透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

駒ヶ岳

2015-08-13 22:24:58 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温18.7℃、最高気温29.8℃。

先日、函館へ向かう途中、大沼近郊のキジヒキ高原展望台から眺めた駒ヶ岳です。立ちこめる雲から頭をのぞかせていました。

妹トシを失い、押し入れに頭を入れて虎のように泣いたといわれる賢治。「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」にはトシの臨終に戸惑い、恐れおののき、深い悲しみの中で自分を律しようとするも、知と情のはざまでゆらぐ賢治さんの心の内側が透けて見えるようで痛々しい。翌年の八月、樺太へ渡り数編の詩を書いている。その中の「八月一一日の日付で「噴火湾(ノクターン)」という詩の一節に、「駒ヶ岳駒ヶ岳/暗い金属の雲をかぶって立ってゐる/そのまつくらな雲のなかに/とし子がかくされてゐるかもしれない・・・・・・」とあります。

                    

                         《駒ヶ岳 2015年8月9日14:41 キジヒキ高原展望台にて撮影》

 

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