12月8日(日)
一般的なニュースになる出来事ではなかったが、少なからぬ天文好きの皆さんが夕闇の月を眺めたのではないだろうか。今日の午後6時19分頃、土星が月に隠される土星食という天文現象が首都圏で観望された。
惑星が月に隠される掩蔽現象はそれ程レアなものでは無く、妻と私が自宅のトイレでバッタリ遭遇する位の確率で発生します。今回は発生したのが観望し易い夕暮れ時、天気が良くて月の影の部分から隠されるという絶好の観望条件だったのです。
寒い中、ベランダから双眼鏡で覗いてみると、土星が月へ少しづつ近づいているのが分かる。天空に張り付いているかのように見える月だが、実際は地球を回る軌道を動いているのが実感できます。
遠くの恒星が掩蔽される時は一瞬で星の光が消失するが、土星はある程度の大きさがあるので、ジワジワと光が小さくなっていった。そして掩蔽されてから約40分後、光り輝く月面の反対側から土星の小さな光が現れた。
澄んだ初冬の夜空に起きた小さな天文ショーだったが、しばし世間の喧騒を離れて宇宙のロマンに浸る事ができました。ところで土星の環っかは倍率100倍ほどの小望遠鏡で見る事が可能です。冬は星空観望のベストシーズン、たまには顔を思いっきり上に向け輝く夜空の星を楽しみましょう。