漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

子宮内膜症治療について・医療薬学勉強会にて

2009-06-17 | 婦人科・嚢腫・筋腫・更年期
薬剤師を対象とした大学病院医師による講演会で。

子宮内膜症とは、

子宮の内膜が生理時に逆流して卵管からお腹の中に散らばり
卵巣や子宮の外側、子宮の筋層内、腹膜や腸、膀胱などに
くっついて、組織の細胞を巻きこんで増殖し癒着する疾患です。

しかし逆流はだれにでもあるそうで、
ならばどうして内膜症を発症する人とそうでない人がいるのか、
その原因はいまだわかっていないそうです。
ただ内膜症部分には炎症細胞が多くみられるため免疫異常説も言われています。


発生は20代からでそのピークは30代

病院による診断の流れ
問診、内診、血液検査、超音波検査、
腫瘍マーカーCA125(血液検査)の程度によって病巣に広がりの程度がわかり、数値が異常に高ければ、悪性腫瘍も疑う。
MRI、腹くう内検査で確定診断となる。

病院による治療の選択
・生理痛など痛みが強い場合⇒鎮痛剤、ホルモン療法、腹くう鏡下手術
・不妊があり妊娠を望んでいる⇒腹くう鏡下手術
・卵巣チョコレートのう腫⇒手術
  (40代からはのう腫が大きいとガン化率が高い)

ホルモン療法
偽妊娠状態を作って内膜細胞の増殖と剥離の繰り返しを阻止し、患部の縮小をねらうもの。
最近発売された「ディナゲスト」という処方箋薬の特徴
 卵巣機能を抑制して子宮内膜症細胞の増殖抑制
 1年以上続けることができる
 痛みの改善効果がこれまでのものに比べて高い
 ただし、不正出血が多い

漢方の空間ファインエンドー薬局   子宮内膜症の養生と漢方対策