朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

日韓シャーマニズムと舞踊

2009-06-22 | 伝統芸能
日本芸能史講座にて。(2009-06-01)
 諏訪春雄名誉教授(学習院大学)の講義。
 シャーマニズムとは、巫を仲介者に神霊と交流する宗教現象について。
 韓国は現代でも盛んにムーダン等が行われている。
 日本では、沖縄のユタ、恐山のイタコ程度。
 その歴史。韓国朝鮮では、1933年、当時の朝鮮総督府調査が現在でも基本文献となっている。
 「舞踊」という用語。明治の翻訳語だそうです。坪内逍遥の「新楽劇論」。それまでの、舞い、踊りに換えて使用したが、さらに、振りの三要素に分析した。
 舞いは、「まわる」から。旋回する。
 踊りは、跳躍運動。

 (数十年前(戦前)の学説や資料が中心で、ちょっと退屈なお話でした)

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韓国朝鮮の舞踊

2009-06-16 | 伝統芸能
日本芸能史講座の「日韓比較芸能史」、今回は韓国朝鮮の舞踊でした。(6月15日)
 最初の30分は、ペ・リファさんの講義。氏名の漢字は左の写真を参照してください。
 在日2世。鄭(ソンミン)氏に師事して韓国朝鮮伝統舞踊を習得、現在は「梨花舞踊学園」(京都)を設立しその代表。

 1.ファン・ジニ(黄真伊)の紹介。16世紀朝鮮王朝時代に実在した名妓。NHKで今年の3月まで、彼女のドラマが放送されました。NHKのウェブを見たところ、大変にきれいな女優さんが演じてます。

 2.チェ・スンヒ(崔承喜)、1930年代日本統治時代の舞姫、戦前の日本にて公演して大変な人気があったそうです。朝鮮解放後にDPRK(北朝鮮)に移住しその後は不明。

 実演がありました。
1.花扇舞
2.教坊舞
3.教坊5鼓舞
4.教坊長鼓舞
5.楽器演奏(チャンゴ)
6.韓国民謡 鳥打令(セタリョン)に合わせて踊る大衆舞踊

 講師ご本人の舞踊、お弟子さんのプロの方、そして生徒さんたちの楽器演奏や民謡(5&6)がされました。
 いづれも、衣装が大変に華やかでした。赤、黄、緑、青、白など原色がいっぱい使われています。
 とても楽しい講義でした。



梨花舞踊学院・リファダンスアリラン 代表梨花(ペェリファ)のウェブより引用



 鄭美紀さん(鄭美紀韓国伝統芸術院代表)が助演しました。

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舞楽(高麗楽)(こまがく)

2009-06-10 | 伝統芸能
日本芸能史の第7回。
 天王寺楽所(てんのうじがくそ)から、解説の方、雅楽演奏者そして舞人も来訪されました。実演がありました。
 別名、狛楽とも書きます。右楽(うがく)とも。

 蘇利古(そりこ)
 納曽利(なそり)

 蘇利古は、不思議な面をつけて踊りました。四角い紙のような白い面に幾何学的な目、鼻、口、ほほ、耳が描いてあります。
 千と千尋の。。。の映画で、大きな風呂やに来る神様の雰囲気を思い出しました。
 踊りかたは、まず、相撲のしこを踏むような形から入ります。

 楽器の説明が、いろいろとありましたが。ちょっとノート取れていません。

 舞台の左手が東を表し、太陽をシンボルとする赤。および金の金具。
 右手は西を表し、月。色は青。金具は銀、だそうです。

 
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みをの会

2009-06-09 | 伝統芸能
京舞井上八千代のファン交流会です。でも、とてもオープンで、エコひーき無し。(えらい!!)
 井上流本家の中にある稽古場で、踊りと座談会を拝見拝聴できるとのこと。
 がんばって、日曜日の夕方でかけました。



 前売り券はない、当日開演2時間前の午後5時に整理券配布とポスターに書いてあるので、午後4時20分頃に井上家の前に行くともう40~50人の行列でした。定員70名でとりあえずセーフ。



 開場少し前に、玄関が開いて入れて頂きました。
 井上流は、祗園甲部芸舞妓の京舞家元です。
 年末の12月13日「事始め」といって、お弟子さん(芸舞妓さん)の鏡餅がずらりと並ぶ床の間のある稽古場です。ここで、師匠から「おきばりやっしゃ」と舞扇が手渡されます。手元の本の写真では、部屋の外側に障子が入っていますが、今回は6月で夏のすだれに模様替えしてありました。

 をどりは、まず、井上八千代さん。
 「水鏡」、「一目も知らぬ男なら、恨みも恋もあるまいものを、なまぜ近江の水鏡、写してみれば水底は、かたい堅田の石山に、....と恋歌に近江八景を読み込んである「地唄」でした。

 これは、色っぽい踊りですが、近江八景の文言があって有名な風景の連想が色気を中和しています。

 次は、お嬢さんの井上安寿子さん。「露の蝶」(地唄)

 続いて、「蘆刈(笠之段)」(義太夫)、井上八千代さん。
 「名にし負ふ、難波の浦の濱風に、もまれて育つ蘆の葉を、いで々刈りて参らせん、...

 これは、男舞い。勇ましいきびきびした舞いです。小道具もいくつか登場しました。蘆の枝、笠、扇。扇をクルクルまわしたり、投げ捨てたりと、大変動的でした。小道具は、能と同じものだそうです。

 解説と司会は小山さんという女性。多分、先代のお弟子さんかな。この会をお二人で二十数年前に始めたそうです。
 座談では、質問を紙で受け付けて、八千代さんが色々と回答したり話題を膨らませてお話しされました。
 正に、伝統文化ですね。



 (上記は表象文化論学会第4回大会(2009-07-04)ポスターから引用)



 この日は祗園白川の辰巳橋にて、「放生会」(ほうじょうえ:人が生きるために生き物を食料などにしていることに感謝)が比叡山延暦寺の主催で開催され、沢山の金魚が放流されました。まだ多くの金魚が逃げないで、同じ場所に群がっていました。...ここはゴイ鷺の縄張りなのでいつまでもここにいると食べられてしまうよ。(...それも、輪廻かな)
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野村萬斎

2009-06-01 | 伝統芸能
おや、もう6月ですね。もうじき梅雨、そして暑い夏が来ます。

能ジャンクション「葵上」。

 造形芸術大の公開講座。無料の一般公開講座があったので聴講してきました(5月30日)。企画と司会は渡邊守章氏(演出家、舞台芸術センター所長、教授)。

 まず、1987年に上演された「葵上」の舞台を撮影した映像を鑑賞しました。約1時間。
 その「前衛舞踊」に出演した野村氏と、その演出を担当した渡邊氏が、当時の状況やこの舞台芸術の狙いを対談しました。野村氏は、当時21歳。
 もう一人の主演は、能楽師の観世栄夫氏。

 能「葵上」のあらすじは、光源氏の正妻葵上がお産に際して、物の怪が付き苦しんでいた。巫女に物の怪の正体を占わせたところ、前の皇太子の妃で未亡人である六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の生霊(いきりょう)であった。御息所の恨みの原因は、光源氏の気移り、賀茂の祭見物の際の葵上との「車争い」であった。

 舞台の演出は、観世栄夫の能と、若き野村萬斎のアクロバティックな舞踊と特異な語りで構成されていました。
 
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ムーダン

2009-05-21 | 伝統芸能
韓国のムーダン(巫座)に関して講義と実演を見ました。
 造形芸術大の提携大学である韓国芸術綜合学校の伝統芸術院から、梁性玉(ヤンスンオク)教授と踊り手(先生(男)と女子学生2名が来日してくれました。
 伝統的なムーダンの基本的な舞りのパターンについて、実演を交えて講義がありました。
 その後、3名の舞台舞踊に構成したムーダンの舞が披露されました。

 音楽は録音でしたが、神秘的なリズムと音階です。
 舞踏は、西洋のバレーのように、きりっとした芸術に進化していました。
 踊り手も、清楚な大変に美しい女学生と美男子でした。

(内容が重複しますが、消えたと思った原稿を突然発見したので、下記に掲載します)

「韓国の巫俗舞」、毎週の伝統芸能講座です。
 今回は、韓国芸術綜合学校伝統芸術院教授の梁性玉(ヤンスンオク)先生が講演されました。
 実演として、2名の同大学の女子学生がまずは基本の振りを舞台で示してくれました。
 後半は、音楽に合わせて、1名の男性舞踊家を加えて、20分程度の舞踊がありました。
 伝統のムーダン(巫堂:シャーマン、女性が多いが男性のこともある)をモチーフにして、舞台舞踊として芸術的に形式化してあるものでした。衣装も、舞台に合わせてデザインされていました。
 女子学生の踊り手さんは、卵型の顔の形で髪の毛をぴったりと押し付けて後ろで結び、細い眉毛を横に流して、典型的な韓国美人でした。

 ムーダンの種類、舞踊の形式など詳しい解説が、丁寧にヤン先生から講義されました。内容についてはここでは省略します。
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通し狂言「小笠原騒動」

2009-05-16 | 伝統芸能
南座でこの5月に公演している、若手役者の歌舞伎を見てきました。
 小笠原諸礼忠孝(おがさわら しょれいのおくのて)

 実に、歌舞伎らしい、勧善懲悪、派手で、綺麗。現代的に、ダイナミックな演出もあり、実際の水を大量に使い、水車をまわして役者がぐるぐる回転する。客席にまで水を飛ばす。幽霊が空に上る。キツネが飛び回る。
 やたらと、刃物が振りまわされて、人が切られる。子供、乳児も殺される。
 梯子を使った大立ち回り。

 見所が満点でした。
 4人組の若手「花形」の役者さんたち、有名な父を持ちますが、なかなかがんばっていました。



 今回は、3階席にて鑑賞しました。双眼鏡も持参です。

 芸妓さんと同伴で鑑賞に来ていた年配のお客さんも劇場内の喫茶室で見かけました。
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韓国のシャーマニズム

2009-05-12 | 伝統芸能
造形大「日韓伝統芸能史」の続編。
 この日は、韓国のシャーマン、神がかりになる人々と宗教、民族の伝統文化のお話しがありました。
 講師は崔吉城(チェ キルソン)先生。1940年生まれ、ソウル大学卒業、72年に日本留学、文化人類学専攻。

 アジアのシャーマニズム、特にシベリア満州朝鮮の伝統的シャーマンについて、画像映写の交えながら、飄々とされるお話しを拝聴しました。

 「神がかり」、トランス状態になる。その手段として、煙(お香)、ダンス、音楽、酒、麻薬(南米の場合)などがあります。伝統的な状況では、現代の法律とは別の基準や文化があるといくつかの実例の説明がありました。

 韓国では、現在キリスト教の信者数は30%に近い。その中でも、伝統的なシャーマンの儀式を取り入れて信者を増やしている教会がある。
 その背景として、戦前の儒教は男性優位、父性優先の教義があり、儒教では否定されていた母娘関係や子供の存在と尊厳を認識したシャーマニズムやキリスト教が受け入れられたのではないか。

 一方で、ソ連時代にシベリアの伝統は迷信として廃絶され、また現代の中国ではシャーマニズムはほとんど消滅したとの説明がありました。
 日本でも、東北の恐山、沖縄に少数のシャーマンが残るだけです。

 ※講演では触れませんでしたが、現代も(現代だからこそ)新興宗教やオカルト集団では、秘儀行事、秘蹟、歌・ダンス、(薬物による)トランスなど、多種のシャーマン的「宗教」活動はあるだろうと思いました。



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別所西獅子舞

2009-04-28 | 伝統芸能
日本芸能史(京都造形芸術大)の新学期です。今年のテーマは「日韓比較芸能史」。今回は、兵庫県姫路市別所町の氏神、日吉神社の秋祭りに奉納される獅子舞を鑑賞しました。
 由来などの説明講演の後、実演「神楽の舞」、ビデオ「舞の紹介」、実演「天の舞」が演じられました。
 威風堂々たる雄獅子と優しく気品のある雌獅子。二人立ち(二人が一頭の前後となって演ずる)は大変迫力がありました。
 獅子の頭は、正倉院の御物にも納められています。
 「獅子」は、古代の日本には居なかったライオンを必ずしも意味するのではなく、鹿(しし)あるいはいのししなどの獣の肉をシシと称したことからの呼称です。
 一旦廃れそうになったのですが、昭和53年に保存会を結成して舞の維持と後進の育成に努めておられます。
 2009年は10月10日と11日に、別所西の日吉神社にて開催されます。


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狂言の会

2009-02-23 | 伝統芸能
茂山一家が出演した狂言を鑑賞してきました。
 主催は京都市上京区の福祉団体、会場は同志社大学の寒梅館でした。
 85歳の茂山千之丞さんが冒頭の演目解説をしたあと、なんと第2番目狂言の主演もされました。 

演目1.
 「濯ぎ川」(すすぎがわ)
  現代ものです。といっても1952年に飯沢匡の作。原典はフランス劇。恐妻とその母(姑)が、養子の夫をいたぶるお話しでした。
 夫:佐々木千吉、女房:茂山童司、姑:茂山あきら

演目2.
 「素袍落」(すおうおとし)
 これは古典。太郎冠者の主人が伊勢参りを思いつく。それを伯父に伝えに行くことを指示される。主人には伊勢帰り土産の心配があるので、使用人の太郎冠者が同行することを内緒にしろと命じる。しかし伯父宅では、太郎冠者にお祝い酒もふるまわれ、その言いつけを守れない。餞別に素袍(礼式衣装)を頂くが隠さねばならない。それを、酔っ払って、主人の前でつい取り落とす。
 主人:茂山童司、太郎冠者:茂山千之丞、伯父:綱谷正美

 いつもながら、とても楽しい伝統芸能を鑑賞しました。
 公演はチャリティでした。
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