今上陛下が84歳の誕生日を迎えられた。
御長寿にお祝いを申し述べるとともに、皇太子殿下へ譲位される再来年の4月30日まで天皇としての務めを果たされる決意を表明されているお元気さに敬意を捧げたいと思う。天皇制は戦後の占領軍による東京裁判や憲法草案作成下に危機的状況に置かれるとともに、一億総懺悔を主張するマスコミ、時勢に阿る俄かコミュニスト、ソ連の指示・後押しを受けた日本共産党の活動によっても一部国民から否定される存在となっていたものの、昭和天皇の全国行幸や朝鮮戦争を機に訪れた復興の加速に従って、往年の尊厳に復し現在に至っていると思う。日本共産党は天皇制否定の綱領を未だ持ち続けているが、そのことは頑迷なオールドコミュニストの妄言で広く国民の支持を得たものではないと思っていたが、皇室会議の席上で赤松広隆衆院副議長が譲位の日程に関し12月31日退位・1月1日即位を主張し、その理由を「天皇が元旦に行う行為は、私的なもので国民には関係ないため」としたことに驚きを感じた。確かに天皇が元旦に国家の平和と国民の安寧を祈る行為は神教色の濃いもので憲法が定める政教分離の精神からは国事行為とはできないであろうし、公的行事として法律にも規定することはできないと思う。しかしながら、数百年に亘り継承された元旦の行事は、周囲の目を最大限に意識したパフォーマンスではなく密やかに国民を代表して神と歴代天皇に祈願するもので、全国民のうち国家鎮護と全国民のために祈るのは陛下だけであると思う。国民に関係ないとした赤松議員の日本人としてのアイデンティティを疑うもので、議員の元旦の祈り・誓いを聴いてみたいものである。
赤松氏は、土井たか子、横路孝弘と並んで社会党退潮の原因を作った人物と理解している。社会党、民進党、立憲民主党と渡り歩いたが、常に党中党を築く口舌の徒で、だからと言って新党を立ち上げる程の人望と気力に欠ける人物とも思うが。如何に。