英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ウインターカップ2017 [女子決勝]大阪桐蔭×安城学園

2017-12-31 21:10:15 | スポーツ
ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会(長い大会名だなあ)の女子決勝は、大阪桐蔭(大阪府)×安城学園(愛知県)は、二度のオーバータイムにもつれ込む大熱戦となった。


 本当は、もう少し早く書きたかったのですが、忙しくて今となりました。
 大熱戦で書きたいことは多々あるのですが、すべて書くと収束できそうにありません。簡単感想ということでご了解ください。



【大会状況】
 年間3冠を目指した岐阜女子は準々決勝で安城学園に79-105で敗れ、大会連覇を狙った桜花学園も準決勝で大阪桐蔭に54-79で敗れ姿を消した。
 決勝進出の大阪桐蔭、安城学園は初の決勝進出とは言え、桜花、岐阜女子を破っての文句なしの決勝進出。大阪桐蔭は大阪薫英女学院、安城学園は桜花学園という強豪校に全国進出を阻まれていた。(ウインターカップに出場することができるのは50校。各都道府県の代表校47校に、夏のインターハイ優勝校・準優勝校の2校、加えて開催地(東京)にはさらに1校分の出場枠が与えられるため、合計で50校。今年はインターハイ優勝・岐阜女子の岐阜県と、準優勝の桜花学園の愛知県は2校参加)


【試合経過】
 序盤、大阪桐蔭が3Pシュートを決めるなどゲームをリードした。これに対し、安城学園はダブルチームを仕掛け、大阪桐蔭のエース竹原レイラを封じ込め、徐々にペースをつかみ、38-30と8点リードで前半を終えた。
 後半もこの流れが継続し、3ピリオド2分30秒経過時点で44-30と14点差までリードを拡大。
 しかし、大阪桐蔭も立て直し、ディフェンスのプレッシャーを強め、安城学園に楽にプレーをさせず、55-45の10点差で踏み止まり、第3ピリオドを終えた。


 第4ピリオド、大阪桐蔭は、リバウンドなどボールへの執着が強く、粘り強いプレーを積み重ねる。安城学園ディフェンスのチェックも甘くなったことにより、ノープレッシャーで3Pシュートを決めることができ、第4ピリオド2分足らずで57-53と4点差に詰め寄る。
 さらに、3分27秒(残り6分33秒)、3Pシュートで1点差に(57-56)。
 この後、安城学園も立て直し点差を6点に戻す(5分11秒)が、大阪桐蔭もリバウンドを拾ってのしぶとく得点、一進一退の攻防が続く。

 残り1分22秒、大阪桐蔭が3Pシュートを決め、66-66とついに追いつく。

 この後、互いにターンオーバーを犯し、同点のまま残り50秒。安城学園のオフェンスは上手く機能せず、24秒バイオレーションで攻撃権は大阪桐蔭に。
 残り27.5秒、大阪桐蔭は24秒目一杯使って得点を取れば、勝利に近づくことができる。また、リバウンドを捕り、セカンド攻撃が出来るというシチュエーションも大いにありそう。俄然、大阪桐蔭が有利に。
 大阪桐蔭のスローインでゲーム再開。安城ディフェンスはボールマンへのプレッシャーを掛けず、時間を経過させる。大阪桐蔭は時間を使いながらチャンスをうかがい、竹原へパス。竹原はディフェンスが自分に集約したの見て、外へパスを出す。大阪桐蔭は安城のでフェンダーが竹原に集まったのを逃さずパスを回し、残り7秒(シュートカウントは残り4秒)でノーマークで3Pシュートを放つ。シュートはリングで弾かれたが、このリバウンドは大阪桐蔭が保持。さらに、残り2秒で再度3Pシュート!……これも弾かれ、タイムオーバー。オーバタイムに突入。

 流れは完全に大阪桐蔭。オーバータイムも5-0とリード。このまま、大阪桐蔭の勝利かと思われたが、安城学園も3Pシュートを2本決め、逆に1点リード(72-71)。
 残り1分4秒、大阪桐蔭のオフェンスを凌いで74-73の1点リードで安城学園のオフェンス。今度は安城学園、絶対有利の状況。
 しかし、このオフェンスが24秒バイオレーションのターンオーバー。残り38.3秒で1点ビハインドの大阪桐蔭のオフェンスという痺れる状況に。
 残り29秒、竹原がフリースローエリアのサイド、やや外側からショートレンジのジャンプシュート。しかし、これが外れる。
 これを大阪桐蔭・永井が跳び込んで、ヘルドボールに。ジャンプボールシチュエーションは大阪桐蔭で、再び、大阪桐蔭のオフェンス(残り25秒)。
 大阪桐蔭、ドリブルでゴール下に切り込んで、45度でほぼフリーで待っていたキャプテン永田にパス。永田が3Pシュートを決め、安城学園74-76大阪桐蔭、大阪桐蔭2点リード。
 残り15.3秒。この試合のチームのリーダーといって良い2年生野口にボールを託す。野口はドリブルしながらシュートチャンスを探すが、ダブルチームを仕掛けられ苦し紛れのパス。これを大阪桐蔭が保持しかけるがこぼれ、再びボールは野口に(残り5秒)。ほぼノーマークでゴール下付近にいた深津を見つけ、パス。深津がシュートを決め、同点。残り2秒。ダブルオーバータイムに突入!

 こうなると、もう気力、執念の勝負かもしれない。
 ダブルオーバータイムは安城学園が4点リード………生中継は有難かったが、もつれにもつれたため、皮肉にも、ここで中継終了……


【以下は、『Yahooニュース』を引用します】
 2度目の延長、安城学園は相澤らが得点する中、残り約2分38秒で竹原が5ファウルとなり退場。しかし、大阪桐蔭の鈴木が8本目の3ポイントシュートを決め、ドライブでも得点して逆転に成功する。ところがその直後に相澤が再び得点し、安城学園が残り約1分20秒で84-83。すると残り50.9秒、鈴木のドライブで千葉をファウルアウトに持ち込み、フリースローを1本決めて84-84の同点となった。直後のオフェンスで痛恨のターンオーバーを犯してしまった安城学園に対し、大阪桐蔭は残り6.7秒に鈴木からのパスを受けた小林明生のリング下が決定打となり、最終スコア86-84で大阪桐蔭が初優勝を決めた。

■女子決勝戦試合結果
安城学園高校(愛知県) 84-86 大阪桐蔭高校(大阪府)





【感想】
 第3ピリオド半ばまでの流れからすると、安城学園が勝つ試合だったように思えるが、ゲームの内容としては大阪桐蔭が勝つべき試合だった。とにかく、ボールへの執着やプレーの集中や運動量で安城学園を上回っていた。

 安城学園は大阪桐蔭のエース竹原をダブルチームで封じ、ターンオーバーを誘い、ゲームをリードした。また、大阪桐蔭の厳しいディフェンスをうまくかわして得点を重ねたのは見事であった。
 しかし、第3ピリオド辺りから、動きが鈍くなり、第4ピリオドでは足が止まってしまった。そのせいで、ゲーム終盤で3ポイントシュートをフリーで打たせてしまったことと、相手にオフェンスリバウンドを奪われ、セカンドチャンスを与えてしまったこと痛かった。
 しかし、ゲーム全体を通じて、オフェンスが消極的だったのが、真の敗因だったように思う。野口以外のプレーヤーは、ボールを持つとゴールに向かう意思が希薄で、パスをすることしか考えていないように思えた。ディフェンスとしては、シュートやドライブの可能性が低いので、パスだけに注意すればよく、ディフェンスヘルプによるヘルプディフェンスでヘルドボールに持ち込んだり、ボールを奪うシーンが多かった。
 それでも、2度のオーバータイムに持ち込んだ執念は素晴らしかった。

 大阪桐蔭は、エース竹原が押さえ込まれて主導権を奪われ、さらに、その竹原がファールトラブルでベンチに下げざるを得なくなってしまったが、焦ることなく、プレーに集中した。竹原を欠いたことで、より積極的になったようだ。
 また、竹原抜きのオフェンスになったことで、パス回しが早くなり、足の止まった安城学園ディフェンスを置き去りにすることができた。

 稀に観る好勝負だった。



(ちなみに、「J SPORTS1」 「J SPORTS2」「J SPORTS3」で決勝戦他が再放送(無料)されるようです。女子決勝は1月3日午後7時15分から「J SPORTS3」にて)
コメント (3)
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