11月5日(火)
食欲の秋、味覚の秋とも言いますが、今の時期は食べ物が一番おいしい季節です。松茸、アワビ、キャビア、トリュフ、スキャキ、寄せ鍋、ふぐちり、サーロインステーキなどと美味しい食べ物は沢山有りますけれど、皆さんの一番好きな食べ物は何でしょうか?
私の場合、それは「ナマコ」何です。漢字で書けば「海鼠(ウミネズミ)」、海底に住む一見毛虫みたいなグロテスクな生き物です。今ではすっかり見掛けなくなった食材で、中には「何じゃそれ?」と言う人も居るんじゃないでしょうか。
どうしてナマコを好きになったのかハッキリした理由は判らないが、父親が大酒飲みで酒のツマミにナマコ酢をしょっちゅう食べてたから、その時につまみ食いして味を覚えたのではないかと思います。コロコロした独特の食感とほろ苦い味わいが、私の舌にマッチして堪えられない美味しさでした。
貧困家庭の我が家でも頻繁に食べられたのだから、私が子供の頃のナマコは、安価な食材だったと思うですが、時が移ろい今では高価な珍味となってしまい、スーパーなどでも滅多にお目にかからなくなってしまいました。たまに居酒屋なんかでメニューにあっても、小皿一つで5~600円以上はします。
そんなナマコが先日近所のスーパーで、一皿390円の価格で売られているのを偶然発見した。宝物を見つけたような気分で購入し、妻にナマコ酢を作ってもらい早速その日の夕食に、ビールのツマミで食べました。
イヤア、実に美味かったですねェ。久々に贅沢な気分を味わえました。色恋沙汰や金儲けには全く縁が無くなった年寄にとって、美味しい食べ物を味わう事は唯一の幸せじゃないでしょうか。たった390円の小さな幸せですけれど。
ナマコ酢(これで390円)