「幸せまねき」ね~・・・
こういう、つまらぬ願望とか、すがる気分(失礼
)のものを
わざわざ読もうとは思わないひねくれ者だけど、
前回の本「犬身」の次ということもあって、かなり犬づいており
(まあ、そもそも犬は嫌いではない)このカバーにくぎ付けになった。

そしてこの本の内容は、犬好き、猫好きにとっては『イチコロ』モノだ。
登場する中山家は40代の夫、30代後半の妻、その子供は思春期のど真ん中
17歳の娘とイジメで苦しむ小学校5年の息子の4人家族。
家族としては実に微妙な時期で、まさにバラバラに崩壊しつつある。
ここに飼われているのは猫のミケとコーギー犬タロウだ。
そして、
家族の危機の中、結局は、家族を心から大切に思うこの2匹によって
救われる、という物語。考えようによってはちょっと皮肉な話でもある。
気持ちが通じ合わない人間たちが、それぞれ悩み、気持ちが孤立していく中、
なぜか、これまで邪険に扱っていたタロウを、心のどこかで慕う感情が
芽生えてくるのが面白い。
ミケから「ばかな犬」とつぶやかれているタロウは、
家族にどんな扱いを受けようとも、いつもいつも尻尾じゃなくてお尻を振って
うれしさをめいっぱい表現して家族にまとわりつく。
そんな健気なタロウの最後の一撃は、まさに熱血漢だった。
タロウの熱い気持ちに、くーっと泣いた。
あれこれ迷わない、肝心なところがブレない、
いつもまっすぐな気持ちの犬猫を通しているからこそ、そんな大事なことに気づかされる。
黒野伸一 1959年神奈川県生まれ
こういう、つまらぬ願望とか、すがる気分(失礼

わざわざ読もうとは思わないひねくれ者だけど、
前回の本「犬身」の次ということもあって、かなり犬づいており
(まあ、そもそも犬は嫌いではない)このカバーにくぎ付けになった。

そしてこの本の内容は、犬好き、猫好きにとっては『イチコロ』モノだ。
登場する中山家は40代の夫、30代後半の妻、その子供は思春期のど真ん中
17歳の娘とイジメで苦しむ小学校5年の息子の4人家族。
家族としては実に微妙な時期で、まさにバラバラに崩壊しつつある。
ここに飼われているのは猫のミケとコーギー犬タロウだ。
そして、
家族の危機の中、結局は、家族を心から大切に思うこの2匹によって
救われる、という物語。考えようによってはちょっと皮肉な話でもある。
気持ちが通じ合わない人間たちが、それぞれ悩み、気持ちが孤立していく中、
なぜか、これまで邪険に扱っていたタロウを、心のどこかで慕う感情が
芽生えてくるのが面白い。
ミケから「ばかな犬」とつぶやかれているタロウは、
家族にどんな扱いを受けようとも、いつもいつも尻尾じゃなくてお尻を振って
うれしさをめいっぱい表現して家族にまとわりつく。
そんな健気なタロウの最後の一撃は、まさに熱血漢だった。
タロウの熱い気持ちに、くーっと泣いた。
あれこれ迷わない、肝心なところがブレない、
いつもまっすぐな気持ちの犬猫を通しているからこそ、そんな大事なことに気づかされる。
黒野伸一 1959年神奈川県生まれ