漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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川芎茶調散考:厥陰頭痛・血の道の頭痛

2016-09-29 | 婦人科・嚢腫・筋腫・更年期
頭は陽の経絡が集まるところで(厥陰肝経も頭を通るが)
頭痛の位置によって
太陽頭痛(後首筋からくる頭痛)
陽明頭痛(額など前頭部や目の付け根あたりの頭痛)
少陽頭痛(こめかみあたりの頭痛)
など分類され、頭痛を対策するにあたって、
それぞれの経絡が関連する臓器の養生を考えたり、引経薬を考える、というのだが
多くの場合、一概に頭痛の位置だけの情報では解決されないことのほうが多いように思う



効能に「血の道」というちょっと興味深い言葉が入っている頭痛の漢方
「川芎(キュウ)茶調散(商品名:頂調顆粒など)」について考察してみた

これまでの使用経験では、
冷たい風に当たって発症する締め付けられるような急性頭痛にとてもよく効く
たとえば、お年寄りが外出から帰ってきたら「頭が痛い、カゼひいたかも」
ときたら川芎茶調散を紹介することが多い。
高齢になるとおおむね陽虚で血虚、外気で冷やされるとすぐに血流が悪化して頭痛を発症する

さて、
その風邪(ふうじゃ、外気など)は肝に侵入しやすく
深く入り込むと頭痛は慢性化し反復する、と教科書に書いてある。
肝血を消耗すると、ますます頭痛はとれなくなるのだが、
生理のある女性では、生理のたびに肝血を消耗して頭痛が出ることがあり、
また、風にあたるだけでなく、ストレスによっても肝陽が動かされて頭に昇り
さまざまな場面で頭痛が発症することになる
このよう状態が「血の道」による頭痛と言えるでしょうか。
気血不足の対策も必要でしょう。

参考までに「厥陰頭痛」の位置は頭頂部を中心に全体に広がるが、
慢性化するとどこが痛むかわからなくなる。


ヒメアカタテハ(ツマグロヒョウモンより小振り)とハコベホオズキ 谷津干潟で

陽が当たっている情景は久しぶりです

天気が悪い日が長々と続くせいか、
頭痛には勝湿顆粒や半夏白朮天麻湯を処方することが多いこの頃

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
simosanさんへ (やく)
2016-10-01 10:25:16
急に気温が下がり、カゼの人が多くなりました。
インフルエンザもポツリポツリと発症している気配です。

予防接種も必要でしょうが、なにより、
よく寝てよく食べ日々の疲労を解消し、
適切な運動で肺を鍛えておくことにつきると思います。
返信する
Unknown (simosan)
2016-09-30 18:31:26
今晩は。

これから寒くなると風邪の時期になりますね
たんなる風邪ならいいのですが
インフルエンザは怖いですよね。

今まで予防注射はしませんでしたが
そろそろ考えたほうがいいのしょうね。
返信する

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