もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

相模原事件被告の奇行に思う

2020年01月09日 | 社会・政治問題

 相模原の障害者施設で45人を死傷させた事件の公判が開始された。

 昨日の第1回公判で、植松聖被告は冒頭に一片の謝罪をした後自分の指を噛切るかの奇行を演じて、退廷を命じられたことが報じられた。裁判で弁護人は、犯罪が被告の「自己愛性パーソナリティ障害」と大麻常習による心神喪失によって行われたもので責任能力がないために無罪を主張するものと観られていた。このことから、裁判を傍聴していた被害者親族の一人が、「被告の行動は、病状を衆目にアピールするためのパフォーマンス」と一蹴しているが、全く同感である。加えて自分は、そこに弁護士の使嗾の悪意をも感じるものである。山口県光市の母子殺人事件の控訴審で被告は、一転して遺族に謝罪するとともに動機や行動の意味について荒唐無稽な主張を繰り出して、大方の顰蹙を買うとともに法廷戦術として詐術を弄した弁護人は懲戒請求の嵐を浴びた。植松被告についても、逮捕後の取り調べや拘置中のメディア取材に於いては一片の謝罪もなく、犯行動機についても曲りなりにも理路整然・一貫して繰り返し主張していたと報じられており、取材を続けていた記者ですら被告の奇行は唐突・奇異に感じられたそうである。ゴーン被告の不法出国に関して弁護士事務所のPCの任意提出を求められた弁護団は、守秘義務を盾に提出を拒否したそうである。この3件に見られるように、弁護士は詐術を弄することや悪事・不法行為に加担することへの免罪符を与えられているのだろうかと疑問に思わざるを得ない。

 被告が患っているとされ・聞きなれない「自己愛性パーソナリティ障害」についても勉強した。ドクトルまんぼう北杜夫氏は著書で”民間病院で病名や治療法が分からないときは「大学病院」に行きなさい。大学病院では「少なくとも病名」だけは付けてくれる”と諧謔的に書いていたので、当該障害は植松被告のためだけの病名かと思っていたが、既に1925年には提唱されていたことを知った。特徴は「ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型」とされており、人口の1%が一生のある時点で一度は経験、女性よりも男性に、老年者よりも若者に多いとされていた。ウィキペディアには16項目の症状が挙げられていたので、自己診断を試みたが数個は該当してしまった。専門医が診断すれば該当項目は更に増えると思うので、自分も自己愛性パーソナリティ障害者の範疇で、軽易な失策や軽犯罪については責任能力を問われないのかも知れない。