Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

映画「フライト」を観て、アルコール依存症を考える。

2013年03月11日 | 映画・コンサート

 平成25年3月11日

 アメリカ映画「フライト」を観てきました。操縦不能の旅客機を卓越した技で不時着させ、多くの生命を救った機長の物語です。以前ニューヨークであった「奇跡のハドソン川」と呼ばれる航空機不時着事故を想起させますが、この物語の核心は、事故の後から始まります。奇跡の不時着でヒーローとなった機長ですが、実はアルコール依存症で事故当日も機内で飲酒しており、それが暴露されると重要犯罪の罪に問われ刑務所送りとなるのです。会社組織ぐるみで真実を隠し機長を庇おうとするが、彼は事故後もアルコール依存から脱せず、生活は荒れマスコミの追及に晒されます。事故調査委員会の最後の尋問で、機内に残されたアルコール飲料容器について、事故死した他の乗員のものだと証言すれば彼は無罪放免となるのだが、「それは私が飲んだものだ。」と初めて真実を語り、一転ヒーローから罪人となって刑務所に収監されます。それから1年後、「今私は初めて自由になった。」と彼が語るところで物語は終わります。全てを失い受刑者となって、彼は初めてアルコール依存症のシガラミから逃れる事が出来たのです。

 この映画は、航空事故よりもアルコール依存症の深刻さを描いています。身内の恥を晒すようですが、30年近く前に亡くなった私の父親もアルコール依存症でした。戦争の捕虜体験や貧弱な体躯、小心な心根等がアルコールへの依存度を高めたのだと思います。当然家庭等は顧みず、身内への暴力、無断欠勤等社会人不適格者でした。私が道を誤らなかったのは、単にグレルだけの度胸がなかっただけだと思います。そんな親らしい事は何一つしなかった父ですが、一つだけ身をもって子に教えたのが、不様なアル中人間の姿です。それがトラウマになったのか弟は死ぬまで酒が一滴も飲めず、私も成人するまで酒とは縁がありませんでした。これだけは、亡き父親に感謝すべき事柄なのかも知れませんネ。

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