今年の春から、血圧の薬を処方されるようになりました。人間ドックでの指摘で追加の診察を受けました。自覚症状は特にはないが、血圧が基準より高く年令とともに血管の老化もあるので投薬治療となりました。小さな錠剤を、1日に1回飲むだけなのでほとんど負担はありません。その効果は抜群です。かなり昔に発明された薬品なので、効用・副作用なども十分に実証されているようです。
医薬品の効果はすばらしい。サプルメントでは、いくら宣伝で「血圧低下に効果がある」としていても実感はありませんでした。しかもサプルメントは高い。
処方箋を持参して薬局で薬を購入しました。
日本の医療制度は大変にありがたい。70日分の医薬品が、わずか820円でした。後発医薬品(いわゆるジェネリック)なので安いのかなと、明細の欄を眺めてみました。ただし、この2.3倍の費用約1900円を健康保険が支払ってくれます。
領収書の内訳を仔細に見ると、「薬剤料」が医薬品自体の点数(価格に対応)のようです。だとすると、保険合計点の約25%に相当し、残りの75%は販売店へのマージンです。
医者が処方箋で明確に指示した医薬品名称と分量を、商店の棚か倉庫から探してきて数量を確認し、「お薬手帳」なる帳票用に関連情報をプリントアウトするだけ。それで、製薬会社の取り分よりも3倍も大きい金額を受け取っています。
すこしググって見ると、こんな説明がありました。2018年4月から制度変更があった模様。
https://www.nicho.co.jp/topics/detail/18666/
医者が指示した薬を出すだけで、それも薬品製造会社がパックして薬品名や分量を明記した錠剤を持ってくるだけで、「原価」の2倍以上もの手数料「調剤技術料」を課しています。「薬学管理料」も大げさな名称ですが、お薬手帳に貼るシールをプリントアウトするだけ。社内規則なのでしょうが「おかげんはどうですか?」とか質問されますが、それは医者に質問されて答えているので、こんな場所で聞かれても、ねえ?
先日の報道では、京大病院の薬剤師2名が業務上過失致死容疑で書類送検されました。事件は昨年秋、病院内での点滴薬の調合において、投入する薬品の分量を1000倍間違えて作成し患者が死亡したことでした。
このような複数の薬品を混ぜる調合作業の重要性・責任ならば、薬剤師の技術料に納得がいきます。
いつの間にか、大学の薬学部が6年制になっています。ですが、町中の薬局では多くの場合、所定の薬品を棚から出してきて袋に詰める、その情報を手元のPCで検索してプリントアウトする程度の仕事。それには過剰な教育ではないでしょうか。
薬学部を卒業して、製薬会社で研究開発に従事するならば6年制の学部教育は納得できます。
患者にとって、医薬品への支払いが少ないことはありがたいことですが、いわば過剰とも思える「調剤技術料」「薬学管理料」は、国家全体の医療費の増大を招いていると思えます。・・・
この記事の発端は、70日分も薬もらって(買って)えらい安いな、と思ったこと。でも明細を見ると「原価」は1/4だと書いてありました。国として、医療費の削減、医療の実質はなるべく水準を下げないで、非合理的な経費を削減したい、と考えるのが自然ですよね。おそらく、今年4月の改正で、処方箋医薬品の明細書に内訳を具体的に明記すること、これは数年以内の「調剤技術料」等の削減に向けての、第一歩だと思います。徐々に規制緩和を図って、「薬剤師」が本当に実施するべき役割を明確にして、薬品会社が納品して薬品名や数量を選ぶ、そして確認(二人で)だけの作業は、なんとか販売員資格でOKとする。・・・そのためには、薬学部の定員を削減するべし、でも大学行政は文科省、医療薬品は厚労省ですから、簡単ではない、など。でしょうか?