漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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ショウガの効果(主に乾姜)

2009-01-27 | 薬草・生薬
生のショウガの効用に続いて、干したショウガ(乾姜)の効用についてです。

乾姜(かんきょう)は生のショウガよりも温める効果が高くなります。

もしも余ってしまいそうなショウガがあったら、日干しにして保存しましょう。
これを刻んで料理やミルクティーに入れると体が温まります。


乾姜が配合された処方の例をご紹介してみます。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

60代の女性で、
ふだんからむくみやすいタイプ。全体的に皮膚がぷよっとした感じです。
春先はめまいを起こしやすく、夏、汗をかく時期は比較的元気です。
季節ごとに漢方対策を変えますが、
冬、底冷えするようになると、腰のあたりが冷えてたまらなくなります。
苓姜朮甘湯をお湯に溶かして服用すると温まって調子がよくなるそうです。

この処方は、体の水はけを改善しながら、乾姜でしっかり温めるというレシピです。


人参湯(にんじんとう)

名前からイメージすると人参が効いてる、と思いがちですが、
この処方のメインは乾姜です。

50代女性。冷房にあたりすぎたり、冬場の寒さで胃腸が冷えて、
腹痛や腹張を起こすと、すぐに服用していただいています。
エキス細粒を熱いお湯に溶かして服用するとお腹がじわっと温まります。
以前、お年寄りのしゃっくりがなかなか止まらないので何とかしてほしいと
言われ、タイプを伺うと
とても体が冷えているというので、人参湯を温かくして服用していただいたところ
一服で解消し、とても喜ばれたということもありました。

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