長年愛用していた登山用のエアーマットが経年劣化のせいか、空気漏れを起こすようになってきた。これでは快適なテント泊や車中泊に支障をきたすので、新たなマットを買う事にした。
幾つか巡った登山用品店には気に入ったものは無く、アマゾンのネット通販で探して購入したのが下記写真のエアーマットです。その断熱性と保温力で野外の寒さから身を護ってくれるエアーマットは、登山用具の中では地味な存在だが案外重要なアイテムです。
そのエアーマットについては、遠い昔に苦い思い出がありました。我々夫婦は都内で結婚式を挙げたその夜に、東京駅から寝台急行「銀河」で奈良県の大峰山脈縦走登山に出掛けたのでした。
その頃でもハネムーンは海外旅行が主流でした。しかし当時登山にのめり込んでいた私は「山男がチャラチャラした旅行何て行けるか」と粋がって、新婚旅行をテント泊登山にしたのでした。
そして翌日、天川村の川合登山口から大峰山脈の最高峰、八経ヶ岳目指して登り始めました。その日は弥山の手前に在る狼平幕営地でテントを設営したのですが、そこでミスった事に気づいた。何処を探してもマット(その頃はウレタンマットだった)が無いのです。
結婚式前後のドタバタに忙殺されて、ザックに収納するのを忘れてしまったのでした。時は11月の末、その夜は草木も凍えるような寒さで、ホカホカの新婚旅行のはずが、シンシンと冷え込む辛くて長い一夜となったのでした。
妻はあの時文句こそ言いませんでしたが、「この人は何てイイ加減なんだろう」とさぞかし不満を持った事でしょう。
エアーマットにはそんな苦い思い出がある私何ですが、この齢になって思うのは、たった一度の新婚旅行に登山何て無粋な事はせず、素直にJALパックで、ハワイかグアム、サイパン辺りへ行っときゃ良かったなと今になって後悔してるのです。