だと後手玉は詰む。そのことを中継画面の評価値で気づき、△同玉で詰まないと分かる(評価値で知った)
 その直後、「えええっ!! これは有り得ないよねえ…」と。


 《評価値99%(渡辺勝利確実)》《えええっ!!これは有り得ない》《ええぇ!こんなのってあるぅ?》という数値や絶叫が誇張され、『あり得ない大逆転』が世間に伝播した!
 そりゃ、解説者が簡単に詰みを読み切ったのなら、あり得ない逆転でも良いかもしれない。「▲4一同龍で詰み」とAIに示されたの〜見て、詰みがあるのを知っただけで、詰みを読み切っていない。
 さらに▲3二銀では詰まないことをAIで知ったが、△3二同金で詰まないと誤った解説をした。(△3二同金だと詰む)
 短時間で、正確な解説をするのは難易度が高くて、間違えても仕方がないとは思う。しかし、評価値の上面だけを見て、渡辺九段があり得ない詰み逃しをしたという印象を与える不正確な解説をしてしまったのは、どうなのか!
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2024ウィンブルドンテニス

2024-07-17 09:48:47 | スポーツ
 深夜観戦して、寝不足
 男子シングルスは2年連続、ジョコビッチとの新旧王者対決。昨年は大激戦、名勝負だったが、今年はジョコビッチが故障上がり(膝の手術後、日が浅い)で、今一つだったが、随所に好プレーが観られた。
 ……アルカラス時代が続きそうな予感。
 女子シングルスは、第4シードリバキナ以外は上位シードが早々敗退。
 準決勝は、リバキナ(4)vs クレイチコバ(31)
      パオリーニ(7)vs ヴェキッチ   となった(括弧内の数字はシードランク、ヴェキッチはノーシード)
 最近の女子は上位シードが早い段階で敗れるのは珍しくない。
 準々決勝の戦いぶりを観ると、4選手は皆好調だが、リバキナがポテンシャルと試合内容が一段階、上のように見えた。
 準決勝も第2セット途中まではリバキナペースだった。特に、第1セットは4ゲーム連取でこのまま一気に持っていきそうな流れだった。
 しかし、クレイチコバはへこたれず、リバキナのサービスゲームをブレイクし、3-5まで盛り返した。これが、ターニングポイントとなった。
 第2セットもリバキナは好調だったが、クレイチコバも引かない。闘志満々で、自分の会心プレーには雄叫び、失敗には悔しさの叫びを上げる。悔しい気持ちの発散という意味もあるが、自分を励ます意味もあるように見えた。
 リバキナはクレイチコバの闘志に気圧される。さらに、自分のミスを悔いる。苛立ちさえ見える。
 結局、クレイチコバの闘志を押される形で、第2、第3セットは、4-6、4-6で失い、敗れてしまった。
 もう一方の準決勝も大熱戦となり、女子の準決勝としては最長試合となった。この試合も、パオリーニの闘志が光ったが、彼女の機動力とボレーなどのテクニックも素晴らしかった。
 昨年あたりまでは、グランドスラム大会では1回戦負けが多く、すべて2回戦止まりだった。今年は、ウィンブルドンに限らず大躍進。各大会で上位進出し、全仏オープンでも決勝に進出している(優勝はシフィオンテク)

 決勝は、第1セットは完全にクレイチコバペースで、このまま第2セットも奪う勢いだった。
 しかし、パオリーニは意を決したかのように、ラケットを振りぬく。球の伸びが第1セットとは段違いだった。
 ファイナルセットは、クレイチコバも立て直し、互角の展開。
 気になるのは、パオリーニの打球に第2セットのような伸びがなくなったこと。
 第7ゲームにブレイクされ追い込まれる。しかし、パオリーニも反撃、4-5で迎えた第10ゲームにブレイクチャンスを迎える。しかし、ここでクレイチコバが踏ん張り、クレイチコバが勝利を掴んだ。
 パオリーニのプレーは好きなんだけれど、残念。

ところで、「くれいちこば」と打って、最初に変換されたのは「呉市子刃」……笑った
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