平成25年3月30日
都内の病院へ定期通院した際に、寄り道して上野の国立科学博物館で開催中の「グレートジャーニー人類の旅」展を見学してきました。以前テレビ番組「グレートジャーニー」で放映されたのでご存知の方も多いと思いますが、探検家で医師の関野吉晴氏が南米大陸最南端からアフリカ大陸大地溝帯まで、10年の歳月を掛けて旅行した軌跡を展示したものです。人類は300万年以上前にアフリカ大陸大地溝帯で出現し、長い年月を経て南米大陸最南端まで拡がったそうです。関野さんは石油燃料に依存しない徒歩や自転車、カヌー、動物等の移動手段で、その人類移動の軌跡を逆に辿っていったのです。此処には高地で暮らす南米やネパールの人々、極寒のエスキモー、砂漠のモンゴル人、サバンナのマサイ人等過酷とも思える自然の中で、したたかにつつましく生きる人々の姿が描かれています。それは自然の摂理を無視して様々な問題を産出す現代文明への痛烈な批判メッセージとも受け取れます。私が一番興味を惹かれたのはアフリカ地溝帯に残る人類最古の足跡です。およそ360万年前にアフェール類人の家族がつけたものだそうです。足跡の状況から父親が幼い子の手を引き母親がその後に追いていたのではと推測され、そこには家族を守る為先頭に立つ父親とそれに従う母子の姿が想像され、家族の絆と情愛が偲ばれます。この家族をイメージしたレプリカ像も製作・展示されており大きな見所となっています。これを見ると近代文明を享受する我々現代人の心の進化に?マークを感じてしまいますね。
アフェール類人家族の想像レプリカ像