Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

日本三百名山回顧№22、道央、二ぺソツ山(2百名山)

2017年12月18日 | 三百名山回顧

 平成24年8月24日(金)      天気=曇り時々雨

06:56十六ノ沢登山口→ 08:23~43天狗ノコル→ 09:38幌加温泉コース分岐→ 11:00~11ニペソツ山→ 12:24幌加温泉コース分岐→ 13:10~22天狗ノコル→ 14:27十六ノ沢登山口

 

 ニペソツ山はゆったりとした山が多い北海道では珍しく、天を突くような鋭鋒で登るのが楽しみだった。前々日、石狩岳で出会った女性の言ったとおり、昨日は雨交じりの天気だったので、登山は諦め道の駅しほろの温泉でノンビリ休養した。

 今朝も雲の多い天気だったが、ニペソツ山の登山口へと車を走らせた。国道273号から左折して前々日の石狩岳へ向かった同じ林道に入り、途中で左折して十六ノ沢林道を遡り登山口に着いた。

 十六ノ沢コース登山口

 登山口は車十数台 が停められる小さな広場で、入山ノートを見ると既に4名程の人が先行しているようだ。倒木と石を伝って十六ノ沢を渡り登山道が始まる。

 緩やかな樹林帯を1時間程登ると平坦な尾根に達し、その後小天狗岳に向かって急登する。注意書きのある岩場を越えて一旦降り、やがて数張りのテントスペースがある天狗のコルに着いた。此処で中年の後夫婦が休憩しており彼らの話しでは、単独の若い男性が先行しているそうだ。

 コース唯一の岩場

 天狗ノコル付近

 この先からハイ松帯となり、霧雨を混じえた冷たい風に身体が冷される。深い霧に視界は殆ど無く、踏み跡を見失わないよう慎重に歩みを進める。尾根道の途中で携帯トイレブースが現れ、自分が前天狗岳を越えた地点に居る事が判った。

 霧深い前天狗岳付近

 踏み跡をしばらく登ると降りに転じ、鞍部の天狗平に着いた。ここからニペソツ山に向かって最後の長い登りが始まる。左手には天狗岳の岩峰と急峻な岩壁が凄い迫力だ。

 天狗岳の岩峰

 黙々と登って行くと上から男性が降りて来た。どうやら先行の男性のようだ。「此処を登れば山頂ですよ。30分程だから頑張ってください。」とエールを送られた。ひたすら急な登山道を登り一旦稜線を乗越して細い尾根伝いに登ると小さな標識が建つニペソツ山(2013m)の山頂だった。登山口を出発してから約4時間余の長い道程だった。

 山頂直下の細尾根

 ニペソツ山山頂

 深い霧で何の展望も無かったが、しばらく待つとガスが切れ始め天狗岳など遠くの山々が見え始めた。先程会った男性は「全く展望は無かった。」と言っていたから、私は良いタイミングで登ってきたようだ。

 山頂から前天狗岳方面

 10分程の滞在で冷たい風が吹く山頂を後にした。来た道を天狗岳まで戻ると、コルで出会った中年後夫婦とすれ違った。「此処を登れば山頂ですよ。」と今度は私がエールを送る。

 天狗平から前天狗岳に登り返して振り返れば、白いガスを纏ったニペソツ山が大きく見えた。天狗のコルを過ぎ小天狗岳の尾根を降って行くと、先程会った単独の男性に追いついた。その後は彼と一緒に降る。

 前天狗岳の登りからニペソツ山

 前天狗岳越しにニペソツ山

 前天狗岳から下山する小天狗方面

 千葉県から来たという彼が言う事には「此処へ来る前、職場へ辞表を提出したのだが、待てよと言ってくれた上司が先に辞めちゃったんですよ。」と深刻な事を世間話しのように語ってくれた。ブラック企業だったのだろうか、まだ若い彼の明るい前途を願うばかりである。

14時半頃に登山口へ戻ってきた。語り合いながらの下山だったので、いつの間にか着いた感じだ。明日フェリーで帰宅するという彼と別れ、登山口の沢で汚れた衣類と身体を洗っていると、糠平温泉駐在所の警察官がミニパトに乗って登山口へやって来た。

 洗ってる姿を見られたのでは?とバツが悪い私に、「昨日糠平温泉の駐車場に泊っていたでしょ。」と声を掛けてきた。田舎のお巡りさんなのによく見てるなあとビックリした。お尋ね者じゃないのに居心地の悪くなった私は、彼から逃げるように登山口を離れた。

 ニペソツ山は予想通りアップダウンが多く長い道程で、けっこう厳しいコースだった。生憎とスッキリしない中での登山だったので、一昨日の石狩岳程心地よい印象は残らなかった。これで残る北海道の三百名山は、日高の山々だけになった。そろそろ里心も湧いてきて、行くか行かぬかは今宵ビールでも飲んで考えよう。

コメント
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