英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「邪魔しないでください、ほんとに」……NHKスペシャル『驚異の庭園』

2024-02-18 13:37:27 | ドキュメント
「邪魔しないでください、ほんとに」……NHKスペシャル『驚異の庭園』は、この言葉から始まった。

 初回放送を途中から観て、興味を惹かれたので、再放送を録画して観た時、この言葉が飛び込んできた。
 個人的にいろいろ立て込んでいたので、この言葉にムッとして、再生を切り、録画も削除してしまった。

 我ながら短気だなぁ。
 おそらく、庭園の美を守る(創造する)庭師たちは労力を惜しまない。職人の矜持の一端を感じるべきシーンだったのだろう。
 この言葉を発した原因が撮影クールにあったと思われるが、NHKに対しても毅然とした(横柄な・笑)態度を取れることに、畏敬の念と反感を抱いたのであった(番組を見続けていれば、それが分かったかもしれない)。
 ……そうなのだ、毎日、銭や円単位の商品を扱い、場合によっては「こんなモンに、金を出すのは……」と文句を言われている私にとっては、妬ましいという感情が溢れたのだ。

 もちろん、庭に対する思いの深さから発した言葉であるので、それについてどうこう言うのは見苦しい。
 反感を感じるのは個人の勝手なのだが、こうして、ネットに書き散らすのは恥ずべき行為に相当するのだろう。(勝手な“腹いせ”だと思って、ご容赦ください)

 で、NHKスタッフが冒頭の言葉から番組を始めたのは、上述の庭園の美を守る(創造する)庭師たちは労力を惜しまない。職人の矜持の一端を感じさせる狙いだったとは思うが、もしかしたら、庭師の印象を悪くしようという“腹いせ”だったのかなあと思ったりしたりする……
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『俺たちの学び舎』 ~東京大学応援部~

2009-08-11 23:24:01 | ドキュメント
 先輩後輩の上下関係が厳しく、先輩の命令は絶対である。
 昭和の運動部はそういうものだった。これが応援団となると、さらに厳しいものというイメージがあった。

 たまたま見た昨夜のNHKの番組。時代は平成、しかも、あの東京大学ですよ。応援団もスマートなものだと思っていました。でも、「馬鹿なんじゃないの」と思うほど、時代錯誤ぶりだった。たとえば、部室に4年生がいると、下級生は座ってはいけない。廊下で立って待機しなければならない。
 「馬鹿」という言葉を使いましたが、「蔑み」の念ではなく、「畏敬」というか「尊敬」というか……。感動しました。
 ちなみに、応援部というのはチアリーダーズ(女性が華やかにポンポンを振って応援)、吹奏楽団、そして、それら応援全体を引っ張っていくのが「リーダー」で、このリーダーたちがいわゆる応援団です。
 その責任者であるリーダー長(応援団長)が、辻宋吉郎さんで、その厳しさから「鬼のリーダー長」と呼ばれています。いや、この人がすごく魅力的。惚れてしまいそうです。

 まず、ナレーションを聞いて、ぶっ飛びました。
「東大応援部が、他の大学と最も違うところは、応援するチームが極めて弱いということです」
 おいおい! いいの?こんなこと言って。

 確かに、東大野球部は弱く、過去に6大学リーグで70連敗したこともあります。7期(3年半)勝ち星なしです。

 時々、応援の士気を上げるため、辻(あえて呼び捨てさせていただきます)は、時々講釈します。それがまた面白い。
「東大はよく、他の大学に比べて、違う競技しているんじゃないかと言われるぅっ!
 確かに、アメフトのような得点差になることもあるっ!
 しかし、こんなに1球1球に本気になれるのは東大だけであるぅ!
 東大の野球は面白い!
 そして、今日勝って、もっと面白くしようぜっ!」

ナレーション「しかし、この日も大差で敗れました」(2-12)


 試合に敗れると、リーダーたちは「罰練」と呼ばれる特訓が待っています。応援が悪かったせいで、勝たせることができなかったと考えているのだそうです。
 チームが負ければ、自分たちを責める。それが応援部なのだそうです。
辻「最後まで本当に勝ちを信じたのか?」
と、問いかけます。

 辻は、大学に通う時は必ず学ラン。


 応援団は大きな声と体全体を使っての拍手が命。並みの運動よりはるかに激しいです。手は真っ赤にはれあがります。
 皮がむけるというよりは、割れるという感じです。


 辻は応援に対して真剣、下級生たちに対しても真剣。応援に対する目は怖いです。私よりはるかに年下なのに、怖いです。きっと、敬語を使ってしまうでしょう。
 私が人事課で、採用する立場だったら、顔を見ただけで即採用です。それだけ、気骨のある顔をしています。


 2年生に藤原という団員がいます。
 彼も応援馬鹿です。でも、迷いもあります。

 友達に
「同じきつい練習をするなら、選手(運動部)になりたい。選手で勝った方が達成感が高いと思う」
藤原
「楽しいことないって言っても、ほんと言いすぎじゃないと思う。でも……どうなんだろう。結局は、やっぱり………どうなんだろうねえ」
 反論できず、気持ちが揺らいでしまいました。
 人とは違う学生生活の中で、何か得るものはあるのか?答えはまだ見つかっていないそうです。
 でも、その表情は、悩んでいるというよりは、充実感を感じているように見えました。

 辻は、厳しすぎると思うこともある。でも、厳しさの中でこそ、逆境でもあきらめない強い精神力が身に付くと考えている。
 辻は言う。
「あいつらにはそれができると信じている」

 春のリーグ戦、最終カード。この日も劣勢。
 辻は、下級生を通路に呼び出し喝を入れる。
 必死の応援……しかし、試合の流れは変わらない。
辻、檄を飛ばす。
「野球は難しい!
 そして、応援も難しい!
 こんだけ声出しているのに、なかなか勝てない!
 難しいっ!
 どうすればいいか、わからない!
 しかし、野球部はそれでもがんばっている!
 我々にできることはなんだ?
 難しいとわかっていて、それでも応援することだ!」


 結局、東大は1勝することもできず、春のリーグ戦を終えた。



 春のリーグ戦が終わると、「六旗の下に」という6大学の応援部が一堂に会して、応援の技を披露しあうイベントがあります。

 これに向けて、特訓が始まります。
 辻が鬼の顔で、「数えろ」とぼそり。
 20分間、声を張り上げながら全身の力を込めて拍手をし続けます。
 1年生の一人が倒れました。藤原は自分のことで精一杯で1年生に気を配る余裕がない。

 突然、辻が2年生を呼ぶ。
「1年生はお前の背中、見てんだぞ。
 苦しい時、自分だけ苦しいと思っているやつは最低だ。
 仲間なんだ。感じろお互いを」


 全体練習の前に、1年生を指導する藤原。
 苦しい練習中も1年生に積極的に声を掛ける藤原。
 練習後、1年生を夕食に誘う藤原。

 苦難を乗り越えた先に、何かがある。そう信じようと話す藤原。


 一方、がんばる下級生に負けないよう、夜11時公園で練習する辻。
 体を地面と平行になるまで反らせる「勝利の拍手」。東大応援部の真骨頂。


 本番、「勝利の拍手」はこの日一番の歓声が上がった。
 終了後、辻は自分の思いを後輩に託す。



 思いもかけず、いいものを見ました。(秋のリーグ戦がありますが、4年生は引退なのでしょうか?)
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女と男(最新科学が読み解く性)『惹かれあう二人、すれ違う二人』

2009-01-15 19:01:21 | ドキュメント
 NHKスペシャルで、『女と男』というテーマで3回シリーズで取り上げられていました。今回は特に男女の脳の働き方の違いなども解明されてきていて、それについて論じていました。

 まず、恋をするとどうなるのか?
 恋人の顔を見ると、腹側被蓋野が活発に働き、ドーパミンが作られます。ドーパミンは喜びや快感を感じた時に発せられる物質です。さらに、脳はドーパミンが出たときの状況を学習し、次に同じ行動を起こしやすくするように働きかけるそうです。つまり、また相手に会いたくなる。
 ドーパミンが出ると、集中力が高まり、気力に満ちて、疲れを感じなくなる。恋の魔法ですね。
 逆に恋をすると、働きが鈍くなる脳の部位もあるそうです。それは、批判や判断をつかさどる部位です。恋は盲目という状態で、恋人を批判的に見ることができなくなり、相手を受け入れずにはいられなくなるそうです。

 また、恋をしている時に、活発な脳の部位に差があるところもあります。男性の場合、島皮質の一部で視覚に関係しているそうです。
 その理由は「相手が健康な自分の子どもを産んでくれるかどうか」を見極める必要があったからだそうです。で、どこを見るのかというと、「腰のくびれ」だそうです(笑)。細め、標準、ふくよか、の好みの差はありますが、どのタイプでも、ウエストとヒップの比率は、7:10が好まれるそうです。この比率は出産に大きく関係しているそうです。(一般に初潮時期から閉経期までは腰のくびれは大きくなるそうです)

 一方女性が恋をすると、帯状回と呼ばれる部位で、そこは記憶に関係するそうです。
 これは、相手が良い父親になるかは、見た目だけでは分からず、相手が何を約束し、それを果たしてくれたかが大事になるそうです。ああ、だから女性は「○○記念日」を大事にするんですね。

 さて、人間の進化の大きな分岐点は、二足歩行をするようになったことです。
 二足歩行になったことで、手が自由になり、道具を使うようになり、知能も発達しました。
 また、全体重を2本の足で支えるため、骨盤が変化しました。そのため、産道が狭くなり、大きな胎児を産めなくなり、やや未熟の状態で、産まなければならなくなりました。そのため、出産後は母親は子育てから離れられなくなりました。この間、パートナーが母子を守り、食料を確保する(狩猟)ことに特化するようになったそうです。

 この役割分担の蓄積が、恋のシステムが発達し、男女の脳に違いが生じることになったわけです。
 と、ここまでは、恋って素晴らしいなあっ思ったわけですが、この狩猟生活パターンが、「男女の仲は3年」というシステムを作ってしまったのです。未熟状態の子どもも、3歳になればある程度、親離れできます。この期間4年で恋は完了するのではないかという説が有力なのです。そして、新しいパートナーを見つけるようになるそうです。いろいろなタイプのDNAを取り込むほうが子孫を残せるという考え方です。
 この考えは、この番組で知ったわけではないのですが、これを知った時には、納得もしましたし、ショックも受けました。

 番組は、男女の思考や脳の特性を分析し、如何にその男女の違いによるすれ違いをなくせるかを論証しています。

 男女の思考の違いは何でしょう。
 率直に言うと、コミュニケーション能力においては、男性がかなり劣っています。
 口論などが生じてしまうような不都合な状態においては、男性は心拍数がすぐ100を越えてしまいます。女性は、内容や語調が厳しいものになっても70前後で留まっています。「女性は感情的だ」という通説は、心拍数から考えると誤りのようです。
 母乳を与え、子育てをする女性はホルモンの働きによって、気持ちを落ち着かせる能力が高いと考えられていて、一方、狩りが担当の男性は、常に警戒心を働かさなくてはいけないので、すぐに心拍数や血圧を上げて、攻撃態勢に入れるよう適応していったようです。
 しかも、批判を攻撃と捉えてしまうので、口論のあげく、会話を突然中断してしまうそうです。批判(攻撃)を受け、身に迫る危険を感じ、ストレスが限界に達します。理性的な対応ができなくなり、衝突を避けるために、本能的に会話を打ち切るのだそうです。

 さらに分析は進み、男女のすれ違いが生じる原因は2つあると指摘しています。


 一つ目は、男性が女性の気持ちを読み違い、余計なことをしてしまうことです。
 男性は女性に比べ、気持ちや感情を読み取る能力が劣っているという報告があるそうです。
 こういうテストがあるそうです。

写真の女性は「喜び」「悲しみ」「怒り」「恐れ」のどの感情を持っているのか分かりますか?(答は文末です)
 このテストでは、女性のほうが正確に早く答を出すそうです。しかも、女性のほうが使用する脳の部位は小さいそうです。

 このコミュニケーション能力の差は、男女の生活習慣の差によって生じました。
男性が狩りに出ている間、部族の他の女性と行動をともにします。仲間の絆を深める必要があり、相手の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えることが重要になります。
 男性は、狩猟の中で、刻々と変わる状況の中で、狩猟の目的を果たしたり、危険を回避したりする、問題解決型の会話であったわけです。

 この男女それぞれの会話の意味が、男女のすれ違いを生むふたつ目の原因で、最大の原因だそうです。まあこれは、この番組に限らず、前々から言われていることですが。
 女性は会話をしてお互いの理解を深めたい。つまり会話が目的なのです。これに対して、男性は問題解決や分析するための手段に過ぎないのです。
 女性が男性に相談する場合、問題を解決して欲しいとか、良い解決策を教えて欲しいというのが目的ではないのです、多分。
 ところが、男性は分析したり解決策を導き出そうとしてしまいます。女性は自分の気持ちを話したいのです。そして聞いて欲しいのです。多分。結論は二の次なのです。

 ああぅ、思い当たることが数限りなくあります……。

 女性の皆さん、男性はコミュニケーション能力は劣っています。男性も努力はします。でも、分かってください、男性の未熟さを、愚かさを。そして、その大きな愛で、男性を包んで欲しいです。《表情テストの答え……恐れ》
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情熱大陸

2008-12-29 22:57:33 | ドキュメント
 『情熱大陸extra(棋士)』を観る。
 正直言うと、残念な内容でした。

 確かに、密着して取材していました。しかし、せっかく密着したのに、それを深く掘り下げていない感じました。何か上っ面だけをなぞっただけの感があります。
昨年の佐藤二冠王の時のほうが遥かに面白かったです。
 原因は、羽生名人3連勝した時点で、『羽生、永世七冠制覇』というテーマで番組作りや編集・演出を進めたはずで、渡辺竜王3連勝の時点、あるいは2連勝の時点で、方針を変更せざるを得なかったことが、大きな要因であると考えられます。それに付随して、最終局までもつれ込んだため、七局に及んでしまい、それらをすべて盛り込もうとしたため、一局一局が希薄なものになってしまいました。
 もう一つの原因は、今回は羽生名人、渡辺竜王、どちらが勝っても永世竜王の資格を獲得するので、焦点を一人に絞ることができなかったことも、浅くなってしまった原因でしょう。

 その結果、全体的に中途半端になってしまいました。例えば、タレントのつるの剛士氏を起用したこと。はっきり言うと、余計な登用で、その分を対局に時間を割いて欲しかったです。将棋にあまり興味がない人の興味を引くための起用とかもしれません。
 楽天の野村監督の起用も中途半端で、知将の野村監督の勝負観と将棋を結びつける狙いだと思われますが、あの程度の掘り下げ方なら、もっと対局の周辺に焦点を絞って欲しかったです。

★もっと掘り下げて欲しかった点
①第一局、渡辺竜王の将棋観や自信を木っ端微塵に粉砕した羽生名人の大局観と、驚愕する周囲の反応
②第四局、何度も諦めかけた渡辺竜王の心境
③第七局、何も解説いらないから、終局直前の30分ぐらいの映像の10分間ぐらいのダイジェスト映像

 とにかく、ぎりぎりの勝負、その両者の息遣いがあまり感じることができなかったのが残念です。

 あと、これは賛否両論あると思いますが、

④第三局に敗れた渡辺竜王が、逃げるように宿を去っていったのを、ホームまで追っかけカメラとマイクを向けたこと
⑤羽生名人に「今回の竜王戦、なんで渡辺さんは勝てたんですか?」と尋ねたこと

 ④については、ここまで追及しなくてもいいんじゃないかと思いました。ドキュメント的にはおいしいシーンかもしれませんが、人としてどうなのかと思いました(仕事だから当然という考え方もありますが)。それと、勝負に影響するような取材はやめて欲しいです。
 ⑤は、愚問でしょう。突っ込んだ取材をするという姿勢は買いますが、突っ込みどころが違っているでしょう。
 「私が弱かったからです」と答える騎士もいると思いますが、羽生名人は「それは私に聞かれても分からないんで、渡辺さんに聞いてください」とさわやかに笑いながら答えていたのが、羽生名人らしいと思いましたが、そのあと、映像が切れる前、一瞬、羽生名人が悔しそうな怒っているような目をしていたと感じたのは、私の考えすぎでしょうか?
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