野党3党の合流が現実味を増し、新生最大野党としての旗揚げも近い情勢である。
今回の合流は、次期総選挙での比例当選が危ぶまれる国民民主党の若手議員の突き上げに端を発した国民民主党の立民合流の動きに、総選挙での得票率2%という1点でかろうじて政党要件を維持していた社民党が相乗りした3党合流構想と思っている。合流する3党の主張は、憲法、安保、天皇制、及びエネルギー(原発)の各分野で微妙に趣を異にしているため政策合意に手間取っているかと思いきや、政策の大異・小異は議論の他で、単に国民民主党が立憲民主党に吸収されるとの印象を持たれないために党名の変更を求めている1点であるように感じられる。希望の党から衣替えしたものの離脱者が相次ぐとともに党の主張までもあやふやとなった感がある国民民主党であるが、吸収合併を糊塗してメンツを保とうとする見栄がせめてもの意地であろうか。この3党合流についての世論調査が報じられたが、全体では54%の人が合流に大義は無いとし、3党支持者の間でも合流を支持する割合は立民39%、国民民主55.3%、社民党12.3%に留まっている。折に触れて民意の尊重を説く各党であるが、この数字に示された民意を既に体感しているのだろうか流石に合流は民意とする意見は聞かれない。それとも民意は為政者が負うもので、自分たちは従う必要は無いと思っているのであれば、大方の民意を無視してテロや内戦に明け暮れる狂信的な原理主義者と同根ではとも考えられる。憲法改正を是とする意見が過半数を超える頃から、野党の常套句が「少数意見の尊重」に変化したことを思えば、今回の合流も保身や政党交付金のためではなく、少数意見を尊重したのかも知れない(笑)。この合流で野党の支持率は上昇するかと云えば、立憲民主党3%減、国民民主党0.5%増、社民等0.4%増と大きな変化はなく、単純計算では3党併せて2%の下落と観ることもできる。
1月6日に行われた総理の年頭記者会見では、時間の関係から2問とされた質問のうち、朝日新聞の記者が「お花見問題」を質したそうである。米イの武力衝突の危険性が高まり、自衛隊の派遣が秒読みとなり、総理の中東歴訪を間近に控え、ゴーン氏は逃げ・・・と多難な年明けの貴重な質問が「お花見問題」とは。朝日新聞は「お花見問題」が喫緊かつ最重要課題と民意が感じていると認識しての行動なのだろうか。昨日のブログで記事で、ネット議論(書き込み)に参加しないサイレント・マジョリティーは、極端な主張に毒されない賢さを持っているとの著述を引用したが、政党や候補者を選ぶ際に我々は最早マスメディアも信用することはできないのかも知れない。