米誌タイム(電子版)が5月22、29日号の表紙を公表。岸田首相とともに「日本の選択」として紹介された一文に衝撃が走っている。 記事は4月28日に首相公邸で単独取材されたもので、岸田首相が「世界第3の経済大国を、それに見合う軍事的影響力を持った大国に戻すことに着手した」と指摘している。表紙の写真もいかにも軍備強化に走るような厳しい顔つきの写真となっている。SNS上でも、《日本国民はそんな選択していない》《軍事大国に突っ走っているのは岸田自民党だけ》と批判的な意見も少なくないが、さらにネット上をざわつかせているのが、NATO(北大西洋条約機構)が東京に連絡事務所をつくる方向で調整しているとの報道である。なぜNATOのメンバーでもない日本に連絡事務所が必要なのであろうか?
タイムの記事については、見出しと記事の内容が異なるとして、日本政府が抗議して見出しの文言の修正をさせたというが、本当のところはどうであろうか?見出しは、キャッチコピーであるから、目くじらを立てるほどのことでもない気がするが、政府にとっては痛いところを突かれたのであろう。財源の目途もないのに、防衛費を勝手に2倍にしておいて、ちゃんとした説明もできないのが今の政権である。アメリカの言いなりで、安倍元首相の独断的な軍事強化路線の継承でしかないことは明らかである。あまり役に立たないアメリカ製の武器を購入させられる羽目になっているだけで、岸田さんが信念を持って防衛費を倍増しているわけではないことは、一月万冊の中で、ジャーナリストの佐藤章さんが明快に解説してくれている。佐藤氏の分析はほぼ当っているものと思われる。タイムスはよく核心を突いた記事を書いたものだと評価されるべきであるが、政権にとっては好ましからざる記事になっているのであろう。
ゲンダイDigital(5/11): https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/322801
一月万冊(5/11): https://youtu.be/yc694kExZ3o
一月万冊(5/12): https://youtu.be/EzRKaq42U08