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山崎豊子
NOV 1965
新潮文庫
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「「ごもっとも、東教授のおっしゃる通り、厳正なる態度をもって、各候補の質疑を活発に行いたいと思いますよ」鵜飼が慇懃な口調で応えると、それに呼応するように、財前支持派の第二内科の教授であり、付属病院長の則内教授が口火を切った。」
という本を読みました。しばらく別の本を読んだりしていたので、久しぶりに再開です。相変わらずドロドロした人間模様が展開されていて、かなり面白いです。
文中に「慇懃(いんぎん)」という言葉がよく出てきます。辞書を調べてみると「非常に丁寧で礼儀正しいさま」とあります。意味だけだとどうということはありませんが、これが文章で使われると、この上なくいやらしく感じます。こういうところに、作家の才能が表れています。「慇懃」って言葉、使わないよね。
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