(前の記事からの続き)
○ 境界特性その2
・ 皆さんは 誰かの求めに応じて 境界を設けましたか?
それとも 全員のニーズの バランスを取ろうとしましたか?
・ 皆さんの意図は、 罰する, あるいはコントロールすることでしたか?
それとも、 全ての要因をもとにし、 理に適った計画を立てることでしたか?
ほとんどのノン・ボーダーの人は、 自分以外の全員に配慮しようとします。
「ノー」 と言っていいことや、
自分のニーズは 他の人のニーズと同じように 重要だということは、
思いもよらないのです。
『皆さんの境界は、 皆さんのためのであり、 他の人のためのものではありません。
それは 皆さん自身, 他者, 人間関係を尊重することになるのです。』
BPDの人は、 境界を
彼らを罰する, コントロールするためのものと 見なすことがあります。
彼らにとっては、 感情は事実に等しいものです。
もし 皆さんが妥協するとしても、
皆さんの感情が重要でないから という理由ではなく、
皆さんが 「そうしたいから」 という理由でしてください。
だからこそ皆さんは、 自分が何を望み、 何を必要としているかを
はっきりさせる必要があるのです。
○ 境界特性その3
この演習をした人の中には、
諸経費が主な関心事で、 芝刈りは大した問題ではない という人もいます。
きれいな家に 価値を置く人もいます。
『それぞれの人が、 それぞれ異なる 境界のスタイルを持っています。』
境界は 次の3点で変わってきます。
1. 境界の透過性: 境界がどれほど厚いか薄いか
2. 境界の柔軟性: 境界がどれほど可変的か
3. 境界の複雑さ: 境界がどれほど 相互に入り組んでいるか
私たちは 自分自身の境界スタイルを持っており、
それは 上記3つの相互作用によります。
融通の利かない境界を 持つ人もいるし、 大雑把で柔軟な人もいます。
高機能のBPDの人の中には、 かなり厳格な境界を 持つ人もいる一方で、
non-BPDの中には、 何でも受け入れてしまう人がいます。
そのため彼らは 圧倒された気持ちになるのです。
境界の相違は、 衝突や不満の原因となります。
しかし、 しばしば 別のことが原因に見えたりします。
例えば お金, 子供, 約束を破ったなどについての 争いに見えるのです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕