プルート、って冥王星のことだそうです。
冥界の王が住む星。冷たい氷の世界。「旅の最後は、プルートで朝食をとろう」って、結局どういう意味かよくわかりませんが、なんだか胸がキュンとしますね。
捨て子のキトゥンが実母を探してアイルランドからロンドンに旅する物語ですが、キトゥンのこの青い瞳と、細くて切ない声が、なんとも捨て置けない気持ちにさせますね。
アイルランド紛争のさなかにあって、柳のようにしなやかでめげないキトゥン。
爆弾犯人に間違えられて、拘束され暴力を受けるけど、結局刑事たちも彼をいとおしく思ってしまう。
基本的に女は、紛争とかを生理的に受け付けないんだろうと思う。だからロンドンで、ストリッパーとして紹介された店の女たちは、彼を差別の目でみたりしない。
そして、たくましく子供を生んだ友人と一緒のキトゥンは、とても幸せそう。個人的にあまり好みではない、リーアム・ニーソン(劇中ではリーアム神父)がめずらしく好演で、ちょっとコミカルな雰囲気がジャストフィット。
もしかしたら、こんな感じが彼の地なのかもしれない・・・彼がロンドンのキトゥンを尋ねてきたときは、ちょっと感動ものでしたね。
展開がとてもスムーズで、駒鳥が、しゃべるシーンのリズム感も最高。
最後はすがすがしい気持ちになりました。
★★★★☆
監督 : ニール・ジョーダン
出演 : キリアン・マーフィー
リーアム・ニーソン スティーヴン・レイ ブライアン・フェリー イアン・ハート