ジョディ・フォスターの4作目となる映画監督作で、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが共演を果たしたリアルタイムサスペンスが、6月10日に公開されたのでさっそく初日に見に行ってきました。
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NHK朝イチに、監督のジョディ・フォスターが出演してインタビューを受けていたので楽しみにしていました。
現代のテレビ局の生番組。その舞台裏の現場が中心となる場面です。
米国大統領選挙でも争点となっている強欲資本主義の典型、株式売買で巨額の利益を上げる一握りの人物に対して、損失を被る大衆。
自殺覚悟でテレビ局のスタジオに押し込む犯人、その入室チェックにテレビ局警備員の油断といい加減な勤務態度が存在します。恐らく多くの米国の現場ではこの種の「形式的には厳しい手続き」が規定されているが、実際は慣れによる手抜きがあり上司のチェックがゆるい。
とある株式取引運営会社の株式へ投資して、一夜で持ち金の全てともいえる6万ドル(640万円)を失った労働者階級の男が、その株を推奨したテレビキャスターのシューン・リーに必死の抗議に来たのが発端でした。
ネタバレになるので、以降のストーリーは映画をご覧ください。最初から最後まで、ハラハラドキドキさせてくれます。もっともハリウッド映画なので、主人公が死ぬことはないだろうとは思いつつ。
Glitch(グリッチ)という言葉が中盤では、ストリーを引っ張ります。字幕では「バグ」(コンピュータプログラムの誤り)と翻訳されていました。私にはあまり聞いたことがない言葉だったので、帰宅後に調べてみました。単なる「誤り、欠陥」とは一線を画して、「突然の故障」を示すシステムや機械用語のようですが、日本ではコンピュータゲームの世界では知られている言葉でした。
最近、第三者による「システム監査」の必要性と重要性を授業で取り上げたばかりだったので、この言葉が印象に残りました。この映画のケースでは、単に「監査」では発見できなかったでしょう(重要なプログラミングをパートタイム風韓国人にまかせていたとの設定ですが・・・それは現実企業では疑問)。結果論で、SEC(連邦証券取引委員会)の強制捜査をまたないとその容疑は解明されません。
将来日本でも同様なソフトウェア不正操作の事例はあるかもしれないと感じます。実際、2年位前の「ビットコイン」事件でマウント・ゴックス社長はその種の不正で告発されています。(一方で、ついに三菱東京UFJ銀行では、ビットコインと同等な仮想通貨「MUFGコイン」の取り扱いを開始すると報道されています)