「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「私は魔法使いに会いました。」

2014年10月21日 20時18分31秒 | 心理
 
 昨日と同じ カウンセラー養成講座のセッションで、 もうひとつの課題がありました。

 「私は魔法使いに会いました。 3つの願い事を 叶えてくれると言いました。」

 という書き出しに続けて、 物語を書くものです。

 下記が、 僕が書いたものです。

                   *

 「私は魔法使いに会いました。 3つの願い事を 叶えてくれると言いました。」

 私は願い事を考えました。

 私は人生の夢を 叶えられていませんでした。

 2つの願い事が すぐ思いつきました。

 ひとつ目は、 人生の時計を戻してほしい。

 夢を目指して歩んでいた あの頃まで。

 ふたつ目は、 芸術的な一流の才能を 与えてほしい。

 3つ目は……、 少し考えて思い浮かびました。

 人の気持ちを理解し、 優しくできる 強い心を持ちたい。

 初めのふたつは、 私が元々 人生に求めていたことを 叶えるためのものです。

 3つ目は、 挫折した今の自分だから、 欲しいと思ったものだと気付きます。

 どんな願い事をするかによって、 今の自分が分かります。

 今までの人生がどうだったか。

 何を失い、 何を得てきたのかが。

 私は 魔法使いに尋ねました。

 「あなたは私を試しているんですか?

 どうして 願い事を叶えるなんて言うんですか?

 あなたは誰?」

 「私は誰でもないよ。

 私は、 ただの鏡だよ」

 魔法使いの姿は、 私の姿に変わっていきました。

 そこには、 ちょっと疲れた 私の姿がありました。

 鏡の中の私は、 私の願いを 叶えてくれるのでしょうか? 

 3つの願い事のうち、 初めのふたつは 私には叶えられません。

 でも、 3つ目の願いは、 自分でも叶えられるのではないかと思いました。

 鏡の中の私は、 静かに微笑んでいました。
 

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