トランプ政権とロシアの密約関係に対して疑惑が囁かれている。
大統領選挙においてトランプ政権誕生のためにロシアがクリントン陣営攻撃に加担した疑惑は、現時点ではほぼ確実視されており、現在ではトランプ陣営の、誰が、誰の指示で、いつの時点でロシアに接触したかに焦点が当てられているようである。また、疑惑発生後の捜査に関する司法妨害の有無についても追及されている。外国の支援を受けた候補者が大統領になったという前代未聞の事態であり、加えて候補者が共和党であったことからもマスコミ報道は日本以上に過熱しているようである。そんな中にあって、大統領補佐官がロシアと接触した時期を誤報したABCが、記事の訂正を行うとともに取材した記者を停職処分としたことは、ジャーナリズムの自浄を示す一服の清涼剤と感じられるものである。振り返って、「安倍信三記念小学校」報道の朝日新聞や、事実無根の質問を繰り返す社会部記者を放置する東京新聞を例にするまでもなく、誤報・虚報にも平然としている日本のジャーナリズムは真に信頼に足る存在なのだろうか。会社・団体の不祥事には担当者の処罰のみならず、監督者の責任を厳しく追及するジャーナリストが、自己の不祥事については頬被りするのは許されることだろうか。
一旦、活字とされたり放送された誤報は受け手の記憶に刷り込まれ、訂正記事や訂正放送では救済し得ない禍根を残すものと思う。他人の痛さを知るために我が身をつねる自浄努力を日本のジャーナリストに求めるものである。