3月10日(日)
NHKホールでコンサートを見たと前回のブログに書いたが、埼玉の片田舎から久々の上京なのでこれだけじゃ勿体ない。ちょうど朝日新聞販売店から「ヒグチユウコ絵画展」のタダ券を貰っていたので、お昼頃に開催されている世田谷文芸館を訪れた。
世田谷文学館へは新宿駅から京王線に乗って芦花公園駅で下車をする。京王線に乗る何て何十年ぶりの事だろう。車窓からの景色も見知らぬ街を見るようだ。芦花公園駅から南へ、洗練された住宅街を5分程歩くと世田谷文学館が在った。
世田谷文芸館
恥ずかしながらヒグチユウコさんという画家の名は、今日の今まで全く存じ上げなかった。彼女は動物や少女をモチーフに描いて活躍する女性画家で、その絵柄は確かに以前何処かで見たような覚えがある。
展示会場入口
展示された作品の多くは猫を中心にした動物や人物像の絵で、その愛らしさに心和むが一抹の不気味さを漂わせており、異次元の世界を覗いた摩訶不思議さも感ずる。
彼女の絵は女性に人気があるようで、会場には若い女性が大勢詰めかけていた。そんな華やいだ雰囲気の中にポツンと希少動物のように居るオジンの私は、だんだん居心地が悪くなり、追われるように会場を後にした。
文学館1階の常設会場には明治の文豪、徳富蘆花に関する作品が展示されており、こちらは観客も少なくて心穏やかに観覧する事ができた。展示場には徳富蘆花が暮らした武蔵野の写真や記事などがあり、中々興味深かった。
展示場の一角に、機械仕掛けの小さな人形と光で表現する「ヌットーニのからくり劇場」というコーナーがあって、これもユニークで大変面白かった。関東地方に住んで40年以上になるけれど、東京には私の知らない面白い場所がまだまだ沢山存在する。