「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーラインとの関係の 神話を放棄する (3)

2015年05月29日 20時55分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ18 (3)
 
_ 「もう1回やってみましょう。 それからまた 同じことに挑戦しましょう」
 
  これも泥沼状態です。
 
  効果のないものは諦めましょう。
 
ex. 離れて暮らす ボーダーラインの母親を、 年に一度訪ねる 息子の話です。
 
  帰路の前日、 母親は息子を挑発して 大口論を始めようとします。
 
  息子は、 母親が見捨てられたと感じていると推測し、 口論に備えました。
 
  母親の攻撃に対して、 息子は口論の変わりに、
 
  訪問中に知った母親のことを 穏やかに暗誦しました。
 
  母親が 息子を自己中心的だと責めると、
 
  息子は冷静に、 多分当たっていると答えました。
 
  母親は  「二度と話したくない」 と 息子を勘当しました。
 
  息子は、 気持ちが変わるかもしれないので、
 
  電話してもいいし、 嫌ならしなくてもいいと答えました。
 
  3週間後、 母親は 口喧嘩などなかったように電話をし、
 
  数ヶ月後には その出来事すら否定しました。
 
  息子は3つのことを学びました。
 
  第一に、 やられっぱなしでいることはできない。
 
  第二に、 母親がぶら下げた餌を かじる必要はない。
 
  そして最も重要なのは、 自分が 「操作に耐える」 ように変われて、
 
  母親の愛と思いやりを ありがたく思えたことでした。
 
_ 「BPに 自分の行動の責任を 取らせることはできません」
 
  これは次の神話と 関係しています。
 
  「私は怒っていないし、 怒るべきではありません」
 
  そしてこう進んでいきます。
 
  「ボーダーラインは生物学的な障害なので、 誰もBPに腹を立てるべきではない」
 
  BPは ボーダーラインを選んだわけではありませんが、
 
  治療を受けるかどうかを 選択することはできます。
 
  その時点で、 あなたはBPの決定に どう反応するか決めねばならず、
 
  BPは 自分とあなたの決定の結果を 受け入れなければなりません。
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
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