もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

羽生永世7冠と井山7冠に国民栄誉賞

2017年12月14日 | 社会・政治問題

 羽生永世7冠と井山7冠に国民栄誉賞が内定した。実際は検討の段階であるが"決定"としても良いと思う。

 両棋士の戦績は言うに及ばず高潔な人格をも彷彿とさせる言動も、授賞に相応しいと考える。ザル・ヘボ・今朝のメニューさえ覚束ない自分としては驚異のことであるが、一流棋士は自己の対局のみならず主要な対局の棋譜を全部諳んじているという。また、次の一手から派生される千変万化を長考の上読み解くなど想像を絶することである。近年、棋士とコンピュータの対決が興味を持たれ、現在では棋士の方が若干劣勢に立たされている。その原因を問われた羽生九段は、棋士が負ける原因は「棋士が恐怖心を持っていることだ」と答えている。"負けるかも知れない""負けた場合どうなるか"等々、コンピュータには無い感情が、失着・緩手を生むという事だろう。コンピュータの世界も量子コンピュータの出現で演算速度はさらに向上するとともに、AI機能でより人間に近い世界に移行しようとしている。となると、AIが人間に近い判断力を持った場合、記憶力は人間を凌駕するものの"この対局に負けたら壊されるかもしれない"というような恐怖心から悪手・緩手を指すようになるのだろうか。ともあれ、両棋士の才能と研鑽に対し満腔の敬意を払うものである。

 ダブル受賞の例では、長嶋茂雄氏の授賞に際して松井秀喜氏にも授賞されたが、松井氏よりも、アジア人のメジャーリーグ挑戦に先鞭をつけるとともに、帰国後は少年野球チームを主宰する等社会貢献している野茂英雄氏を顕彰すべきと考えたが、今回のダブル受賞については文句のつけようがないと思うところである。