墨染めし 三池の月の 旧の春
馬糞 Bafun
かつての炭鉱町はにぎやかだった。
男たちも、その家族も、危険と隣り合わせて働いてい
たから、 祭りはエネルギッシュでにぎやかだった。
三池炭鉱も、そんな町であったろう。
三番方の男たちはキャップランプをつけて夜の地底に
もぐり、朝方、フーッと深い息をして地上に上がってく
るのだ。
墨染めの顔は、いかにも労働者であった。
粗いセメントの大浴場で人心地にもどり、眠りにつく。
「お父さんが寝ているからね。静かにしなさい」
三番方の月は、家族も心配だった。
一日中、男たちのドリルやツルハシが地底で炭を削っ
た。
閉山の町は寂れ、スフィンクスのように風化した立鉱
跡がその生涯を終えてたたずんでいる。
よみがえれ、炭鉱yama の誇りよ
三池の観光資源は、何と言っても炭坑節である。
クロダイヤは特産の歴史的土産である。
それでも足りぬというなら、三池の上に出る月もつけ
てやろうではないか。
日本の高度経済を支えた繁栄であった。
悲惨な事故もあった。
労働争議もあった。
それでもにぎやかに繁栄した時代ではなかったか。
一時代の繁栄を、汗と涙の繁栄を刻んだ都である。
このまま、衰退させたのでは申し訳なかろう。
さあ、また元気を出して、炭坑節の都、有明観光の首
都として、新しい繁栄の時代をつくろうではないか。
大牟田の80歳たちよ、あの世の土産に、もう一花咲か
せましょう。
Bafun
⇒ 炭坑節
http://www5b.biglobe.ne.jp/~pst/nihon-minyou/sound/tankou_k.htm
http://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/furusato/tanko2.htm
※ 炭坑節の始まりは田川の選炭唄と言われている。
田川の正調炭坑節では、『三井炭鉱の上』に月が出る。
旧産炭地は、九州の繁栄を願って炭坑節の盆踊りを盛
大にやってもらいたいものである。
万田鉱アルバム⇒
http://nonta.fc2web.com/miike/titi.htm