「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

意図的なコミュニケーション (9)

2014年07月04日 21時25分34秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

◇ 禁句

 非承認的な言葉や、 本人の考えや感情が 間違っているという言い回しは

 避けてください。

・ 別の考え方, 感じ方をするよう命じる:

  「感情的になるのはやめなさい」 「幸福に感じるべきよ」

・ 認識の仕方を否定する:

  「言い争うほどのことじゃないのよ」

・ 感情を過小評価する:

  「動揺するほどのことではないよ」

・ 判断し、 ラベル付けをする:

  「感情的すぎるよ」 「怒りっぽい人ね」

・ けなすような問いかけをする:

  「一体どうなってるの?」 「どうしてこんなことで大騒ぎするの?」

・ 「いつも」 または 「決して」 と言う:

  「いつも 君のせいで台無しだ」 「あなたは私を 決してほめないわ」

◇ あるコミュニケーション方法

 重要な話題を持ち出すとき 最初にするのは、

 「気分はどう?」 と尋ねることです。

 「動揺させてしまうかもしれないんだけど」 と 心の準備をさせます。

・ 「あなたを認めてないように 聞こえるかもしれないけど、

  そんなつもりじゃないのよ」

・ 「あなたの気持ちを 傷つけてしまうかもしれないけど、

  気兼ねなく話せるようにしておくのは、 長い目で見て 一番いいと思うの」

  「私は」 という 一人称を用います。

・ 「私は 圧倒されそうな気持ちよ」

・ 「私は 批難されているような気がするの」

・ あなたの気持ち、 ある程度理解できるわ。 でも私が変えられることではないの」

 相手の感情に 共感的な言葉を述べます。

・ 「どうしてそんなふうに思うのか、 分かるわ。

  (承認が相手に伝わるように、 少し時間を取ります)

  でもね……」

・ 「私があなたの立場だったら、 同じように感じたでしょうね。

  でも、 傍から見ると、 こんなふうに映るの ……」

 BPDの人が 感情をコントロールできなくなったら、

 しばらく別のことをすれば、 衝動的にしなくなる可能性が高まります。

 BPDの人は 多くの安心と慰めの言葉を 必要とします。

 コミュニケーションの方法を発展させるには 何年もかかります。

 しかし 結局はうまくいくのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする