漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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梨木香歩著「やがて満ちてくる光の」たとえば鳥の強い決意

2019-08-30 | 

これまで書かれた物語にまつわることや、人との出会い、野草や野鳥・・・
過去15年くらいからのエッセイをまとめたもの。

そのなかのひとつ、豊後水道にある小さな水の子島灯台の鳥の話。
地図でみると近そうだが、ひとまたぎという距離ではない。それを嵐の夜に越えようとする鳥がいるそう。それも渡り鳥だけでなく、たとえばカワセミやコジュケイまでも。渡り切る鳥のほうが多いのだろうが、暗闇の中あえなく水の子島の灯台の光に激突して息絶え、朝には落ちた鳥が累々とする。それを集めて剥製にしている資料館があるとのこと。

何の目的があってそんな行動をとるのか。渡らなければという強い決意に圧倒される。

「ときどき、ぜんたいの成り行きにすっかり弱気になると、そういう鳥たちのことを思い出したりしている」と梨木さんの言葉。

鳥に励まされる。