(前の記事からの続き)
◇ 禁句
非承認的な言葉や、 本人の考えや感情が 間違っているという言い回しは
避けてください。
・ 別の考え方, 感じ方をするよう命じる:
「感情的になるのはやめなさい」 「幸福に感じるべきよ」
・ 認識の仕方を否定する:
「言い争うほどのことじゃないのよ」
・ 感情を過小評価する:
「動揺するほどのことではないよ」
・ 判断し、 ラベル付けをする:
「感情的すぎるよ」 「怒りっぽい人ね」
・ けなすような問いかけをする:
「一体どうなってるの?」 「どうしてこんなことで大騒ぎするの?」
・ 「いつも」 または 「決して」 と言う:
「いつも 君のせいで台無しだ」 「あなたは私を 決してほめないわ」
◇ あるコミュニケーション方法
重要な話題を持ち出すとき 最初にするのは、
「気分はどう?」 と尋ねることです。
「動揺させてしまうかもしれないんだけど」 と 心の準備をさせます。
・ 「あなたを認めてないように 聞こえるかもしれないけど、
そんなつもりじゃないのよ」
・ 「あなたの気持ちを 傷つけてしまうかもしれないけど、
気兼ねなく話せるようにしておくのは、 長い目で見て 一番いいと思うの」
「私は」 という 一人称を用います。
・ 「私は 圧倒されそうな気持ちよ」
・ 「私は 批難されているような気がするの」
・ あなたの気持ち、 ある程度理解できるわ。 でも私が変えられることではないの」
相手の感情に 共感的な言葉を述べます。
・ 「どうしてそんなふうに思うのか、 分かるわ。
(承認が相手に伝わるように、 少し時間を取ります)
でもね……」
・ 「私があなたの立場だったら、 同じように感じたでしょうね。
でも、 傍から見ると、 こんなふうに映るの ……」
BPDの人が 感情をコントロールできなくなったら、
しばらく別のことをすれば、 衝動的にしなくなる可能性が高まります。
BPDの人は 多くの安心と慰めの言葉を 必要とします。
コミュニケーションの方法を発展させるには 何年もかかります。
しかし 結局はうまくいくのです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕