■先日、小笠原警察署主催の交通安全教室が行われました。
これは毎年、春と秋の交通安全週間に行われる催しです。
うちは毎回家族で行くのですが、
毎度毎度、「ああ、来て良かった!!」と思わされるのです。
実体験を伴う警察官の事故の悲惨な話、
島であっても気を付けなければいけない交通安全、
事故を起こした加害者、被害者とその家族のドラマDVDの上映があります。
今回の講話も日々の運転に潜む怖さについて再確認しなければ!と思ったので記事を書くことにしました。
これは全国でも行われていることと思います。
もっと多くの方に来てもらいたいものです。
■今回のDVDは「償いの十字架」というタイトルの映像でした。
ある代々続く和菓子屋を経営している若い夫婦が主人公です。
ある日、小学生の息子さんが自転車で出かけている時に、
小さな住宅地の交差点で車と接触し、頭部を打ちます。
両親は連絡を受けて病院に駆け込みます。
幸いにも小学生の男の子は軽傷で命に別状はありませんでした。
頭を下げる加害者は、
「すみません。ちょっと考え事をしていたんです…」
父親は
「ふざけるな!!何かあったらどうしてくれるんだ!!」
と殴り掛かりそうなほど心配していました。
この気持ちよく分かります。
その後、男の子は無事に退院し、普通の日常に戻ります。
和菓子の配達で忙しいある日、
その男の子と約束した誕生日プレゼントのサッカーボールを買いに行くのに、
お店の閉店時間があと少しに迫っていることに気付きます。
父親は大急ぎで買い物に向かうのですが、
道は渋滞で間に合う気配がありません。
そこで、裏道を使い、お店に急ぐのです。
しかし、裏道の住宅街で人をはねてしまい、思わず逃げてしまいます。
その後、やはり罪悪感にかられ、現場に戻ると人が集まり、
男性が倒れていました。
救急車の音が響き渡ります。
轢かれた男性は手術を受けます。
手術室の外には奥さんと中学生くらいの娘さん。
連絡を受けて謝りに来た轢いた男性の父親。
ご主人の容体がまだ不明な奥さんは「帰って下さい!」と叫びます。
その後、轢いた男性が警察で事情聴取を受けている時に、
魅かれた男性が死亡したことを聞いて愕然とします。
魅かれた男性の奥さんは体調を崩し、
線香を上げに行く加害者家族を受け入れません。
加害者家族は、
家業の和菓子もキャンセルが相次ぎ、立ち行かなくなります。
子どもは学校や外でいじめや疎外感を受けます。
子どもは自分で考え、被害者家族の元に誤り行きます。
「うちのお父さんがごめんなさい!」と。
被害者の奥さんは加害者家族に電話越しに叫びます。
「子どもを二度と来させないで!!」
加害者奥さんは子どもの誕生日のサッカーボールを贈ります。
刑務所に服役中のの父親からのせめてものの気持ちでした。
このボールを買いに急ぐあまりに、
人を殺してしまったお父さん。
複雑な気持ちでボールを受け取ります。
母親とは被害者の家に謝りに行った話をし、泣きます。
公園で友達が疎遠になっていく中、
この事故のきっかけとなったボールを空高く蹴り捨てます。
胸が引き裂けるような思いでした。
気丈に振る舞うお嫁さん。
家業が立ちいかなくなり、アルバイトに子育てに頑張りますが、
長い年月で疲労の色が濃くなります。
ほんと色んな苦労が想像つきます。
刑務所で奥さんと面会する加害者。
この事故の少し前は自分が被害者家族だったのです。
どんなに反省しても亡くした命は戻ってこないのです。
服役の数年間が過ぎ、
すっかり老け込んだ加害者の男性。
事故現場に花を添えに向かいます。
被害者の家族はどこかに引っ越してしまったそうです。
取り返しのつかないことをしてしまったと泣きじゃくるのです。
■母島の交通の中心地、ガジュ下と売店。
島のみんなが集う、憩いの場です。
ここも何度も危ない光景を見ています。
毎回、飲酒運転やこういううっかり運転の事故の映像を見る度に、
自分自身の運転を気を付けなければと痛烈に思うのです。
昔、ちょっとなら大丈夫と思っていた飲酒運転も、
島で交通講話を聞いてからは一切やめました。
僕自身、車に轢かれた経験もありますし(その時は軽傷で1000円渡されて、去っていきました)、
学生時代に自転車等で人と接触事故を起こしてしまったこともあります。
あの時の学びは本当に大きいことでした。
しかし、人は時間と共に記憶が薄れ、
気を付けようと思っていたことが、つい疎かになってしまいます。
こういう機会にハッとさせられることはとても有難いのです。
間違いなく、交通事故は他人事ではなく、自分にも家族にも起こりうることなのです。
慌てて運転してはいけないし、
大丈夫、人はいないだろうの「だろう運転」は危険なのです。
■参加者の多くは島に住む公務員の方です。
これは職場から指令があり、出向いてきている人が多いと思います。
自主的に来ている人は少数に思います。
でも、もっともっと多くの人に来てもらいたいのです。
みんなが少し危ない、ヒヤリとする場面は少なからずあると思うのです。
事故を起こしてしまった加害者、被害者、そしてその家族、それに関わる多くの人。
多くの人を不幸にしてしまう交通事故を常に気を付けなければ、と思うのです。
■父島でも17年くらい前に死亡事故が発生しています。
福祉センター先の交差点での巻き込み事故です。
若い命が巻き込まれたと聞いています。
母島でも20年以上前に飲酒運転で横転し、
はさまれて亡くなった現場には今も花が添えられています。
それ以外にも島であっても
重傷までいかない事故や物損事故は毎年数件は発生しています。
個人的にも島で危ない!と思った箇所にミラーを設置してもらった事があります。(迅速に動いていただいて、本当に感謝です!)
■この機会に毎度、僕が母島に暮らす意味について考えます。
僕はおっちょこちょいで、座っているとすぐ眠気が襲って来やすい性分と自覚しています。
気を付けて集中している時は大丈夫ですが、
ついイレギュラーの時は危ない場面があったことが幾つもあったのも事実です。
田舎暮らしというものは、ほとんどの場合、車社会を意味します。
田舎は都会の様に公共交通が発達しません。
面積が広いし、採算が合わないからです。
母島は田舎ですが、
その規模の小ささから、車社会というよりは、徒歩やバイクで暮らせてしまう田舎なのです。
(車も実際はそれなりに走っていますが、信号もなく数も内地の田舎の非ではないです)
島を運転する人の多くは、子どもやお年寄りがいる集落はゆっくり運転だし、
近くを走るときはとても大回りに避けてくれる人が多いです。
なんて優しい島なのだろうと思います。
子育てしていく上でこれはとても重要なファクターです。
僕の個人的な考えですが、
自分の性質を考えて、
内地で暮らしていたら、僕は早々に交通事故で自分は死ぬと本気で思っています。
もしくは映像にもあったような重大な事故を起こしかねないと思っています。
長時間、長距離運転する機会が多い内地の暮らしは、
僕にとっては命を縮めることになると、本能で思うのです。
言葉を変えて言えば、超・車社会で生き残れる自信が僕にはありません。
家族を養うため、子どもの命を守る為、自分たちの暮らしを守る為にも、
車の少ない田舎・母島で暮らすことはとても意味があると思っています。
飲んだ後も歩いて帰れる範囲にすべての家がある母島。
子どもが歩ける範囲にすべての人の暮らしがある母島。
小さな地域故に歩きで事足りる母島。
色んな島を見て回りましたが、
僕にとっては母島は交通事情的にも自分に合っていると思っています。
本当に有難いと思っています。
島に赴任されてる警察官、そしてその家族の皆さんにもほんと感謝です!!
去年、カナダで500km以上、帰国して東京~岐阜~富山~新潟~山形~仙台~東京と超距離を運転する機会がありました。
そんな時も家族で運転するのは僕一人なので、
本当に気を付けて、何度も仮眠を取って運転しました。
車は簡単に人を殺せます。
とても危ないものです。
そのことを常に気を付けて暮らしていきたいと思います。
毎度毎度、ハッとさせられる機会を設けて頂いて、
交通安全協会の皆さん、小笠原警察署の方にはほんとうに感謝です。
ありがとうございました!
Youtubeに飲酒運転の悲惨さを描いた映像を見つけました。
この機会にどうぞ↓
~受刑者の手記を元にした再現ドラマ「命の重さ・大切さ」~
もう、誰もあなたを信じない~すべてを失う飲酒運転の代償
これは毎年、春と秋の交通安全週間に行われる催しです。
うちは毎回家族で行くのですが、
毎度毎度、「ああ、来て良かった!!」と思わされるのです。
実体験を伴う警察官の事故の悲惨な話、
島であっても気を付けなければいけない交通安全、
事故を起こした加害者、被害者とその家族のドラマDVDの上映があります。
今回の講話も日々の運転に潜む怖さについて再確認しなければ!と思ったので記事を書くことにしました。
これは全国でも行われていることと思います。
もっと多くの方に来てもらいたいものです。
■今回のDVDは「償いの十字架」というタイトルの映像でした。
ある代々続く和菓子屋を経営している若い夫婦が主人公です。
ある日、小学生の息子さんが自転車で出かけている時に、
小さな住宅地の交差点で車と接触し、頭部を打ちます。
両親は連絡を受けて病院に駆け込みます。
幸いにも小学生の男の子は軽傷で命に別状はありませんでした。
頭を下げる加害者は、
「すみません。ちょっと考え事をしていたんです…」
父親は
「ふざけるな!!何かあったらどうしてくれるんだ!!」
と殴り掛かりそうなほど心配していました。
この気持ちよく分かります。
その後、男の子は無事に退院し、普通の日常に戻ります。
和菓子の配達で忙しいある日、
その男の子と約束した誕生日プレゼントのサッカーボールを買いに行くのに、
お店の閉店時間があと少しに迫っていることに気付きます。
父親は大急ぎで買い物に向かうのですが、
道は渋滞で間に合う気配がありません。
そこで、裏道を使い、お店に急ぐのです。
しかし、裏道の住宅街で人をはねてしまい、思わず逃げてしまいます。
その後、やはり罪悪感にかられ、現場に戻ると人が集まり、
男性が倒れていました。
救急車の音が響き渡ります。
轢かれた男性は手術を受けます。
手術室の外には奥さんと中学生くらいの娘さん。
連絡を受けて謝りに来た轢いた男性の父親。
ご主人の容体がまだ不明な奥さんは「帰って下さい!」と叫びます。
その後、轢いた男性が警察で事情聴取を受けている時に、
魅かれた男性が死亡したことを聞いて愕然とします。
魅かれた男性の奥さんは体調を崩し、
線香を上げに行く加害者家族を受け入れません。
加害者家族は、
家業の和菓子もキャンセルが相次ぎ、立ち行かなくなります。
子どもは学校や外でいじめや疎外感を受けます。
子どもは自分で考え、被害者家族の元に誤り行きます。
「うちのお父さんがごめんなさい!」と。
被害者の奥さんは加害者家族に電話越しに叫びます。
「子どもを二度と来させないで!!」
加害者奥さんは子どもの誕生日のサッカーボールを贈ります。
刑務所に服役中のの父親からのせめてものの気持ちでした。
このボールを買いに急ぐあまりに、
人を殺してしまったお父さん。
複雑な気持ちでボールを受け取ります。
母親とは被害者の家に謝りに行った話をし、泣きます。
公園で友達が疎遠になっていく中、
この事故のきっかけとなったボールを空高く蹴り捨てます。
胸が引き裂けるような思いでした。
気丈に振る舞うお嫁さん。
家業が立ちいかなくなり、アルバイトに子育てに頑張りますが、
長い年月で疲労の色が濃くなります。
ほんと色んな苦労が想像つきます。
刑務所で奥さんと面会する加害者。
この事故の少し前は自分が被害者家族だったのです。
どんなに反省しても亡くした命は戻ってこないのです。
服役の数年間が過ぎ、
すっかり老け込んだ加害者の男性。
事故現場に花を添えに向かいます。
被害者の家族はどこかに引っ越してしまったそうです。
取り返しのつかないことをしてしまったと泣きじゃくるのです。
■母島の交通の中心地、ガジュ下と売店。
島のみんなが集う、憩いの場です。
ここも何度も危ない光景を見ています。
毎回、飲酒運転やこういううっかり運転の事故の映像を見る度に、
自分自身の運転を気を付けなければと痛烈に思うのです。
昔、ちょっとなら大丈夫と思っていた飲酒運転も、
島で交通講話を聞いてからは一切やめました。
僕自身、車に轢かれた経験もありますし(その時は軽傷で1000円渡されて、去っていきました)、
学生時代に自転車等で人と接触事故を起こしてしまったこともあります。
あの時の学びは本当に大きいことでした。
しかし、人は時間と共に記憶が薄れ、
気を付けようと思っていたことが、つい疎かになってしまいます。
こういう機会にハッとさせられることはとても有難いのです。
間違いなく、交通事故は他人事ではなく、自分にも家族にも起こりうることなのです。
慌てて運転してはいけないし、
大丈夫、人はいないだろうの「だろう運転」は危険なのです。
■参加者の多くは島に住む公務員の方です。
これは職場から指令があり、出向いてきている人が多いと思います。
自主的に来ている人は少数に思います。
でも、もっともっと多くの人に来てもらいたいのです。
みんなが少し危ない、ヒヤリとする場面は少なからずあると思うのです。
事故を起こしてしまった加害者、被害者、そしてその家族、それに関わる多くの人。
多くの人を不幸にしてしまう交通事故を常に気を付けなければ、と思うのです。
■父島でも17年くらい前に死亡事故が発生しています。
福祉センター先の交差点での巻き込み事故です。
若い命が巻き込まれたと聞いています。
母島でも20年以上前に飲酒運転で横転し、
はさまれて亡くなった現場には今も花が添えられています。
それ以外にも島であっても
重傷までいかない事故や物損事故は毎年数件は発生しています。
個人的にも島で危ない!と思った箇所にミラーを設置してもらった事があります。(迅速に動いていただいて、本当に感謝です!)
■この機会に毎度、僕が母島に暮らす意味について考えます。
僕はおっちょこちょいで、座っているとすぐ眠気が襲って来やすい性分と自覚しています。
気を付けて集中している時は大丈夫ですが、
ついイレギュラーの時は危ない場面があったことが幾つもあったのも事実です。
田舎暮らしというものは、ほとんどの場合、車社会を意味します。
田舎は都会の様に公共交通が発達しません。
面積が広いし、採算が合わないからです。
母島は田舎ですが、
その規模の小ささから、車社会というよりは、徒歩やバイクで暮らせてしまう田舎なのです。
(車も実際はそれなりに走っていますが、信号もなく数も内地の田舎の非ではないです)
島を運転する人の多くは、子どもやお年寄りがいる集落はゆっくり運転だし、
近くを走るときはとても大回りに避けてくれる人が多いです。
なんて優しい島なのだろうと思います。
子育てしていく上でこれはとても重要なファクターです。
僕の個人的な考えですが、
自分の性質を考えて、
内地で暮らしていたら、僕は早々に交通事故で自分は死ぬと本気で思っています。
もしくは映像にもあったような重大な事故を起こしかねないと思っています。
長時間、長距離運転する機会が多い内地の暮らしは、
僕にとっては命を縮めることになると、本能で思うのです。
言葉を変えて言えば、超・車社会で生き残れる自信が僕にはありません。
家族を養うため、子どもの命を守る為、自分たちの暮らしを守る為にも、
車の少ない田舎・母島で暮らすことはとても意味があると思っています。
飲んだ後も歩いて帰れる範囲にすべての家がある母島。
子どもが歩ける範囲にすべての人の暮らしがある母島。
小さな地域故に歩きで事足りる母島。
色んな島を見て回りましたが、
僕にとっては母島は交通事情的にも自分に合っていると思っています。
本当に有難いと思っています。
島に赴任されてる警察官、そしてその家族の皆さんにもほんと感謝です!!
去年、カナダで500km以上、帰国して東京~岐阜~富山~新潟~山形~仙台~東京と超距離を運転する機会がありました。
そんな時も家族で運転するのは僕一人なので、
本当に気を付けて、何度も仮眠を取って運転しました。
車は簡単に人を殺せます。
とても危ないものです。
そのことを常に気を付けて暮らしていきたいと思います。
毎度毎度、ハッとさせられる機会を設けて頂いて、
交通安全協会の皆さん、小笠原警察署の方にはほんとうに感謝です。
ありがとうございました!
Youtubeに飲酒運転の悲惨さを描いた映像を見つけました。
この機会にどうぞ↓
~受刑者の手記を元にした再現ドラマ「命の重さ・大切さ」~
もう、誰もあなたを信じない~すべてを失う飲酒運転の代償