(前の記事からの続き)
※ アクション・ステップ18 (3)
_ 「もう1回やってみましょう。 それからまた 同じことに挑戦しましょう」
これも泥沼状態です。
効果のないものは諦めましょう。
ex. 離れて暮らす ボーダーラインの母親を、 年に一度訪ねる 息子の話です。
帰路の前日、 母親は息子を挑発して 大口論を始めようとします。
息子は、 母親が見捨てられたと感じていると推測し、 口論に備えました。
母親の攻撃に対して、 息子は口論の変わりに、
訪問中に知った母親のことを 穏やかに暗誦しました。
母親が 息子を自己中心的だと責めると、
息子は冷静に、 多分当たっていると答えました。
母親は 「二度と話したくない」 と 息子を勘当しました。
息子は、 気持ちが変わるかもしれないので、
電話してもいいし、 嫌ならしなくてもいいと答えました。
3週間後、 母親は 口喧嘩などなかったように電話をし、
数ヶ月後には その出来事すら否定しました。
息子は3つのことを学びました。
第一に、 やられっぱなしでいることはできない。
第二に、 母親がぶら下げた餌を かじる必要はない。
そして最も重要なのは、 自分が 「操作に耐える」 ように変われて、
母親の愛と思いやりを ありがたく思えたことでした。
_ 「BPに 自分の行動の責任を 取らせることはできません」
これは次の神話と 関係しています。
「私は怒っていないし、 怒るべきではありません」
そしてこう進んでいきます。
「ボーダーラインは生物学的な障害なので、 誰もBPに腹を立てるべきではない」
BPは ボーダーラインを選んだわけではありませんが、
治療を受けるかどうかを 選択することはできます。
その時点で、 あなたはBPの決定に どう反応するか決めねばならず、
BPは 自分とあなたの決定の結果を 受け入れなければなりません。
(次の記事に続く)
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
(星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕