(前の記事からの続き)
このカウンセラー養成講座の課題には、 ひとつの条件がありました。
何らかの形でハッピーエンドにする、 ということです。
ハッピーエンドにするためには、 自分の中にカウンセラーを想像し、
カウンセラーを育まなければならないからだそうです。
そうすることによって、 自分の中にある 何か大切なものを
引き出すことになるのではないかと、 感じた課題でした。
ところでこの課題では、 僕は冒頭から順に 文章を書き進んでいきました。
書きながら考えが広がり 変化していきました。
結末は、 最初 自分でも想像しなかったものでした。
従来 僕がシナリオ (マンガ原作やドラマなど) を書く際は、
結末・クライマックスから 先に作っていました。
それが一番描きたいこと, 伝えたいことであるわけです。
そのクライマックスへ持っていくために、 話を逆算して構成していきます。
それはシナリオ作法 (さくほう) の ひとつの王道です。
構成から完成までは、 何十回となく書き直します。
僕のシナリオは 構成がしっかりし、説得力があるというのが定評でしたが、
一方で、 計算されすぎていると言われたこともありました。
ところが この魔法使いの話では、 それと正反対の作り方で、
先がどうなるか分からないまま、 結末も見えず書いていきました。
しかも、 パソコンで清書をする際に、 ほとんど修正をしませんでした。
推敲・加筆を積み重ねるのが 自分の書き方でしたが、 それに縛られないやり方でも、
自由な発想で 活き活きしたものができるのだなと 思いました。
(言うまでもなく、 ごくごく短い話だから できることなわけですが。
また、 昔に1度だけ描いた 童話のアイデアも使いました。)
専らシリアスなものばかり 書いていた僕ですが、
書くことをやめた今でも、 こんなものが書けるんだと 思った次第です。