もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中韓の対北姿勢の謎

2017年12月01日 | 社会・政治問題

 北朝鮮に対し、中国が経済制裁を強化する一方、韓国が800万ドルの人道支援の手続きを開始した。

 11月29日の新型ICBM発射前の動きであるため、マスコミはミサイル発射により両国の対応に変化があるかもしれないと報じているが、一連の動きは中韓の共同シナリオであり変化はないと思っている。さらに中国は、北朝鮮に派遣した特使が金正恩と会見できないほどに影響力が低下したことを国際的に示す演出まで用意していた。中国の経済制裁強化は、制裁に最も効果的と思われる石油製品を人道支援の名目で禁輸対象から除外したままであり、その他の物資については同族支援の名分を隠れ蓑にできる韓国を使嗾して援助する絵図かと考えている。本質は、北朝鮮非核化の試みは失敗したとの判断にたって、核攻撃目標から自国を除外するための苦肉の策と見るのが適当ではないだろうか。韓国も日米韓の枠組み強化よりも中国を仲立ちとして北に微笑を送ろうとの魂胆がみえみえで、二股膏薬・蝙蝠外交の極致と思う。中国は国連安保理の場で北朝鮮問題解決の糸口として米韓合同軍事演習の中止を求めているが、核の放棄を促す材料としてはいかにも小さく・不釣り合いと言わざるを得ないが、中国としては今は一歩の地歩を得ることで良しとしているのだろう。韓国が腰砕けしてしまえば中国の九段線は、対馬西水道にひかれることになるのだろう。

 日本も、避難所の拡充を企図したり、過去最高額となる防衛予算案を計上したりと、まさに泥縄の様相を呈しているが、昭和元禄のツケを今にして払わされるのだろう。かつて自衛隊を"税金泥棒"と罵倒した方々の所感を聴きたいものである。