11月17日(日)
昨日は横浜沖で模擬自然葬を体験したが、今日は都内千代田区の明治大学で開催された「2019日本冒険フォーラム」を観覧して来ました。これは稀代の冒険家であり登山家であった故植村直己さんの偉業を讃え、彼の生き方から冒険とは何かを学ぼうというイベントです。
植村さんの故郷、豊岡市がこのフォーラムを主催して、彼の母校である明治大学を会場に4年に一度開催され、今回が3回目となります。私は登山や探検などのノンフィクションものが大好きなので、植村さんの著書は殆ど読んでおり、このフォーラムも最初から全て観覧しています。
開催会場の明治大学アカデミーホール
植村直己さんの紹介パネル
植村直己冒険賞の歴代受賞者紹介パネル
このフォーラムの最大の魅力は、普段滅多に出会えない有名な冒険家や登山家達の姿や声を生で見聞きできる事です。今年は京大総長にして野生ゴリラの研究者、山極壽一氏や、難病で車椅子生活者になった後、パラリンピック射撃の銅メダリストになった田口亜希さん。日本女性で初めて世界第2位の高峰K2に登頂した登山家にして写真家の小松由佳さん。新聞記者から探検家となって今注目を浴びている角幡唯介氏。それに登山好きの女優、市毛良枝さんがゲストとして参加していました。
山極京大総長の基調講演
左から司会の神長幹雄氏(雑誌山と渓谷元編集長)、市毛さん、山極氏、田口さん、小松さん、角幡氏
特に角幡唯介氏については、彼の著書「極夜行」を最近読んだばかりでだったので、どんな人物なのかとても興味がありました。実際に見た角幡氏はとてもアグレッシブで雄弁家、シャイで朴訥だった植村さんとは異なるタイプの冒険家でした。
ゴリラ研究の第一人者、山極氏のゴリラについての生態はとても面白かったし、豪華客船飛鳥の乗務員だった田口亜紀さんが、難病から脊髄を損傷し車椅子生活になった後、苦難を乗り越えてパラリンピックの射撃選手として活躍した話、難峰K2を登頂後に写真家へ転じ中近東などで活動し、シリア難民の男性と結婚して今も活躍を続ける小松由佳さんの話なども大変面白く興味深いものでした。
今回のフォーラムでは「挑戦とは」というのが大きなテーマで、ゲストの人達も「人それぞれに挑戦がある。」と仰ってましたが、とはいえ我々凡人に彼(女)らの真似ができるはずも無く、異次元の話としてただただ聞き入るのみでした。
しかし、どんな小さな事にでも挑戦の心を持つ事が、一回限りの人生に意義と輝きを与えてくれるという言葉には魅かれるものがありました。私の生き甲斐である山登りもあと何年できるだろうかというところですが、老骨に鞭打って出来うる限り多くの山を歩いて人生の意義と輝きを感じ取りたいものだと思います。