「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

本人の可能性を信じ、 それを伝える (2)

2010年03月13日 20時53分27秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
(前の記事からの続き)

 重要なのは、 本人の力を信じて、 希望を捨てないことです。

 本人が簡単にできることより、

 少し努力を要することに トライするよう励ますことが ポイントです。

 本人は一生懸命やっているということを 理解するのが大切です。

 「無理しなくていいよ」 という一言が、

 分かってもらえているという 安心感になります。


「きみが思っているよりも、 進歩している」

 といった 肯定的な言葉賭が基本です。

 不充分な点は これからクリアしていけばいいのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 ボーダーの人が しばしばそうであるように、 心子も 大変な頑張り屋でした。

 幼いころ、 父親に認めてもらいたい気持ちから きたものかもしれません。

 大変な計画を 最後までやり遂げてしまうこともあれば、

 現実離れした目標を打ち立てて 潰れてしまうこともありました。

 心身打ちひしがれて 息も絶え絶えのようなときでも、 心子は仕事に行こうとしたり、

 友人のカウンセラーに なろうとしてしまいます。

 心子は  「休む」 ことができなかったのです。

 僕はむしろ、 心子に休むように促しました。

 「休むことも 『仕事』 なんだよ」

 心子は 僕が諭したその言葉を 何度もつぶやきながら、

 ようやく休むことを 覚えていったのです。
 
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