( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57332523.html からの続き)
当時、 僕は毎日 苦衷の日記を、
何頁にもわたって びっしりと書き連ねていました。
分厚い日記帳を 2冊書きつぶしました。
一方 クリストフは、 故国のドイツから 新天地パリへと移りました。
今度こそ 自分の芸術を理解してもらえると、
クリストフは 希望を抱いていました。
しかし彼は、 ここでも再び その期待を裏切られるのです。
彼に対する非難は、 沈黙へと変わりました。
「 クリストフは またもや、 敵意を含んだ 他国の大都市の中で 孤立した。
今までになく ひどい孤立だった。
しかし彼は もはや気にしなかった。
これが 自分の運命である、 生涯この通りだろう、 と
彼は信じ始めていた。
彼は知らなかった、
偉大な魂は 決して孤独でないことを、
時の運によって 友をもたないことがあるとしても、
ついにはいつも 友を作り出すものであることを、
それは 自分のうちに満ちてる愛を 周囲に放射することを、
また、 自分は永遠に孤立だと 信じてる現在においても、
彼は 世の最も幸福な人々より さらに多くの愛を 他から受けていたことを。 」
当時の僕は、 それを必死になって 自分に言い聞かせていました。
僕を最も救ってくれた 言葉のひとつです。
〔 「ジャン=クリストフ」 ロマン=ロラン (岩波文庫) 豊島与志雄 訳 〕
(次の記事に続く)