11月24日(日)
僅かづつだが私の足腰痛も回復の兆しを見せているようです。しかし進捗状況があまりにも緩慢なので、このまま症状が恒常化するのではと懸念する思いもある。そんな私が今読んでいるのは、柳田邦夫氏の「人生の答えの出し方」という本なのだが、ここに紹介される人々の凄烈な生き方に圧倒される。
ALS「筋萎縮性側索硬化症」を発症し全身麻痺の身体ながら、妻と能登半島一周の旅やホームコンサートの企画を実現させ「死ぬことに自信がついたコンサート」と言い残して逝った西尾健弥氏。
ハンセン病の為、隔離疎外されながらも「いのちの初夜」という小説を書きあげ23歳で夭折した小説家、北条民雄氏。
自らも癌に侵されながら終生を「終末期医療システム構築」に力を注ぎ末期患者や阪神大震災被害者の為身を捧げた河野博臣医師。
中でも、自らの癌闘病生活を2002年の臨終まで記録した元毎日新聞記者、佐藤健氏の「生きる者の記録」というドキュメンタリー特集記事は、当時毎日新聞を購読していたから毎回食い入るように読んだ記憶があり、後にも先にもあれほど感動・衝撃を受けた新聞記事はなかったと思う。
脳ミソカラッポで登山やマラソンなど首から下のガテン系趣味しか持ち合わせぬ私にとって身体が不自由という現実は一寸辛いものがあるが、この本に登場する人々の死をも超越した凄まじい生き様を垣間見ると、「私の苦悩など如何ほどの事があろうか。」と心を勇気づけられる。