青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

マクセル ~AVメーカー物語

2021-08-02 | こんな「モノ」ありました!

昔はメーカーもお客の声に、今より耳を傾けていたような気がします。あるいは、景気が良くて販促費用が余っていただけかも知れません。

マクセルで思い出したことがあります。学生時代ニノミヤムセンでバイトをしている時、いろんなメーカーの営業が、カセットやビデオテープを試して下さいと、新製品をくれました。だからいろんな高級テープを無料で試すことが出来ました。当時ビデオテープは120分ハイグレードが1本2,000円ほどしていましたから、バイト代に加えてそういうものが無料でもらえたのはありがたかった。

この時、商品は良いんだけど、使わなかったメーカーが1つありました。それがマクセルです。

写真では分からないかも知れませんが、このビデオテープのケースは「紙」製でした。ソニーのベータもそうだったけれど、VHSではマクセル以外は既にプラケースだったと思います。

それで、マクセルと他のフジやTDKとの色や鮮やかさ、テープの耐久性やインデックスカードについて、いろいろ対比したレポートをマクセルに送りました。「優れたテープなのに、紙ケースだから売れない!」って。(笑)

すると、ビデオデッキ用のヘッドクリーニングテープを、マクセルは1週間以内に送って来てくれました。「貴重な意見をありがとうございます・・」と。

同じようなレポートを他のメーカーにも送ったら、全メーカーがビデオテープを1~2本お礼に送って来たのには驚きました。

更に驚いたのは、その後1年くらいしてマクセルのケースも紙からプラに変わった時。「以前にご意見をありがとうございました」と、マクセルが新製品のビデオを箱ごと(12本入り)送って来てくれたことです。でも、僕はその時は既に、ビデオテープは「フジ」でライブラリーを揃えていたので、大学の後輩に売って、そのお金でフジを買いました。(笑)

景気の良かった時代というか、オーディオ熱の高かった時代のお話です。今はDVD-Rが2~3千円で何十枚も買える時代で、メーカーも販売促進にお金を掛けることが無くなった気がします。薄利多売というか、いつまでも続くデフレのせいで、メーカーの利益も激減したでしょうが、それ以前にオーディオやビジュアルのマニアが絶滅危惧種となっていると感じます。