「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「それでもボクはやってない」 (1)

2007年02月05日 20時20分07秒 | 映画
 
 周防正行監督の 11年ぶりの最新作です。

 実際にあった 痴漢冤罪事件をベースにして、

 あたかも ドキュメンタリーのように作られています。

 主人公の男性(加瀬亮)が、満員電車のドアに挟まれた 自分のコートを引き抜こうと

 手を動かしていたのを、前にいた女性に 痴漢と間違われたこと,

 それを目撃していた 別の女性の証言があったこと,

 友人や家族達が総出で 電車内の再現実験をして、

 主人公に犯行は無理だと 実証したことなど,

 事実をそのまま踏襲しています。

 もちろん 事実とは違う部分もあり、ラストに向かいます。

 実際の事件の経緯は 僕も報道を通じて よく知っているので、

 話の流れは分かっているわけですが、それでも 引き込まれて観てしまいました。

 但し、周防監督が作る必要が あった作品なのか、とは思ってしまいますが。

 
 周防監督は この冤罪事件を取材するうちに、日本の裁判のシステムに疑問を抱き、

 人権侵害への怒りや 冤罪を生む土壌を 訴えたかったといいます。

 僕も以前、裁判官のことを調べたことがあるので、

 信用していた日本の裁判でも 冤罪は充分ありうるのだ ということは知っていました。

 でも それを実写で表現した この作品を観て、

 もし自分が 無実の罪を着せられたときの 裁判の恐ろしさを、

 実感として感じました。

 元々 物証のない痴漢事件では、

 やっていないということを 被疑者側が証明しなくてはなりません。

 それは やったことを証明するより はるかに難しいことです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44904348.html
 

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