英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2017柔道世界選手権 新ルールの功罪

2017-08-31 21:31:28 | スポーツ
 2017年から新ルールが適応されている。
 ウィキペディアによると、この世界選手権までの試験的にな導入で、この結果を検証した上で正式導入されるか決定されるらしい。
 主な改正点は
①試合時間は男女とも4分とする。男子はこれまで5分だったが、東京オリンピックでの男女混合団体戦の採用を目指して試合時間を女子に合わせることに決めた。
②技の評価は一本と技ありのみにする。よって有効は廃止される。技あり合わせて一本も廃止となる。技ありには従来の有効相当の判断も含まれる
抑え込みは15秒で技ありだったが、10秒とする。一本は従来とおり20秒。
従来は指導4まで積み重なると反則負けになったが、それが指導3までに変更される。
本戦の4分間では技のポイントのみで勝敗が決せられる。そのため、従来のように指導差での勝利は認められず、その場合はGSに突入する(但し、本戦で指導3まで積み重なった場合は反則負けとなる)。
GSでは技のポイントか、指導差が付いた場合に勝敗が決する(本戦で指導1を与えられた選手がGSで指導差による勝利を得るためには、指導2まで取り返さねばならない。本戦で指導2まで与えられた選手がGSで指導差による勝利を得るためには、指導3まで取り返さねばならない)。
⑦下半身に手や腕が触れる行為は従来一発で反則負けを与えられていたが、一度目は指導、二度目で反則負けに変更される。
⑧標準的でない変則組み手(クロスグリップやピストルグリップ、片襟や帯を掴む組み手など)になった場合、即座に攻撃しなければ指導を与えられる。
⑨攻撃を試みなかったり防御に徹するなど、柔道精神に反する消極的な姿勢が見られた場合は指導が与えられる。
⑩一挙に体を捨てた脇固めのみならず、相手の袖や腕を掴みながら肘を伸ばす形の袖釣込腰を仕掛けた場合も反則負けとなる。
⑪相手の組み手を嫌って場外に逃げの姿勢を見せるなどの柔道精神に反する行為が認められた場合は、即座に反則負けが言い渡される。
⑫返し技を仕掛けた際と仕掛け終わった際に相手をコントロールしていなければ有効な返し技とは認められない。
⑬時間稼ぎが目的で柔道衣もしくは帯を乱したと認められた選手には指導が与えられる。

 指導による反則負けであるが、世界選手権の中継では「GS(ゴールデンスコア=延長戦)においては、指導2で反則負け」と表現されていたが、正確ではないようだ。例えば本戦で選手Aが指導0、選手Bが指導2の場合、Aは指導が3に成らないと反則負けにならないので「指導2で反則負け」というのは不適合。また、両者指導0の場合は、指導を受けた時点で勝負が決するので、この場合も不適合。
 しかし、ウィキペディアの表現も的確ではない。
 「ゴールデンスコア中に「指導」が与えられた場合、与えられた選手が相手よりも多くの「指導」を受けたことになる場合、その試合は終了する」国際柔道連盟試合審判規定(2017-2020)
(『改正の要点』国際柔道連盟発信)の方がスッキリしている。

 話はそれるが、この“反則負け”という使用法は文意的におかしい。“指導負け”とか“警告負け”にすべきだと思うが…

★ルール改正についての考察
☆基本方針
「一本取って勝負をつけなさい」

 この基本方針の実現を目指した改正と考えられる。
②「有効」の廃止
 「不完全な技では勝ちを認めない」という意思。
 しかし、技ありが甘くなったので、審判差が生じそう。

 今大会の男子73㎏級決勝戦での橋本壮市選手の「技あり」は甘過ぎ。この技の決まり具合で「技あり」なら、この少し前に掛けられた技も「技あり」だった。個人差ならともかく、同一試合でのこの判定のブレは酷かった。

 また、「合わせ1本」がなくなったのは疑問。「“技”認めた投げ」=「技あり」を2回も決めれば「一本」で良いのではないだろうか?(技ありの判定が甘くなっていることが関係があるかもしれない)

☆「技あり」について
 “投げ”の判定基準は、『速さ』『強さ』『背中が大きく畳につく』が条件で、すべてを満たせば「一本」となっているが、一番のポイントは、「仰向けに倒したかどうか」で、他はかなり軽視されている。2段階で背中がついても、「一本」となることがほとんどである。
 逆に言えば、「腹這い」なら無効。(従来の“有効”の判定の大きなポイントも「腹這いかどうか」であった)
 熟練者であれば、技を掛けられても腹這いで逃れるのは可能である。……と言うより、「投げた後もキッチリ決め切れば腹這いに逃れることができない」と考えるべきなのだろう。

 “技あり”は先述の3要素が完全でない場合となるが、“一本”に於いて既に『速さ』『強さ』が甘くなっているので、やはりポイントは『背中』になる。この背中の突き具合で“一本”“技あり”“無効”に分かれる。
 本大会の場合、腹の方が畳に向いていれば、“技あり”にはならないようである。また、“尻もち”をついても背中が付かなければ、やはり、“無効”となっているようだ。
 旗判定がなく、今までは“有効”であった技が、“無効”になってしまうというのも、すんなり納得はできない。この不納得さを拡大させるのが、“反則負け”である(後述)

 ところで、特殊な“腹這い”がある。投げが強くて横回転し過ぎて、腹這いになってしまうことがある。この場合が“技あり”と判定されるのかもしれない。
 


⑤「本戦では技のポイントのみで勝敗が決せられ、指導数の差によっては決しない」
 リオ五輪のリネール(フランス)が指導1つ差で原沢久喜を下し、物議を醸したリオデジャネイロ五輪100キロ超級決勝のような柔道の技を決めずに勝ってしまうケースがなくなって良い


④「指導4で反則負け」が「指導3まで」に変更
 技のポイントを上げた選手の逃げ切り勝ちを防ぐためと思われる。
 反面、「反則負け」の頻度が増えそうだ。

 試合序盤、膠着状態になった場合、審判は試合を動かすため、割と簡単に“指導”を出す。片方の選手だけだったり、両選手に与える場合もある。
 なので、「何故?」と疑問に感じることも多い。2回指導を受けても、本戦では負けには繋がらないとは言え、4回=負けに比べて、負担の割合は大きい。


⑥GSでは技のポイントか、指導差が付いた場合に勝敗が決する
 “有効”がなくなり、本戦で勝負が決せず、GSに持ち込まれることが多くなる。
 技のポイントと言っても、“技あり”以上なので、そう簡単には決着しない。そうなると、指導の差で勝負が決してしまう可能性が高くなる。
 皮肉なことに、「一本を取って勝ちなさい」という理念の改正が、逆に「反則負け」を増やすことになっているのではないだろうか?

 さらに、“指導”は「消極的」「組み合わない」「不用意に場外に出る」など、審判の主観に追うものが多い。
 従来なら“有効”で優勢勝ちしていたはずの選手が、曖昧な基準の“指導”により、負けてしまう……


 女子57kg級の芳田司選手は残念だった。
 決勝の相手は、リオ五輪の銀メダリストのドルジスレン・スミヤ(モンゴル)。対戦成績は3勝1敗だが、地力は芳田よりありそう。
 この試合、前半は押されていたが、本戦終盤、そして、GSでは内容はかなり上回っていた。従来の有効っぽい技が3回ほどあり、終始、攻勢。
 対するドルジスレンは消極的で掛け逃げっぽい技が多くなっていた。GS3分過ぎに、消極的姿勢の“指導”が出されたが、本戦で吉田が場外の“指導”を取られていたので、勝ちとはならなかった。その後も、ドルジスレンに“指導”が出されても不思議ではない展開だった。
 この“場外”にしても、「何故?」と思えるもので、これさえなければ芳田の勝ちだった。

 結局、GS9分に達しようかと言う時に、ドルジスレンの腰車が決まり、死闘に終止符が打たれた。
 審判の主観の差による“指導”と、“有効”廃止……二つの要素が芳田に不運に働いた。
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2017王位戦第5局 ~菅井新王位誕生~

2017-08-30 21:07:49 | 将棋
 菅井七段が4勝1敗で王位を奪取。おめでとうございます。
 第5局も、いいようにやられっ放しの完敗。
 第4局の中盤以降、本局は序盤途中から、勝てる気が全くしなかった。
昨年度の名人戦(対佐藤天八段)でも同様な感触を感じたが、今回の方がより強く感じた。言うならば、PCソフト相手にジワジワ追い詰められていくような……
 いや、≪菅井七段がカンニングしているのでは?≫と疑っているのではなく、それほど、菅井七段が強かった!
 第4局の時点では、≪第一局にキチンと勝ち切っておけば≫という思いがあったのだが、第1局に勝っていても王位の防衛は難しかったような気がする。




 “阪田流向かい飛車”と思いきや、△3二飛!
 菅井七段用意の作戦?まずいなあ…



 素人が言及するのは憚られるが、何となく羽生王位の指し方がチグハグ。
 7五に歩を伸ばしておきながら、▲4六銀。角交換将棋であるのに、5筋の歩を突いているのもどうなのだろう?(最近は格言の信憑性が揺らいでいるし、後手の菅井七段も5筋を突いているので、この点についての是非は不確か)
 それはともかく、後手の飛車、金、銀、桂が目一杯働いていてきそうな気配だ。


 封じ手局面、局面的に押されそうな羽生王位が持角を投入したが、歩を取り返したぐらいの成果しか上げられず、7五の歩を取られそうで、再び歩損に陥りそうだ(封じ手は△7五銀だった)。


 角成を受けて△3二歩。普通は苦しい歩打ちのはずだが……


 この△5六歩が絶好。
 ▲同金と引っ張り出され、△4五金と捌かれては……
 (意地でも▲5四歩と指してほしかった。以下△4五歩▲5五銀△5七歩成▲同金△3九角▲5八飛△6九銀でいいようにやられそうだが……)


 3七の成桂を2七に?逆方向に?……指しにくいはず。羽生王位の考慮中に考えられるとは言え、たった4分で指すとは!この手には、羽生王位も参ったのではないだろうか。
 飛車先を通すと同時に、場合によっては△2六飛とぶつける筋を見ている?


 2六ではなく△3三飛とぶつける。あの3二歩が活きている!


 飛車取りの▲4四銀に対し、△7六銀▲5八銀を利かせて、△3四飛と当て返す。
 ▲4五金で飛車は詰んでしまったが、5六の金がさらに4五に……。しかも、いつでも△4四飛と銀を補充できる。菅井七段に好き放題指されてしまっている。



 菅井七段、強かった……
 でも、羽生王位、精彩なさ過ぎ…

 森内名人から名人を奪取、更に棋聖戦でも3連勝で防衛したころの羽生名人と菅井七段との将棋……観てみたたかった。

 いや、まだ終わっていない。
 きっと、立て直してくれるだろう。

 とにかく、竜王位挑戦者決定戦第3局に勝って欲しい。
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『世界のいたずらドッキリ映像35連発』から感じた各国の特徴

2017-08-29 15:20:08 | ドラマ・映画
『世界のいたずらドッキリ映像35連発』というタイトル通り、世界各国のいたずらドッキリ映像を紹介した番組。と言っても、数か国(ドイツ、ブラジル、アメリカ、カナダ、ウクライナ、あと東南アジアのどこか)だけだったが。

ドイツ………巧妙でスマート。ウイットに富んだものも多く面白かった
ブラジル………やたら大掛かりで過激なものもあるが、単純で雑な仕掛けなものが多かった。肉体的に衝撃(電気ショックや生クリームを顔面)を加えるものが多いのが特徴。ドッキリを受けたブラジル女性の反撃は強烈で、手を出す人が多く、しかも、即座
カナダ………あと、心理的にニヤニヤさせる仕掛けが多いが、「しょうもないなあ」と思うモノが多い。
アメリカ………単純でイタズラ的。ドッキリの被害者のリアクションが面白い
ウクライナ………2本だけだったと思うが、2本とも女性の肌を露出させるモノだった。

 番組的には、ナレーションに改良の余地がありそう。
 あと、不思議だったのは、ワイプ画像でゲストが映像を観て笑う姿が挿入されており、感想コメントの音声もあったが、それだけでスタジオでトークする場面もなく、MCもいない。
 私の住むところが地方(田舎)なので、本来の放映枠より短縮され、そういうシーンがカットされたという可能性もあるが、不思議に感じた。
 
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2017竜王挑戦者決定戦 第2局

2017-08-26 10:07:53 | 将棋
終盤、ヨレて、逆転負け。

 王位戦第4局の惨敗(1勝3敗)に続いての敗局。

 流れは非常に悪いが、まだ、1勝1敗の五分。第3局に勝利すれば何の問題もない。
 調子は良くなくて勝率6割としても、次は勝つ番だ。
 とにかく、次の菅井戦(王位戦第5局)に勝つのが第1の目標。
 一局、一局、最善を尽くしていけば、道は開けるのではないだろうか。




 後手羽生三冠が指しやすさ→有利へと局勢を握っていたが、図の△2四香が流れを手放す疑問手だった。
 以下▲7六飛△2九香成▲6六桂と進み、先手の飛と桂2枚の攻めが至極強力!

 2六に居た飛車は1筋2筋の攻めを見ていたが、5二の玉にとってはそれほどの脅威となっていなかった(3二の金、4四の銀の形は1、2筋の攻めを受け流すのにちょうど良い)。
 その飛車をわざわざ7筋に呼び込み脅威の存在にさせてしまった。対する後手は桂得となったが、香を使ってしまったのが大きい(先手の7筋の攻めに対して香を持っていれば耐性がある)。2九の成香は挟撃態勢の足掛かりにはなる(先手玉が3八に来た時△2八金と打てる。あるいは2八→3八が間に合えば勝勢)。
 しかし、現状では先手の飛桂トリオの方がはるかに強力かつ即効である。まだ後手に分がある形勢とは言え、このやり取りは後手がかなり損をした。
 羽生将棋は将棋の本質に沿う指し手、裏を突く指し手の二面性がある。後者に該当する△2四香だったが、本局の場合は難解な攻め合いを呼び込んでしまった。



 非常に難解な局面。
 図の3手前、△7七歩▲同金を利かせた手は、人間の目からすると後手に利があるように思えるが、ソフトの評価値は後手の有利度を減らしていた。理由は第3図から△1九成香▲7四歩△7一香▲9二歩△同香▲7三歩成△同金▲同桂成△同銀▲9一角の変化が生じるからとのこと。△7七歩で先手に歩を渡している。(私の感覚からすると▲9二歩には手が抜けるように思えるが)
 また、△7七歩▲同金の局面(第3図の2手前)では、△1九成香(△7一香を準備した手、羽生三冠は「7三角△7一香▲6二角成△同玉▲7三歩△8三金▲7二歩成が“うるさい攻め”」と)や△8八馬(検討では有力とされた)、△8三金も考えられた。

 そして第3図。ここで羽生三冠は△8五歩!
 棋譜中継の解説の言葉を借りると“すさまじい寄せ合い”に突入した。数手前の段階での控室の検討(△7七歩▲同金を入れていない)では、「成算がないと飛び込めない」と言われていた。もちろん、羽生三冠もある程度の成算はあったと思うが、数手後の松尾八段の妙手が読みに入っていたのだろうか……
 それはさておき、2年前の羽生三冠だったら、複雑な緩急で、相手を消耗させたり、暗闇に引き込んでいたように思う。その意味で、(是非はともかく)先の△7七歩は、羽生三冠らしい細かい利かしだ。
 第3図では、△1九成香や△8三飛や△8四飛などの方が羽生三冠らしい手だ。

 △8五歩(第4図)以下、▲7四歩△8六歩▲9八銀!(第5図)

 △8六歩の銀取りに対してかわした▲9八銀が妙手!△同馬と取られるので無意味のように思えるが、ストレートに△8七歩成と取られた場合、9七の馬が7五の飛車に当たっているのに対し、銀を馬で取らせ9八に馬を移動させる。馬の働きを低下させるのが非常に大きいのだ。1手掛けて手が遅れるように思えるが、後手が先手玉に迫るには△8七歩成は不可欠なので手損にはならない。

 この手で、形勢は逆転(正確に言えば△8五歩の段階)。


 最後は松尾八段が第7図以下の長手数の詰みを読み切り、勝利。挑戦権の行方は第3局に持ち込まれた。


 中盤、難しく考えすぎて迷路に入り込み、何とか終盤に持ち込むが、時間と脳力を消耗し、終盤に息切れを起こすパターンが多いように思う。
 大局観を信じ、シンプルに読みを進めた方が良いのではないだろうか。(私が偉そうに言うべき立場でないことは、重々承知しています)
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「“こんなに晴れる予報だったか?”と寂しくなったりもしました」という気象予報士の狡いコメント

2017-08-25 15:15:16 | 気象
(大雨の地域のことを考えると、「晴れた」ことにケチをつけるのは申し訳ない気がしますが)


「驚くほど晴れましたね。“おお、こんなに晴れる予報だったか?”と寂しくなったりもしました」
 鮮やかな青空の写真を示しながら発した二村気象予報士の言葉に、私は耳を疑い、二村氏の人格を疑った。

 一昨日の気象情報において


 「昼過ぎまで雨が降ったりやんだり」という予報。
 しかも強く降ると。嶺北地方は、多いところで60~80ミリの降水量が予想され、注意を呼び掛けていた。

 降雨強度分布予報では





 午前中を中心に降雨と予測。特に南越地区東部は一日雨が残る予測図だった。
 とにかく、「晴れ」という言葉は一切なく、「晴れる」と予報した事実はない。

 しかし、青空を示しての二村氏の言葉は
≪少しは晴れを予想していたけれど、こんなに晴れるとは思わなかった≫
というニュアンスだ。
 一見、青空を示して、予報の間違いを認めているようだが、
≪晴れの予報はした≫と視聴者に刷り込ませるテクニックを駆使しているのだ。
(しかも、嘘にはなっていない)


 それから、この青空の写真の後に

 頭巾雲を紹介し、
「“不安定”を感じさせる雲が観られました」
と述べていた。
「入道雲の雲頂部…入道雲は地面が暖められ強い上昇気流が発生した時に現れるものですが、積乱雲の雲頂部の上昇気流が急速に強まった場合に空気が持ち上げられて薄い雲が出来たもので、この雲を“頭巾雲”と言う」と言った説明をしていた。
「これ以上成長すると、激しい雨が降る現象をもたらす雲なので、この雲を見かけたら危険のサインが出ていると参考にしてください」
と説明を加えていた。
 ひねくれモノの私は、二村氏が“不安定な天気の要素”を探して釈明しているように思えてしまう。

 この頭巾雲、ウィキペディアの記述では
「積雲や積乱雲の雲頂高度付近に薄い湿った安定層があると、積雲の発達による上昇気流で押し上げられて、積雲の上部に頭巾をかぶったような雲ができる。規模の小さなものは頭巾雲、規模の大きなものをベール雲と呼ぶ。雲頂とは密着していることもあり、離れていることもある。上から見ると傘状で、横から見ると頭巾状に見えるのでこの名がつけられた。このようなときには、積雲はあまり発達しない」

とあり、二村氏の解説とは微妙に違うように思うが、どうなのだろう?


 さらに、最高気温の解説では
「日中は予想以上に照り付けた強い日差しの影響で、猛暑日を観測しました」
 これも、“日差しを予想していた”かのように思わせるテクニックである。



 二村氏とは離れるが、週間予報についても引っ掛かりを感じる部分があった。




 23日発表と24日発表の週間予報だが、注目点は26日(土)の予報マーク(23日予報と24日予報では、1日分横にずれるのでご注意を)。
 一気に、雨マークが増えている。
 前線(今日、本州を縦断した)が太平洋側に抜けるという基本的な予想は23日の段階でしており、、太平洋側は雨が降らないのかなと不思議に思っていた。
 日本海側で大雨を降らせ、弱まってしまうと予見していたのかもしれないが、24日になって、予報を翻していた。

 的中させなければならないと思うが、やはり、未確定要素が多く、状況も変化するので、予報が外れるのは仕方がないかもしれない。
 私は、外れた場合の姿勢や、予報を出す際の覚悟について、不満に思うのである。
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『刑事7人』第3シリーズ 第7話「臨海に眠る白骨遺体!?人気女優の裏の顔と謎の男…!!」

2017-08-25 11:39:58 | ドラマ・映画
『警視庁いきもの係』または『遺留捜査』について書くつもりでしたが、『刑事7人』第7話があまりに残念な出来だったので、こちらを先に書くことにしました。(第6話までは こちら

理解困難な要素が4つあり、どれも甲乙つけがたい……どれから書こうか迷ったが……

Ⅰ.制作サイド(脚本家)の狡い手口
ウィキペディアでのサブタイトルは「因縁」で、サブのサブタイトル?(ラテ欄)は「臨海に眠る白骨遺体!?人気女優の裏の顔と謎の男…!!」となっているが、テレビ番組情報サイトや新聞テレビ欄「生き返った白骨死体!?罪を犯しても隠したい“女優の黒いヒミツ"」というサブタイトルで紹介されているモノが多かったようだ。
 被害者・弘美(菅井玲)を殴打して殺害した(と思った)犯人・笹本(比留間由哲)が土中に埋めたのだが、「埋められた後、息を吹き返し、脱出しようともがいた跡が爪の間の土から見て取れる」と監察医・堂本(北大路欣也)が得意気に?述べていた。
 このことが、犯人追及の証拠や手がかり、あるいは、犯人を糾弾する際に語られることもなかった。
 つまり、“生き返った白骨死体”と興味を引く言葉をラテ欄に掲示して視聴率をアップさせようとした、制作サイド(脚本家)の狡い手口だったのである。

Ⅱ.理解困難な笹本の行動
①弘美を殺害した動機が不明(描写されず)
②行方不明扱いの弘美の捜索を自らが手伝った
③女優・泉千穂(青山倫子)を彼女の父親の件で強請ったが、その際、「弘美を殺したのは自分」と明かす

 ①については、“かわいさ余って憎さ100倍”と言う心理が働いたのかもしれない
 ②については、弘美の母親の苦しむさまを心の中で嘲笑いたかった
と、想像できないこともない。
 しかし、③については、わざわざ、強請る相手にアドバンテージを与える情報を与える必要は全くない。それに、親友を殺されたという憎しみが強請りの妨げになる……理解困難だ

Ⅲ.意味不明なオーデション
 冒頭を初め、数回、千穂の父親(北見敏之)の独白が語られたが、オーデションの1シーンらしい。自己紹介なのだろうか。演技披露ではないと思う。千穂が父親に質問した際、監督らしき人の言葉を遮ったが、その言葉が「では演技を…」だったように思う。
 まあ、それはいいとして、オーデション自体が異様。他の受験者いないし、父親が重要な役をする経験も技能も認知度もなさそう。
 父親に心情を語らせ、それを聞く千穂の様子を視聴者に見せることで、“いい話”を演出しただけのように思える
 父親の真意も理解困難。千穂の足を引っ張りそうな存在なのに、わざわざ、公の場で接近しなくてもいいと思うのだが…

Ⅳ.一番可哀想な弘美と母親が置き去りのストーリー
 主役を射止め喜びの絶頂にいた弘美だが、突然、笹本に殺害され、人生を強制終了させられてしまった。
 7年前に突然、娘が行方不明(女優の夢に破れ、自 殺したと考えられた)。さらに、土の中から白骨死体で発見され、殺害されていたと判明。

 そんなとてつもなく不幸な親子だったが、ドラマ途中から放置されたまま終了。

 “千穂を疑わせる”ストーリーで、千穂の心情の描写は抑えたのは仕方がないが、笹本から弘美の殺害を知らされた時、親友を殺された怒りが感じられなかった。
 意味不明な父親のオーデションで、千穂父娘の人情話を盛り上げるより、弘美母娘の悲しさとその無念さを晴らす“刑事7人”であるべきだろう(7人いないけれど)



第3話で≪ん?≫と引っ掛かりを感じた吉本昌弘氏だったが、今回で“要注意脚本家”に認定!“警戒脚本家”にしたいくらいの出来だった


【ストーリー】番組サイトより
 大地主・馬久根恒義(山本學)が強大な力を持つ臨海エリアでは、マンション投資会社が“新たな勢力”として台頭。その会社が所有する空き地で、女性の白骨死体が見つかった。当初、被害者は頭頂部を殴打されて即死したとみられていたが、法医学教室教授・堂本俊太郎(北大路欣也)の見立ては違った。なんと、被害者は土に埋められた後、一度蘇生していたというのだ! 天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部準備室」の面々はさっそく捜査を開始。公開捜査用に遺留品の写真を撮った水田環(倉科カナ)は、服装にそぐわない“子供っぽいペンダント”に違和感を覚える。

 まもなく、被害者はすでに死亡扱いとなっている富樫弘美(菅井玲)だと判明する。弘美は7年前に失踪。富士の樹海近くに遺書が残されていたが、遺体はとうとう見つからず、この春に失踪宣告がなされていた…。天樹はすぐさま弘美の実家を訪問。弘美は女優を目指し、オーディションを受け続けていたが、ついに夢は叶わなかったことを知る。しかしその直後、当時の交際相手・笹本豊(比留間由哲)から矛盾する証言が飛び出す。天樹らは笹本が怪しいとにらみ、捜査を続けるが、“予想外の事態”が発生し…!

 そんな折、女優・泉千穂(青山倫子)が所属する芸能プロダクションに、笹本が電話をかけていたことが発覚する。なんと、千穂と弘美の間には“浅からぬ接点”があった! 天樹は聞き込み対象を広げ、捜査を続行。どういうわけか、川添雄二(北見敏之)という工場勤務の男性にただならぬ興味を示し…!?

脚本:吉本昌弘
監督:長谷川康
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憤りを感じる敗局 2017王位戦第4局

2017-08-23 22:31:07 | 将棋
 表題は言い過ぎかもしれないが、もし、現地に応援に行っていたらと怒りを感じるのではないだろうか。……惨敗。


 図は第1日の指了図。
 先手玉は異形で桂馬で銀取りが掛かっているが、陣形全体の防衛力があり、寄りつくのは難しい。
 対する後手玉は美濃囲いで安泰に見えるが、馬を作られ飛車が取られる寸前。
 羽生王位も1時間8分考えて手を封じた。局面を進めず、一晩掛けて打開策を練るのかもしれない。私も考えたが、光明が見えない。暗い気持ちで床に就いた。

 2日目、何とか先手陣に食いつき、飛車も逃げて、突破口を見出そうとするが、先手・菅井七段の端からの攻めが厳しく、見せ場もなく投了に追い込まれてしまった。
 一日目の開戦の周辺、2日目の土俵の割り方からは、羽生王位の構想力、柔軟性、視野の広さ、読みの深さが全く感じられなかった。
 王位戦第3局やA級順位戦対広瀬戦、対久保戦では精密と呼べる強さを感じたが、最近は不出来な将棋も増えてきた。タイトル戦でも“惨敗”が見られるようになったが、本局はその惨敗の中でも最底辺にあるように思える。


 
 それにしても不可解な開戦だった。

 △4五歩と突けば、▲3三角成△同桂に▲8八角と反撃を受けるのは目に見えている。
 それに対し、平凡に△2三飛▲4五桂△同桂と進め、▲4五同歩に香取りを受ける△2一飛と後手を引き、▲3三角成と馬を作られてみると、後手の飛車が息苦しいことこの上ない。
 仕掛けたからには△4五銀と銀を進出させるが、先手陣への響きは小さく、普通に打つ▲4四桂が痛すぎる。
 △6五桂と勝負を挑むが、金を取らずに▲3二桂成(第3図・第1日指了図)が好手で、辛い長考を強いられることになってしまった。


 いったい、△4五歩の開戦にどういった成算を持っていたのだろうか?
 局後、「待つ手もあまり……」と羽生王位が漏らしていたようだが、待つ手はあったし、先手は後手以上に指し方が難しかったように思う。
 それに、第2図以降の待つ展開が不満なら、その前の第1図で△6五銀と揺さぶりを掛けるなどの動きを見せるべきだった。

『「△6五銀▲7七金△4五歩▲6六歩△5四銀▲6七金△6四歩でどうでしょうか。後手は4五の位が安定するのが大きいです」(A奨励会三段)
後手は△6五歩からの開戦を狙う順だ。先手は▲4六歩から駒組みを進めたいが、4五の位がそれを許さない。』
【棋譜中継の解説より引用】


 
以下は気になった局面

 「図で△3一金で互角」と巷のソフト使いたちが騒いでいた(もしかしたら、別の局面だったかもしれませんが)
この△3一金は≪何とかと金攻めを堪え飛車を捌き、その折衝で手に入れた桂を攻めに使おう≫という意図らしい。どなたか、この手の成否を教えてください。

『△3一金があった。以下、(A)▲3一同成桂なら△同飛▲2二馬△5一飛▲3二馬に△5四角で先手も大変。(B)▲7七桂は△3二金▲同馬△5四角▲3三馬△3六角▲4七銀△5四角。
羽生「訳がわからないですよね。あまりいい感じではありませんが、このほうが粘りがありましたか」』
【棋譜中継解説より引用】



 王手で▲6六馬と引きたくなるが、▲7七馬と引いた。
 後手の7八の銀を攻め、△6九銀打を強要し、以下▲同飛△同銀不成▲同玉と銀2枚を手に入れ、戦力を増強。強いなあ。


 華麗な桂跳ね。「これで受けがありません」と今泉四段。△同玉なら▲8二銀で寄り。
 菅井七段もほぼ終了と思っていたようだが、実際にはまだまだ難しいところがあったようだ。
 羽生王位は△8二金と受けたが、△9二玉と引く勝負手があったようだ。

『羽生「ええーっ、世の中にそんな手が……」
以下、▲8二銀△7二金(変化図1)▲9三歩△同桂に(1)▲7一銀成△同金▲4三歩△6二竜▲4一飛△8五桂(変化図2)まで並ぶと、「だんだん怪しくなってきたね」と立会人の森けい九段。続けて▲6六馬△9三歩▲7七桂打△同桂不成▲同桂△8四香(変化図3)でハッキリしない。
羽生「そうですね。これは結構粘りがいがある。もちろん、いいとは言いませんが。そうか、駒を使ってはダメなのか」
また、菅井は(2)▲9三同銀成の変化も分からないという。後手玉は王手で追われても、下に逃げれば自陣の竜と飛車が守りによく利く。』
【棋譜中継解説より引用】



 実戦の△8二金も菅井七段は軽視していたという感想があり、▲9四桂は決め手には至っていなかったようだ(直前の▲5九金では▲5八玉が良かったらしい)。
 ▲9四桂(第6図)以下、△8二金▲8五桂△9二玉▲9三歩△同桂▲同桂成△同金▲8二銀△9四玉▲7一銀成と進んだ第7図。


『△5一竜が有力。以下、(1)▲9五歩は△8四金で後続が難しい。羽生は(2)▲8一飛を気にして本譜を選ぶも、△9三角▲8五桂(変化図4)△7一竜(以下、▲9三桂不成は△8一竜▲同桂成△同玉(変化図5)でサッパリする)で大変だった。(3)▲8六桂△7一竜▲9四桂△9三銀の進行も後手が粘り強い。
羽生「そうか、なるほど。結構、耐久力があるのですね」
菅井「嫌ですよ」
△5一竜ならば難解な勝負が続く。』
【棋譜中継解説より引用】


 変化図4の▲8五桂に△同金だと▲9四銀で受けなし。△7一龍に▲9三桂成だと△8一玉と飛車を取られてしまうなど、面白い変化が多い。


 控室や感想戦での研究が正しいとは言い切れないが、本局の羽生王位は精彩を欠き過ぎていた。
 感想戦で指摘を受けて、感心や驚きの言葉が多かったのが悲しい。

 ≪菅井七段とは波長が合わないのかもしれない≫と考えるのは、言い訳がましいが……

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『刑事7人』第3シリーズ (第1話~第6話)

2017-08-21 21:38:23 | ドラマ・映画
北陸地方は、気象庁が認める梅雨明けは遅かったのですが、早い時期から暑さが続き、仕事が忙しかったのと重なって、夏バテ気味でした。
その上、世界陸上があり、ブログ記事が書けず、ドラマ記事ネタが、手のつけようがないほど溜まりに溜まっています。
なので、今クールのドラマについては、“なおざり状態”(放置)にしておこうかと思いましたが、コンクールの刑事ドラマの出来があまりにも残念な出来なので、精神衛生上よくないので、“おざなり”的に書くことにしました。


『刑事7人』
 他のブロガーさんも突っ込まれているかと思うが、「7人いないじゃん!」
 堂本(北大路欣也)は監察医で完全に刑事ではないし、片桐室長(吉田鋼太郎)も刑事と呼んでいいのだろうか?さらに、山下(片岡愛之助)も微妙な存在。その上、山下は第2話で敵に拉致され、その後、所在不明。(所在不明どころか、生命も危ぶまれる拉致状況。なのに、その後、ずっと放置……)
 主人公・天樹(東山紀之)にしても、機動捜査隊にも所属しているという訳の分からない都合の良い設定。

 “刑事7人”というドラマタイトルだが、完全に失敗しているよね。“7人”に拘りたいなら、『刑事7人以内』または『刑事7人は居ない』にすればよい。
 

第1話「開戦」 スペシャリストが東京臨海に再結集!!史上最強の敵…決戦開幕!! 脚本:真野勝成 監督:及川拓郎
 “要注意脚本家”に昇格した 真野勝成氏の脚本であったが、それほど不満を感じなかったように思う。
 悲しい過去を持つ元刑事・桜田にドラッグ売人4人を殺害させるというのは、少しご都合主義のような気がする。


第2話「最愛」 大臣邸立て籠り事件発生!!72時間以内に死刑囚69人を釈放せよ!! 脚本:真野勝成 監督:及川拓郎
 法務大臣邸に立てこもった犯人たちの正体や目的を解明するまでは面白かった。
 しかし、立て籠もり犯の要求の「3年前の冤罪事件の解明」に応える手段があまりにも反則技。黒幕の馬久根(山本學)の声を合成し、真犯人の自供をねつ造というのは違法捜査であるし、ドラマとしてもNGである
 そう思っていたら、馬久根の力により、再審請求の前に死刑が執行されてしまった。立て籠もり犯たちの決死の行動が水泡……後味悪い……
 その上、“山下拉致については放置せよ”という室長の訳の分からない命令。

 SAT(SITかも)突入のタイムリミットが迫る中、3年前の事件の真相解明という難題なので、違法捜査は止むを得ないかもしれないが、余りにも反則!真野脚本の真骨頂発揮?!


第3話「慈愛」 消えた拳銃殺人吸血鬼は失踪した警察官!?  脚本:吉本昌弘 監督:兼崎涼介
 犯人は、いじめを受け、命を絶ってしまった息子の母親(紺野まひる)で、いじめの関係者たちに復讐をしていた。

 共犯が、その時の担当刑事(梨本謙次郎)だったが、普通、そこまで協力しないだろう
 吸血鬼を装ったのは、吸血鬼騒動で輸血不足を誘発し、現在、重篤な病気のいじめ首謀者を病院から移送させ、それに乗じて殺害を実行するというものだった。
 一見、繋がりのない吸血鬼事件の被害者たち。それを主人公たちが解明していくという筋書きで、一番恨みに感じるいじめ首謀者が殺害のラストターゲットになるというのは、ドラマ上仕方がない。しかし、復讐の観点からすると、犯行失敗、あるいは、犯行の露見の危険性を考えると、いじめ首謀者を第一殺害目標にすべきであろう。輸血不足を誘発しなくとも、殺害は可能だろう。
 ストーリー的にかなりの無理を感じた回だった。



第4話「死味」 遺体を見て笑う男の正体!?V字の傷痕の謎!!  脚本:徳永富彦 監督:兼崎涼介
 シリアルキラー・吉原を演じた尾美としのりの演技にすべて持って行かれた感がある。
 吉原の善人振りに天樹を始め第11方面本部準備室のメンバーが騙されかけた。沙村(髙嶋政宏)などは、「俺たちを騙せるとは思うなよ」と言うような言葉を吉原に浴びせていたが、≪お前は騙されていただろう!≫と多くの視聴者が突っ込んでいたに違いない。
 高校時代に何となく殺人を犯し、殺人の興奮・昂揚感を得るため平凡な人間を装い、計画的に快楽殺人を繰り返す。その心情を語る際の異様さは、さすが尾美としのり!
 釘(釘ではなかったかも)を踏み抜き、痛がる哀れさも見事であった。




第5話「追想」 二度死んだ男の謎!?臨海に潜む老夫婦の秘密!!  脚本:和佐野健一 監督:森本浩史
 12年前に自 殺したのは稲留純一ではなく、節子(草村礼子)の夫だった。
 稲留はその夫に成りすましていて、今回は節子の生活を守るため、最大手デベロッパー企業の都市開発部部長・福田(石橋保)に殺害されたように見せかけ、自ら命を絶ったのだった。

 節子の夫は、わざわざ隣の工場で首を吊らなくてもいいのではないか?迷惑此の上ないぞ!
 節子の目が回復していたというのは余計な設定なのでは?
 稲留がアパートを借りる必要はあったのだろうか?



第6話「家路」 シリーズ最大の謎…12年前の妻子死の衝撃真相!!これは復讐なのか?  脚本:真野勝成 監督:及川拓郎
 引っ張ってきた「12年前の妻子の崩落事故死」だが、第6話と意外に早く、その真相が明かされた。
 犯人は、適切な表現ではないが“只のシリアルキラー”。芽が出ず馬久根に飼われているだけのチェロリスト・楠城誠也(唐橋 充)で、馬久根の部下に殺害の後始末(天樹の妻子の殺害)もしてもらうという情けなさ。その情けなさに嫌気がさし、天樹を挑発して自分を殺させ終止符を打とうとした。

 天樹が楠城の挑発に乗って、彼を殺害してしまうかが、今回の大きな見所であったが、挑発に乗ったかに見せかけて、一転、今度は逆に楠城を挑発し、パンチを出させる。天樹はそれを頭突きで受け、楠城の拳を粉砕。正当防衛成立!(殴られただけ)
 なかなか面白い応酬だったが、天樹が警察手帳や辞表を置いていくフェイクは要らない。天樹が怒りで自分を見失うのではないかというハラハラ感を出したかったのだろうが(ついでにメンバーを動かす)、上記の天樹の冷静さと矛盾する行動である。
 楠城を「なわしろ」と読むのは知らなかった。
 天樹の妻・清も「さやか」とは読みにくいなあ。普通、「きよし」と読むよね。
 その清のお腹の中の子の父親は一体誰だったのか?

 飛び道具(放射式スタンガン?)を使って強ぶっていたロク(川口力哉)、卑怯者!


「準備室 対 馬久根」はあまり面白くないなあ……
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プロの矜持 その3「続・気象予報」

2017-08-19 21:42:11 | 気象
『プロの矜持 その1「気象予報」』の続きです (関連記事『プロの矜持 その2「小林裕士七段 ~順位戦C級1組・対堀口七段戦」』


 8月14日のNHK福井の情報番組の気象コーナーで示された週間予報である。
 この予報について、担当の二村気象予報士は
「17日以降、くもりマークが続いていますが、これは決して手抜きではなく、悩んだ結果と思われます(番組の二村予報士が出したものではなく、気象庁が発表した予報らしい)。太平洋高気圧が勢力を強める兆候も見られるため、予報が良くなる可能性もあり、逆に弱まる可能性もあり、悪くなる可能性もあります。BやCは予報の信頼度を表していて、A→B→Cと予報の確実性が低くなることを示しています」
“信頼度”というもっともらしい用語を用いて説明していましたが、女性キャスターに「結局、どうなるかわからないってことですよね」と突っ込まれていた。

 それに、14日に出した週間予報の16日は雨マークであったが、実際は曇りのち晴れ(午後の日照時間は4時間)で降水量は0ミリだった。17日以降どころか、16日の天気でさえ、既に外している。
 さらに、17日、18日も降水量は2~3ミリ記録してはいるが、日照時間は6時間、5時間で「晴れ」と言ってもいい天気だった。


 しかも、14日からの週間予報を列挙してみると、予報がぐらついているのが分かる。
(14日発表だけ画面が少し違うのは、二村氏が解説するため信頼度を加えるなど、バージョンアップしたため)





 予報が微妙に変更されているが、14日の週間予報の範囲の15日~21日は、基本的には雨か曇りの天気と予報している

 実際の天気の状況は
15日(火) 降水量…1mm  日照時間…0時間
16日(水) 降水量…0mm  日照時間…3.6時間
17日(木) 降水量…1mm  日照時間…5.9時間
18日(金) 降水量…3.5mm 日照時間…4.8時間
19日(土) 降水量…1.5mm 日照時間…6.4時間

 と、15日を除いては、どちらかというと晴れ主体の天気になっている(16日を除いて降水を記録しているので、はっきり“外れ”とは言えないが)
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プロの矜持 その2「小林裕士七段 ~順位戦C級1組・対堀口七段戦」

2017-08-16 17:24:17 | 将棋
(関連記事『プロの矜持 その1「気象予報士」』

……堀口一史座七段……
 研究派であるが、その研究を実戦中の考慮で検証し、テーマを持って対局に臨んでいた印象がある。そのため、長考が多かった記憶がある。
 2005年9月2日の順位戦B級1組青野照市との対局で、56手目の一手に、昼食休憩を挟む5時間24分の記録的な大長考をしている。堀口七段は研究で負けになると結論していた局面に陥り、負けの結論を逃れるべく、大長考をしたが、結局、起死回生の手を見つけられず、研究通りに進め、敗れている。
 2013年ごろに体調を崩し、ほぼ一年間休場。その後は低迷している。通算成績は395勝338敗(0.539)、今年度は1勝5敗(0.167)。

……小林裕士七段……
 形に囚われず、切り込む読みで乱戦を指しこなす印象がある。通算成績は433勝298敗(0.592)で、かなりの高率。並の棋士はもちろん、時には、強豪棋士もぶっとばしてしまう棋力の持ち主。第26期竜王戦では木村一基(1回戦)、畠山鎮(2回戦)、松尾歩(準決勝)、豊島将之(決勝)を破り、ランキング戦2組優勝し、本戦出場。1組昇級した(現在は3組に在籍)。
 今年度は5勝3敗(0.625)。

 堀口七段も力戦を厭わないタイプなので、本局は激しい将棋となった。

 後手の小林七段が8筋に戦力を集中し突破を計ったのに対し、先手の堀口七段が▲2五飛と後手の攻めの主力である銀を攻める。
 第1図以下、△8六歩▲7五飛△8七歩成▲同銀△同角成▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲8五歩(第2図)と、激しくやり合う。


 以下△7七馬▲同桂△8二飛と、一段落したかと思えたが、先手「角」対後手「金+歩2枚」、先手の歩切れに対し後手は歩を4枚保持と、やや分が悪い先手が▲8三銀と拳を振り下ろしたのが第3図。


 △8三同飛には▲7二角が厳しい。(1)△7二同金は▲同飛成が王手飛車取り。(2)△7三飛は▲同飛成△同桂▲6一角成で先手がよさそう。(3)△5二飛にはどうするか。(棋譜中継の解説を引用)
 まず、表記的に厳密に言うと、(1)△7二同金と(2)△7三飛は▲7二角に対する応手で、(3)△5二飛は▲8三銀に対する応手なので、正確な描写ではない。
 強引な▲8三銀を相手にしない△5二飛を主として考えたいところだが、小林七段は強く△8三同飛と応じる。
 以下、▲7二角△7三飛▲同飛成△同桂▲6一角成(第4図)と進む。


 しかし、この応酬は後手が損をしたと見る。
 後手は飛車交換に持ち込んだという利があるが、金銀交換のやや駒損の上、守備の一翼を担っていた後手の6一金の代わりに先手の強力な攻め駒の馬が占めているのが大きいマイナス(▲6一角成は▲5一角△3一玉▲4二金△同金▲同角成△同玉▲5二飛△3三玉▲5一馬以下の詰めろ)。

 5二に飛車が退くのが気に入らないのなら、▲8三銀に対しては△6四金とする手はなかったのか?
 ▲7六飛と逃げては△7五歩で悪いので▲8二銀成だが、△7五金と飛車を取り返しておけば、飛車交換は互角以上で、6一の金は健在、7五の金は先手玉への圧力になっている(次に△7六歩と打つ手が厳しい)。

 それはさておき、第4図以下△8八飛▲7八金△8九飛成▲7九金△9九龍▲7二飛(▲7一飛の方が良いような気がする)△3一玉と進み、▲4一角(第5図)が飛び出す!


 この角はタダであるが、取ると▲5二馬△3一玉▲7一飛成で詰まされてしまう。
 小林七段は、△9八龍▲5九玉を決めた後、△4二香(第6図)と受けたが…


 以下、▲5二馬△3三銀▲7一飛成で、後手小林七段が投了。


 この局面で小林が投了した。投了以下、▲3二角成△同玉▲3一金△2二玉▲2一金以下の詰めろが受けづらい。△1四歩には、▲3二角成△同玉▲4一馬がある。(中継解説より引用)

 華々しい乱戦、最後に小林七段の大技▲4一角が炸裂し、終局となった。


 しかし、第6図の△4二香では△4二金打と受ける手はなかったのか?
 棋譜中継解説でも、「△4二金打と受けるとどうするか。▲6三角成は△3三銀とされると寄らなくなってしまう。▲5一馬△3三銀▲4二馬△同銀の変化は、難しい」とある。
 △4二金打と受けていたら、おそらく熱戦が続いていただろう(一旦、△9八龍▲5九玉を決めて△4二金打もありそう)。


 さて、ここからが本題。

 後手の小林七段は、第1図の▲2五飛に対する△8六歩に昼食中継を挟んで48分考えて、通計消費時間は1時間17分となった。
 しかし、この後、投了時の通計消費時間は1時間34分。つまり、△8六歩の後は17分しか消費していない。
 早指し派の小林七段が△8六歩を指す時に48分考えているので、かなり先を読み込んでいたのかもしれない。
 ▲8三銀(第3図)に対しての△同飛(4分の考慮)も、指せると見通しを立てての指し手なのだろう。

 しかし、▲4一角(2分)に対する△9八龍(4分)▲5九玉(7分)△4二香(1分未満)▲5二馬(4分)△3三銀(1分)▲7一飛成(1分未満)に、投了(1分未満)。
 急転直下で敗勢となった△9八龍~△4二香はわずか5分未満の考慮である。
 プロの矜持があるとは、到底思えない!


 
 第1図の直後の△8六歩に対する▲7五飛に、堀口七段は2時間25分の大長考!
 また、第4図の直後の△8八飛に対する▲7八金(金を使うことで後手の詰めろがほどける)に1時間12分の熟慮しているが、その他はさしたる長考はない。相手の考慮中に考える早指し派は多いが、本局の場合は違うように思える。(堀口七段の2回の長考に嫌気がさしてしまったのだろうか?)
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